外国人入居者のトラブル事例と対策|オーナーが知るべき防止策を解説 - GTN MAGAZINE
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外国人入居者のトラブル事例と対策|オーナーが知るべき防止策を解説

外国人入居者の受け入れを検討するオーナーにとって、家賃滞納やゴミ出しルール違反などのトラブルは、受け入れをためらう要因の一つとなっています。

一方で、在留外国人は増加傾向にあり、賃貸住宅を必要とする外国人も今後増える可能性があります。

空室対策として外国人入居者の受け入れを検討する場合は、事前にリスクを把握し、適切な対策を整えておくことが重要です。

この記事では、外国人入居者の受け入れで発生しやすいトラブルの傾向や原因を整理し、家賃滞納・騒音・ゴミ出しルール違反などへの防止策を解説します。

あわせて、オーナーの負担を抑えながら運用するための体制づくりについても紹介します。

外国人入居者の受け入れで実際に起きるトラブルとは

外国人入居者とのトラブルは、文化や生活習慣、日本のルールへの理解不足などが要因となるケースがあります。

ここでは代表的な3つのトラブル例を取り上げます。

家賃滞納が発生するケースとその背景

東京圏の民間賃貸住宅市場を分析した、東京大学空間情報科学研究センターの研究によると、入居した世帯のうち深刻な家賃滞納(2か月分以上)に至った割合は、外国籍で2.1%、日本国籍で1.6%と大きな差はありませんでした。

さらに同研究では、収入などの条件をそろえて比較すると、国籍による滞納率の統計的に有意な差は確認されていません。

ただし、滞納が発生した場合の対処は日本人のケースより複雑になることがあります。

例えば、滞納のまま帰国してしまうケースが挙げられます。

もし連帯保証人がいない場合、未払い家賃の回収が困難になるため、契約時点での対策が必要です。

家賃保証会社を利用することで、家賃滞納によるオーナーの金銭的負担を軽減できます。

外国人対応に実績のある保証会社では、多言語での督促や入居者サポートを提供している場合もあります。

出典・参考:東京大学空間情報科学研究センター「民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納」2020年

騒音・生活音に関するクレーム

騒音に関しては、日本人入居者間同士でも頻発しやすいトラブルですが、文化的な背景が加わることで対応が難しくなるケースもあります。

騒音トラブルの要因として、生活時間帯のずれや音量感覚の違いが挙げられます。

友人を招いてのホームパーティーなど、母国では日常的な行為であっても、日本の集合住宅では近隣住民への配慮が求められることもあります。

入居時に「生活ルールブック」を多言語で配布し、具体的な行動基準を示すことが大切です。

「夜22時以降は大きな音を出さない」など、明確なルールを書面で伝えることで、トラブルの発生率を下げられます。

ゴミ出しのルール違反

外国人入居者とのトラブルとして、ゴミ出しルールに関する相談が発生することがあります。

日本のゴミ分別ルールは、世界的に見ても細かい部類に入ります。

「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」「粗大ゴミ」の分類に加え、曜日指定・時間指定・回収場所の指定があり、自治体ごとにルールが異なります。

海外では分別の概念自体がない地域も多く、日本のルールを「知らない」ことが原因として挙げられます。

対策として効果的なのは、イラスト付きの多言語ゴミ出しガイドの配布です。

自治体が提供する多言語版の分別表を活用し、入居時のオリエンテーションで実物を見せながら説明する方法が効果を上げています。

外国人入居者トラブルの傾向

外国人入居者のトラブルでは、文化や生活習慣の違いに起因しているケースがあります。

文化や生活習慣の違い

外国人入居者とのトラブルは、文化や生活習慣、日本の賃貸ルールへの理解不足から生じるケースがあります。

例えば、ゴミの分別方法や収集日、集合住宅での生活音、退去時の原状回復などは、母国の制度や慣習との違いから認識にずれが生じることがあります。

こうしたトラブルの多くは、悪意によるものではなく、日本のルールを十分に理解できていないことが要因です。

そのため、契約時に生活ルールや契約内容を多言語の資料などを用いて丁寧に説明することで、防止できるケースも少なくありません。

外国人入居者を受け入れる際は、国籍で判断するのではなく、一人ひとりの状況に応じて必要な情報を分かりやすく伝えることが、円滑な賃貸運営につながります。

物件タイプと管理体制

トラブルの起こりやすさは、物件の構造や管理体制によっても異なります。

木造アパートは、鉄筋コンクリート造のマンションと比べて生活音が伝わりやすい場合があり、騒音に関する相談につながることがあります。

特に生活時間帯が異なる入居者がいる場合は、入居前に生活音に関するルールを説明しておくことが大切です。

また、ワンルームでの複数人入居や無断同居は、契約内容とのずれや近隣トラブルにつながる可能性があります。

契約時に入居人数を明確にし、同居や宿泊に関するルールを事前に説明しておくことで、トラブルの防止に役立ちます。

管理会社による巡回や相談窓口、夜間・休日の連絡体制が整っている物件では、トラブル発生時の初動対応を取りやすくなります。

トラブルを早期に把握し、必要に応じて管理会社やサポートサービスと連携できる体制を整えておくことが大切です。

外国人入居を受け入れるメリットと空室対策効果

トラブルのリスクに注目しがちですが、外国人入居者の受け入れには空室対策として大きなメリットがあります。

在留外国人数の増加

在留外国人数は2025年末に412万5,395人となり、初めて400万人を突破して過去最多を更新しました。

国籍別では、中国が約93万人で最多となり、次いでベトナム約68.1万人、韓国約40.7万人、フィリピン約35.6万人と、アジア地域出身者が大きな割合を占めています。

在留資格別では、永住者が約94.7万人と最も多く、次いで技術・人文知識・国際業務が約47.6万人、留学が約46.5万人、技能実習が約45.7万人の順となっています。

出典:出入国在留管理庁「在留外国人について」

空室率の改善と長期入居の可能性

外国人入居者を受け入れることで、入居希望者の母数が広がり、空室率の改善につながる可能性があります。

外国人が入居できる物件が限られているエリアでは、外国人対応を明示することで問い合わせにつながるケースもあります。

また、外国人入居者の中には、一度住み始めると長く住み続ける人もいます。

日本で賃貸物件を探す際は、言語や保証人などのハードルがあるため、住環境に問題がなければ継続して居住するケースも見られます。

さらに、外国人コミュニティ内で物件情報が共有されることもあり、新たな入居希望者につながることも期待できます。

法人契約・技能実習生受け入れによる安定収入

技能実習生や特定技能労働者の場合、企業が借主となる法人契約が一般的です。

法人契約では企業が家賃を支払うため、個人契約と比較して滞納リスクが低くなります。

法人契約のメリットは、家賃の安定性だけではありません。

企業側が入居者の管理責任を負うため、生活ルールの指導や退去時の原状回復も企業を通じて対応できます。

築年数が経過した物件でも、外国人入居者の中には、築年数よりも入居できるかどうかや、職場・学校への通いやすさを重視する人もいます。

そのため、築古物件の空室に悩むオーナーにとって、外国人入居者の受け入れは選択肢の一つになり得ます。

ただし、法人契約であっても、実際に居住する入居者の生活マナーに関するトラブルが発生する可能性はあります。

受け入れ後の安定運用に向けては、勤務先企業と連絡を取りやすい体制を整え、生活ルールの説明やトラブル発生時の対応方法を事前に共有しておくことが重要です。

トラブル別の具体的な防止策と対処法

ここでは家賃滞納、生活ルール違反、近隣トラブルの3つについて、契約時から入居中までの対策を紹介します。

家賃滞納を防ぐ契約時の仕組みづくり

家賃滞納の防止は、契約時点での仕組みづくりが大切です。

以下の対策を契約前に整えておくことで、滞納リスクの低減が期待できます。

有効な対策の一つが、外国人対応に実績のある家賃保証会社の利用です。

保証会社が入居審査を行い、万が一の滞納時には保証会社が家賃を立て替えます。

オーナーは滞納の有無にかかわらず家賃を受け取れるため、滞納リスクの軽減が可能です。

連帯保証人の確保も有効ですが、外国人の場合は日本国内に保証人を見つけるのが難しいケースが多いため、保証会社の利用が一般的です。

契約書は多言語で用意し、家賃の支払い方法・期日・滞納時のペナルティを明確に説明します。

口座振替を標準にすることで、「支払い忘れ」による滞納も防止できます。

生活ルールを伝える多言語対応の方法

生活ルールに関するトラブルの原因は「知らない」ことが挙げられます。

言語の壁を越えて正確にルールを伝える仕組みを整えることが一つの防止策になります。

入居時のオリエンテーションでは、以下の項目をカバーしましょう。

  • ゴミの分別方法と出す曜日・時間・場所
  • 深夜の騒音に関するルール(具体的な時間帯を明示)
  • 共用部分の使い方(廊下・階段・駐輪場)
  • 退去時の原状回復の範囲と費用負担
  • 緊急時の連絡先と連絡方法
     

イラストや写真を多用した多言語の「生活ルールブック」や、自治体が無料で提供している多言語版ゴミ分別ガイドも活用できます。

ルールを一度伝えるだけではなく、入居後1か月、3か月のタイミングで確認の連絡を入れることで、問題の早期発見と定着率の向上が期待できます。

近隣トラブル発生時の初動対応と解決手順

トラブルが発生した場合、初動対応の速さが解決の鍵を握ります。

放置すると問題が拡大し、他の入居者の退去につながるリスクもあります。

初動対応の基本は「事実確認」で、クレームを受けたら、まず当事者双方から状況を聞き取ります。

言語の壁がある場合は、通訳サービスや多言語対応のサポート窓口を利用します。

騒音トラブルの場合、最初は書面での注意が適切です。

多言語で「騒音に関するお知らせ」を作成し、具体的な改善点を明示します。

口頭だけの注意は、言語の問題で正確に伝わらない可能性があります。

契約書に記載された違反時の対応手順に沿って段階的に進めることが、法的にも適切な対処法です。

オーナーの手間を減らす外国人入居の運用体制

外国人入居者の受け入れで懸念されやすいのが「手間が増えること」です。

しかし、適切な仕組みを導入すれば、日本人入居者と変わらない運用負担で管理することも可能です。

ここでは、オーナーの手間を軽減する仕組みを紹介します。

家賃保証会社の活用で滞納リスクを抑制する

家賃保証会社を利用するメリットは、滞納時の家賃立て替えだけではありません。

入居者との契約手続き、在留資格の確認、緊急連絡先の管理といった事務作業も代行してもらえるケースがあります。

オーナーの視点では、保証会社の利用によって「外国人だから追加で対応すること」が一般的に少なくなり、日本人入居者と同じ感覚で物件を管理しやすくなります。

多言語サポートによるコミュニケーション負担の削減

外国人入居者とのコミュニケーションは、言語の壁がハードルになりやすいです。

そこで多言語対応の生活サポートサービスを利用すれば、入居者からの問い合わせやトラブル報告を、サポート会社が母国語で受け付けて対応します。

オーナーには日本語で状況報告が届くため、言語の壁を意識する場面が少なくなります。

そして入居者が状況を正確に伝えられるため、対応の遅れや誤解による二次トラブルも防ぎやすくなります。

入居前審査から退去まで一括対応できる仕組み

外国人入居者の管理を「仕組み化」するポイントは、入居前・入居中・退去時の3段階で外部サービスを活用することです。

  • 入居前の段階では、保証会社による審査と多言語での契約手続きを実施
  • 入居中の段階では、多言語サポートによるトラブル対応と定期的な状況確認を実施
  • 退去時の段階では、原状回復の基準説明と立ち会い、精算処理を代行
     

外国人入居者の受け入れは、適切な仕組みがあれば「手間がかかる」ものではありません。

むしろ、空室対策として収益を改善しながら、管理負担は従来と変わらない運用も目指せます。

外国人入居者トラブルを防ぐために今できること

ここまで見てきたように、外国人入居者とのトラブルは、事前の準備によって発生リスクを抑えられるケースがあります。

最後に、受け入れ前に整備しておきたい体制と、専門サービスの活用方法を整理します。

受け入れ前に整備すべき3つの体制

外国人入居者を受け入れる前に、以下の3つの体制を整えておくことで、トラブルの予防につながります。

1つ目は、外国人対応に実績のある保証会社の活用です。

入居審査や滞納時の家賃保証を利用することで、オーナーの金銭的なリスクを軽減できます。

ただし、保証会社の審査を通過したからといって、すべてのリスクがなくなるわけではありません。生活ルールの説明や入居後の対応体制もあわせて整えておくことが重要です。

2つ目は、多言語対応の生活ルール説明資料の準備です。

ゴミ出し、騒音、退去時の原状回復について、イラストや写真を交えた説明書を用意します。

3つ目は、トラブル発生時の対応フローの策定です。

「誰が」「どの順番で」「何をするか」を事前に決めておくことで、問題発生時に落ち着いて対処しやすくなります。

多言語サポートサービスの連絡先を管理会社と共有しておくことも重要です。

専門サービスを活用した運用方法

外国人入居者の管理を自力で行おうとすると、言語対応や文化的な配慮に時間と労力がかかる場合があります。

専門サービスの活用は、リスクを抑えながら外国人入居者を受け入れるための選択肢の一つです。

専門サービスでは、入居審査、家賃保証、多言語サポート、退去対応などを提供している場合があります。

こうしたサービスを組み合わせることで、オーナーや管理会社の負担を抑えながら、外国人入居者を受け入れやすくなります。

今後も在留外国人の増加が見込まれるなかで、外国人入居者の受け入れ体制を整えることは、中長期的な空室対策の一つとして検討できます。

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