日本の平均給与 | 平均給与や地域別・業種別の違いを解説 - GTN MAGAZINE

日本の平均給与 | 平均給与や地域別・業種別の違いを解説

訪日を検討している、あるいはすでに日本に滞在している外国人の方にとって、日本の給与事情が気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、最新データをもとにした日本の平均給与の実態・地域や業種別の違いを徹底解説します。

さら国際比較まで紹介しています。ぜひ日本での就職活動や生活設計の参考にしてください。

日本の平均給与の現状

 

最新の平均年収データ

国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、日本における給与所得者1人あたりの平均年収は478万円となっています。

内訳をみると、平均給料・手当が403万円、平均賞与(ボーナス)が75万円です。

この数字は前年の460万円から増加しており、上昇傾向が見られます。

しかし、この「平均値」だけを見ても実態を正確に把握することは難しいでしょう。

平均値は一部の高所得者によって引き上げられる傾向があるため、より実態に近い指標として「中央値」を見ることも重要です。(※注:令和6年分調査の概要データには中央値は含まれていませんが、傾向として中央値は平均値より低い水準になります。)

出典・参考:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査(調査結果の概要)」

 

男女別の平均給与

日本の給与には、残念ながら男女間で大きな格差が存在します。

最新のデータ(令和6年分)によると、男性の平均年収は587万円であるのに対し、女性の平均年収は333万円となっています。

この差は254万円にも及び、男性の給与は女性の約1.8倍という状況です。

この男女間の給与格差は、雇用形態の違い(女性は非正規雇用が多い)、職種の偏り、育児・介護による就業中断などが主な原因とされていますが、国際的に見ても日本の男女間賃金格差は大きいと言われています。

 

 

都道府県別の平均給与

地域間格差の実態

地域別の平均賃金(月額) 賃金水準は、働く地域によっても大きな差が見られます。

厚生労働省が発表した「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の平均賃金は全国計で 330,400円でした 。

しかし、都道府県別に見ると、最も高い東京都と最も低い青森県では、月額で14万円以上の大きな開きがあります。

 

都道府県別 平均賃金(月額)ランキング

順位都道府県平均賃金 (月額)
1位東京都403,700円
2位神奈川県355,800円
3位愛知県332,600円
4位京都府323,300円
5位大阪府323,300円
6位滋賀県322,300円
7位千葉県320,300円
8位兵庫県314,400円
9位三重県312,900円
10位静岡県312,700円
11位埼玉県312,500円
12位広島県309,600円
13位山梨県309,600円
14位奈良県309,400円
15位栃木県308,400円
16位岐阜県308,000円
17位石川県304,400円
18位茨城県302,500円
19位富山県298,600円
20位長野県298,300円
21位群馬県298,100円
22位福井県297,300円
23位和歌山県297,200円
24位福岡県296,900円
25位岡山県293,000円
26位山口県289,000円
27位宮城県288,700円
28位北海道288,500円
29位香川県288,500円
30位新潟県285,000円
31位徳島県283,100円
32位熊本県283,100円
33位長崎県281,500円
34位愛媛県278,400円
35位大分県276,500円
36位島根県276,500円
37位福島県276,300円
38位鹿児島県273,900円
39位鳥取県273,900円
40位高知県273,300円
41位山形県272,400円
42位佐賀県269,100円
43位秋田県267,000円
44位岩手県265,500円
45位沖縄県260,000円
46位宮崎県260,000円
47位青森県259,900円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」第8図 都道府県別賃金

 

この結果から、平均賃金が最も高いのは東京都(403,700円)であり 、次いで神奈川県、愛知県、大阪府と大都市圏が続く傾向が明確です 。

一方、最も低いのは青森県(259,900円)でした 。トップの東京都と最下位の青森県との差額は 143,800円 となり、地域間の賃金格差が依然として大きいことがわかります。

 

業種・職種別の平均給与

主要な業種の平均給与

高給与の業界(国税庁統計より) 業種によって平均給与には大きな差があります。

国の公的な統計である国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、主要な業種の平均給与(年間)は以下のようになっています。

業種別の平均給与(年間)ランキング

 

順位業種平均給与(年間)
1位電気・ガス・熱供給・水道業799万円
2位金融業、保険業673万円
3位情報通信業666万円
4位学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業566万円
5位建設業564万円
6位複合サービス事業554万円
7位製造業551万円
8位運輸業、郵便業494万円
9位不動産業、物品賃貸業485万円
10位医療、福祉418万円
11位卸売業、小売業399万円
12位サービス業(他に分類されないもの)388万円
13位農林水産・鉱業341万円
14位宿泊業、飲食サービス業275万円

出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

この表からわかるように、インフラ系、金融、IT関連の業種が全体の平均(478万円)を大きく上回っている一方、サービス業や宿泊・飲食業などは平均を下回っており、業種間の給与格差が非常に大きいことが確認できます。

 

職種別の平均賃金(時給換算)

賃金水準は、どのような職種で働くかによっても異なります。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)」のデータ(勤続0年の基準値)を見ると、職種ごとの時給換算額の違いがわかります。

以下は、同調査から抜粋した代表的な職種の平均賃金(時給換算)です。

職種平均賃金(時給換算)
システムコンサルタント・設計者2,167円 
看護師1,487円 
販売店員1,176円 
介護職員(医療、福祉施設等)1,164円 
飲食物調理従事者1,161円 
ビル・建物清掃員1,006円 

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)」 

これらのデータから、専門的なスキルが求められる職種(例:システムコンサルタント)と、他の職種との間で時給水準に差があることがわかります。

外国人が日本で就職を目指す場合も、自身の専門性や希望する働き方に応じて職種を選ぶことが、給与水準を考える上で重要になるでしょう。

 

日本の給与の国際比較

OECD諸国の中での日本の位置づけ

日本の平均給与は、国際的に見てどの位置にあるのでしょうか。

OECD(経済協力開発機構)が公表した2023年の平均年間賃金データを、同年の平均為替レート(※参考:日本銀行公表の2023年平均レート)で円換算し、主要国と比較したのが以下の表です。

市場の為替レートで単純比較すると、日本の給与水準と他国との差がより明確にわかります。

主要国との平均年間賃金(円換算)比較

国名平均年間賃金(円換算)
スイス約 1,497万円
アメリカ約 1,156万円
イギリス約 945万円
オーストラリア約 936万円
カナダ約 889万円
ドイツ約 863万円
韓国約 532万円
日本約 455万円

出典:OECD(経済協力開発機構)「Average annual wages (Current prices, NCU)(平均年間賃金 現地通貨・現在価格)」「Exchange rates (Monthly averages)」、日本銀行「東京外為市場における取引状況(2023年)」

 

この円換算比較を見ると、日本の平均年間賃金(約455万円)は、スイス(約1,497万円)やアメリカ(約1,156万円)といったトップクラスの国々と比較すると2.5倍以上の大きな開きがあることが確認できます。

また、1990年代後半から日本の賃金が伸び悩む「失われた20年(あるいは30年)」と呼ばれる長期停滞の影響で、かつては日本より低い水準にあった韓国(約532万円)にも追い抜かれているのが現状です。

 

ただし、この比較はあくまで市場の為替レートで換算したものであり、各国間の物価水準(生活費)や税制、社会保障制度の違いは考慮されていません。

そのため、金額の差がそのまま生活の豊かさの差に直結するわけではない点には注意が必要です。

 

外国人にとっての日本の給与事情

日本で働く外国人の平均賃金

厚生労働省の最新の統計「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、日本で働く外国人労働者(一般労働者)の令和5年時点の平均賃金は月額 242,700円です 。

 

これは、日本人を含む労働者全体の令和5年時点の平均月額賃金 318,300円(同調査の令和5年全国計)と比較すると、約75,600円低くなっています。

 

ただし、この「平均値」は在留資格によって大きく実態が異なります。同調査によると、令和5年時点の在留資格別の平均賃金は以下のようになっています。

 

在留資格区分別の平均賃金(月額)

 

在留資格区分平均賃金(月額)
身分に基づくもの(永住者、定住者など)300,300円
専門的・技術的分野292,000円
外国人労働者計242,700円
技能実習182,700円

出典:令和6年 賃金構造基本統計調査 結果の概況

 

このように、「身分に基づくもの(永住者や定住者など)」や「専門的・技術的分野」の在留資格で働く外国人の賃金水準は、労働者全体の平均(318,300円)に近いか、それに次ぐ水準となっています。

一方で、「技能実習」の平均賃金は月額182,700円であり、他の在留資格と比較して低い水準にあることがわかります。

 

外国人から見た日本の給与の魅力と課題

日本の給与水準は先進国と比較すると低いものの、アジアの多くの国や発展途上国と比較すると依然として魅力的な水準にあります。

また、福利厚生や社会保障制度が充実している点も評価されています。

一方で、近年の円安進行により、母国への送金価値が低下している点や、日本の生活コストの高さを考慮すると、実質的な可処分所得は見かけほど高くないという課題もあります。

外国人にとっては、単純な給与額だけでなく、生活コストとのバランスや将来のキャリアパスを考慮した判断が重要です。

 

日本での生活コストと給与のバランス

一人暮らしの平均生活費

日本で一人暮らしをする場合の平均的な生活費は、月額約18万円〜24万円が目安となります。

これは地域によって大きく異なり、東京などの大都市では高く、地方では比較的低くなる傾向があります。

一人暮らしの平均的な生活費の内訳は以下の通りです。

費目月額費用
住居費(家賃・管理費など)6〜10万円
食費4〜5万円
水道光熱費1〜1.5万円
通信費1万円
交通費1〜2万円
娯楽・交際費2〜3万円
日用品・被服費1万円
保険・医療費1万円
その他1〜2万円
合計18〜24万円

給与と生活費の適正バランス

日本での生活において、収入と支出のバランスを考える際の一般的な目安として「6:2:2の法則」があります。

これは、手取り収入のうち生活費に6割、貯蓄に2割、趣味や娯楽などの自由に使えるお金に2割を配分するという考え方です。

特に住居費については、手取り収入の20〜25%に抑えることが理想的とされていますが、東京などの大都市圏では30%程度までは許容範囲と考えられています。

 

日本の給与をアップさせるポイント

高給与を得るための職種選び

日本で高い給与を得るためには、専門性の高い職種や技術職を選ぶことが効果的です。

特にIT・通信、金融、コンサルティング、医療関連などの分野は平均的に給与水準が高い傾向にあります。

外国人の場合、自国の言語や文化に関連した仕事(翻訳、通訳、外国語教師、インバウンド関連など)も相対的に高い給与を期待できる分野です。また、グローバル企業や外資系企業は日本企業と比較して給与水準が高い傾向があります。

 

語学力と専門スキルの重要性

日本で外国人が高い給与を得るためには、日本語能力が非常に重要です。日本語能力試験(JLPT)のN2以上、理想的にはN1レベルの日本語力があると、就職の幅が大きく広がります。

さらに、自身の専門分野における技術やスキル、資格を持っていることも高い評価につながります。例えば、IT分野であれば専門的なプログラミング言語やデータベースの知識、金融分野であれば国際的な金融資格などが価値を持ちます。

 

転職によるキャリアアップ

日本では長らく終身雇用が一般的でしたが、近年では転職によってキャリアアップを図る人も増えています。厚生労働省の調査によると、前職が日本国内である外国人労働者の転職による賃金変動では、「10%以上30%未満増加」が25.1%と最も多く、次いで「30%以上増加」という結果が出ています。

特に専門性の高いスキルを持つ外国人の場合、転職によって大幅な年収アップを実現できるケースも少なくありません。日本語力を高めながら専門スキルを磨き、より条件の良い職場へのキャリアアップを目指すことも一つの戦略です。

 

日本の給与事情を理解するために

日本の給与体系の特徴

日本の給与体系は、年功序列や終身雇用の影響が依然として残っており、欧米諸国のようなジョブ型雇用(職務に対して給与が決まる)ではなく、メンバーシップ型雇用(会社への所属に対して給与が決まる)の特徴を持っています。そのため、年齢や勤続年数が給与に大きく影響する傾向があります。

また、基本給に加えて、賞与(ボーナス)や各種手当(住宅手当、家族手当、通勤手当など)が給与体系に組み込まれていることも特徴的です。特に大企業や公務員では、年2回の賞与が支給されるケースが一般的です。

外国人が日本の給与事情を理解する際の注意点

外国人が日本の給与を評価する際には、単純な金額だけでなく以下の点に注意することが重要です。

手取り収入を確認する:日本は所得税や社会保険料(健康保険、年金など)の控除があるため、実際の手取り額は契約上の給与より2〜3割程度低くなる場合が多い

生活コストを考慮する:特に大都市では住居費が高額なため、生活コストとのバランスを考慮した評価が必要

福利厚生を含めて評価する:住宅手当、通勤手当、食事補助、健康保険の充実度など、給与以外の待遇も含めた総合的な評価が重要

キャリア発展性を考慮する:短期的な給与だけでなく、長期的なキャリア形成や技術習得の機会も重要な判断材料

将来的な日本の給与動向

近年、日本政府は賃上げを促進する政策を進めており、緩やかながら給与の上昇傾向が見られています。また、少子高齢化による労働力不足を背景に、特に専門性の高い分野では人材獲得競争が激しくなり、給与水準の上昇が期待されています。

さらに、働き方改革や同一労働同一賃金の原則の導入により、雇用形態による不合理な待遇差の解消も進みつつあります。外国人材の活用も国の重要政策となっており、高度専門人材に対する処遇改善の動きも見られます。

日本の給与水準は国際的に見ると依然として低い位置にありますが、上記のような変化により、徐々に改善していくことが期待されています。日本での就労を検討する外国人の方は、給与だけでなく、生活の質や将来のキャリア形成も含めた総合的な判断をすることをお勧めします。

 

 

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