不動産の集客方法とは?有料・無料の施策を比較|空室率を下げるポイント - GTN MAGAZINE
日本語
日本語
English

不動産の集客方法とは?有料・無料の施策を比較|空室率を下げるポイント

「賃貸物件の空室が埋まらない」「ポータルサイトに掲載しても問い合わせが増えない」こうした悩みを抱えるオーナーや管理会社は少なくありません。

この記事では、不動産の集客方法を費用対効果で比較し、空室率を下げる実務戦略を解説します。

またポータルサイト依存からの脱却、外国人入居者の受け入れによる集客チャネル拡大まで、オーナー・管理会社が実践できる施策を具体的に紹介します。

不動産集客がうまくいかない3つの原因

集客施策を講じているのに成果が出ない場合、原因は手法そのものではなく、集客の構造に問題があることが多いです。ここでは、賃貸経営で陥りやすい3つの落とし穴を整理します。

1.ポータルサイト頼みで自社の集客導線がない

不動産ポータルサイトは、賃貸集客の定番ツールです。ただし、ポータルサイトだけに依存する状態は、掲載料の上昇リスクを常に抱えることになります。

不動産ポータルサイトの掲載料金は枠ごとに数万円から数十万円で、上位表示を狙えば月額100万円を超えるケースもあります。問い合わせ課金型を採用しているサイトでは、初期リスクは低いものの、反響が増えるほどコストが膨らむケースもあります。

ポータルサイト経由の問い合わせは他社物件との比較が前提になるため、成約率が自社サイト経由と比べて低くなる傾向があります。自社の集客導線を持たずにポータルサイトだけに投資し続けると、広告費が利益を圧迫する状態が続きます。

2.ターゲット層を絞り込めていない

「とにかく空室を埋めたい」という焦りから、ターゲットを絞らずに広く募集をかけるケースがあります。しかし、ターゲットが曖昧なままでは物件の訴求ポイントがぼやけ、誰にも刺さらない掲載内容になりがちです。

たとえば、単身者向けの1Kをファミリー層にも訴求しようとすると、写真の選び方も設備の強調ポイントもずれてしまいます。物件の特性に合ったターゲット層を明確にし、その層が求める情報を優先的に掲載することが、問い合わせ率の改善につながります。

近年は外国人入居者や高齢者、ペット飼育者など、従来は対象外とされてきた層への間口を広げることで空室率が改善した事例も増えています。ターゲット戦略の見直しは、集客改善の第一歩です。

3.物件情報の見せ方が入居希望者の不安を解消できていない

物件情報の掲載内容が「間取り・家賃・最寄り駅」だけでは、入居希望者の判断材料として不十分です。特にオンラインで物件を比較する層は、写真の枚数や質、周辺環境の情報量で物件の印象を決めています。

入居後の生活をイメージできる写真(キッチンの収納、日当たりの状況、共用部の清潔感など)を充実させるだけで、問い合わせ数が増えたという事例は少なくありません。築年数が古い物件でも、リノベーション箇所や設備更新の履歴を明記することで、不安の解消につながります。

不動産集客の集客方法|費用対効果で比較

集客方法は「無料施策」と「有料施策」に分かれます。それぞれの特徴と費用目安を把握し、自社の状況に合った組み合わせを選ぶことがポイントです。

無料で始められる集客方法(Googleビジネスプロフィール・SNS・自社サイトSEO)

コストをかけずに始められる集客方法は、長期的な資産になりやすい反面、成果が出るまでに時間がかかる点を理解しておく必要があります。

集客方法即効性持続性ポイント
Googleビジネスプロフィール(MEO)Google検索・マップの露出を獲得/地域検索(今すぐ客)に強い
SNS運用(Instagram・YouTube)低〜中写真・動画で認知拡大/潜在層へのブランディング・指名検索の強化
自社サイト(SEO)中長期の資産型集客/幅広い見込み客にリーチ

※持続性・即効性は一般的な目安であり、業種・地域・運用体制・外注先によって変動します。

※検索反応率などの数値は各種調査会社・業界レポートに基づく参考値であり、条件により異なる場合があります。

※本表は一般的なマーケティング手法の比較であり、効果を保証するものではありません。

Googleビジネスプロフィールの登録は無料で、口コミの蓄積が信頼性の向上に寄与するため、実施しておきたい施策です。

SNS運用では、Instagramが物件写真との相性が良く、周辺環境の紹介や入居者の声を発信することで、ポータルサイトでは伝わりにくい「暮らしのイメージ」を届けられます。

有料の集客方法(ポータルサイト掲載・リスティング広告・チラシ)

有料施策は即効性がある一方、継続的なコストが発生します。費用対効果を定期的に検証し、成果が出ない施策は早めに見直すことが大切です。

集客方法費用目安即効性持続性ポイント
月額固定型ポータルサイト月数万〜100万円超掲載枠数と表示順位で料金が変動
問い合わせ課金型ポータルサイト1問い合わせあたり数千円〜数万円反響が増えるほどコスト増
リスティング広告月5〜50万円地域キーワードで絞り込むと効率的
チラシ・ポスティング1回5〜30万円近隣エリアのオーナーへの認知拡大向き

※費用は目安であり、エリア・競合性・掲載順位・配布数・クリック単価などにより大きく変動します。

※即効性は施策開始から反響発生までの速度、持続性は施策停止後の効果残存性を指します。

※ポータルサイト・広告施策は継続出稿により効果を維持するモデルです。

ポータルサイトは依然として集客の中心ですが、掲載料を踏まえると、ポータルサイト「だけ」に頼る体制はリスクが高いと言えます。

リスティング広告は「地域名+賃貸」「地域名+管理会社」などのキーワードで出稿すると、検討段階の高い層にリーチできます。

集客方法ごとの費用目安と成約率の傾向

集客方法の選択で見落としがちなのが、「問い合わせ数」と「成約率」の違いです。ポータルサイト経由の問い合わせ数は多くても、比較検討が前提のため成約率は相対的に低くなる傾向があります。

一方、自社サイトやGoogleビジネスプロフィール経由の問い合わせは、物件や会社への関心が高い状態で来るため、成約率が高くなりやすいです。問い合わせ1件あたりの獲得コスト(CPA)だけでなく、成約1件あたりのコストで比較すると、施策の優先順位が変わることがあります。

月々の広告予算が限られている場合は、まずGoogleビジネスプロフィールの最適化と自社サイトの運用から着手し、成果が安定してからポータルサイトの掲載枠を見直すことを検討しましょう。

空室対策として外国人入居者を受け入れるメリット

従来の集客手法に加えて、近年注目されているのが外国人入居者の受け入れです。在留外国人数の増加を背景に、「外国人受け入れ可」とするだけで問い合わせが増えるケースが報告されています。

外国人入居者の需要が増え続けている背景と数値データ

在留外国人数は年々増加しており、2025年末時点で約412万人に達しています。2022年末に300万人を超えてからわずか3年で100万人以上増えた計算です。

在留外国人数
2022年末3,075,213人
2023年末3,410,992人
2024年末3,768,977人
2025年末4,125,395人

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」

在留外国人の増加に対して、外国人が入居可能な物件の供給は十分とはいえない状況です。こうした需給ギャップを背景に、外国人受け入れに対応するオーナーが選ばれやすくなるケースもあります。

「外国人受け入れ可能」の募集でどう変わる?

募集条件に「外国人可」を加えるだけで、物件の問い合わせ数が増加するケースは珍しくありません。外国人向けの賃貸ポータルサイトや、外国人専門の不動産仲介サービスからの紹介が加わるためです。

日本の賃貸市場に慣れていないため、物件探しの負担が大きく、条件に合う物件が見つかればそのまま住み続けるケースもあります。

さらに、入居中の外国人がSNSや口コミで物件や地域の情報を発信し、それを見た知人や同僚が入居を希望するという紹介の連鎖も発生しています。広告費をかけずに次の入居者が決まるこの効果は、集客コストの削減にもつながります。

家賃滞納リスクの対策

外国人入居に対する懸念として、家賃滞納リスクを挙げるオーナーは少なくありません。
ただし、家賃保証会社を利用することで、滞納発生時の一定のリスク軽減が期待できます。

保証会社を利用せずに直接契約する場合は、オーナー自身が督促や回収対応を行う必要があります。一方で、保証会社の利用を入居条件とすることで、家賃回収に関する負担や金銭的リスクを抑えやすくなります。

近年では、外国人入居者への対応実績を持つ保証会社も増えており、家賃滞納リスクは「仕組み」で備えやすくなっています。

外国人の受け入れで起きやすいトラブルと具体的な防止策

外国人の受け入れを検討する際に、家賃滞納以外にも気になるのが生活トラブルです。ただし、トラブルの多くは、「知らなかった」「伝わっていなかった」といった情報伝達の問題が背景にあります。原因を理解すれば、対策は明確になります。

言語の壁によるルール認識のズレを契約前に解消する

日本の賃貸ルール(ゴミの分別方法、退去時の原状回復義務、深夜の騒音配慮など)は、外国人にとって初めて知る内容が多いです。日本語の契約書だけでは内容を正確に把握できないケースがあります。

対策として有効なのは、契約前に多言語の「入居ルール説明書」を用意し、署名をもらう方法です。ゴミ出しの曜日や時間、共用部の使い方、退去時の注意点を写真やイラスト付きで説明すると、言語に関係なく理解度が上がります。

騒音・ゴミ出し問題は「説明不足」が原因となることもある

外国人入居者に関する騒音やゴミ出しのトラブルは、文化的な背景の違いよりも「ルールを知らなかった」ことが原因となるケースがあります。日本では当たり前とされるルールが、海外では一般的でないことは珍しくありません。

たとえば、ゴミの分別ルールは自治体ごとに異なり、日本人でも引越し先で戸惑うことがあります。例えば分別方法を多言語で記載したガイドを配布するだけでも、トラブルの発生を抑える効果が期待できます。

騒音に関しても、「夜22時以降は静かに過ごす」「洗濯機の使用は朝8時〜夜21時まで」といった具体的な時間を数字で示すと伝わりやすくなります。曖昧な表現ではなく、数値やルールを明文化することがトラブル防止の基本です。

家賃滞納・無断退去を防ぐ保証会社と管理体制の組み方

家賃滞納と無断退去は、オーナーにとって避けたいリスクです。これらを防ぐには、入居審査と保証体制を組み合わせた二段構えが効果的です。

まず入居審査の段階では、在留資格(外国人の滞在資格)の種類や残存期間を確認します。

次に、外国人対応に実績のある保証会社を活用します。保証会社が入居審査の一部を担い、万が一の滞納時には家賃を立て替えるため、オーナーの金銭的リスクを実質的に軽減できます。

不動産集客を仕組み化してオーナーの手間を減らす方法

集客を強化しても、管理の手間が増えるだけではオーナーの負担が重くなります。集客と管理を一体で仕組み化し、手間を最小限に抑えながら空室率を下げる方法を整理します。

多言語対応と入居者サポートを外部に任せる運用モデル

外国人入居者の受け入れでハードルが高いのは、言語対応と入居後のトラブル対応です。これらを自社で対応しようとすると、通訳の手配や多言語書類の作成、緊急対応などが発生します。

この課題を解決する方法として、外国人入居者の対応を専門サービスに外部委託する運用モデルがあります。契約時の重要事項説明、入居中の生活相談、退去時の精算まで、入居者対応の全工程を多言語で代行してもらえるため、オーナーや管理会社の業務はほとんど変わりません。

外部委託のコストは保証料に含まれることが多く、オーナーが追加費用を負担するケースは限定的です。「外国人を受け入れたいが手間が増えるのは困る」という懸念は、適切なサービスを組み合わせることで解消できます。

確認しておきたいサポート内容と導入の流れ

外国人の受け入れを始める場合、最初のステップは保証・サポートサービスの内容確認です。保証範囲(家賃、原状回復費、違約金など)、対応言語、緊急時の連絡体制を事前に把握しておくと、判断がしやすくなります。

導入の流れは一般的に、サービス内容の説明を受けた後、提携契約を結ぶ形です。既存の管理体制を大きく変える必要はなく、保証会社が入居審査と保証を担当し、オーナー・管理会社の業務フローはそのまま維持できるケースがほとんどです。サポート内容を確認しておくと、受け入れの可否を判断しやすくなります。

不動産集客の改善に向けてまずできること

ここまで紹介した集客方法と外国人受け入れの戦略を踏まえ、すぐに着手できるアクションを整理します。

集客方法の棚卸しチェックリスト

現在の集客状況を客観的に把握するため、以下のチェックリストで自社の状態を確認してみてください。

チェック項目
Googleビジネスプロフィールは最新情報に更新されているか
自社サイトに物件情報が掲載されているか
物件写真は10枚以上掲載されているか
口コミへの返信を行っているか
ポータルサイトの掲載内容を直近3か月以内に更新しているか
SNSアカウントを開設し、定期的に投稿しているか
外国人入居者の受け入れ可否を検討したことがあるか

チェックが3つ以下の場合は、まずGoogleビジネスプロフィールの整備と物件写真の充実から始めることで、短期間で問い合わせ増加につながる可能性が高まります。

外国人の受け入れを始める場合の3ステップ

外国人入居者の受け入れに興味がある場合、以下の3ステップで進めるとスムーズです。

ステップ1として、外国人対応の保証会社に問い合わせ、保証範囲とサポート内容を確認します。保証料、対応言語、緊急時の連絡体制が主な判断ポイントです。

ステップ2として、物件の募集条件に「外国人可」を追加します。ポータルサイトの掲載条件に一項目加えるだけで、外国人向け仲介会社からの問い合わせ増加が期待できます。

ステップ3として、入居ルールの多言語化を進めます。ゴミ出し、騒音、退去時の注意点をまとめた簡易ガイドを用意しておくと、入居後のトラブルの発生を抑えるのに効果的です。

空室対策では、「どこで募集するか」だけでなく、「誰に貸すか」まで含めて考えることが重要です。まずは自社の集客状況を棚卸しし、改善余地の大きい施策から着手していきましょう。

関連記事

おすすめ記事