賃貸経営で外国人入居は空室対策になる?収益とリスクを徹底解説 - GTN MAGAZINE
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賃貸経営で外国人入居は空室対策になる?収益とリスクを徹底解説

賃貸経営において、空室の長期化は収益に直結する重要な課題です。少子高齢化の影響で国内の入居需要が伸び悩む一方、在留外国人数は年々増加しています。

その一方で、外国人入居者の受け入れには、家賃滞納リスクや生活習慣の違いなどへの不安を感じるオーナーも少なくありません。

この記事では、外国人入居者の受け入れが空室対策としてどの程度有効なのかを整理し、トラブル発生の実態や収支への影響を解説します。あわせて、リスクを抑えながら受け入れを進めるための仕組みについても紹介します。

賃貸経営で空室が続くオーナーが見落としている入居者層

日本の賃貸市場で拡大する外国人入居需要の実態

在留外国人数は2025年末に412万5,395人を記録し、前年から9.5%増加しました。国籍別では中国が約93万人で最多、次いでベトナムが約68万人、韓国が約41万人、フィリピンが約36万人と、アジア圏からの流入が中心です。

特定技能制度の拡大や人手不足を背景とした外国人受入れの増加などにより、今後も増える見通しです。

くわえてIT人材や介護人材の受け入れ拡大も、在留外国人の増加を後押ししています。

出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」

外国人入居を敬遠するオーナーが直面する空室リスク

外国人入居者に対して不安を抱く大家は一定数います。一方で、日本人のみを対象とした募集では、人口減少の影響もあり賃貸市場の競争は年々厳しくなっています。

2023年の住宅・土地統計調査によると、全国の賃貸用空き家は約443万戸にのぼります。賃貸住宅ストックの中で一定の割合を占めており、地域や物件の条件によっては、入居者の確保が課題となる場合があります。

都市部でも、駅からの距離や築年数などの条件によっては入居者募集に時間を要する場合があります。

そのため、外国人入居者の受け入れは、空室対策や入居者層の拡大を図る選択肢の一つとして検討されています。

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計」

外国人入居の受け入れで賃貸経営の収支はどう変わるのか

空室期間の短縮と稼働率向上による収益改善の仕組み

外国人入居者を受け入れることで、入居希望者の母数が拡大します。

外国人入居者のなかには、就労や留学を目的に来日し、生活基盤を整えた後に長期入居につながるケースもみられます。

就労や留学の在留資格で来日した外国人は、生活基盤を築くまでに時間がかかるため、頻繁な転居を避ける傾向にあります。入居期間が長いほど、退去に伴うリフォーム費用や募集コストが抑えられ、長期的な収益改善につながります。

また、外国人コミュニティ内での口コミ効果も見逃せません。入居者が同じ国籍や出身地域の知人に物件を紹介することで、募集広告に頼らない入居者確保も期待できます。

物件選びで重視する条件は入居者によって異なります。駅からの距離や築年数だけで判断されるとは限らず、無料インターネットや家具・家電付きといった利便性が評価され、入居につながるケースもあります。

外国人入居で発生する追加コストと収支バランスの整理

外国人入居者の受け入れには、一定の追加コストが発生します。主な項目は、多言語対応の契約書作成、生活ルールの説明資料準備、保証会社の利用料、通訳・翻訳費用です。

コスト項目費用目安発生タイミング
多言語契約書の作成数千円〜1万円程度契約時(初回のみテンプレート作成)
生活ルール説明資料数千円程度契約時(テンプレート化で削減可)
保証会社利用料家賃0.5〜1か月分契約時(入居者負担の場合もあり)
通訳・翻訳対応0円〜数万円トラブル発生時(専門サービス利用で不要)

※費用は物件管理会社や外部サービスの利用有無、対応範囲によって変動します。

※保証会社利用料は契約条件により入居者負担となる場合があります。

※多言語対応や翻訳費用は、既存テンプレートの有無により追加コストが発生しないケースもあります。

これらのコストは、空室による家賃収入の減少と比較しながら検討することが重要です。例えば月額家賃7万円の物件で3か月空室が続いた場合、家賃収入は21万円減少します。

多言語対応や保証会社の利用にかかる費用は、契約条件や運用方法によって異なるものの、空室対策の一環として活用されることがあります。

また、多言語契約書や生活ルール説明資料は、一度作成しておくことで次回以降も活用できます。

保証会社の利用料は入居者負担とするケースもあり、その場合はオーナーの費用負担を抑えられる可能性があります。

費用対効果は物件の状況や空室期間によって異なりますが、空室対策や入居者層の拡大を目的として導入を検討するケースもあります。

賃貸経営で外国人入居者に起きやすいトラブルと発生率

家賃滞納率の実態と保証会社によるリスク対策

東京大学空間情報科学研究センターの研究では、日本人の家賃滞納率は1.6%、外国人は2.1%とされ、両者の差は0.5ポイントでした。

家賃滞納は日本人・外国人を問わず発生する可能性があるため、国籍だけでリスクを判断するのではなく、入居審査や保証体制を含めて総合的に判断することが大切です。

家賃滞納への対策としては、家賃保証会社の利用が広く活用されています。保証会社は入居審査を行い、契約内容に基づいて滞納時の家賃立替や督促対応を行うため、オーナーの経済的リスク軽減につながります。

また、外国人入居者の場合、日本国内で連帯保証人を確保することが難しいケースもあります。保証会社を利用することで、入居者は保証人探しの負担を軽減でき、オーナー側も一定の保証を確保しやすくなります。

出典:東京大学空間情報科学研究センター「民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納」

生活ルールの認識差によるトラブル例と契約前の対策

外国人入居者のトラブルには生活ルールに関するものとして、騒音、ゴミの分別、共用部分の使い方といった問題が発生しやすい傾向にあります。

これらのトラブルの原因では「生活ルールや住宅の使用方法を理解していなかった」「契約内容を十分に理解していなかった」「コミュニケーションがうまく図れなかった」といった点が挙げられます。

トラブル内容主な原因防止策
騒音(物音・会話・音楽)生活習慣の違い、防音意識の差入居前に具体的な音のルールを多言語で説明
ゴミの分別・排出日違反母国にゴミ分別制度がない場合が多い多言語のゴミ出しガイドを配布し実物で説明
共用部分の使い方共用スペースの概念が異なる写真付きルール表を掲示し入居時に案内
無断同居・又貸し契約内容の理解不足契約時に入居人数と禁止事項を明確化し署名取得

こうしたトラブルは、契約前に生活ルールや契約内容を丁寧に説明することで、発生リスクの軽減が期待できます。国土交通省が公開している多言語版の入居申込書や生活ルール説明資料を活用する方法も有効です。

重要事項は口頭だけでなく書面でも確認し、内容を理解したうえで署名を受けることが大切です。

トラブルの背景には、生活ルールや契約内容に対する認識のずれが生じることもあるため、入居前の説明を丁寧に行うことが大切です。

原状回復トラブルを防ぐ入居時説明と退去時チェックの進め方

原状回復に関するトラブルは、日本人入居者でも発生しますが、外国人の場合は「原状回復」という概念自体が母国に存在しないケースがあります。

2020年4月の民法改正により、通常損耗と経年劣化については借主に原状回復義務がないことが明文化されました。

負担者内容具体例
貸主(大家さん)負担普通に生活していて生じる汚れや傷(経年劣化)壁紙の日焼け、家具の設置による床のへこみ
借主(入居者)負担故意や不注意でつけた傷や汚れタバコのヤニ汚れ、壁の釘穴、飲み物のシミ

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づいて負担区分が判断されます。判断に迷う場合は、このガイドラインを参考にできます。

トラブルを防ぐには、入居時と退去時の2つのタイミングで対策を取ります。入居時には、物件の現状を写真で記録し、入居者と共有します。壁や床の状態、設備の動作確認を一緒に行い、記録に残しておきます。退去時には、入居時の写真と照合しながらチェックを行います。

この手順を入居前に説明し、書面で合意を得ておくことで、退去時の認識のずれを防げます。

原状回復の負担区分を入居者の母国語で記載した資料を用意しておくとよいでしょう。入居時の記録が残っていないことで退去時に認識の違いが生じるケースもあるため、写真や書面による記録を残す仕組みを整えておくことがトラブル防止につながります。

外国人入居者の審査で確認すべき書類と判断基準

在留資格・収入証明・保証会社の審査ポイント

外国人入居者の審査では、在留資格の確認を行います。在留カードで在留資格の種類と期限を確認し、合法的に日本に滞在していることを確認します。

「ビザ」という表現は厳密には入国査証を指すため、入居審査では「在留資格(外国人の滞在資格)」を基準に判断します。

基本的な必要書類一覧

外国人の方が日本で賃貸契約を結ぶ際には、日本人とは異なる書類が求められます。スムーズに契約を進めるために、事前に必要な書類を準備しておきましょう。

書類名日本語名備考
Passportパスポート身分証明書として
Residence Card在留カード合法的滞在の証明
Certificate of Employment在職証明書勤務先からの発行
Income Certificate収入証明書給与明細3ヶ月分等
Bank Account銀行口座家賃引き落とし用

※日本ですでに就職(就労)している外国人の場合

 

学生の場合の追加書類

留学生特有の必要書類

  • 学生証(Student ID)
  • 入学許可証(Admission Letter)
  • 学費支払い証明書
  • 親族からの経済支援証明書
  • 奨学金受給証明書(該当者のみ)

 

留学生の場合、収入が少ないため追加の書類を求められることがあります。親族からの仕送り証明や奨学金の受給証明書があると、入居審査がスムーズに進みやすくなります。

書類準備のコツ

翻訳について

  • 重要書類は公証翻訳が推奨される
  • 不動産会社によっては英訳版で対応可能
  • 翻訳費用も初期費用に含めて計算しておくと安心

保証会社の審査を通過していれば、入居者の支払い能力について一定の担保が得られます。外国人専門の保証会社は、在留資格の種類や就労状況に応じた独自の審査基準を持っています。

一般的な保証会社では審査が通りにくい外国人でも、専門の保証会社であれば適切に評価される可能性があり、結果としてオーナーの入居者確保にもつながります。

入居審査を通過した外国人の定着率が高い理由

就労や留学を目的として来日する外国人のなかには、住居を確保した後に継続して居住するケースもみられます。

例えば、就労目的で来日している人は、勤務先への通勤利便性を重視して住居を選ぶ傾向があります。留学生も学校への通学を考慮して物件を選ぶことが多く、在学期間中は同じ住居で生活を続けるケースがみられます。

くわえて、外国人コミュニティ内では住居に関する情報が共有されることもあります。入居者の紹介をきっかけに問い合わせにつながることもあり、物件を知ってもらう機会の一つとなっています。

ただし、居住期間や紹介による入居の状況は、国籍や在留資格、地域、物件の条件などによって異なります。そのため、外国人入居者を一律に評価するのではなく、個々の入居者の属性や状況に応じて判断することが重要です。

賃貸経営の手間を減らす外国人入居の運用体制

多言語対応と生活サポートで入居後トラブルを減らす方法

外国人入居者の受け入れで手間がかかりやすいのは、言語の壁への対応です。契約時の説明、入居後の問い合わせ、トラブル発生時の連絡など、日本語が十分に使えない入居者とのやり取りにはコミュニケーションコストがかかる傾向にあります。

一方で翻訳アプリだけでは、契約条件や法律に関わる正確な意思疎通は難しい場面があります。

この課題を解決する方法は、多言語対応のサポートを外部に委託することです。外国人入居支援を専門とするサービスでは、契約書の翻訳、生活ルールの説明、入居後の問い合わせなどに対応しています。

生活サポートの体制が整っている環境では、入居者自身がトラブルを起こす前に相談できます。ゴミ出しや騒音のルールがわからない場合でも、母国語で相談できる窓口があれば、問題が深刻化する前に解決に向かいます。

入居者が安心して生活できる環境を整えることは、結果としてオーナーへのクレームや近隣住民とのトラブルを減らすことにつながります。

管理業務を仕組み化して自主管理の負担を軽減する手順

外国人入居者の管理を自主管理で行う場合、以下の業務が追加で発生します。それぞれについて、自主管理と専門サービス活用の負担を比較します。

管理業務自主管理の場合サービス活用の場合
入居前の説明・書類対応多言語資料の準備・通訳手配が必要サービス側が多言語で対応
家賃滞納時の催促直接連絡・交渉(言語の壁で難航)保証会社が立替・催促を代行
生活トラブルの対応24時間対応が必要な場合あり24時間・365日体制で対応
退去時の原状回復交渉通訳を介した交渉が必要サービス側が仲介・調整
入居者間のトラブル仲裁言語・文化の理解が必要で困難多言語スタッフが間に入り対応

自主管理の場合、深夜の緊急対応や言語対応が大きな負担になります。水漏れや鍵の紛失といった緊急事態が深夜に発生した場合、日本語が通じない入居者との電話対応は現実的に困難です。

物件が複数ある場合や、本業が別にあるオーナーにとっては、管理業務の負担が受け入れの障壁となりがちです。

仕組み化のポイントは、定型業務をテンプレート化し、非定型業務を外部に委託することです。契約書や生活ルール説明書は一度テンプレートを作成すれば使い回せます。国土交通省が提供する多言語版の書式を活用すれば、自前で翻訳する手間も省けます。

一方、トラブル対応や緊急連絡など、都度判断が必要な業務は専門サービスに任せるのが合理的です。オーナーの時間と労力を物件運営の戦略的な判断に集中させることで、賃貸経営全体の効率が向上します。

外国人入居支援サービスを活用した賃貸経営の安定化

外国人入居支援サービスは、家賃保証、多言語対応、トラブル対応などを一括で提供する仕組みです。

オーナーが個別に保証会社、通訳サービス、管理会社を手配する必要がなく、窓口を一本化できます。複数の業者と個別にやり取りする手間がなくなるため、管理コストの削減にもつながります。

賃貸経営を安定させるために取り組むべきこと

賃貸経営における外国人入居者の受け入れは、空室対策として一つの選択肢です。

  • 在留外国人数は増加しており、賃貸需要は拡大傾向にある
  • 外国人が入居可能な賃貸住宅の供給は十分とはいえず、対応するだけで差別化につながる
  • 保証会社の活用で家賃滞納リスク軽減が目指せる
  • 長期入居や口コミによる入居者確保など、安定経営につながる要素もある
     

外国人入居に伴うリスクは、適切な運用体制を整えることで軽減が期待できます。

例えば、保証会社の利用、多言語での説明体制の整備、入退去時の記録管理といった仕組みを導入することで、トラブルの発生リスクを抑えやすくなります。

「対応が面倒そうだから」「トラブルが怖いから」という理由で機会を逃しているオーナーは、まず保証会社やサポートサービスの内容を確認してみることをおすすめします。

外国人入居のリスクを抑えた運用方法は、専門サービスで確認できます。まずはサポート内容を把握しておくと、受け入れの判断がしやすくなります。

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