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外国人の入居審査で確認したい5つのポイント|円滑な受け入れ体制の整え方

在留外国人数が増加するなか、外国人入居者の受け入れを検討するオーナーや管理会社もいるのではないでしょうか。

外国籍の入居希望者については在留資格・在留期間の確認が必要です。また、来日直後など日本国内での収入実績が少ない場合は、雇用契約書、奨学金証明、送金記録などの資料を用いて支払能力を確認することがあります。

この記事では、外国人の入居審査で押さえるべき5つのチェック項目と、家賃滞納やトラブルを軽減するための仕組みづくりを解説します。

外国人の入居審査が通常の審査と異なるポイント

外国人入居者の審査では、日本人の審査にはない確認事項がいくつか加わります。

在留資格の確認、収入証明の取り方、言語面での対応など、事前に押さえておくべき違いを整理します。

在留資格と在留期間の確認が最優先になる理由

外国人入居者の審査で最初に確認すべきなのは、在留資格と在留期間です。

在留カードに記載された在留資格の種類によって、就労の可否や滞在可能な期間が異なるためです。

たとえば「技術・人文知識・国際業務」は就労可能な在留資格の一つですが、収入の安定性については、勤務先、雇用形態、勤続期間、給与額などを個別に確認する必要があります。

一方、「留学」の在留資格では原則として就労できませんが、資格外活動許可を得た場合は、原則として週28時間以内、教育機関の長期休業期間中は1日8時間以内で就労できます。

在留期間が賃貸契約の期間より短い場合も注意が必要です。

例えば、賃貸借契約の期間が2年で、在留期間がこれより短い場合は、就学期間や雇用契約期間、在留期間の更新予定などを確認し、契約期間中の居住見込みを判断する材料にします。

在留カードの偽造も報告されているため、出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」を利用し、カード番号が失効していないか確認できます。

ただし、照会だけで券面の真正性を完全に確認できるわけではないため、在留カード等読取アプリや券面確認もあわせて行うことが重要です。

出典:出入国在留管理庁「資格外活動許可について」

収入証明で確認すべき項目と日本人との違い

日本人の審査では源泉徴収票や給与明細が一般的ですが、外国人の場合は来日間もないケースも多く、日本での収入証明が十分にそろわないことがあります。

就労している外国人であれば、在職証明書や給与明細などが主な確認書類となります。

支払い能力の目安として、月収が月額家賃の3倍程度あるかを確認するケースがあります。ただし、具体的な基準は管理会社や保証会社によって異なります。

在留資格主な収入証明書類
技術・人文知識・国際業務在職証明書、給与明細、雇用契約書
留学奨学金証明、仕送り証明、アルバイト収入証明
技能実習・特定技能受入機関の雇用契約書、給与明細
永住者・定住者源泉徴収票、確定申告書、給与明細
家族滞在扶養者の収入証明、在職証明書

言語の壁が審査プロセスに与える影響

日本語でのコミュニケーションが難しい場合、契約内容や生活ルールの説明に不安を感じるオーナー・管理会社もいます。

ただし、言語の壁は審査の判断基準としてではなく、入居後の運用体制の問題として捉えることが重要です。多言語対応の保証会社やサポートサービスを活用すれば、言語面のリスクを軽減できます。

審査段階では、入居後の緊急連絡方法と、本人が理解できる言語で対応できる連絡体制を確認します。

自社での多言語対応が難しい場合は、通訳や多言語サポートを利用する方法があります。

勤務先の担当者や知人など、日本語で対応可能な緊急連絡先を確保できているかが判断材料の一つになります。

入居審査で確認すべき5つのチェック項目

外国人入居者の審査では、日本人の審査項目に加えて確認すべきポイントがあります。ここでは、実務で活用できる5つのチェック項目を具体的に解説します。

①在留カードと在留資格の有効性確認

在留カードは、中長期在留者に対して交付される公的な証明書です。審査時には、在留資格の種類や在留期間などを確認します。

在留期間の満了日が近い場合は、更新申請が可能となる時期や申請状況を確認するとよいでしょう。

なお、在留期間が6か月以上の場合、更新申請は原則として満了日の概ね3か月前から受け付けられます。

就労の可否を確認する際は、表面の「就労制限の有無」と、裏面の「資格外活動許可欄」をあわせて確認します。

就労状況を確認する際は、在留資格とあわせて確認することが重要です。

出入国在留管理庁のWebサイトでは、在留カード等番号が失効していないかを照会できます。

審査時には、本人の同意を得たうえで券面を確認し、必要に応じて在留カード等読取アプリと失効情報照会を併用する方法があります。

出典:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」「在留カード等読取アプリケーション」「在留カード等番号失効情報照会」

②収入証明と雇用形態の安定性

収入の安定性は、家賃滞納リスクを判断するうえで重視される項目の一つです。外国人入居者の場合も、雇用形態に応じて必要な書類を確認します。

正社員の場合は在職証明書や給与明細などを確認し、契約社員やアルバイトの場合は雇用契約書で契約期間を確認します。

派遣社員の場合は、派遣元や就業状況に関する情報も判断材料になります。

留学生の場合は、奨学金の受給証明書や母国の親族からの送金証明書などが、支払い能力を確認する資料になる場合があります。

家賃負担率を審査項目とする管理会社・保証会社もありますが、計算方法や基準は各社で異なります。

収入額だけでなく、雇用状況、同居人数、継続的な支払手段などを総合的に確認します。ただし、実際の審査基準は管理会社や保証会社によって異なります。

③緊急連絡先と母国の連絡先の確保

外国人入居者の審査では、緊急連絡先の確認も重要な項目です。

連帯保証人を確保できない場合でも、緊急時に連絡が取れる人を把握しておくことで、連絡不能時の対応に備えられます。

日本国内で連絡可能な人に加え、必要に応じて母国の家族や知人の連絡先を確認する方法があります。

緊急時の連絡体制として、国内で連絡可能な勤務先担当者や知人などを確認する場合があります。

日本語での対応が難しい場合は、多言語サポートを利用する方法もあります。

なお、緊急連絡先は連帯保証人とは異なり、原則として家賃の支払い義務を負いません。

母国の家族・知人の連絡先を取得する場合は、取得の必要性を検討したうえで、利用目的、連絡する場面、保管期間などを入居希望者に明示します。

連絡先となる本人にも、情報提供について了承を得てもらう運用が望まれます。

④過去の賃貸履歴と保証会社の審査結果

日本での賃貸履歴がある外国人の場合は、本人から過去の居住歴を申告してもらうことがあります。

また、保証会社は、本人同意のもと、各社の審査基準や利用可能な情報に基づいて審査します。貸主や管理会社が前の貸主等へ確認する場合は、個人情報の取扱いに注意が必要です。

初めて日本で部屋を借りる外国人の場合は、賃貸履歴がないこと自体をマイナスとして捉えるのではなく、保証会社の審査結果や現在の雇用・収入状況などを総合的に確認することが重要です。

保証会社は、それぞれの審査基準に基づいて入居希望者を審査します。外国人向けの保証サービスでは、在留資格や雇用状況などを踏まえた審査を行っているケースもあります。

保証契約の対象となる滞納が発生した場合は、契約条件に従って代位弁済を受けられることがあります。

保証上限、免責事項、事故報告期限、更新条件、原状回復費や訴訟費用の扱いを事前に確認します。

⑤生活ルールを伝える説明・支援体制

外国人入居者とのトラブルでは、ゴミ出しや騒音など、生活ルールの認識の違いが原因となるケースがあります。

これらは、入居前の説明によって防げる可能性があります。

契約時には、本人が理解できる言語や方法で生活ルールを説明し、不明点がないか確認します。

日本語での理解が難しい場合は、本人が理解できる言語の説明資料を用意したり、通訳や多言語サポートを活用したりする方法があります。

国土交通省では「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」など、外国人入居者への対応に活用できる資料を公開しています。

ゴミ出しのルール、騒音に関するマナー、共用部の使い方など、トラブルが起きやすい項目をチェックリスト化し、入居前に確認してもらう運用も効果的です。

審査基準と空室リスクのバランス

審査基準は厳格であるほどリスクが下がるように見えますが、過度に厳しい基準は入居対象者を狭める可能性があります。リスク管理と空室対策のバランスを考えることが重要です。

在留外国人の増加

在留外国人数は2025年末に412万5,395人となり、初めて400万人を突破して過去最多を更新しました。

国籍別では、中国が約93万人で最多となり、次いでベトナム約68.1万人、韓国約40.7万人、フィリピン約35.6万人と、アジア地域出身者が大きな割合を占めています。

在留資格別では、永住者が約94.7万人と最も多く、次いで技術・人文知識・国際業務が約47.6万人、留学が約46.5万人、技能実習が約45.7万人の順となっています。

出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」

在留外国人数の増加に伴い、外国人の住まい探しに対応できる体制の重要性も高まると考えられます。

外国人入居者の受け入れ体制を整えることで、入居対象者の幅が広がり、空室対策につながる可能性があります。

審査落ちによる機会損失の具体的な試算

審査基準が厳しすぎて入居希望者を断り続けた場合、空室期間が長期化する可能性があります。

たとえば、家賃8万円の物件で1か月空室が続けば、単純計算で8万円の賃料収入を得られません。

3か月なら24万円です。(管理費・共益費、募集費用、原状回復費などを考慮しない単純試算です)

一方、保証会社などを活用して外国人入居者を受け入れることで、家賃滞納リスクを一定範囲でカバーできる場合があります。

保証会社は、貸主や管理会社が提携・指定する会社を利用するケースが一般的です。外国籍への対応可否、対応言語、保証範囲、免責事項などを確認しておきましょう。

空室による機会損失と保証サービスの利用コストを比較し、物件ごとに受け入れ体制を検討することが大切です。

リスクと収益のバランスをとる審査設計

審査基準は「リスクをゼロにする」のではなく、「許容可能な範囲にリスクを管理する」という考え方で設計することが重要です。

具体的には、在留資格や収入などの基本項目を確認し、言語面や生活サポートに関する懸念は保証会社やサポートサービスを活用して補います。

審査基準を明文化し、担当者によって判断が大きく変わらないようにすることも大切です。チェックリスト形式で審査項目を標準化すれば、一定の基準に沿った審査を行いやすくなります。

家賃滞納・無断退去のリスクを抑える仕組みづくり

オーナーが懸念する家賃滞納や無断退去などのリスクは、審査時から対策を整えることで軽減できます。保証会社の活用、支払い手段の確認、在留期間の確認について具体的に解説します。

保証会社の活用で滞納リスクをカバーする方法

保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に、契約内容に基づいてオーナーや管理会社へ家賃を立て替えるサービスを提供しています。

外国人入居者の受け入れにおいても、保証会社の利用は家賃滞納リスクを抑える方法の一つです。

保証会社には、信用情報を審査に活用する会社や、独自のデータベース・審査基準を用いる会社などがあります。

外国人向けの保証サービスでは、日本での信用履歴だけでなく、在留資格や雇用状況などを確認して審査するケースがあります。多言語対応を提供するサービスであれば、入居後のコミュニケーション支援にもつながります。

口座振替と送金手段の事前確認

家賃の支払い方法を契約前に確認し、継続的に支払える仕組みを整えておくことが滞納防止につながります。

口座振替を利用できる場合は、毎月自動で家賃を引き落とせます。来日直後で銀行口座の開設が完了していない場合は、口座開設までの支払い方法と、開設後の手続きを事前に決めておくとよいでしょう。

クレジットカード払いに対応している場合は、利用可能なカードや決済条件を確認します。母国からの送金で家賃を支払う場合は、送金方法や手数料負担なども事前に確認しておくことで、支払いに関するトラブルを防ぎやすくなります。

在留期間と契約期間を確認する際の注意点

在留期間が賃貸借契約期間より短いことだけで入居可否を判断せず、就学・就労状況、在留期間の更新予定、契約期間中の居住見込みなどを個別に確認します。

対策として、在留期間の満了時期を把握し、必要に応じて更新状況を確認する運用が考えられます。

退去時の原状回復や敷金精算などのルールについても、契約時にわかりやすく説明しておくことが重要です。

技能実習生や特定技能外国人について、勤務先や監理団体、登録支援機関などが住居の確保・生活支援に関与している場合は、本人の同意を得たうえで連絡・退去時の対応体制を確認します。

住居を受入機関が手配している場合は、退去時の対応について事前に役割分担を確認しておくとよいでしょう。

入居後のトラブルを審査段階で防ぐ具体策

入居審査は、入居後のトラブルを防ぐための準備を始める工程でもあります。審査や契約の段階で適切な準備をしておけば、トラブルの発生リスクを抑えられます。

多言語での生活ルール説明と同意確認

外国人入居者とのトラブルには、日本の生活ルールを十分に理解できていなかったことが原因となるケースがあります。

審査通過後や契約締結時に、生活ルールを理解できる言語で説明し、内容を確認してもらう運用が効果的です。

説明すべき項目としては、ゴミの分別と排出日、夜間の騒音、共用部の使い方、退去時の原状回復について、通常損耗・経年変化と、入居者の故意・過失などによる損傷の負担区分を分かりやすく説明します。

これらを多言語のチェックリスト形式にまとめ、説明内容を記録しておけば、入居後の認識のずれを防ぎやすくなります。

ゴミ出し・騒音ルールの事前共有フォーマット

ゴミ出しや騒音に関するトラブルは、文化や生活習慣の違いだけでなく、地域や物件ごとのルールが十分に共有されていないことで発生する場合があります。

ゴミ出しルールについては、分別方法と排出可能な曜日・時間を写真やイラスト付きで説明する資料が効果的です。自治体が外国語版のゴミ分別ガイドを公開している場合は、入居時の案内資料として活用できます。

騒音については、「夜間は大きな音を控える」と伝えるだけでなく、洗濯機や掃除機の使用、友人を招く際の注意点など、具体的な場面を示すと理解につながりやすくなります。

これらのルールを契約書の別紙や入居案内として共有し、内容を確認してもらう方法もあります。

トラブル発生時の対応フローを契約前に整備する

審査段階でのリスク管理には限界があります。慎重に審査しても、入居後に問題が発生する可能性を完全になくすことはできません。

そのため、トラブル発生時の対応フローを事前に整備しておくことが重要です。

対応フローには、連絡手段、対応言語、対応可能な時間帯などを明記します。入居者本人と連絡が取れない場合の連絡方法についても決めておくとよいでしょう。

家賃滞納が発生した場合の対応手順、近隣トラブルが報告された場合の確認・注意喚起の流れ、火災や水漏れなどの緊急連絡先を整理しておけば、実際の対応をスムーズに進めやすくなります。

自社での多言語対応が難しい場合は、外国人向けのサポートサービスを活用する方法もあります。

審査から入居後管理まで手間を削減する方法

外国人入居者の受け入れに前向きでも、実務の手間が増えることを懸念するオーナーや管理会社は少なくありません。

ここでは、審査から入居後の管理まで効率化する方法を紹介します。

外国人専門の保証・サポートサービスの活用

外国人入居者に関する業務をすべて自社で対応しようとすると、多言語対応、在留資格の確認、生活ルールの説明など、幅広い対応が必要です。

外国人向けの保証・サポートサービスの中には、審査から入居後のサポートまで一貫して提供しているサービスがあります。

多言語での問い合わせ対応や家賃保証、入居後の生活サポートなどを活用することで、オーナーや管理会社の実務負担を軽減できます。

夜間や休日を含む多言語サポートを提供するサービスであれば、自社の対応時間外に発生する問い合わせへの備えにもなります。

審査チェックリストの標準化で属人化を防ぐ

外国人入居者の審査は確認事項が多いため、担当者によって判断が異なる可能性があります。

チェックリストを標準化しておけば、担当者が変わっても一定の基準に沿って確認できます。

チェック項目確認内容確認方法
本人確認・在留状況本人情報、在留資格、在留期間の満了日、カードの有効期限券面確認、在留カード等番号による失効情報照会(※1)
収入証明家賃に対する収入状況給与明細、在職証明書
雇用形態正社員、契約社員、アルバイトなど雇用契約書
緊急連絡先緊急時に連絡可能な連絡先連絡先記入用紙
保証会社審査の通過状況保証会社の審査結果
生活ルール説明内容多言語チェックリスト

※1 特定在留カードの裏面にはマイナンバーが記載されています。入居審査では、裏面をコピー・撮影したり、マイナンバーを書き取ったりして取得・保存しないでください。

※必要書類や審査基準は管理会社・保証会社によって異なります。

上記のチェックリストを社内で共有し、定期的に見直すことで、審査の精度と効率を高めやすくなります。新しい担当者が配属された場合の引き継ぎにも活用できます。

外国人入居者を受け入れるために

外国人の入居審査でも、収入や雇用状況、家賃の支払能力など、基本的な確認項目は日本人の場合と共通しています。そのうえで、在留資格・在留期間の確認や、本人が理解できる言語での説明体制を整えることが重要です。

国籍だけを理由に一律の基準を設けるのではなく、申込者ごとの状況を確認し、保証会社や多言語サポートなども活用しながら受け入れ可否を判断しましょう。

また、在留カードの確認、必要書類、緊急時の連絡方法、生活ルールの説明などをチェックリスト化すれば、担当者による確認漏れや判断のばらつきを防ぎやすくなります。

自社だけでの対応が難しい場合は、外国人入居者に対応した保証・サポートサービスを利用することも選択肢の一つです。保証範囲や対応言語、入居後のサポート内容を比較し、物件や管理体制に合ったサービスを検討してください。


GTNの家賃保証サービスは、外国人専門で20年の実績を持ち、約43,000社の不動産会社と提携しています。24時間365日対応のライフサポート「TRUST CALL24」を組み合わせることで、給湯器の使い方や近隣トラブルといった、管理会社が対応しきれない入居後の相談を最大25言語で引き受けられます。

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