日本のデジタルノマドビザとは|4つの要件・対象国・申請方法と、観光ビザでリモートワークをする前に確認したいこと - GTN MAGAZINE
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日本のデジタルノマドビザとは|4つの要件・対象国・申請方法と、観光ビザでリモートワークをする前に確認したいこと

「海外の会社の仕事を続けながら、しばらく日本で暮らしてみたい」。そう考えたときの選択肢になるのが、いわゆる日本のデジタルノマドビザです。出入国在留管理庁の案内では、在留資格「特定活動」のうち、本人向けの告示53号と、配偶者・子向けの告示54号がこれに当たります。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」(2026年9月時点)

この記事では、出入国在留管理庁と外務省が公開している情報や法令をもとに、デジタルノマドビザで認められる活動、4つの要件、対象の国・地域、申請の方法、日本に滞在している間のルールを説明します。あわせて、「観光ビザ(短期滞在)のまま、日本で海外の仕事をリモートで続けてよいのか」と考えたときに、事前に確認したい入管法の定めを紹介します。

制度の内容や対象の国・地域は変わることがあります。申請の前には、出入国在留管理庁と外務省の最新の情報を確認してください。

目次

日本のデジタルノマドビザとは

日本のデジタルノマドビザは、国際的なリモートワークなどを目的に、6か月を超えない期間、日本に滞在する外国人のための在留資格です。

出入国在留管理庁は、この在留資格の在留期間を「6月(更新不可)」としています。また、在留カードの交付対象外です。日本の会社に雇われて働くための就労ビザとは目的が異なり、海外の仕事を、日本に滞在しながら続けるための在留資格です。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」(2026年9月時点)

認められる活動は2つ

デジタルノマドビザで認められる活動は、次の2つです。

  • 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体との雇用契約に基づいて、日本で情報通信技術を使って、その団体の外国にある事業所の業務に従事する活動
  • 外国にいる人に対して、情報通信技術を使って役務を有償で提供したり、物品などを販売したりする活動

1つ目は外国の団体に雇われている人、2つ目は外国の相手に仕事を提供する人のための活動です。どちらも、業務を行う事業所や、役務を提供する相手が外国にあることが条件になっています。

出入国在留管理庁のQ&Aは、1つ目の例として「外国企業の従業員が、外国にある事業所での業務にリモートで従事する活動」を、2つ目の例として「外国企業の経営者、外国企業や外国にいる者に役務提供する個人事業主が行う活動」を挙げています。

ただし、日本に入国しなければ提供や販売ができないものは、対象から除かれています。インターネットを使う仕事であっても、日本に来ることが前提になっている仕事は、この在留資格の活動には当たりません。

出典:出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(令和8年4月8日改正)/出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)

日本の会社や個人と契約して働くことは認められていない

出入国在留管理庁のQ&Aは、デジタルノマドビザで日本に滞在している間、日本の公私の機関(個人を含む)と雇用契約や請負契約などを結んで働くことは認められないとしています。資格外活動(在留資格で認められた活動以外の仕事)も、原則として認められません。出入国在留管理庁の概要資料にも、「本邦の公私の機関との雇用契約等に基づく就労活動は不可」と書かれています。

たとえば、次のような架空の場面を考えてみます。アメリカの会社に勤めるエンジニアが、デジタルノマドビザで日本に滞在しています。滞在中に知り合った日本の会社から、「うちのシステム開発も手伝ってほしい」と頼まれました。この場合、日本の会社と契約を結んで仕事を受けることは、Q&Aの説明に照らすと認められない働き方に当たります。

日本の会社から仕事の相談を受けたときは、契約を結ぶ前に、今の在留資格で認められている活動の範囲を確認することが大切です。日本の会社で働きたい場合の考え方は、後の「日本の会社で働きたくなったとき」で説明します。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)

デジタルノマドビザの4つの要件

 

出入国在留管理庁の概要資料は、デジタルノマドビザの要件として、次の4つを挙げています。

要件内容
1. 滞在期間デジタルノマドとして日本に滞在する期間が、1年のうち6か月を超えないこと
2. 国籍査証免除の対象で、かつ租税条約を結んでいる国・地域などの国籍等を持っていること
3. 年収申請の時点で、申請人個人の年収が1,000万円以上であること
4. 医療保険死亡、負傷、疾病に対応した海外旅行傷害保険などの医療保険に入っていること(滞在予定期間をカバーするもの)

特定活動の告示は、これらの要件の「いずれにも該当する者」を対象としています。4つの要件をすべて満たす必要があるということです。以下で、それぞれの中身を見ていきます。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格について」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(令和8年4月8日改正)

要件1:日本での滞在が1年のうち6か月を超えないこと

特定活動の告示は、この要件を「本邦に上陸する年の1月1日から12月31日までのいずれかの日において開始し、又は終了する12月の期間の全てにおいて」、デジタルノマドの活動を指定されて日本に滞在する期間が6か月を超えないこと、と定めています。どこから数えた12か月をとっても、デジタルノマドとしての滞在が6か月以内に収まる必要があるということです。数える対象になるのは、デジタルノマドの活動を指定されて日本に滞在した期間です。

在留期間は6か月で、更新は認められません。一方、出入国在留管理庁のQ&Aは、日本から出国して6か月が経過すれば、再びデジタルノマドビザで日本に入国できるとしています。

この制度で日本に滞在できるのは、1年のうち6か月までです。6か月滞在したあとは、次の6か月をどこで過ごすかを含めて、1年単位で計画を立てておくと、滞在の予定を組みやすくなります。

入管法では、在留期間の更新や変更を受けないまま在留期間を過ぎて日本にとどまることは、退去強制の対象とされ、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方の罰則も定められています。在留期限までに出国する予定を立てておきましょう。

出典:出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(令和8年4月8日改正)/出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)

要件2:対象の国・地域の国籍等を持っていること

対象となるのは、日本が租税条約を結んでいる国・地域などで、かつ短期滞在の査証免除の対象になっている国・地域のうち、告示の別表に載っている国籍等の人です。

特定活動の告示の別表第十四と、出入国在留管理庁が公開している対象国・地域一覧では、本人(告示53号)の対象は次の51の国・地域です(2026年9月24日に確認)。

アイスランド、アイルランド、アメリカ、アラブ首長国連邦、イギリス、イスラエル、イタリア、インドネシア、ウルグアイ、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カタール、カナダ、ギリシャ、クロアチア、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、タイ、チェコ、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、ブラジル、フランス、ブルガリア、ブルネイ、ペルー、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マレーシア、メキシコ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク、韓国、香港、台湾

対象の国・地域は、告示の改正で変わることがあります。申請の前には、出入国在留管理庁の対象国・地域一覧と、特定活動の告示の別表で、自分の国籍等が載っているかを確認してください。

出典:出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(令和8年4月8日改正)/出入国在留管理庁「対象国・地域一覧」(2026年9月24日閲覧)

要件3:申請時点の年収が1,000万円以上であること

年収は、原則として直近の年収が1,000万円以上であることが必要です。出入国在留管理庁のQ&Aは、次のような場合も要件を満たすものと説明しています。

  • 昇給や昇格によって、申請時点から将来にわたる年収が1,000万円以上になることが見込まれる場合
  • 新しく採用され、契約年俸が1,000万円である場合
  • 複数の会社と契約しているなど収入が複数あり、それが安定的な収入と認められる場合に、合算して1,000万円以上と評価できるとき

一方、個人事業主としてビジネス契約や売買契約を結んでいる場合は、契約金額ではなく、必要な経費を差し引いた利益の金額で判断されます。フリーランスとして働いている人は、売上ではなく利益で1,000万円に届いているかを確認しておきましょう。

申請では、年収を証明する資料として、申請人が働いた国などで発行された納税証明書または所得証明書を提出します。あわせて、現在の稼働状況を証明する資料として、雇用契約書や在職証明書なども提出します。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」(2026年9月時点)

要件4:民間の医療保険に入っていること

デジタルノマドビザで滞在する人は「中長期在留者」に当たらないため、日本の公的医療保険に入ることができません。出入国在留管理庁は、医療保険への加入を要件にしている理由を、不測の事態にも適切に対処できるようにするためと説明しています。

保険は、日本に滞在している間の死亡、負傷、疾病が補償の対象になっているものが必要です。具体的には、傷害・疾病の治療費用補償額が1,000万円以上で、かつ、死亡については遺体輸送費または死亡した場合の保険金の支給が補償内容に含まれていることが求められます。死亡に関する補償額の定めはありません。

保険期間は、日本での滞在予定期間に合わせたものにします。クレジットカードに付いている保険で補償内容を満たせる場合は、その補償内容を証明する資料を提出します。申請では、民間医療保険の補償内容に係る説明書(参考様式があります)と、加入証書・約款の写しを提出します。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」(2026年9月時点)

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家族(配偶者・子)と一緒に滞在する場合

デジタルノマド本人の扶養を受ける配偶者と子は、在留資格「特定活動」(告示54号)で一緒に日本に滞在できます。在留期間は6か月以内で更新はできず、在留カードも交付されません。配偶者と子も、資格外活動は原則として認められません。

家族にも、国籍と医療保険の要件があります。国籍の要件は「査証免除の対象である国・地域の国籍等に限る」とされており、本人よりも対象が広くなっています。特定活動の告示(令和8年4月8日改正)の別表第十五では、配偶者・子(告示54号)の対象は74の国・地域です。本人の51の国・地域に加えて、アルゼンチン、アンドラ、エルサルバドル、キプロス、グアテマラ、コスタリカ、サンマリノ、スリナム、チュニジア、ドミニカ共和国、パナマ、バハマ、パラグアイ、バルバドス、ホンジュラス、マカオ、マルタ、モーリシャス、モナコ、モンテネグロ、リヒテンシュタイン、レソト、北マケドニアが載っています。なお、出入国在留管理庁の対象国・地域一覧(2026年9月24日に閲覧)には、モンテネグロが載っていません。モンテネグロの国籍の方は、申請の前に外国人在留総合インフォメーションセンターに確認してください。

医療保険は、本人と同じく傷害・疾病の治療費用補償額が1,000万円以上のものが必要です。本人が入っている民間保険の家族補償を使う場合は、その補償範囲がわかる資料を提出します。申請では、ほかに結婚証明書など身分関係を証明する文書と、本人の旅券の写しが必要です。

日本に滞在している間に子が生まれ、生まれた日から60日を超えて日本に滞在する場合は、生まれた日から30日以内に、その子について「在留資格取得許可申請」をします。出生を証明する書類や、民間医療保険の資料などが必要です。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格について」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(令和8年4月8日改正)/出入国在留管理庁「対象国・地域一覧」(2026年9月24日閲覧)/e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)

デジタルノマドビザの申請方法と必要書類

デジタルノマドビザでは、企業から招へいされる場合と違い、日本に、在留資格認定証明書交付申請の代理人(受け入れる会社の職員など)になる人がいません。そのため、申請する人がどこにいるかによって、手続きの進め方が変わります。

海外にいる場合:大使館・領事館で査証を申請する

出入国在留管理庁のQ&Aは、申請する人が日本以外の国にいる場合は、滞在地の大使館または領事館で直接査証を申請するよう案内しています。

外務省によると、デジタルノマドの査証申請で必要な書類は次のとおりです。

  • 査証申請書(写真を貼ったもの)と旅券
  • 滞在中の活動予定・滞在期間を説明する資料
  • 年収が1,000万円以上であることを証する書類(納税証明書、所得証明書、雇用契約書、取引先との契約書(契約期間と契約金額が書かれているもの)など)
  • 日本滞在中の死亡・負傷・疾病に対応した保険(治療費用補償額1,000万円以上)に入っていることを証する書類

在留資格認定証明書を持っている場合は、活動予定や年収、保険の資料を省略できます。外務省は、在留資格認定証明書を持っていると、標準処理期間内(原則として申請受理の翌日から数えて5業務日)での査証の発給が受けやすくなると説明しています。ただし、在留資格認定証明書を持っていることで、査証の発給が保証されるわけではありません。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/外務省「特定査証:特定活動(デジタルノマド・デジタルノマドの配偶者等)」(令和6年3月31日)

日本に滞在している場合:在留資格認定証明書の交付申請

在留資格認定証明書の交付申請は、日本に入国しようとする外国人が、日本で行おうとする活動が在留資格に当たるなど、上陸のための条件に合っていることを証明するために、入国前にあらかじめ行う申請です。交付された証明書は、在外公館での査証申請や、上陸申請のときに提出・提示します。

申請人本人が申請する場合の提出先は、居住予定地を管轄する地方出入国在留管理官署です。郵送での提出は受け付けていません。申請人が日本に滞在している場合は、地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士などが、申請取次者として、書類の提出を代わりに行うこともできます。手数料はかからず、標準処理期間は1か月から3か月です。この申請の結果について、不服申立ての方法はないとされています。

なお、短期滞在で入国している人の在留期間は、90日、30日または15日のほか、90日を超えない範囲で日を単位として指定されることがあります。上陸のときに決められた在留期間を確かめ、その期限を意識して手続きを進めましょう。入管法は、短期滞在の人からの在留資格の変更申請は、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないと定めています。証明書の交付を受けたあと、どのような手続きで在留資格を得るかは、外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)に確認しておくと、滞在の計画を立てやすくなります。

出典:出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「在留資格『短期滞在』」(2026年9月時点)/e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)

在留資格認定証明書の申請に必要な書類

出入国在留管理庁が示している、本人(告示53号)の在留資格認定証明書交付申請の提出書類は、次のとおりです。

書類補足
在留資格認定証明書交付申請書「所属機関等作成用」の提出は不要
写真指定の規格を満たしたもの
返信用封筒簡易書留用の切手を貼ったもの
滞在中の活動予定を説明する資料申請書に詳しく書いた場合は不要
年収1,000万円以上を証明する資料就労した国などで発行された納税証明書または所得証明書
現在の稼働状況を証明する資料雇用契約書、在職証明書など
民間医療保険の補償内容に係る説明書参考様式あり
民間医療保険の加入証書と約款の写し治療費用補償額1,000万円以上

日本で発行される証明書は、発行日から3か月以内のものを提出します。外国語で作られた書類には、日本語の訳文を付けます。出入国在留管理庁は、提出書類がそろっていない申請は、審査が大幅に遅れたり、不利益処分になったりする可能性があるとしています。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」(2026年9月時点)

日本に滞在している間のルール

デジタルノマドビザは在留カードが交付されないなど、就労ビザや留学ビザとは扱いが違う点があります。滞在を始める前に確認しておきたいルールをまとめます。

在留カードがなく、住民票も作られない

出入国在留管理庁のQ&Aによると、在留カードは法令で定められた「中長期在留者」に交付されるもので、デジタルノマドの在留資格で滞在する人は中長期在留者に当たらないため、在留カードは交付されません。

入管法は、日本に在留する外国人に、常に旅券を携帯することを求めています(在留カードを携帯する中長期在留者と、16歳未満の人を除きます)。在留カードがないデジタルノマドは、日本にいる間、旅券を持ち歩くことになります。入国審査官や警察官などから旅券の提示を求められたときは、応じなければなりません。

また、住民基本台帳法で住民票の対象となる外国人は、中長期在留者、特別永住者などと定められています。デジタルノマドの在留資格で滞在する人は中長期在留者に当たらないため、この対象には含まれません。銀行口座の開設や携帯電話の契約で求められる本人確認書類は、事業者によって異なります。利用を予定している事業者に、事前に確認しておきましょう。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)/e-Gov法令検索「住民基本台帳法」(2026年9月時点)

国内の移動と一時的な出国

デジタルノマドビザで滞在している間に、国内のいろいろな街に移りながら生活する場合でも、特別な手続きは必要ありません。

在留期限の満了日より前に、再び入国するつもりで一時的に出国する場合は、中長期在留者と同じように、再入国許可またはみなし再入国許可による出国ができます。在留期限の満了日までに日本に戻れば、デジタルノマドの在留資格を維持できます。

みなし再入国許可は、入管法で、出国するときに入国審査官に対して再び入国する意図を表明することが条件とされています。有効期間は、出国の日から1年と在留期間の満了日までのうち、早いほうまでです。デジタルノマドの場合は在留期間が6か月のため、在留期限までに戻ることが前提になります。なお、入管法は、短期滞在の人や在留期間が3か月以下の人を、みなし再入国許可の対象から除いています。デジタルノマドについては、Q&Aのとおり、みなし再入国許可による出国ができます。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)

所得税の扱い

出入国在留管理庁のQ&Aは、デジタルノマドが日本国内で行う活動にともなって得る報酬等について、多くの場合は、日本での滞在期間が課税年度または継続する12か月においても合計183日以下であるなどの租税条約上の要件を満たせば、日本において免税となると説明しています。

ただし、要件は租税条約によって異なります。Q&Aは、日本と各国との租税条約の内容を、財務省のウェブサイトで確認するよう案内しています。Q&Aの説明は「多くの場合」とされており、滞在期間が6か月以内であることだけで免税が決まるわけではありません。自分の国と日本との租税条約の内容や、本国での税金の扱いは、滞在を始める前に、税務署や税理士など税の専門家に確認しておくことが大切です。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)

日本に持ち込むパソコンやスマートフォン

出入国在留管理庁のQ&Aは、Wi-Fi端末やBluetooth端末を自分で日本に持ち込む場合、日本の技術基準適合証明等を受けて「技術基準適合マーク」が表示されているものに限り、日本国内で使えると説明しています。

「技術基準適合マーク」がない端末でも、日本の技術基準を満たし、かつ国際規格に合致している(Wi-FiロゴやBluetoothロゴの表示がある)機器の一部は、入国の日から90日以内に限って使うことができます。6か月の滞在の途中で90日を超える場合は、「技術基準適合マーク」が表示された端末を使うよう案内されています。

マークのない端末でも、日本でレンタルしたモバイルWi-Fi機器(マークがあるもの)に有線で接続するなど、端末そのものが電波を出さない状態であれば、入国後90日を超えても使うことができます。詳しくは総務省のウェブサイトで確認できます。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/総務省 電波利用ポータル「海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用」(2026年9月時点)

観光ビザ(短期滞在)でリモートワークをする前に確認したいこと

デジタルノマドビザの要件に当てはまらない人の中には、「観光ビザで入国して、滞在中に海外の仕事をリモートで続けてもよいのか」と考える人もいるかもしれません。ここでは、いわゆる観光ビザ(在留資格「短期滞在」)について、法令と公的機関が示している内容を紹介します。

短期滞在で認められている活動と在留期間

入管法は、短期滞在の活動を「本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」と定めています。

出入国在留管理庁によると、短期滞在の在留期間は、90日、30日または15日です。法務大臣が個々の外国人について、90日を超えない範囲内で日を単位とする期間を指定する場合は、その期間になります。

外務省によると、査証免除で入国する場合の在留期間は、インドネシアとタイが15日、ブルネイとカタールが30日、そのほかの国・地域が90日です。インドネシアとカタールは、IC旅券を持ち、日本の在外公館でIC旅券の事前登録をした人に限って査証免除の対象になります。

また、アイルランド、オーストリア、スイス、ドイツ、メキシコ、リヒテンシュタイン、英国の人は、査証免除取極で6か月以内の滞在が認められています。ただし、外務省は、90日を超えて滞在する場合は、在留期間が満了する前に地方出入国在留管理官署で在留期間更新の手続きをする必要があるとしています。

出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「在留資格『短期滞在』」(2026年9月時点)/外務省「査証免除国・地域(短期滞在)」(令和7年9月1日)

収入や報酬を伴う活動は認められていない

入管法第19条は、短期滞在の在留資格で在留する人は、資格外活動の許可を受けて行う場合を除き、収入を伴う事業を運営する活動や、報酬を受ける活動を行ってはならないと定めています。外務省も、短期滞在では「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を得る活動を行うことは認められません」と案内しています。

海外の会社の仕事を日本からリモートで続けることが、この「報酬を受ける活動」に当たるかどうかについて、入管法の条文は個別に書いていません。当たるかどうかは個別の事情によって判断されるため、入国する前に確認しておくことが大切です。一方で、国は、6か月を超えない期間日本に滞在して国際的なリモートワーク等を行う人のために、デジタルノマドの在留資格を設けています。

たとえば、ドイツの会社に勤める人が、短期滞在で日本に入国し、滞在中も毎日ドイツの会社の仕事をオンラインで続けたいと考えている、という架空の場面を考えてみます。この場合は、まずデジタルノマドビザの4つの要件に当てはまるかを確認します。当てはまらない場合や判断に迷う場合は、入国する前に、外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904、海外からは03-5796-7112)に相談しておくと、在留資格の選び違いを防ぎやすくなります。

出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)/外務省「査証(ビザ)」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」(2026年9月時点)

在留資格で認められていない活動をした場合

入管法第19条に違反して、収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動を行った人には、罰則があります。第19条第1項は、短期滞在だけでなく、デジタルノマドの「特定活動」を含む入管法別表第一の在留資格で在留する人を対象としています。ただし、対象になる活動の範囲は在留資格によって違います。デジタルノマドの場合は、告示で認められた活動に当たらない、収入や報酬を伴う活動が対象です。

入管法の条文対象定められている内容
第70条第1項第4号第19条第1項に違反して、収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる人3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方
第73条第1号第19条第1項に違反して、収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行った人(第70条第1項第4号に当たる人を除く)1年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその両方
第24条第4号イ第19条第1項に違反して、収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる人退去強制の対象

自分の働き方が今の在留資格で認められているかどうか迷うときは、仕事を始める前に確認しておくことが、日本での滞在を続けるうえで大切です。

出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)

日本の会社で働きたくなったとき

デジタルノマドビザで滞在しているうちに、日本の会社で働きたいと考える人もいるかもしれません。先に説明したとおり、デジタルノマドビザのまま日本の会社と雇用契約や請負契約を結んで働くことは認められていません。

入管法第20条は、在留資格を持っている外国人は、在留資格の変更を申請できると定めています。ただし、許可されるのは、提出した文書によって変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限られます。出入国在留管理庁のデジタルノマド向けQ&A(令和6年7月時点)には、デジタルノマドの在留資格からほかの在留資格への変更についての説明はありません。変更を考える場合は、外国人在留総合インフォメーションセンターに手続きを確認してください。

日本の会社で働くときは、その仕事の内容に合った在留資格が必要です。たとえば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、日本の公私の機関との契約に基づいて、理学、工学などの自然科学の分野や、法律学、経済学などの人文科学の分野の技術・知識を要する業務、または外国の文化に基盤を持つ思考や感受性を必要とする業務に従事する活動が対象です。出入国在留管理庁は該当例として、機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等を挙げています。在留期間は5年、3年、1年または3月です。

出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(2026年9月時点)

よくある質問

デジタルノマドビザの年収1,000万円は、いつの収入で判断されますか?

原則として、直近の年収で判断されます。出入国在留管理庁のQ&Aによると、昇給や昇格で申請時点から将来にわたる年収が1,000万円以上になると見込まれる場合や、新しく採用されて契約年俸が1,000万円の場合も、要件を満たすものと認められます。個人事業主の場合は、契約金額ではなく、経費を差し引いた利益の金額で判断されます。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)

デジタルノマドビザは更新や延長ができますか?

デジタルノマドビザの在留期間(6か月)の更新は認められていません。一方、日本から出国して6か月が経過すれば、再びデジタルノマドビザで日本に入国することができます。配偶者・子の在留資格(告示54号)も、在留期間は6か月以内で、更新はできません。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)」(2026年9月時点)

デジタルノマドビザで滞在中、日本で知り合った人と契約して仕事をしてもよいですか?

日本の公私の機関(個人を含む)と雇用契約や請負契約などを結んで働くことは認められていません。認められているのは、外国の団体との雇用契約に基づく業務や、外国にいる人に対する役務の提供・物品の販売などです。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)

観光ビザ(短期滞在)でアルバイトはできますか?

短期滞在の在留資格では、報酬を受ける活動は認められていません。入管法第19条は、資格外活動の許可を受けて行う場合を除き、短期滞在で在留する人が、収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動を行うことを禁じています。日本でアルバイトとして報酬を受けて働くことは、この活動に当たります。

出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)/外務省「査証(ビザ)」(2026年9月時点)

日本人が海外でリモートワークをする場合、ビザは必要ですか?

渡航先の国の制度によって異なります。外務省は、日本国籍の方が海外へ渡航する際のビザについて、渡航先国・渡航目的・滞在期間等によってビザの要否や手続きが異なるとし、日本国内にある渡航先国の大使館・総領事館のホームページ等で最新の情報を確認するよう案内しています。この記事で説明しているのは、外国人が日本に滞在する場合の日本の制度です。

出典:外務省「査証(ビザ)」(2026年9月時点)

滞在中に別の街へ移るとき、届出は必要ですか?

デジタルノマドビザで滞在している場合、国内の街を移りながら生活するための特別な手続きは必要ありません。ただし、在留カードが交付されないため、日本にいる間は旅券を携帯する必要があります(16歳未満の人を除きます)。

出典:出入国在留管理庁「デジタルノマド向け在留資格 Q&A」(令和6年7月時点)/e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(2026年9月時点)

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