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出入国在留管理庁(入管)とは?役割・仕事内容・入国管理局との違いを解説

外国人採用を進める企業にとって、在留資格の申請や各種手続きで必ず関わるのが出入国在留管理庁です。ただ、「入管と何が違うのか」「入国管理局はどうなったのか」「どんな仕事内容なのか」が分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

現場では「入管庁」「入管」と呼ばれることがありますが、正式名称は「出入国在留管理庁」です。「出入国管理庁」は「在留」が抜けた誤記であり、正式な組織名ではありません。また、「入国管理局」は2019年3月まで使用されていた旧称です。

出入国在留管理庁とは、外国人の出入国審査、在留資格の審査、在留管理、難民認定、外国人支援を担う法務省の外局です。2019年4月1日に法務省入国管理局を改組して発足しました。

出典:出入国在留管理庁|出入国在留管理庁ホームページ

この記事では、出入国在留管理庁の役割と仕事内容、入国管理局との違い、企業が関わる手続き、そして2026年の制度変更まで整理します。

出入国在留管理庁とは?まず押さえたい基本

出入国在留管理庁は、外国人の出入国と在留に関する管理・支援を担う行政機関です。法務省の外局として設置され、日本で生活し働く外国人に関する制度運用のほぼ全域を所管しています。

企業にとっては、海外から人材を呼び寄せる際の在留資格認定証明書交付申請、留学生を採用する際の在留資格変更許可申請、雇用継続時の在留期間更新許可申請など、採用から定着まで一貫して関わり続ける機関です。

まずは組織の基本と、注目が高まっている背景を数字で確認しておきましょう。

正式名称と通称の整理|「入管庁」「入管」との関係

社内の会話では複数の呼び方が混在しますが、公文書で使う正式名称は「出入国在留管理庁」です。英語表記は Immigration Services Agency of Japan(略称 ISA)となります。

呼び方

位置づけ

補足

出入国在留管理庁正式名称2019年4月1日から使用
入管庁略称報道でも広く使われる
入管通称本庁・地方局のどちらも指す
出入国管理庁略記・誤記「在留」が抜けた形。公文書では使われない
入国管理局旧称2019年3月31日まで。現在この組織は存在しない
地方出入国在留管理局実務窓口の正式名称旧「地方入国管理局」

出典:出入国在留管理庁|出入国在留管理庁機構図(2026年4月1日現在)

申請書類や社内規程では正式名称を使うのが確実ですが、現場のやりとりでは「入管」で問題なく通じます。

注意したいのは、「入国管理局に申請してください」と記載された古い社内マニュアルや取引先の書式が残っているケースです。2019年4月以降、その名称の組織は存在しません。外国人雇用のフローを整備する際は、名称の棚卸しも行っておくと安全です。

在留外国人400万人時代の司令塔

出入国在留管理庁の役割が注目される最大の理由は、日本で暮らす外国人が急速に増えていることにあります。

同庁の統計によれば、2025年末時点の在留外国人数は4,125,395人となり、前年末から356,418人(9.5%)増加して初めて400万人を超えました

在留資格

人数(2025年末)

前年末比

永住者947,125人+29,009人
技術・人文知識・国際業務475,790人+57,084人
留学464,784人+62,650人
技能実習456,618人+23人
特定技能390,296人+105,830人

出典:出入国在留管理庁|令和7年末現在における在留外国人数について

国籍・地域別では中国が930,428人で最多、次いでベトナム681,100人、韓国407,341人と続きます。

とりわけ特定技能が1年で10万人以上増えた点は、人手不足分野での受け入れが本格的な軌道に乗ったことを示しています。同庁が2026年に増員と制度改正を相次いで進めているのは、この量的拡大への対応にほかなりません。

出入国在留管理庁と入国管理局の違い

「入管」と聞いて入国管理局を思い浮かべる方はいまも多いはずです。しかし2019年の組織改編により、入国管理局は廃止され、出入国在留管理庁へと再編されました。

違いは名称だけではありません。法務省内部の一部局から独立性の高い外局へ位置づけが変わり、担う役割も「管理」から「管理+支援・共生」へ広がっています。ここでは組織上の違いと機能面の違いに分けて整理します。

一番の違いは「内局」から「外局」になったこと

従来の入国管理局は、法務省の内部部局(内局)として設置されていました。これに対し、現在の出入国在留管理庁は法務省の外局です。

外局とは、府省の内部組織から一定の独立性を持たせて設置される機関です。長官が置かれ独自の予算と定員を持つため、専門性の高い分野で機動的な運営と体制強化がしやすくなるのが特徴です。

改組の背景にあるのは、2019年4月に始まった特定技能制度をはじめとする受け入れ拡大です。審査件数が飛躍的に増えるなかで、内局のままでは体制が追いつかないと判断されました。

現在は本庁のほか、全国8か所の地方出入国在留管理局と空港などの支局、全国の出張所、2か所の入国者収容所を擁する組織となっています。

出典:出入国在留管理庁|地方出入国在留管理官署

組織の拡充は現在も続いており、2026年7月28日には入管庁職員226人の緊急増員が閣議決定されました。

出典:NHK|不法残留外国人への対応強化で入管職員226人増員 政府

管理中心から支援・共生も重視する組織に変わった

入国管理局の時代は、入国審査と在留管理という「管理」の機能が中心でした。

現在の出入国在留管理庁は、これに加えて在留外国人への生活支援、就労支援、多文化共生の推進といった役割も担います。名称に「在留」が加わったのは、この機能拡張を反映したものです。

象徴的な取り組みが、東京・四谷の外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)です。同庁のほか法テラス、東京出入国在留管理局など複数の機関が同一拠点に入り、在留手続きから就労、生活、法律相談までをワンストップで受け付けています。

出典:出入国在留管理庁|外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)

つまり同庁は「手続きをする場所」であると同時に、外国人従業員の定着を支える情報源でもあるということです。

出入国在留管理庁の役割・仕事内容

 

出入国在留管理庁の仕事は、空港での入国審査だけではありません。入国前の審査から、在留中の各種申請、在留カードの交付、外国人への支援、難民認定、そして適正な在留管理の維持まで、外国人に関わる制度運用を幅広く担っています。

接点が最も多いのは在留資格の審査・許可ですが、それ以外の業務も採用判断や入社後の管理に関わります。ここでは仕事内容を4つの柱に整理します。

在留資格の審査・許可と在留資格の全体像

中心的な業務が、在留資格に関する審査と許可です。企業が関わる主な申請は、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、就労資格証明書交付申請などです。

審査で重視されるのは、申請人の学歴・職歴と、実際に従事する業務内容が在留資格に適合しているかという点です。職種名ではなく、日々の業務の中身まで含めて確認されます。

在留資格は多岐にわたりますが、企業実務では「働けるかどうか」の軸で4つに整理すると判断を誤りません。

分類

主な在留資格

就労の可否

就労が認められる資格技術・人文知識・国際業務、技能、経営・管理、高度専門職、特定技能 など定められた範囲内で可。範囲外の業務は不可
身分・地位に基づく資格永住者、日本人の配偶者等、定住者 など制限なし。職種を問わず就労可
指定活動による資格特定活動(ワーキングホリデー、インターンシップ など)指定書の記載による
原則として就労が認められない資格留学、家族滞在原則不可。ただし、資格外活動許可を受けた場合は原則として週28時間以内で就労可能。留学生は教育機関の長期休業期間中に限り1日8時間以内
就労を目的としない資格短期滞在、研修原則として就労不可。「留学」「家族滞在」と同じ週28時間以内の包括許可を前提に採用することはできない

つまずきやすいのは「特定活動」です。活動内容は個々人に交付される指定書(許可された活動を定めた書面)で決まるため、在留カードの券面だけでは就労の可否を判断できません。旅券に添付された指定書を必ず確認してください。

なお、人手不足分野の受け入れの中心である特定技能は、介護、建設、外食業、宿泊、農業など幅広い産業分野を対象としています。対象分野は制度改正のたびに追加されるため、自社の業種が含まれるかは公式の分野一覧で確認しましょう。

出典:出入国在留管理庁|特定技能制度

自社の求人と在留資格の対応関係が判断しづらい場合は、外国人材の受け入れ支援サービスのような専門事業者に相談する方法もあります。

出入国審査と難民認定を担う

出入国審査は、在留管理と並ぶもう一方の柱です。外国人の入国時には、入国審査官が旅券や査証の有効性、申告された活動が在留資格に該当するか、上陸拒否事由に当たらないかを確認し、指紋と顔写真の提供を求めて上陸の可否を判断します。

日本人の出帰国確認も同庁の所管で、近年は顔認証ゲートの導入が進んでいます。さらに2026年6月5日公布の「令和8年入管法等改正法」では、査証免除の対象国から渡航する人に出発前のオンライン認証を求めるJESTA(電子渡航認証制度)の創設が盛り込まれました。

出典:出入国在留管理庁|令和8年入管法等改正法について

覚えておきたいのは、在留資格認定証明書が交付されていても、上陸審査で許可されない可能性はあるという点です。入国時の最終判断は入国審査官が行います。

難民認定手続きも同庁の所管業務です。難民に該当しなくても紛争を逃れてきた人などを対象とする「補完的保護対象者」の認定制度もあり、認定されると「定住者」の在留資格が与えられ就労制限がなくなります。

出典:出入国在留管理庁|補完的保護対象者認定制度

在留カードの交付・在留管理を行う

中長期在留者には在留カードが交付されます。氏名、生年月日、在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無などが記載された、基本的な身分証明書です。

企業は採用時にこのカードを確認し、就労の可否を判断する必要があります。在留期間の満了、資格外活動許可の有無、就労制限の記載を見落とすと、企業側にも不法就労助長罪(不法就労をさせた側が問われる罪)のリスクが生じます

勤務先の変更などに伴う「所属機関に関する届出」は、対象となる在留資格を持つ外国人本人が、原則として変更発生から14日以内に行います。企業は、本人に届出の必要性を案内するとともに、提出状況を確認しておくと安全です。

一方、企業側には、外国人を雇用・離職させた際の「外国人雇用状況の届出」などが求められます。また、外国人雇用状況の届出義務がない一定の受入れ機関については、入管庁への「所属機関による届出」が必要になる場合があります。届出の種類・提出先・期限は、外国人の在留資格と雇用関係によって区別して確認してください。

出典:所属機関等に関する届出・所属機関による届出Q&A | 出入国在留管理庁 

適正な在留管理や違反対応を担う

出入国在留管理庁は、適正な在留管理を維持する役割も担っています。不法滞在、資格外活動、虚偽申請などが疑われる場合には調査が行われ、必要に応じて在留資格の取消しや退去強制手続きにつながります。

同庁が公表した2026年1月1日現在の不法残留者数は68,488人で、2025年1月1日現在の74,863人から6,375人(8.5%)減少しました。在留資格別では、短期滞在が41,607人と全体の約6割を占め、次いで技能実習9,323人、特定活動7,306人となっています。減少傾向にあるものの、適正な在留管理は引き続き重要な行政課題です。

出典:本邦における不法残留者数について(令和8年1月1日現在) | 出入国在留管理庁所属機関による届出手続 | 出入国在留管理庁 

 

実務上の意味は明確です。書類の不備や、申請内容と実際の業務内容の食い違いが、これまで以上に不許可へ直結しやすくなっているということです。社会保険への適正加入や住民税の納付といった義務の履行状況が審査において考慮される場合があり、人事・労務の運用そのものが在留資格の維持に影響を及ぼす可能性があります。

企業が出入国在留管理庁と関わる主な場面

外国人採用では、採用前から入社後まで複数の場面で出入国在留管理庁と関わります。手続きを後回しにすると、入社日の遅れや就労を継続できない事態にもつながります。

とくに2026年は在留カードの様式が変わり、入社時の確認手順の見直しが必要になっています。ここでは時系列に沿って、実務上の要点とスケジュールの組み方を整理します。

採用前:在留資格認定証明書の申請

海外に居住する外国人を採用する場合、多くのケースで必要になるのが在留資格認定証明書交付申請です。日本で行う業務が在留資格に該当するかを入国前に確認する手続きで、企業が代理人として申請するのが一般的です。

審査の対象になるのは本人の学歴・職歴だけではありません。配属予定の部署、担当する具体的な業務、雇用条件、企業の事業内容や経営状況まで含めて総合的に判断されます。

よくあるのが、求人票の職務内容と実際の配属予定が食い違うケースです。募集段階の記載と申請書類の内容にズレがあると、許可が下りにくくなります

証明書の交付後は、本人が現地の日本国大使館・領事館で査証(ビザ)を申請します。ここにも1週間から数週間かかり、内定から就労開始までは数か月単位のリードタイムを見込む必要があります。

採用時:在留カードの確認と特定在留カードへの対応

すでに日本に在留している外国人を採用する場合は、入社前の在留カード確認が欠かせません。確認すべき主なポイントは次のとおりです。

  • 在留資格の種類と、担当予定業務との適合性
  • 在留期間の満了日
  • 就労制限の有無の記載
  • 資格外活動許可の有無(留学生のアルバイトなど)
  • 「特定活動」の場合は指定書の記載内容

たとえば「留学」の在留資格のままフルタイム勤務はできません。本人が「働ける」と言っていても、企業側で必ず裏付けを取ることが重要です。

大きく変わったのが、2026年6月14日から始まった特定在留カードの運用です。マイナンバーカードの機能を付加した在留カードで、偽変造対策を強化した新様式への切り替えも同時に進んでいます。

項目

内容

交付開始日2026年6月14日
対象者特定在留カード:住民基本台帳に記録された中長期在留者/特定特別永住者証明書:特別永住者特定在留カード:住民基本台帳に記録された中長期在留者/特定特別永住者証明書:特別永住者
取得任意。従来どおり2枚持つ運用も可能
申請方法在留期間更新・在留資格変更・住居地届出などと同時に申請
交付までの期間最短2週間前後。即日交付は不可
注意点オンライン申請では交付されない

2026年6月14日以降に交付される新様式在留カードでは、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」が券面に記載されません。在留期間の満了日や就労制限の有無は引き続き確認できますが、オンライン申請などで正確な「在留期間」の確認が必要な場合は、入管庁の最新案内に従い、住民票等で確認してください。

なお、特定在留カードと一体化していない通常の在留カードも新様式へ移行します。旧様式のカードは有効期間中であれば引き続き有効であり、直ちに交換する必要はありません。

出典:出入国在留管理庁|特定在留カード交付申請について

出典:特定在留カード交付申請について | 出入国在留管理庁 

出典:【重要】新様式の在留カードに係る在留期間の確認方法について(令和8年6月23日時点) | 出入国在留管理庁 

重要なのは、券面の目視確認だけでは真正性を担保しにくくなった点です。同庁が無償公開する在留カード等読取アプリケーションも、新様式に対応するため更新が必要とされています。

出典:出入国在留管理庁|在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ

ICチップの読み取りを採用時の確認プロセスに組み込み、誰が読み取るか、本人同意をどう取るか、記録をどこに何年保存するかを社内ルールとして明文化しておきましょう。確認記録が残っていることが、企業として相当の注意を払った証拠になります。

雇用後:在留期間の更新・変更と期限管理

採用後も対応は続きます。在留期間の更新、職種変更に伴う在留資格変更、転勤や業務内容変更に伴う適合性の確認などが主な場面です。

就労系の在留資格では、許可された活動内容と実際の業務が大きく異なると、更新時に問題となる可能性があります。部署異動や職務転換の際は、事前に整合性を確認してください。

更新申請は在留期間満了日の3か月前から可能です。書類準備には想像以上に時間がかかるため、余裕を持って進めることが基本になります。

在留期限の管理を本人任せにするのは避けましょう。更新が間に合わなければ、企業側も不法就労助長のリスクを負います。氏名・在留資格・満了日・更新予定を一覧化し、3か月前と1か月前にアラートが立つ仕組みを整えておくと確実です。

審査にどれくらいかかるか(稼働開始時期の逆算)

配属計画を立てるうえで欠かせないのが、在留審査にかかる期間の見積もりです。出入国在留管理庁は2024年10月の許可分から、在留審査処理期間を毎月公表しています。

出典:出入国在留管理庁|在留審査処理期間

重要なのは、平均日数が局ごと・在留資格ごとに大きく異なる点です。同じ手続きでも2倍以上の開きが出ることは珍しくなく、全国平均だけで計画を立てると申請先が繁忙局だった場合に大きくずれ込みます。自社の申請先となる地方局の数値を確認するのが正しい使い方です。

また、東京・名古屋・大阪の3局は申請が集中しやすく、3〜4月と9〜10月は処理期間が延びる前提で組むのが実務上の鉄則です。「認定証明書の交付を確認してから入社日を確定する」という順序を社内ルールにしておきましょう。

オンライン申請で対応できる手続きと利用条件

出入国在留管理庁は「在留申請オンラインシステム」を運用しており、主要な在留手続きの多くがオンラインで完結します。

区分

対象手続き

在留審査関係在留資格認定証明書交付、在留資格変更許可、在留期間更新許可、在留資格取得許可、再入国許可、資格外活動許可、就労資格証明書交付の各申請
届出関係所属機関に関する届出

出典:出入国在留管理庁|出入国在留管理庁オンライン申請

企業が利用する場合は、所属機関の職員として利用申出を行い、承認を受ける必要があります。2026年1月以降に新規利用申出または定期報告が承認された場合、利用者IDの有効期間は3年間です。継続利用する場合は、有効期間が満了する前に定期報告を行う必要があるため、IDごとに有効期限を管理してください。

メリットは手間の削減だけではありません。後述する手数料改定でも、オンライン申請のほうが低い金額が示されています。一方で、特定在留カードはオンライン申請では交付されない点には注意が必要です。

出典:【お知らせ】新しい在留申請オンラインシステムについて(令和8年1月5日) | 出入国在留管理庁定期報告 | 出入国在留管理庁 

【最新】出入国在留管理庁に関わる制度変更まとめ

2026年は、外国人雇用の実務が数年ぶりに大きく動いた年です。コスト、手続き、確認方法のいずれにも影響する変更が集中しているため、まず全体像を押さえましょう。

時期

変更内容

企業への主な影響

2026年2月24日永住許可に関するガイドライン改訂永住申請サポートの前提が変化
2026年5月29日成立/6月5日公布令和8年入管法等改正法(法律第32号)JESTA創設、手数料の上限額引上げ
2026年6月14日特定在留カードの交付開始在留カード確認の手順見直し
2026年7月28日入管庁職員226人の緊急増員を閣議決定審査の迅速化と摘発強化
2026年7月31日第2次出入国在留管理基本計画を策定審査厳格化の方向性が明確に
2026年10月1日申請分〜在留手続き手数料の大幅改定(政令案)1人あたりのコストが数倍〜20倍に
2027年4月1日育成就労制度の施行、技能実習の廃止受け入れルートの再設計

出典:出入国在留管理庁|永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)出入国在留管理庁|2026年 更新情報一覧

このうち社内で真っ先に共有すべきは手数料改定です。予算に直接響くうえ、費用負担の取り決めを見直さないままではトラブルの原因になります。

2026年10月から在留手続きの手数料が大幅に上がる見込み

令和8年入管法等改正法により、在留資格の変更許可等に係る手数料の上限額が引き上げられました。これを受けた政令案が2026年7月に公表され、2026年10月1日の申請受付分から適用される予定です。最大の変更点は、在留資格変更・在留期間更新の手数料が在留期間に応じた段階制になることです。

許可される在留期間

窓口申請

オンライン申請

3月以下10,000円10,000円
3月超6月以下18,000円15,000円
6月超1年未満25,000円21,000円
1年33,000円27,000円
1年超3年未満48,000円42,000円
3年以上5年未満64,000円56,000円
5年以上75,000円65,000円

現行は在留期間にかかわらず窓口6,000円・オンライン5,500円のため、1年で約5.5倍、5年で約12.5倍という水準です。さらに永住許可申請は現行10,000円から200,000円への引き上げが示されています。

出典:出入国在留管理庁|在留手続等に関する手数料の改定

企業実務への影響は3点です。第一に予算。外国人従業員が20名いて全員が1年更新であれば、従来12万円だった年間手数料が66万円になります。第二に費用負担の取り決め。どちらが負担するかに法令上の定めはなく、雇用契約書や社内規程で明確にしておく必要があります。

第三に在留期間の戦略です。長い在留期間を1回で取得できれば更新回数そのものが減るため、1年更新を繰り返すより、3年・5年の許可を狙って書類の精度を上げるほうが結果的に安く済むケースが増えるでしょう。なお金額と施行日は政令の公布で確定するため、実際の運用では必ず公表内容で最終確認してください。

第2次出入国在留管理基本計画と在留管理の厳格化

2026年7月31日、出入国在留管理庁は7年ぶりとなる「第2次出入国在留管理基本計画」を策定しました。今後の行政の方向性を示す政策の基本文書です。計画では次の5つが基本方針です。

  • 厳格かつ円滑な出入国管理の実現(JESTAの2028年度中の導入など)
  • 外国人の適正な在留管理の実現(マイナンバー活用、永住許可制度の適正化など)
  • 秩序ある共生社会の実現に向けた環境整備(相談窓口の機能強化、日本語学習支援など)
  • 安全・安心な社会の実現に向けた不法滞在対策(摘発強化、不法滞在ゼロプランなど)
  • 難民・補完的保護対象者等の適正かつ迅速な保護・支援

出典:出入国在留管理庁|出入国在留管理基本計画

とくに永住許可制度の適正化は企業実務にも関わります。2026年2月24日にはガイドラインが改訂されており、永住申請を支援する際は最新版の確認が欠かせません。企業にとっての含意は、申請内容と実際の業務内容が一致しているかを、今一度自社で点検しておく価値があるという点です。両者の一致はもともと審査の基本でしたが、計画で在留管理の適正化が方針に掲げられた以上、厳に確認しておいて損はありません。

参考:永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂) | 出入国在留管理庁 

2027年4月施行の育成就労制度と技能実習の廃止

2027年4月1日、技能実習制度が廃止され、育成就労制度が施行されます。技能実習を活用してきた企業には、受け入れルートそのものが再編される変更です。

育成就労は特定技能1号への移行を前提に設計された制度で、技能実習が「国際貢献による技能移転」を目的としていたのに対し、人材確保と人材育成を正面から目的に掲げている点が決定的に異なります。

比較項目

技能実習(現行)

育成就労(2027年4月〜)

制度の目的技能移転による国際貢献人材確保・人材育成
育成期間最長5年原則3年
入国時の日本語要件原則なし一定水準以上が必要
転籍(転職)原則不可一定条件下で同一業務区分内は可能
特定技能への接続2号良好修了で移行可3年修了後の1号移行を前提

出典:出入国在留管理庁|育成就労制度の制度概要・関係法令

企業側の実務では、転籍が可能になることで定着施策の巧拙が人員計画に直結する点が最大の変化です。移行には経過措置が設けられる見込みで、施行後しばらくは技能実習生と育成就労外国人が併存する期間が生じます。就業規則や人事制度の整備は、この期間を織り込んで進めてください。

出入国在留管理庁の窓口・相談先

手続きや相談で「どこに問い合わせればよいのか」と迷う担当者は少なくありません。出入国在留管理庁には本庁のほか全国8か所の地方出入国在留管理局と支局・出張所があり、内容によって適切な窓口が異なります

本庁は制度設計・政策立案・全国の運用方針の策定を担う「司令塔」であり、個別の申請を受け付ける窓口ではありません。この前提を押さえたうえで、実務窓口と相談窓口を使い分けていきましょう。

全国の地方出入国在留管理局と管轄エリア

実際に申請を行うのは、地方出入国在留管理局またはその支局・出張所です。

地方出入国在留管理局

主な管轄エリア

札幌北海道
仙台宮城・福島・山形・岩手・秋田・青森
東京東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨・長野・新潟
名古屋愛知・静岡・岐阜・三重・福井・富山・石川
大阪大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山
広島広島・山口・岡山・鳥取・島根
高松香川・愛媛・徳島・高知
福岡福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・鹿児島・宮崎・沖縄

このほか、成田空港・羽田空港・中部空港・関西空港・横浜・神戸・那覇に支局が置かれ、全国に出張所が設置されています。

申請先は原則として勤務先の所在地または本人の住居地を管轄する局です。複数拠点を持つ企業では、どの事業所に配属するかで申請先が変わる点に注意してください。出張所は取り扱える手続きが限定される場合があり、予約制の有無も局によって異なります。

目的別の問い合わせ先とFRESCの活用

問い合わせは内容によって窓口を使い分けるのが効率的です。

相談内容

窓口

連絡先・特徴

在留手続き全般の一般的な質問外国人在留総合インフォメーションセンター電話 0570-013904(IP電話・海外からは 03-5796-7112)。11言語対応、平日 8:30〜17:15
個別案件の申請・審査状況管轄の地方出入国在留管理局局ごとに窓口・予約制の有無が異なる
就労・生活・法律を含む複合的な相談外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)電話 0570-011000。複数機関がワンストップで対応

出典:出入国在留管理庁|外国人在留総合インフォメーションセンター等

企業担当者がまず使うべきは外国人在留総合インフォメーションセンターです。「この職務内容でこの在留資格は該当するか」といった一般論レベルの確認であれば、ここで方向性をつかめます。

一方、個別案件の可否判断や審査中の案件の照会は、管轄の地方局でなければ回答が得られません。最初から窓口を分けて考えると、無駄な待ち時間を減らせます。従業員本人からの相談は、複数機関が同一拠点に入るFRESCが有力な案内先です。

まとめ

出入国在留管理庁は、外国人の出入国審査、在留資格の審査・管理、難民認定、外国人支援を一元的に担う法務省の外局です。2019年4月に入国管理局から改組され、在留外国人が400万人を超えた現在、その役割はさらに拡大しています。

企業が関わる場面は、採用前の在留資格認定証明書交付申請から入社時の在留カード確認、雇用後の更新対応まで多岐にわたります。在留資格と業務内容の一致、在留期限の管理、必要な届出の履行が、トラブル防止の基本です。

そのうえで、2026年に前提が変わった点を押さえてください。10月からの手数料改定は予算に、6月に始まった特定在留カードは入社時チェックの手順に直接影響します。まず着手すべきは、在留期限一覧の整備在留カード読み取りを組み込んだ確認フローの明文化の2つです。

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