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スリランカ人材の特徴とは?採用のメリット・仕事での注意点とトラブル回避策を最新データで解説

外国人採用の現場で、ここ2年ほどで一気に存在感を増しているのがスリランカ人材です。在留スリランカ人は2025年末時点で国籍・地域別の第9位まで浮上し、外国人労働者数の伸び率も主要国のなかで上位に入りました。

一方で、「特徴や国民性がよく分からない」「採用の注意点やトラブル事例を社内に説明できる材料がない」という声も多く聞かれます。ネット上の記事の多くは2022年から2023年のデータで止まっており、実態と数字が乖離しているのが現状です。

本記事では、出入国在留管理庁・厚生労働省・外務省・スリランカ中央銀行などの一次情報をもとに、スリランカ人材の特徴、日本に来る理由、採用メリット、注意点とトラブル回避策、配属までのスケジュールまでを実務目線で整理します。2027年4月に施行される育成就労制度の影響まで踏み込むので、上長や現場、法務・コンプライアンス部門への説明資料としてもそのまま使える構成にしています。

目次

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スリランカ人材が急増している背景|最新データで見る現在地

スリランカ人材を検討するうえで、まず押さえておきたいのが「すでに人材の流入が起きている」という事実です。感覚的な人気ではなく、公的統計が明確な増加を示しています。

出入国在留管理庁によると、2025年末(令和7年末)現在の在留スリランカ人は79,128人で、国籍・地域別で第9位。前年末から15,656人増加し、2024年末時点の第12位から3つ順位を上げました。同時点の在留外国人総数は412万5,395人(前年末比9.5%増)で初めて400万人を突破しており、そのなかでもスリランカの伸びは際立っています。

出典:出入国在留管理庁|令和7年末現在における在留外国人数について

つまり、多くの記事が引用している「在留スリランカ人は約4万人」という数値は、すでに実態の半分程度です。社内資料を作る際は、この点だけでも更新する価値があります。

労働者数は50,427人|在留資格の内訳に見える「二層構造」

働いている人数で見ると、実態はさらに鮮明になります。厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況(2025年10月末時点)では、スリランカ国籍の外国人労働者は50,427人。前年比では28.9%(11,291人)増で、ミャンマー(42.5%増)、インドネシア(34.6%増)に次ぐ高い伸び率を記録しました。同時点の外国人労働者総数は2,571,037人(前年比11.7%増)です。

注目すべきは在留資格別の内訳です。

在留資格の区分

人数

構成比の目安

資格外活動(うち留学 21,021人)24,095人約48%
専門的・技術的分野(うち技術・人文知識・国際業務 13,287人/特定技能 3,118人)17,072人約34%
身分に基づく在留資格3,562人約7%
技能実習2,855人約6%
特定活動2,843人約6%
合計50,427人100%

出典:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)厚生労働省|国籍別・在留資格別外国人労働者数(別表1)

ここから読み取れるのは、スリランカ人材が「留学生アルバイト層」と「専門職・技能人材層」の二層構造になっているということです。約半数は留学生を中心とした資格外活動で、就労時間に上限があります。現場のフルタイム人材となる特定技能はまだ3,118人にとどまり、専門職の中心は技術・人文知識・国際業務の13,287人です。

この構造は、採用戦略を左右します。すぐに戦力化したいなら国内の留学生・既就労者にアプローチする、中長期の基幹人材として育てたいなら特定技能や技術・人文知識・国際業務で採用する、という使い分けが必要になるからです。

特定技能全体のなかでのポジション

参考までに、特定技能制度全体の規模も確認しておきましょう。2025年12月末時点の特定技能在留外国人数は390,296人(特定技能1号382,341人、2号7,955人)で過去最高を更新しました。このうち特定技能1号の国籍別内訳は、ベトナム158,497人(41.5%)、インドネシア86,523人(22.6%)、ミャンマー44,315人(11.6%)が上位です。

出典:出入国在留管理庁|特定技能在留外国人数(令和7年12月末)のポイント

スリランカはまだ上位国には入っていません。裏を返せば、スリランカ出身の特定技能外国人数は上位国と比べるとまだ少なく、今後の人材供給の可能性を検討できる国の一つといえます。

スリランカ人材の特徴|国民性・宗教・言語を正しく理解する

「スリランカ人の特徴」を検索すると、温厚・親切・家族思いといったキーワードが並びます。それ自体は間違いではありませんが、現場のマネジメントに使える解像度ではありません。ここでは公的データに基づく基礎情報から、実務で効いてくるポイントを整理します。

外務省の基礎データによると、スリランカの面積は65,610平方キロメートル(北海道の約0.8倍)、人口は約2,192万人(2024年、スリランカ中央銀行)。1人当たりGDPは5,003米ドル(2025年)です。日本との国交樹立は1952年4月28日で、70年以上の関係があります。

出典:外務省|スリランカ基礎データ

民族・宗教は多層構造|「仏教徒が7割」で終わらせない

多くの記事は「スリランカは仏教徒が約7割」で説明を終えますが、受け入れ実務で重要なのは残りの3割の存在です。

区分

構成

民族シンハラ人74.9%/タミル人15.3%/スリランカ・ムーア人9.3%/その他0.5%
宗教仏教70.1%/ヒンドゥー教12.6%/イスラム教9.7%/キリスト教7.6%
言語シンハラ語・タミル語(公用語)、英語(連結語)

実務上のポイントは3つあります。

第一に、イスラム教徒(約1割)を採用する場合は、食事と礼拝への配慮が必須になります。社員食堂のメニュー、ラマダン期間中のシフト、礼拝スペースの確保は、内定前に方針を決めておくべき論点です。豚肉やアルコールを扱う職場であれば、業務内容を面接段階で正確に伝えておく必要があります。

第二に、ヒンドゥー教徒が約12.6%を占めます。牛肉を食べない、菜食主義者が一定数いるといった配慮が必要になるケースがあります。なお、民族の「タミル人15.3%」と宗教の「ヒンドゥー教12.6%」は別の区分です。タミル人のなかにもキリスト教徒やイスラム教徒がいるため、民族から宗教を推測せず、本人に確認するのが実務上の原則になります。

第三に、スリランカは1983年から2009年まで内戦を経験しており、民族間の機微に触れる話題は職場で扱わないのが原則です。同じ職場に複数の民族的背景を持つ人材を配属する場合、日本人社員が「同じ国の人同士だから通じ合えるはず」と前提を置かないことが、無用な摩擦を避けるうえで効きます。

実務レベルの英語力と、日本語学習への高い関心

スリランカ人材の特徴として、実務上のメリットになりやすいのが言語環境です。

スリランカでは公用語としてシンハラ語とタミル語が定められ、これに加えて英語が「連結語」として位置づけられています。公文書やビジネスの場面でも英語が使われており、日本語と英語の両方である程度のコミュニケーションが取れる人材は、インバウンド対応や海外取引のある職場で大きな戦力になります。

ただし、2012年の国勢調査では英語を話せるのは10歳以上人口の23.8%で、候補者全員が英語を話せるわけではありません。日本語力とあわせて、面接段階で個別に確認する必要があります。

日本語能力試験の応募者数が示す「日本志向」

日本語学習への熱量は、試験の受験動向にも表れています。2025年第2回(12月)の日本語能力試験(JLPT)では、スリランカ(コロンボ)の応募者数は10,032人、受験者数は7,851人でした。応募者数の内訳はN5が5,114人、N4が4,212人、N3が500人、N2が165人、N1が41人です。

出典:日本語能力試験|2025年第2回 実施国・地域別応募者数・受験者数

N4・N5が全体の9割超を占める点は、実務上きわめて重要な示唆です。これは「これから日本を目指す層」が分厚いことを意味します。特定技能で求められる日本語水準(N4相当以上)の候補者プールは拡大しているものの、N2以上の高度人材はまだ限定的です。事務職や管理者候補を求める場合は、国内在住の留学生・卒業生層に目を向けるほうが現実的でしょう。

スリランカ人が日本に来る理由

「なぜスリランカ人が日本を目指すのか」を理解しておくと、面接での見極めや定着施策の設計が格段にやりやすくなります。理由は感情論ではなく、国の経済構造そのものにあります。

海外就労と送金が国家経済を支えている

スリランカ中央銀行の統計によると、2025年1月から9月の海外労働者送金額は58億1,170万米ドルで、前年同期比20.0%増。月平均で6億4,570万米ドルが本国に送られています。同期間の海外就労目的の出国者は236,340人で、月平均26,260人が国外へ働きに出ている計算です。

出典:スリランカ中央銀行|Workers' Remittances and Labour Migration Bulletin 2025 Q3

海外就労は個人の選択であると同時に、国家の外貨獲得手段でもあるというのがスリランカの実情です。近年の深刻な経済混乱を経て、この傾向はさらに強まっています。1人当たりGDPが5,003米ドル(2025年)であることを踏まえると、日本で得られる賃金との差は大きく、海外就労の経済的な動機は今後も続くとみられます。

送金先の主流は中東。日本は「これから」の選択肢

2025年第3四半期の送金額を送金元別に見ると、アラブ首長国連邦、クウェート、英国、サウジアラビアが上位を占めます。中東湾岸諸国が上位の多くを占めており、スリランカの海外就労は中東への依存度が高い構造です。日本はまだ新興ルートといえます。

この事実には2つの意味があります。

ひとつは、中東就労で培われた「海外で働く」という文化的な素地があること。家族と離れて働くことへの心理的ハードルが低く、送金を前提とした生活設計が一般化しています。

もうひとつは、日本が選ばれ続ける保証はないということです。中東ルートは日本語のような言語要件を伴わないことが多く、渡航までの準備期間も相対的に短いといわれます。そのうえで日本を選ぶ人材は「日本語を学ぶ時間的コストを払ってでも来たい」と考えている層であり、その動機は長期就労や技能習得、生活環境の良さに向いていることが多くなります。採用面接では、この動機の中身を確認することが定着率に直結します。

家族への仕送りが行動原理になる

スリランカでは家族の結びつきが強く、稼いだ収入の一部を本国の家族への送金を目的の一つとして海外就労を選ぶ人もいます。この点を理解しておくと、給与設計や労務管理での判断がぶれません。

具体的には、手取り額に対する感度が高いこと、残業を望む傾向があること、家族の冠婚葬祭や病気の際に長期帰国を希望する可能性があることが挙げられます。「なぜ急に長期休暇を申し出るのか」という誤解は、この背景を知っているだけで防げます。あらかじめ年次有給休暇の運用ルールと帰国休暇の考え方を明文化し、入社時に説明しておくのが実務上の最適解です。

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スリランカ人材を採用するメリットと、選ぶべき在留資格

ここまでの特徴を踏まえ、採用実務で使える形にメリットと在留資格の選択肢を整理します。

送出機関の利用が必須ではないという制度上の優位性

スリランカ採用における最大の実務的メリットが、送出機関の利用が義務づけられていない点です。出入国在留管理庁は、スリランカについて「特定技能外国人を受け入れるにあたって、必ずしもスリランカ政府が認定した送出機関を利用する必要はない」と明示しています。

出典:出入国在留管理庁|スリランカに関する情報

送出機関の利用が必須の国では、機関経由の手数料や指定手続きが発生し、コストとリードタイムの両方に影響します。スリランカでは直接採用や国内在住者の採用がしやすく、中間コストを圧縮できる余地があるという点は、コスト試算を社内で通す際の強い材料になります。

ただし、必須でないことは「誰を介してもよい」という意味ではありません。悪質な仲介業者を避けるための確認プロセスは、後述する注意点のとおり自社で設計する必要があります。

また、この取り扱いは特定技能に関するものです。技能実習や2027年に始まる育成就労は別の枠組みで運用されるため、制度ごとに送り出しの要件を確認してください。

在留資格別の選択肢を比較する

スリランカ人材を採用する際の主な在留資格は次の4つです。

在留資格

主な対象業務

在留期間の目安

向いているケース

特定技能1号介護、外食業、飲食料品製造業、建設、宿泊などの現場業務原則通算5年現場の即戦力を中長期で確保したい
技術・人文知識・国際業務通訳、貿易、IT、設計、営業など更新制大卒人材を総合職・専門職で採用したい
育成就労(2027年4月開始)特定技能1号への移行を前提とした育成原則3年未経験人材を自社で育てたい
資格外活動(留学生)週28時間以内のアルバイト在学中繁忙対応・将来の正社員候補の見極め

留学生を雇用する場合、資格外活動許可の範囲は1週について28時間以内(在籍する教育機関の長期休業期間中は1日8時間以内かつ週40時間以内)と定められています。この上限を超えて働かせた場合、企業側は不法就労助長罪に問われます。入管法第73条の2第1項が定める法定刑は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科です。

この法定刑は、令和6年法律第60号により2027年4月1日から5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその併科に引き上げられます。施行日は育成就労制度のスタートと同日です。受け入れルートが広がる一方で、企業側の管理責任はより重く問われる方向に動いています。

外国人が不法就労者であることを知らなかった場合でも、在留カードを確認していないなどの過失があれば処罰を免れません。在留資格の確認は、担当者の裁量に委ねず、仕組みとして厳格に運用しましょう。

出典:出入国在留管理庁|「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について出入国在留管理庁・厚生労働省|外国人を雇用した時は…。(不法就労防止リーフレット)

スリランカ人材と相性のよい分野

特定技能全体の分野別内訳は、飲食料品製造業95,644人(24.5%)、介護67,871人(17.4%)、工業製品製造業57,576人(14.8%)、建設51,122人(13.1%)、外食業44,925人(11.5%)、農業39,234人(10.1%)となっています。

出典:出入国在留管理庁|特定技能制度運用状況

スリランカ人材を採用するうえで実務的に重要なのは、現地で評価試験が実施されているかどうかです。介護分野では、介護技能評価試験・介護日本語評価試験の海外実施国にスリランカが含まれています。

出典:プロメトリック|介護特定技能評価試験

現地で試験が受けられる分野は、海外から直接呼び寄せる採用ルートが機能することを意味します。逆に現地試験のない分野では、国内在住のスリランカ人(留学生・技能実習修了者など)を対象にするほうが現実的です。この見極めを最初に行わないと、募集をかけても候補者が集まらないという事態になります。

なお、ホスピタリティ志向の強さと英語力を活かせる宿泊・外食分野、丁寧さが求められる介護分野は、現場からの評価が高い傾向にあります。採用から生活立ち上げ、定着支援までを一括で任せたい場合は、受け入れ企業向けの支援サービスを活用する選択肢もあります。

スリランカ人材採用の注意点|トラブルを未然に防ぐ5つの論点

ここからは、採用と受け入れの現場で実際に問題になりやすいポイントを整理します。いずれも事前の設計で回避できるものです。

時間感覚のギャップは「ルールの明文化」で埋める

時間や遅刻に関する認識は、本人の経験や職場環境によって異なります。入社時に、始業時刻、勤務開始前の準備、遅刻時の連絡方法などを具体的に説明することが重要です。

有効なのは、精神論ではなく運用ルールの明文化です。具体的には、始業時刻の何分前に持ち場に入るのか、遅刻した場合の連絡手段と連絡先、無断欠勤時の対応を、母語または平易な日本語で文書化して入社時に配布します。「なぜそのルールがあるのか」を理由とセットで説明すると、納得度が大きく変わります

「できない」と言えないことによる報連相の遅れ

スリランカの人材には、相手への配慮やプライドから否定的な返答を避ける傾向が見られます。指示に対して「分かりました」と答えても、実際には理解していないケースがあります。

対策は3つです。第一に、指示は曖昧な表現を避け、期限・数量・手順を数字で伝えること。第二に、「分かりましたか」ではなく「では、何をどの順番でやりますか」と復唱させる確認方法に変えること。第三に、困りごとを言い出せる場を定期的に設けることです。面談を1対1で設定するだけでも、報告の質は大きく改善します

在留資格と就労可否の確認は必須プロセスにする

制度面で最も重大なリスクが、在留資格の確認漏れです。

出入国在留管理庁によると、2026年1月1日現在の不法残留者数は全国で68,488人。国籍別ではスリランカが2,091人(構成比3.1%)で第8位となっています。全体が前年比8.5%減となるなかで、スリランカは2.3%増で、上位10か国のうち唯一の増加国です。

出典:出入国在留管理庁|本邦における不法残留者数について(令和8年1月1日現在)

これはスリランカ人材の資質の問題ではなく、在留者数そのものが急増していることの裏返しです。ただし企業としては、次の確認を採用プロセスに組み込む必要があります。

  • 在留カードの原本を確認し、在留期限・在留資格・就労制限の有無を記録する
  • 出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」で番号の有効性を確認する
  • 資格外活動許可の有無と範囲(週28時間以内など)を裏面で確認する
  • 在留期限の管理台帳を作成し、更新時期の3か月前にアラートを設定する

これらは不法就労助長罪のリスクを避けるための最低限の実務であり、法務・コンプライアンス部門への説明でも中核になる部分です。

悪質な仲介業者と手数料負担のチェック

日本とスリランカは、2019年6月19日に特定技能に関する協力覚書(MOC)に署名しています。この覚書は、悪質な仲介事業者の排除、保証金徴収や違約金などの人権侵害に関する情報共有、二国間協議の実施を基本的枠組みとして定めています。

出典:外務省|スリランカとの在留資格「特定技能」を有する外国人材に関する制度の適正な実施のための基本的枠組みに関する協力覚書(MOC)の署名

採用時には、候補者本人に「渡航前にいくら支払ったか」を必ず確認してください。過大な手数料や借金を抱えて来日した人材は、返済圧力から失踪や不適切な副業に走るリスクが高まります。金額と支払先を記録に残し、不自然に高額であれば仲介ルートの見直しを検討すべきです。

宗教・生活習慣への配慮を「制度」に落とし込む

前述のとおりスリランカは宗教が多層的です。個別対応で場当たり的に処理すると、社内の不公平感につながります。

食事、礼拝、祝日休暇の取り扱いを社内ルールとして事前に決めておくことが重要です。あわせて、住居のゴミ出しルール、騒音、共用部分の使い方といった生活面のトラブルも頻発します。入居前のオリエンテーションを母語対応で実施できるかどうかで、近隣トラブルの発生率は大きく変わります。

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採用から配属・稼働開始までの流れとスケジュール

社内稟議で必ず問われるのが「いつから稼働できるのか」です。ルート別の目安を整理します。

採用ルート

主な工程

稼働開始までの目安

国内在住者(留学生・技能実習修了者など)選考 → 在留資格変更許可申請 → 許可 → 入社約2〜4か月
海外からの直接採用(特定技能)選考 → 評価試験・日本語試験の合格確認 → 在留資格認定証明書交付申請 → 査証申請 → 入国 → 入社約4〜7か月
育成就労(2027年4月以降)選考 → 送出し手続 → 在留資格手続 → 入国 → 講習 → 配属約6か月以上

国内在住者を採用する場合、在留資格変更許可申請の審査期間が読みづらい点に注意が必要です。「内定を出したらすぐ働ける」という前提でシフトを組むと、現場に穴が開きます。申請から許可までは1か月から2か月程度を見込み、稼働開始日は許可後に確定させる運用が安全です。

海外から呼ぶ場合は、試験合格の確認が最初の関門になります。前述のとおり分野によって現地試験の実施状況が異なるため、募集開始前に「候補者が受験できる試験があるか」を確認することが、スケジュール遅延を防ぐ最大のポイントです。

コスト面では、人材紹介手数料、在留資格申請の実費と行政書士報酬、渡航費、住居の初期費用、登録支援機関への支援委託費(特定技能1号の場合)が主な項目になります。これらに加え、日本語教育や生活オリエンテーションの費用を初年度予算に織り込んでおくと、稟議後の追加申請を避けられます。採用単価だけでなく、初年度総コストで比較するのが実務上の鉄則です。

2027年4月施行の育成就労制度がスリランカ採用に与える影響

最後に、多くの記事が触れていない制度変更の論点を押さえておきます。

技能実習制度に代わる育成就労制度が、2027年(令和9年)4月1日に施行されます。目的は「人手不足分野における人材の育成・確保」であり、育成就労の期間は原則3年以内。この3年間の就労を通じて、特定技能1号水準の技能を持つ人材を育成する制度です。育成就労終了時に育成就労評価試験(専門級)などの技能試験と日本語試験に合格すれば、特定技能1号へ移行し、さらに特定技能2号を目指すことも可能になります。

日本語能力については、就労開始前にA1相当以上(JFT-Basic、日本語能力試験N5等の合格、またはこれに相当する日本語講習の受講)が求められます。育成就労終了時の水準は分野によって異なり、A2.2相当以上などの基準が設定されています。

また、本人の意向による転籍が一定の要件のもとで認められる点が、技能実習との大きな違いです。転籍の条件としては、分野ごとに定められた転籍制限期間(当面のところ1年から2年)の経過に加えて、育成就労評価試験(初級)などの技能試験の合格と分野ごとに定める日本語能力(多くはA2.1相当以上、介護などはA2.2相当以上)が示されています。

出典:出入国在留管理庁|育成就労制度の概要(令和8年7月改訂)

スリランカ人材の採用に引き寄せると、影響は3点あります。

第一に、就労開始前の日本語要件が明文化されることで、日本語学習インフラの整備状況が供給力を左右します。JLPT応募者の9割超がN5・N4層であるスリランカは、この要件との相性が比較的よいと考えられます。

第二に、転籍が認められるため、受け入れ後の待遇と職場環境が定着率に直結します。「入れれば3年いる」という前提は成立しません。採用時のコスト計算に、定着支援への投資を含めておく必要があります。

第三に、技能実習からの移行期にあたる2026年から2027年は、制度対応の実務負荷が増します。現在スリランカ人材の受け入れを検討している企業は、特定技能で先行して受け入れ、社内の受け入れノウハウを蓄積しておくほうが、制度移行後にスムーズに動けます。

まとめ|データに基づいた受け入れ設計が成否を分ける

スリランカ人材は、在留者数が国籍別第9位まで伸び、外国人労働者数も前年比28.9%増と急拡大している供給国です。実務レベルの英語力を持つ人材が一定数いること、送出機関が必須でない制度上の柔軟性は、他国にはない明確な強みといえます。日本語能力試験の応募者数が示すとおり、日本を目指す候補者の母集団も着実に厚みを増しています。

一方で、労働者の約半数が留学生を中心とした資格外活動である現在の構造を理解せずに採用計画を立てると、想定した人材に出会えません。まずは「すぐに戦力が欲しいのか、中長期の基幹人材を育てたいのか」を社内で確定させ、そのうえで在留資格と採用ルートを選ぶ順序が重要です。現地で評価試験が実施されている分野かどうかによって、海外からの直接採用が成立するかも変わります。

トラブル回避の面では、在留資格と就労可否の確認、渡航前費用のヒアリング、宗教・生活習慣への制度的な配慮という3つの実務を、採用プロセスそのものに組み込んでおくことが要になります。いずれも属人的な運用にせず、チェックリストと社内ルールとして文書化しておけば、担当者が変わっても品質は落ちません。

そして2027年4月の育成就労制度施行を控え、外国人材の受け入れルートは大きく変わります。転籍が認められる制度下では、採用力よりも定着力が問われる時代になります。最新の一次情報をもとに、自社に合った在留資格と採用ルートを選び、受け入れ後の支援体制まで見据えて準備を進めていきましょう。

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