外国人400万人 | データで見る在留外国人・人口データから市場の変化を読む - GTN MAGAZINE
日本語
日本語
English

外国人400万人 | データで見る在留外国人・人口データから市場の変化を読む

日本の賃貸市場は、いま静かに、しかし確実に構造が変わりつつあります。

キーワードは「人口」です。

日本人の人口は毎年約90万人ずつ減少する一方、在留外国人はこの10年で約1.8倍に増え、2025年末には412万5,395人と、初めて400万人を突破しました。

本記事では、公的統計の実数データをもとに「外国人人口の推移」「国籍別の内訳の変化」「留学生数の動向」「日本人人口との対比」という4つの切り口から賃貸市場の変化を読み解きます。

在留外国人数の推移|初の400万人超え、コロナ後はむしろ加速

出入国在留管理庁「在留外国人統計」によると、在留外国人数は次のように推移しています。

2025年(令和7年)末の速報値は412万5,395人

過去最高を更新するとともに、統計開始以来、初めて400万人を超えました。

時点在留外国人数(人)対前年末増減率
2012年末2,033,656
2013年末2,066,445+1.6%
2014年末2,121,831+2.7%
2015年末2,232,189+5.2%
2016年末2,382,822+6.7%
2017年末2,561,848+7.5%
2018年末2,731,093+6.6%
2019年末2,933,137+7.4%
2020年末2,887,116▲1.6%(コロナ禍)
2021年末2,760,635▲4.4%(コロナ禍)
2022年末3,075,213+11.4%
2023年末3,410,992+10.9%
2024年末3,768,977+10.5%
2025年末4,125,395+9.5%

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」第1表、および「令和7年末現在における在留外国人数について

このデータからは、3つのことが読み取れます。

一時的なブームではなく、構造的な増加トレンドである

2015年末(223万人)からの10年間で、在留外国人は約1.8倍に増えました。

減少したのはコロナ禍の2020〜2021年の2年間のみで、底となった2021年末(約276万人)から4年間で約136万人増えています。

これは「コロナ前への回復」ではなく、「構造的な増加トレンドへの復帰と、その加速」と見るべき動きです。

直近3年間は年間33万〜36万人の純増が続いており、中核市クラスの都市がひとつ増えるのに近い規模の人口が、毎年新たに日本で暮らし始めている計算になります。

増えているのは「定住・長期滞在型」の外国人である

在留資格別の実数を見ると、増加を牽引しているのは観光客ではなく、就労・勉学のために日本で暮らす人々です。

特定技能はこの5年で15,663人から390,296人へと約25倍に急増し、技術・人文知識・国際業務(いわゆるホワイトカラー就労)も47万人を超えました。

また、永住者は約95万人と在留外国人全体の約23%を占める最大のグループです。

増えているのは「日本で働き、日本で暮らす人」であり、その全員に住まいが必要です。

在留外国人の増加は、そのまま賃貸住宅の新規需要の増加を意味します。

在留資格2020年末(人)2023年末(人)2025年末(人)対前年末増減率
永住者807,517891,569947,125+3.2%
技術・人文知識・国際業務283,380362,346475,790+13.6%
留学280,901340,883464,784+15.6%
技能実習378,200404,556456,618+0.0%(横ばい)
特定技能15,663208,462390,296+37.2%
家族滞在196,622266,020352,875+15.5%
特別永住者304,430281,218266,896▲2.6%
定住者201,329216,868226,438+1.4%
日本人の配偶者等142,735148,477152,898+1.3%
特定活動103,42273,774125,286+31.2%
総数(その他の資格を含む)2,887,1163,410,9924,125,395+9.5%

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」第3表(在留資格別在留外国人数の推移)

 

需要は都市圏に集中している

都道府県別では東京都が80万1,438人と全国の約2割を占めて最多。

以下、大阪府・愛知県・神奈川県・埼玉県と続きます(2024年末に大阪府が愛知県を抜いて2位となり、2025年末はその差をさらに広げました)。

大都市圏とその周辺、および製造業の集積地に需要が厚いことがわかります。

一方で、伸び率で見ると大阪府(+12.5%)・千葉県(+12.1%)・福岡県(+10.9%)・埼玉県(+10.9%)など、首都圏郊外や地方中枢都市の伸びが全国平均(+9.5%)を上回っており、需要エリアは着実に広がっています。

順位都道府県2020年末(人)2025年末(人)全国シェア対前年末増減率
1東京都560,180801,43819.4%+8.5%
2大阪府253,814375,3199.1%+12.5%
3愛知県273,784357,8008.7%+7.9%
4神奈川県232,321317,3537.7%+8.5%
5埼玉県198,235290,9377.1%+10.9%
6千葉県169,833259,6636.3%+12.1%
7兵庫県114,806155,0193.8%+8.7%
8静岡県99,629132,1003.2%+6.3%
9福岡県81,072125,5013.0%+10.9%
10茨城県72,287111,8082.7%+9.0%

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」第4表(都道府県別在留外国人数の推移)

 

国籍別の推移

在留外国人の内訳を国籍・地域別に見ると、増え方には国ごとに大きな差があり、それぞれ性格が異なります。

上位10か国・地域の実数は次のとおりです。

順位国籍・地域2015年末(人)2020年末(人)2025年末(人)対前年末増減率
1中国665,847778,112930,428+6.5%
2ベトナム146,956448,053681,100+7.4%
3韓国457,772426,908407,341▲0.5%
4フィリピン229,595279,660356,579+4.4%
5ネパール54,77595,982300,992+29.2%
6インドネシア35,91066,832266,069+33.2%
7ブラジル173,437208,538210,014▲0.9%
8ミャンマー13,73735,049182,567+35.7%
9スリランカ13,15229,29079,128+24.7%
10台湾48,72355,87273,256+4.4%

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」第1表(国籍・地域別在留外国人数の推移)

この10年の変化は劇的です。

ベトナムは14.7万人から68.1万人へと4.6倍に増えて2位が定着し、ネパールは5.5万人から30.1万人へと5.5倍、インドネシアは3.6万人から26.6万人へと7.4倍、ミャンマーは1.4万人から18.3万人へと13倍に増えました。

直近の伸び率でも、ミャンマー(+35.7%)、インドネシア(+33.2%)、ネパール(+29.2%)、スリランカ(+24.7%)が際立っており、2025年末にはスリランカが前年の12位から9位に浮上しています。

いずれも特定技能の主要な送り出し国であり、「次のボリューム層」です。

さらに、国籍別に在留資格の内訳を見ると、それぞれの層がどんな目的で日本に住んでいるかが数字で見えてきます。

国籍・地域永住者技術・人文知識・国際業務留学技能実習特定技能家族滞在
中国357,565117,314148,15122,58322,10593,581
ベトナム32,698121,07947,145189,756164,35276,958
韓国77,01328,45714,52305278,646
フィリピン143,78411,4852,76942,28935,8626,608
ネパール9,90848,813116,1514,47712,38772,978
インドネシア8,38410,4247,927124,96786,9557,293
ブラジル117,5937101,014021630
ミャンマー3,25617,16735,73235,66944,5233,827

出典:出入国在留管理庁「在留外国人統計」第2表(国籍・地域別 在留資格別在留外国人数、2025年末)。単位は人。韓国は上表のほか特別永住者24万1,712人、ブラジルは定住者6万8,882人・日本人の配偶者等1万4,166人、ミャンマーは特定活動3万6,113人が在留しています。

 

ここから読み取れるのは、「外国人入居者」とひとくくりにできない需要の多層化です。

  • 中国・韓国のような成熟・安定型の層は、永住・長期定住を前提とした住まい選びをします。中国は永住者が35.7万人と全体の約4割を占め、分譲賃貸やファミリー向けなど、日本人と変わらない住宅ニーズです。
  • ベトナム・インドネシア・ミャンマーの急成長層は、就労を目的とした単身の若年層が中心です。ベトナムは技能実習と特定技能の合計だけで35万人を超え、インドネシアも同21万人。職場へのアクセスと家賃を重視し、都市部だけでなく、工場や事業所のある地方エリアにも需要が生まれているのが特徴です。
  • ネパールのような家族帯同の多い層では、単身向けではなくファミリー向け物件の需要が増えます。ネパールは留学11.6万人に加えて家族滞在が7.3万人と、上位国の中でも家族帯同の比率が突出しています。実際、家族での長期定住は退去リスクの低さにもつながります。

 

国籍構成の変化は、そのまま「求められる物件タイプの変化」です。

単身向けワンルームからファミリー向けまで、幅広い物件で外国人需要が立ち上がっていると言えます。

 

 

留学生は40万人を突破|賃貸需要の「入口」が広がっている

賃貸需要の「入口」として見逃せないのが留学生です。

日本学生支援機構(JASSO)の「2025(令和7)年度外国人留学生在籍状況調査」によると、2025年5月1日現在の留学生数は40万8,069人。

前年から7万1,361人(+21.2%)増え、初めて40万人を超えました。

在学段階2024年度(人)2025年度(人)増減率
大学院58,21560,013+3.1%
大学(学部)87,42192,442+5.7%
短期大学3,2654,138+26.7%
高等専門学校506527+4.2%
専修学校(専門課程)76,402106,829+39.8%
準備教育課程3,6583,946+7.9%
日本語教育機関107,241140,174+30.7%
合計336,708408,069+21.2%
順位国・地域2024年度(人)2025年度(人)増減率
1中国123,485131,097+6.2%
2ネパール64,816100,239+54.7%
3ベトナム40,32343,366+7.5%
4ミャンマー16,59629,413+77.2%
5スリランカ12,26917,626+43.7%

出典:日本学生支援機構(JASSO)「2025(令和7)年度外国人留学生在籍状況調査結果」(各年5月1日現在)

 

注目すべきは伸びの中身です。

増加を牽引しているのは日本語教育機関(+30.7%)と専修学校(+39.8%)、つまり来日して間もない段階の学生であり、その全員が新たに住まいを必要とします。

国別ではネパールが10万人を超えて2位となり、ミャンマーは1年で+77.2%と急増。

在留外国人統計で見た「次のボリューム層」の顔ぶれと一致しており、留学から就労・定住へと進む流れが、今後数年の賃貸需要を下支えすることを示しています。

日本人90万人減・外国人36万人増|空室の埋まり方が構造的に変わる

一方、日本人の人口はどうなっているでしょうか。

総務省統計局「人口推計」によると、日本人人口は毎年約90万人のペースで減少しており、減少幅は長期的に拡大傾向にあります。

これは1年で中規模の県庁所在地がひとつ消える規模です。

対して在留外国人は、直近3年間で年間33万〜36万人の純増。

差し引きでは総人口は減少していますが、人口減少の3分の1以上を外国人の増加が緩和している構図であり、総人口に占める外国人比率はすでに3%を超えました。(※総務省「人口推計」における外国人人口〔389万6千人、2026年2月1日現在〕に基づく比率。在留外国人統計とは集計定義が異なります)

賃貸市場にとって重要なのは、この変化が「賃貸のメイン顧客層」を直撃している点です。

賃貸住宅の主要な借り手である20〜30代の日本人は、今後も減少が続くことが確実な年齢層です。

つまり、

  • 借り手となる日本人の若年層は今後も確実に減り続ける
  • 借り手となる外国人(その多くが20〜30代の就労・留学層)は増え続ける

という2つのトレンドが同時に進行しています。

「日本人の入居者だけを待つ空室」は、構造的に埋まりにくくなっていく──これが人口データの示す賃貸市場の未来です。

繁忙期は年1回から年4回へ|外国人需要で空室が埋まる「時期」が変わる

日本人主体の賃貸市場では、進学・就職・転勤が集中する12月〜3月が唯一の繁忙期でした。

しかし外国人の入居需要は、入学時期(4月・9月・10月)、就労開始、技能実習・特定技能の入国時期などが年間に分散しています。

前章で見たとおり、日本語教育機関の留学生だけで14万人おり、その入学期は年に複数回あります。

実際に外国人入居者を多く受け入れているオーナーからは「外国人を対象にした場合の繁忙期は年に4回ほどある」という声が聞かれます。

人口構造の変化は、空室が埋まる「量」だけでなく、埋まる「タイミング」も変えつつあるのです。

 

人口推移から読む賃貸市場の構造変化と、オーナーが今打つべき手

ここまで見てきた人口の構造変化に対して、賃貸オーナー・管理会社は具体的に何ができるのか。

続きの記事では、外国人受け入れの3つの不安(言葉の壁・文化の違い・滞納リスク)を解消する方法と、空室ゼロが2週間続いた管理会社の事例を紹介しています。

詳しくはこちらの記事へ

参考資料(出典一覧)

本記事で使用したデータは、いずれも以下の公的統計に基づいています。

最新の統計表(Excel・PDF)は各リンク先からダウンロードできます。

資料名発行元本記事での使用箇所
在留外国人統計(統計表一覧)出入国在留管理庁在留外国人数の推移、国籍・地域別、在留資格別、都道府県別の各表
令和7年末現在における在留外国人数について(報道発表)出入国在留管理庁2025年末の最新値(412万5,395人)
令和7年6月末現在における在留外国人数について(報道発表)出入国在留管理庁2025年上半期の動向
令和6年末現在における在留外国人数について(報道発表)出入国在留管理庁2024年末の値
2025(令和7)年度外国人留学生在籍状況調査結果日本学生支援機構(JASSO)留学生数、在学段階別・国別内訳
人口推計総務省統計局日本人人口の減少ペース

 

 

関連記事

おすすめ記事