外国人が入居審査に落ちる理由とは?オーナーが確認すべき審査基準 - GTN MAGAZINE
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外国人が入居審査に落ちる理由とは?オーナーが確認すべき審査基準

外国人入居者の受け入れが広がる一方で、「入居審査ではどのような点を確認すればよいのか」「どのようなケースで審査に通らないのか」と悩むオーナーや管理会社も少なくありません。

外国人であることだけを理由に判断するのではなく、在留資格や収入状況、保証体制などを総合的に確認することが重要です。

この記事では、外国人の入居審査で落ちるケースの具体的な原因と、オーナー・管理会社が知っておくべき審査判断の基準を解説します。

在留資格ごとの確認ポイントや保証会社の活用方法、入居後のトラブルを防ぐための対策など、実務に役立つ情報を分かりやすく紹介します。

外国人の入居審査で落ちる理由とは

在留外国人数は2025年末に412万5,395人となり、初めて400万人を突破して過去最多を更新しました。

国籍別では、中国が約93万人で最多となり、次いでベトナム約68.1万人、韓国約40.7万人、フィリピン約35.6万人と、アジア地域出身者が大きな割合を占めています。

在留資格別では、永住者が約94.7万人と最も多く、次いで技術・人文知識・国際業務が約47.6万人、留学が約46.5万人、技能実習が約45.7万人の順となっています。

出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」

法務省が2016年に実施した調査では、過去5年間に日本で住居を探した経験のある外国人回答者2,044人のうち、804人(39.3%)が「外国人であること」を理由に入居を断られた経験があると回答しています。

外国人入居者の受け入れを進めるには、このような実態を踏まえた上で、オーナーや管理会社が適切な審査基準を整えることが重要です。

出典:法務省「外国人住民調査報告書」

外国人入居希望者の増加と審査の現状

在留外国人数が増加するなか、日本国内では、技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ就労者や、特定技能制度を利用して働く外国人、留学生など、さまざまな外国人が賃貸住宅を必要としています。

しかし、すべての物件が外国人の入居を受け入れているわけではありません。

また入居審査では、言語能力や収入証明、連帯保証人の有無など、日本人とは異なる点が判断材料となるケースがあります。

オーナーが審査で慎重になる3つの理由

外国人の入居審査では、オーナーが次のような点を不安に感じるケースがあります。

1つ目は、言語の壁によるコミュニケーション不安です。入居後のトラブル対応や設備点検の連絡など、日常的なやりとりがスムーズに行えるかどうかを不安視するケースがあります。

2つ目は、家賃滞納のリスクです。ただし、東京圏の民間賃貸住宅市場を分析した、東京大学空間情報科学研究センターの研究によると、入居した世帯のうち深刻な家賃滞納(2か月分以上)に至った割合は、外国籍で2.1%、日本国籍で1.6%と大きな差はありませんでした。

さらに同研究では、収入などの条件をそろえて比較すると、国籍による滞納率の統計的に有意な差は確認されていません。

3つ目は、生活習慣の違いによるトラブルへの不安です。ゴミ出しルールや騒音、退去時の原状回復など、文化的な違いから問題が生じるケースを懸念するオーナーは少なくありません。

出典・参考:東京大学空間情報科学研究センター「民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納」

入居審査に落ちる外国人に共通する特徴と具体的な理由

入居審査で不承認となるケースには、いくつかの傾向が見られます。

ここでは、審査で不承認となる主なケースを紹介します。オーナーや管理会社がこれらの傾向を把握しておくことで、審査時の判断材料として活用できます。

在留資格や就労状況が不安定なケース

在留資格の種類や在留期間の残りは、審査における重要な判断材料の一つです。

在留期間が残り数か月しかない場合や、更新の見込みが不透明な場合は、契約期間中に退去する可能性を考慮して慎重に判断されることがあります。

また、就労が認められていない在留資格で生活費の収入源が明確でない場合も、審査で慎重に判断される傾向があります。

例えば、留学生がアルバイト収入のみで高額な物件へ申し込むケースでは、支払い能力について追加の確認が行われることがあります。

在留資格によって在留期間や就労の可否が異なるほか、申込者ごとに収入状況も異なるため、一律に判断するのではなく、個々の状況を踏まえて総合的に判断することが重要です。

在留資格審査での注意点
技術・人文知識・国際業務就労状況や収入の安定性を確認する
特定技能1号雇用契約や受入れ機関の支援体制を確認する
特定技能2号就労状況や継続的な在留見込みを確認する
留学仕送りやアルバイト収入など、生活費の支払い能力を確認する
家族滞在世帯全体の収入状況や資格外活動許可の有無を確認する
永住者収入や勤務状況などを総合的に確認する

収入証明・保証人が不十分なケース

日本の賃貸契約では、家賃の3倍程度の月収を目安とする保証会社や管理会社が見られます。

外国人の場合、収入証明書の形式が日本の基準と異なることがあり、証明力が弱いと判断される場合もあります。

日本に家族や親族がいない外国人にとって、日本人の連帯保証人を見つけることはハードルが高いです。

そんななか、近年では、保証会社の利用が一般的になっています。外国人対応の保証会社では、多言語サポートを提供している場合があります。

保証会社を活用することで、連帯保証人の確保に関する課題を補えるほか、オーナーや管理会社の負担軽減にもつながります。

過去のトラブル歴や信用情報に問題があるケース

過去に家賃滞納歴がある場合、保証会社が保有する審査履歴等に記録が残っていることがあり、新たな契約では審査で不利に判断される可能性があります。

また、前の物件でトラブルを起こした経歴がある場合は、同一の管理会社や保証会社の利用履歴などから、過去の滞納歴等が確認されるケースがあります。

例えば、退去時の原状回復費用の支払いを巡るトラブルや、騒音などに関する苦情が繰り返された履歴があるケースなどが該当します。

保証会社の審査履歴や提出書類に問題がなくても、書類の不備や記載内容の不一致があると、審査で不利に判断される可能性があります。

外国人の場合は、パスポートや在留カードの氏名表記の違いが不一致と受け取られることもあるため、書類を確認する際には注意が必要です。

外国人入居希望者を適正に審査する実務上の判断基準

審査で重要なのは、外国人であることだけを理由に一律に判断するのではなく、リスクを個別に評価する仕組みを整えることです。ここでは、実務で活用できる判断基準をご紹介します。

在留資格と在留期間から読み取れるリスク

在留資格は、その外国人が日本で行う活動内容や滞在期間を法的に定めたものです。

入居審査では、在留カードに記載された在留資格や在留期間の残りを確認することが基本となります。

技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ就労者は、正社員として雇用されているケースがあり、収入も比較的安定している傾向があります。ただし、雇用形態、契約期間、勤続状況、収入額、在留期間は申込者ごとに異なるため、雇用契約書や給与明細等を個別に確認しましょう。

留学生の場合は、在留期間が1〜2年と比較的短く、卒業後の進路によっては退去する可能性があります。ただし、就職が内定している場合は在留資格の変更が見込まれるため、個別の状況を踏まえた柔軟な判断が重要です。

特定技能1号の場合は、受入れ機関または委託を受けた登録支援機関が、住居確保や生活に必要な契約を支援することが義務的支援に含まれます。審査時には、受入れ機関・登録支援機関の連絡先と具体的な支援内容を確認するとよいでしょう。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」

収入と家賃のバランスをどう判断するか

入居審査では、家賃を月収の3分の1程度までに抑える考え方がありますが、実際の審査基準は保証会社や管理会社によって異なります。

また、収入額だけでなく、雇用形態、勤続期間、支払い状況、緊急連絡先などを含めて判断されます。

外国人の場合は、海外で発行された収入証明書や給与明細など、日本国内で一般的に用いられる書類と形式が異なることがあります。そのため、追加の証明書類の提出を求めることで、支払い能力を確認するケースもあります。

留学生の場合は、本人のアルバイト収入だけでは家賃の目安を満たさないこともあります。そのような場合は、親族からの仕送り証明や奨学金の受給証明書などを確認することで、支払い能力を総合的に判断できます。

技能実習生や特定技能の外国人は、雇用契約によって給与が明確に定められていることが多いため、雇用契約書は収入状況を確認する上で重要な資料となります。

保証会社の審査結果をどう活用するか

保証会社の審査結果は、オーナーや管理会社にとって客観的な判断材料の一つです。保証会社の審査に承認されると、家賃滞納時には契約内容に応じて立替払いが行われるため、オーナーの金銭的なリスクを軽減できます。

外国人の受け入れを検討する際は、外国人対応の保証会社を利用することも有効です。保証会社によっては、外国人の審査に関するノウハウや多言語対応の体制を備えている場合があります。

また、外国人対応の保証会社では、在留資格や就労状況などを踏まえた審査を行っている場合があり、多言語で本人確認に対応しているケースもあります。

保証会社の審査結果を参考にすることで、オーナーや管理会社が個別に判断する負担の軽減にもつながります。

外国人入居者に起こりやすいトラブルと予防策

審査を通過した外国人入居者であっても、入居後にトラブルが発生するケースがあります。ただし、トラブルの多くは事前の対策によって防げる場合があります。

ここでは、代表的なトラブルのパターンと、その予防策をご紹介します。

家賃滞納リスクを高める要因と事前対策

家賃滞納は国籍にかかわらず、収入の不安定化、支払い方法への理解不足、口座残高の不足など、さまざまな事情によって発生します。

外国人入居者についても、国籍で判断するのではなく、収入状況や家賃負担、支払い方法、保証体制などを個別に確認することが重要です。

予防策としては、保証会社の利用を契約条件とする方法があります。

万が一滞納が発生した場合でも、契約内容に応じて保証会社による立替払いを受けられるため、オーナーの家賃収入に関するリスクを軽減できます。

また、口座振替やクレジットカード払いなどの自動引き落としを導入しておくことで、支払い忘れによる滞納を防ぎやすくなります。

外国人の場合は、母国での支払い方法や習慣が日本と異なることもあるため、契約時に支払い方法を明確に説明しておくことが重要です。

生活ルール違反を防ぐための契約前の工夫

ゴミの分別ルールや騒音に関する注意事項、共用部分の利用方法など、日本の賃貸住宅には独自のルールがあります。日本での生活経験が少ない外国人にとっては、こうしたルールを知らないケースもあります。

効果的な対策としては、契約前に多言語でルールを説明する機会を設けることが挙げられます。

ゴミ出しのルールをイラスト付きで案内したり、騒音に配慮すべき時間帯を具体的に伝えたりするなど、視覚的で分かりやすい資料を用意すると理解を促しやすくなります。

また、入居時チェックシートを多言語で作成し、内容を確認した上で署名してもらう方法も有効です。

ルールを「知らなかった」という事態を防ぐだけでなく、万が一トラブルが発生した際の確認資料としても活用できます。

言語の壁によるコミュニケーション課題への対策

設備の故障連絡や修繕の日程調整など、入居後には管理会社とのやり取りが必要になる場面が少なくありません。

日本語での意思疎通が難しい入居者の場合、連絡が円滑に進まないことがあります。

対策としては、多言語対応の管理サービスを利用する方法があります。サービスによっては、24時間対応の多言語サポートを提供しており、入居者が母国語で相談できるほか、管理会社との連絡を支援してもらえる場合があります。

翻訳アプリやチャットツールを活用する方法もありますが、緊急時やトラブル対応では、正確なコミュニケーションが求められます。

多言語対応のサポートサービスを活用することで、管理会社の対応負担を軽減しながら、入居者の安心感にもつながります。

外国人入居者を適正に判断する審査体制の整え方

外国人入居者の受け入れは、空室対策の一つとして有効な選択肢です。

一方で、その効果を高めるには、審査体制そのものを見直すことも重要です。

過度に厳しい審査基準は、優良な入居希望者を逃してしまう可能性があります。ここでは、適正な審査体制の整え方について解説します。

審査基準の明文化と社内共有の実施

外国人の入居審査を担当者ごとの判断に委ねてしまうと、審査基準にばらつきが生じる可能性があります。

そのため、審査基準を明文化し、社内で共有することが重要です。在留資格ごとに確認すべき項目を整理し、チェックシートとして運用することで、担当者による判断のばらつきを抑えやすくなります。

基準を作成する際は、「家賃の3倍程度の月収を目安とする」「在留期間の残り」「保証会社の審査結果」など、客観的に確認できる項目を設定すると判断しやすくなります。感覚だけで判断するのではなく、一定の基準に沿って審査を行うことが大切です。

多言語対応と入居前説明の仕組み化

外国人の受け入れを進めるには、多言語で説明できる体制を整えておくことも大切です。

契約書や重要事項説明書だけでなく、入居ルールを説明する資料についても、多言語で用意しておくと、入居後のトラブル防止につながります。

すべての言語に自社だけで対応する必要はありません。多言語対応の保証会社やサポートサービスを活用することで、翻訳や通訳の負担を軽減しながら、さまざまな言語に対応できます。

また、入居前説明を仕組み化しておくことで、毎回一から説明する手間を減らせます。テンプレートや説明資料を整備しておけば、継続的な運用もしやすくなります。

保証・サポートサービスを活用した審査負担の軽減

外国人の入居審査では、在留資格や収入状況の確認、多言語対応など、専門的な知識が求められる場面があります。これらをすべてオーナーや管理会社だけで対応することが難しいケースもあります。

そのような場合は、外国人対応の保証・サポートサービスを活用する方法もあります。

サービスによっては、入居審査や家賃保証に加え、入居後の多言語サポートまで提供しているものもあります。

まずは保証サービスの内容を確認し、自社の物件や運用方針に合ったサービスを選ぶことが、外国人入居者を安心して受け入れる体制づくりにつながります。

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