高齢の外国人の賃貸|入居審査で見られる点と物件の探し方 - GTN MAGAZINE

高齢の外国人の賃貸|入居審査で見られる点と物件の探し方

日本で暮らしている、またはこれから日本で暮らす高齢の外国人の方にとって、「年齢が理由で賃貸物件を借りられないのでは?」「年金収入だけでも入居審査に通る?」「保証人がいなくても契約できる?」といった点が気になることもあるでしょう。

この記事では、高齢の外国人が日本で賃貸物件を探すときに知っておきたい入居審査のポイントをはじめ、年金収入で審査を受ける際の準備、UR賃貸住宅やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、居住サポート住宅などの選択肢を解説します。

高齢者が賃貸を借りにくい理由とは

高齢者は、物件や貸主によっては、入居できるかどうかを時間をかけて確認されることがあります。株式会社R65が、65歳を超えて賃貸住宅の部屋探しをした経験がある全国500人に聞いた調査(2025年7月)では、30.4%が「年齢を理由に入居を断られた経験がある」と回答しました。直近1年以内に部屋を探した人では、61.2%が部屋探しに苦労したと答えています。

出典:株式会社R65「高齢者の住宅難民問題に関する実態調査(2025年)」(2025年7月調査、有効回答500名)

外国人の場合は、契約内容の理解や連絡方法、在留資格などを確認されるため、確認事項が増える場合があります。

大家さんが高齢者の入居に不安を感じる理由

大家さんが高齢者の入居について心配する点として、居室内での死亡事故や孤独死、家賃の滞納、近隣住民とのトラブルなどがあります。令和3年度の国土交通省の調査では、高齢者の入居を制限している事業者が挙げた「最も該当する理由」の第1位は「居室内での死亡事故等に対する不安」で、90.9%でした。

出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度の見直しについて」

年金収入だけの場合、これから家賃を払い続けられるかどうかを、大家さんが心配することがあります。単身の高齢者の場合は、部屋の中で亡くなったときの費用や、その後の入居者への影響を心配する大家さんもいます。

連帯保証人を見つけることも課題になります。高齢者の場合、保証人を依頼できる相手を見つけにくい場合があります。こうした点が重なるため、高齢者の部屋探しには時間がかかることがあります。

外国人で高齢の場合に、追加で確認される点

外国人が日本で賃貸を借りる際には、言語の壁、文化の違い、在留資格の残存期間といった、外国人ならではの課題があります。ここに年齢の問題が加わると、審査のハードルは一層高くなります。

国土交通省の調査では、外国人の入居に対して「拒否感がある」と回答した賃貸人(大家さんなど)が約6割いるという結果が出ています。個々の貸主の対応は異なりますが、高齢の外国人の場合は、年齢についても確認されるため、選べる物件が少なくなることがあります。

準備とサポートによって、住まい探しを進めやすくなります。次の章から、具体的な準備と手順を説明します。

高齢者の賃貸審査で重視されるポイント

入居審査では、年齢だけでなく総合的な条件が評価されます。審査で重視されるポイントを把握しておくことで、事前に対策を講じることができます。

収入要件と年金収入での審査基準

賃貸物件の入居審査では、家賃に対する収入の割合、預貯金、保証会社の利用可否、在留状況などを総合的に確認される場合があります。審査基準は物件や保証会社によって異なるため、事前に確認しましょう。

日本の年金を受け取っている場合は、年金振込通知書や年金額改定通知書、公的年金等の源泉徴収票などを用意します。海外の年金を受け取っている場合は、受給証明書と、その日本語訳(公証翻訳があるとよりスムーズです)を用意しておきましょう。どの書類が収入の証明として使えるかは、物件や保証会社によってちがいます。

収入だけで審査基準を満たしにくい場合、保証会社によっては預貯金などの資産状況を確認することがあります。必要書類や審査基準は保証会社・物件によって異なるため、事前に確認しましょう。

連帯保証人と保証制度の活用方法

連帯保証人は、借主が家賃などを払えないときに、代わりに払う責任を持つ人です。個人が連帯保証人になる賃貸借契約では、2020年4月に施行された改正民法により、保証の上限額である「極度額」を契約書に書く必要があります。極度額の対象になるのは、契約から生じる借主の債務(払うべきお金)です。滞納した家賃や、借主負担となる原状回復費用のほか、契約書に定めがあれば共益費・更新料・違約金なども含まれます。

日本に保証人になれる親族や知人がいない場合は、保証会社を利用する方法があります。保証会社によって審査方法や確認する情報は異なります。保証会社の利用条件や必要書類を事前に確認しましょう。

高齢者住宅財団の家賃債務保証制度も選択肢の一つです。外国人世帯も対象で、2年間の保証の場合、保証料は月額家賃の35%、最低保証料は10,000円です。ただし、この制度を使えるのは、大家さん・管理会社と財団の間で「基本約定書」が結ばれている賃貸住宅に限られます。審査などの条件もあるため、不動産会社に確認してください。

出典:一般財団法人 高齢者住宅財団「家賃債務保証制度 よくあるご質問」

在留資格と年齢の関係

賃貸の契約では、在留資格(ビザ)の種類と、在留期間があと何年残っているかが確認されることがあります。審査の基準は物件や保証会社によってちがうため、事前に確認してください。

在留期間が契約期間に比べて短い場合などは、更新予定や在留状況について確認されることがあります。更新の予定がある場合は、そのことを伝え、これまでの更新の記録や在留期間が分かる書類を用意しておきましょう。

在留資格や在留期間は、物件や保証会社によって確認される場合があります。在留期間が短い場合には、契約期間との関係などを確認されることもあるため、在留カードなどを準備しておきましょう。

高齢の外国人が検討しやすい物件の種類

すべての賃貸物件が高齢者に厳しいわけではありません。高齢者の入居を歓迎する物件や制度を知っておくことで、効率的に住まいを見つけることができます。

UR賃貸住宅と公営住宅の特徴

UR賃貸住宅(旧公団住宅)には、高齢者が利用しやすい特徴があります。連帯保証人が不要で、礼金や仲介手数料もかかりません。更新料も不要のため、長く住む場合に向いています。

UR賃貸住宅の申込みには、収入の基準のほか、自分で住むこと、同居する親族の範囲などの条件があります。一般のUR賃貸住宅には年齢の制限はありません(「高齢者向け優良賃貸住宅」は申込本人が満60歳以上であることが条件です)。外国籍の方は、永住者・外交・公用の在留資格を持つ方、特別永住者、中長期在留者のいずれかであることが条件で、住民票に在留資格や在留期間などが記載されている必要があります。UR賃貸住宅の公式サイトから、全国の空室情報を確認できます。

公営住宅(都営住宅、市営住宅など)は、所得の低い世帯を対象とした住宅で、まわりの家賃より低い家賃で入居できます。自治体によっては、高齢者世帯を優先入居の対象としていたり、抽選で優遇したりする場合があります。申込みには所得の制限があるほか、外国籍の方の申込条件も自治体によって異なるため、お住まいの自治体の条件を確認してください。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の仕組み

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者が住みやすいように作られた賃貸住宅です。入居できるのは、60歳以上の人と、60歳未満でも要介護・要支援の認定を受けている人です。配偶者(夫または妻)、60歳以上の親族、要介護・要支援の認定を受けている親族も、いっしょに住むことができます。部屋はバリアフリー(段差をなくし、手すりを付けるなど)で、安否確認と生活相談のサービスが必ず付いています。

サ高住は、入居条件は住宅ごとに異なりますが、外国籍の方も法令上の入居資格や各住宅の条件を満たす場合は入居対象となり得ます。外国人でも、介護保険に加入する条件を満たす場合は、介護保険制度の対象になります。ただし、40〜64歳と65歳以上では、加入やサービス利用の条件が異なるため、自治体や介護保険の窓口に確認しましょう。

サ高住の費用は住宅や地域によってちがいます。家賃だけでなく、共益費、生活支援サービス費、食費などが別にかかる場合があるため、契約する前に毎月の合計金額を確認しましょう。

高齢者歓迎物件の見つけ方

外国人向けの物件を探す場合は、BEST-ESTATE.JPを活用する方法があります。GTNが運営する外国人向けの物件検索サイトで、多言語に対応しています。外国人の入居に理解のある物件が掲載されているため、高齢の外国人でも相談しやすい環境が整っています。

また、2025年10月1日から「居住サポート住宅」の認定制度が始まりました。居住支援法人等が、日常の安否確認、訪問などによる見守り、生活や心身の状態が不安定になったときの福祉サービスへのつなぎを行います。2026年6月末時点で、全国1,196の居住支援法人が指定されています。お住まいの地域の居住支援法人に相談すると、高齢者向けの物件情報の提供や住まいに関する相談等の支援を受けられる場合があります。

出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度 ~誰もが安心して暮らせる社会を目指して~」、「住宅確保要配慮者居住支援法人について」

賃貸契約に必要な書類と準備

高齢の外国人が賃貸契約を進めるときは、必要な書類を前もってそろえておきましょう。書類が足りないと、審査に時間がかかることがあります。

基本書類一覧

書類名日本語名備考
Passportパスポート身分証明書として
Residence Card在留カード在留状況の確認
Certificate of Employment在職証明書勤務先からの発行
Income Certificate収入証明書給与明細3ヶ月分等
Bank Account銀行口座家賃引き落とし用

上記は就労中の外国人が必要とする基本的な書類です。退職済みの高齢者の場合は、在職証明書の代わりに年金関連の書類が必要になります。

年金受給者が用意すべき追加書類

年金で生活している高齢者は、給与明細に代わる書類を用意します。以下の書類を用意しておくと、手続きを進めやすくなります。

書類用途取得先
年金振込通知書年金額の証明日本年金機構から原則6月に送付(例外的に送付されないケースあり)
年金額改定通知書最新の年金額の証明日本年金機構から送付
預金残高証明書資産の証明(必要な金額は保証会社や物件によって異なる)取引銀行で発行
海外年金受給証明書(該当者)海外年金の収入証明各国の年金機関から取得(要翻訳)

初期費用の目安

日本の賃貸契約では、家賃以外にまとまった初期費用が必要になります。高齢の外国人が知っておくべき費用の内訳と、負担を軽減する方法を紹介します。

高齢者向け賃貸の初期費用内訳

日本の賃貸契約では、初期費用が家賃の数か月分になる場合があります。以下の表は家賃8万円を想定した場合の目安です。

項目金額のイメージ(例)一般的な目安返還の有無説明
敷金0~8万円家賃0~1か月分(非課税)未払賃料や借主負担となる原状回復費用等を差し引いた額を返還賃料や修繕費等の債務を担保するための金銭
礼金0~8万円家賃0~1か月分(非課税)返還なし大家への謝礼
仲介手数料最大8.8万円家賃1か月分+税(上限のケース)返還なし不動産会社への報酬
前家賃8万円家賃1か月分程度(非課税)返還なし入居月の日割り家賃(契約時期によっては、翌月分の家賃もあわせて支払い)
保証料4~8万円家賃0.5~1か月分(非課税)返還なし保証会社利用料
火災保険料1.5~2万円1.5~2万円(非課税)返還なし火災等に備える保険(補償内容は契約により異なる)
鍵交換費用1.5~3万円1.5~3万円返還なしセキュリティ対策
合計(例):23.8~45.8万円   

※敷金と礼金は、高級物件やペット可は2か月の場合があります。

※上記の金額例は家賃が8万円と想定した場合の算出になります。

※仲介手数料は不動産会社に払う手数料であり、法律で決まっている上限は貸主と借主から受け取る合計で家賃1か月分+税です。借主が払う金額は、契約の条件によって異なります。
 

初期費用を抑えるためのポイントとして、敷金・礼金がゼロの物件(ゼロゼロ物件)を探す方法や、フリーレント(入居後一定期間の家賃が無料)の物件を選ぶ方法があります。

入居後に知っておきたい生活サポート

賃貸物件に入居した後も、安心して暮らし続けるために活用できるサービスや制度があります。特に高齢の外国人にとって、緊急時の対応や日常生活のサポートは欠かせません。

緊急時の連絡体制と見守りサービス

前述の「居住サポート住宅」では、居住支援法人等による安否確認や見守りなどの支援を受けられます。 

自治体によっては、高齢者向けの緊急通報システムを無料または低い料金で利用できる場合があります。ボタンをひとつ押すだけで消防署や協力員に連絡できるしくみです。

多言語対応の相談窓口

国土交通省は、外国人の民間賃貸住宅への入居を支援するために、14か国語で各種ガイドラインやチェックシートを提供しています。主に不動産事業者向けに作成された資料ですが、賃貸住宅標準契約書の多言語版も掲載されており、日本の賃貸借契約の理解に役立ちます。

各自治体の国際交流協会や多文化共生センターでも、住まいに関する相談を受け付けています。通訳サービスを利用できる場合もあるため、お住まいの地域の窓口を確認してみましょう。

高齢の外国人が賃貸を借りるための具体的なステップ

ここまでの内容を踏まえ、高齢の外国人が賃貸物件を借りるための具体的な手順を整理します。

物件探しから入居までの流れ

高齢の外国人が賃貸物件を借りるまでの一般的な流れは以下のとおりです。

  • ステップ1:必要書類の準備。在留カード、パスポート、年金関連書類、預金残高証明書などを事前にそろえます。海外の書類は日本語翻訳を用意しておきましょう。
  • ステップ2:物件探し。BEST-ESTATE.JPや不動産ポータルサイトで「高齢者歓迎」の物件を検索します。UR賃貸や居住サポート住宅も候補に入れましょう。
  • ステップ3:内見と申込み。気になる物件を実際に見学し、バリアフリー対応や周辺環境を確認します。申込み時に必要書類を提出します。
  • ステップ4:入居審査。保証会社の審査と大家の審査を受けます。
  • ステップ5:契約と入居。重要事項説明を受け、契約書に署名します。初期費用の支払いが完了したら鍵の引き渡しとなります。

審査期間や入居までの期間は物件や審査状況によって異なります。必要書類を事前に準備しておくと、手続きを進めやすくなります。

GTNの外国人向けサポートサービスの活用

GTNは外国人専門で20年の実績があり、最大25言語での対応が可能です。提携不動産会社は43,000社以上、最大24時間365日(一部サポート業務は年末年始を除く)のサポート体制で、入居する前から入居した後まで相談を受け付けています

※2026年6月末時点の実績に基づきます(対応言語数は2026年7月1日時点)。

※入居できるかどうかは、物件ごとの審査で決まります。すべての物件をご紹介できるとは限りません。

まずはGTNの公式サイトやBEST-ESTATE.JPで物件情報を確認してみましょう。電話やメールでの相談も受け付けているため、気軽に問い合わせてみることをおすすめします。

 

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