フリーランスの外国人の賃貸契約|審査の準備と手順を解説 - GTN MAGAZINE

フリーランスの外国人の賃貸契約|審査の準備と手順を解説

日本で働くフリーランスの外国人にとって、賃貸物件を契約する際には、会社員とは異なる収入証明や在留資格に関する書類の準備などが必要になる場合があります。

「会社員と比べて収入の安定性をどのように証明すればよいのか」「外国籍であることで賃貸審査にどのような影響があるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。

この記事では、審査時に必要な書類や具体的な対策、物件探しの進め方まで、フリーランスの外国人が知っておくべき情報を詳しく解説します。

フリーランスの外国人でも賃貸契約はできるのか

結論から言えば、フリーランスの外国人でも賃貸契約は可能です。ただし、不利になりうるケースも考えられるため審査に通るためのポイントを押さえましょう。

フリーランスが賃貸を借りにくい理由とは

賃貸の入居審査では、家賃を継続して支払えるかどうかが重要な確認事項の一つです。会社員であれば毎月の給与が安定しており、在職証明書や源泉徴収票で収入を簡単に証明できます。一方、フリーランスは案件ごとに報酬が異なり、月によって収入が大きく変動する場合があります。

不動産会社や管理会社の視点では、フリーランスは会社員と比べて月ごとの収入が変動する場合があるため、収入の継続性を確認するために追加資料を求められることがあります。リース株式会社のフリーランスを対象とした調査によると、回答者の約7割(73.4%)が「借りにくさ」を感じており、そのうち約6割(58.8%)が理由として「不安定な職業とみなされ、審査が通りにくい」を挙げています。

出典:リース株式会社「フリーランス賃貸入居審査実態調査2024」

外国人の場合は、在留資格や在留期間、日本国内での収入・勤務状況などを確認するため、追加書類の提出を求められることがあります。フリーランスの場合も会社員とは異なる収入確認が必要になる場合があります。

外国人フリーランスが審査で押さえておきたい3つの条件

審査時に押さえておきたい条件は、大きく3つあります。

条件具体的な内容
十分な収入の証明確定申告書や課税証明書で年収を明確に示す。家賃に対する収入の目安を設けている保証会社や貸主もあるが、審査基準は物件や保証会社によって異なる。
在留資格の安定性在留資格・在留期間を確認できること。更新予定がある場合はその旨を伝える
信頼できる保証の確保保証会社または連帯保証人の確保

この3つの条件を満たせば、フリーランスの外国人でも多くの物件で審査に通る可能性があります。特に、収入を確認できる書類の準備は、賃貸審査に向けた重要なポイントの一つです。国土交通省が作成した「部屋探しのガイドブック」でも、入居審査に必要となる書類の例として、前年度の確定申告書の写しが挙げられています。

入居審査で求められる書類と準備

フリーランスの外国人が賃貸契約を結ぶ際には、会社員とは異なる書類が必要になります。事前にしっかり準備しておくことで、審査をスムーズに進められます。

会社員との書類の違い

会社員が賃貸審査で提出する書類は、在職証明書と源泉徴収票が中心です。フリーランスの場合、これらの代わりに自身の収入と事業の実態を証明する書類が求められます。

項目会社員フリーランス
収入証明源泉徴収票確定申告書の控え(前年度分など。必要に応じて複数年分)
在職証明在職証明書開業届の控え、または取引先との契約書
納税証明通常不要住民税の課税証明書、所得税の納税証明書
追加書類なし通帳の入金履歴、預金残高証明書

外国人の場合は、上記に加えてパスポート、在留カード、住民票も必要です。書類は多くなりますが、すべて揃えておけば審査担当者への印象も良くなります。

フリーランスが用意すべき収入証明のポイント

フリーランスの場合は、確定申告書などを使って収入や所得、納税状況などを確認されることがあります。審査でどの項目を重視するかは、貸主や管理会社、家賃保証会社によって異なります。年収を基準に審査する会社では「家賃の○倍」といった基準が設けられている場合があります。ただし、一律の基準ではありません。

青色申告では一定の帳簿作成・保存などが求められるため、事業の収支を整理しておくうえで役立ちます。フリーランスとして賃貸契約を検討しているのであれば、青色申告への切り替えも視野に入れておくと良いでしょう。

フリーランス1年目で確定申告の実績がない場合は、前職の源泉徴収票や預金残高証明書で補完します。銀行口座の入金履歴を提示することで、現在の収入状況を示せます。

確定申告書・納税証明書の取得方法

所得税の確定申告は原則として翌年2月16日から3月15日までですが、土日祝日の関係で期限が翌開庁日になる場合があります。e-Taxで申告した場合は、受付完了のメッセージを保存しておきましょう。

申告書の控えを紛失した場合は、e-Taxの受信通知から申告書等のPDFを取得できる場合があります。また、国税庁の「申告書等情報取得サービス」や「申告書等閲覧サービス」、保有個人情報開示請求などの方法もあります。利用できる方法は申告方法や目的によって異なるため、国税庁の最新案内を確認しましょう。

住民税の課税証明書は、住所地の市区町村役場で取得でき、年間の所得額が記載されています。納税証明書は税務署で取得でき、種類によって納税額や所得金額などを証明できます。賃貸審査で必要な種類は提出先に確認しましょう。

審査に落ちたときの対処法

万が一、入居審査に落ちても諦める必要はありません。原因を分析し、次の申し込みに活かすことで審査通過の可能性は高まります。

再申し込み時に改善すべきポイント

審査に落ちた場合、まず原因を不動産会社に確認しましょう。具体的な理由は教えてもらえないことが多いですが、一般的に考えられる原因は収入面と書類面の2つに分けられます。

収入面で改善できるポイントとして、預金残高証明書の提出があります。家賃の1〜2年分に相当する預金があることを示せば、月々の収入が不安定でも「支払い能力がある」と判断される可能性があります。

書類面では、確定申告書に加えて取引先との契約書や請求書のコピーを提出する方法が有効です。継続的な取引関係があることを示すことで、収入の安定性を補強できます。

検討しやすい物件の特徴

検討しやすい物件には、いくつかの共通した特徴があります。

  • 外国人の入居実績がある物件は審査がスムーズに進みやすい
  • 家賃が相場より低めの物件は収入基準を満たしやすい

また、入居時期にも注目しましょう。物件の募集状況や地域によっては、繁忙期以外のほうが条件交渉をしやすい場合があります。

フリーランスの外国人が快適に暮らすために知っておきたいこと

賃貸契約が完了した後も、知っておくべきポイントがあります。契約更新や退去時のトラブルを防ぐために、事前に確認しておきましょう。

契約更新と退去時の注意点

普通借家契約では2年程度の契約期間が設定されるケースが一般的ですが、契約期間は物件によって異なります。更新時には更新料が発生する場合があります。更新料の有無は契約書に記載されているため、契約前に確認しておきましょう。

退去時には原状回復の費用負担が発生します。原状回復の負担区分は以下のとおりです。

2020年4月の民法改正により、通常損耗と経年変化については借主に原状回復義務がないことが明文化されました(民法621条)。

負担者内容具体例
貸主(大家さん)負担通常の使用による損耗や経年変化壁紙の日焼け、家具の設置による床のへこみ、画びょうやピンの小さな穴
借主(入居者)負担故意や不注意でつけた傷や汚れタバコのヤニ汚れ、重い物をかけるためにあけた壁の穴(下地ボードの張り替えが必要なもの)、飲み物をこぼしたあと手入れをしなかったシミ

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版・別表1)

判断に迷う場合は、このガイドラインを参考にできます。

ただし、損傷の程度・原因や有効な特約の内容などによっては、上記ガイドラインでは貸主負担の内容であっても借主の負担となる場合があります。

退去予告の期限は契約によって異なります。契約書を確認し、定められた期限までに管理会社や貸主へ通知しましょう。通知が遅れると、退去後も家賃が発生する場合があるため注意が必要です。退去時の立会い検査では、入居時の写真を残しておくと、不当な修繕費用の請求を防げます。

住所変更届や在留資格の手続き

引っ越し後は、住所を移した日から14日以内に、市区町村役場で住所変更の届出を行う必要があります。市区町村をまたいで引っ越す場合は「転入届」、同じ市区町村内で引っ越す場合は「転居届」を提出します。

正当な理由なく届出をしなかった場合は、5万円以下の過料の対象となることがあります。引っ越し後は、期限内に手続きを済ませましょう。

在留カードの住所変更も同時に行えます。市区町村役場の窓口で在留カードを提示すれば、裏面に新しい住所が記載されます。

フリーランスとして活動を続ける場合、在留資格によっては、更新・変更の際に活動内容や収入、納税状況などの確認が必要になる場合があります。具体的な必要書類は在留資格や個別の状況によって異なるため、出入国在留管理庁の最新情報を確認しましょう。確定申告をきちんと行い、納税証明書を保管しておくと、更新・変更の際に納税状況の確認を求められた場合にも対応しやすくなります。

部屋探しや在留資格に関する相談は、GTN(グローバルトラストネットワークス)のような外国人専門のサービスを利用すると安心です。まずはBEST-ESTATE.JPで物件を検索するところから始めてみましょう。

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