不法就労助長罪とは?企業が問われるケースと罰則、2027年4月の厳罰化、在留カード確認のポイント - GTN MAGAZINE
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不法就労助長罪とは?企業が問われるケースと罰則、2027年4月の厳罰化、在留カード確認のポイント

外国人を雇用する企業が理解しておきたい法律の一つが「不法就労助長罪」です。在留資格で認められていない仕事をさせた場合や、在留期限が切れた人を働かせた場合などに、働いた外国人本人だけでなく、働かせた事業主も処罰の対象となります。※1※5

不法就労であることを知らなかったとしても、在留カードを確認していないなどの過失がある場合 は処罰の対象になるとされています。※1※5 また、罰則は2027年4月1日から「5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、又はその併科」に引き上げられます。※2※4※5

この記事では、不法就労助長罪が成立するケース、罰則と厳罰化の施行日、刑事罰のほかに企業に及ぶ影響、採用時と雇用中に確認することを、出入国在留管理庁などの公表資料をもとに整理します。記事の内容は、2026年10月15日時点の法令・公表資料に基づいています。 

不法就労助長罪とは

不法就労助長罪は、外国人に不法就労をさせたり、不法就労をあっせんしたりした者を処罰する罪で、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)第73条の2に定められています。※1※5

ここでいう「不法就労活動」とは、在留資格に応じた活動の範囲を超えて許可なく行う活動や、不法入国・不法残留などに当たる人が行う活動のうち、報酬その他の収入を伴うものをいいます(入管法第24条第3号の4イ)。※1

処罰の対象となる3つの行為

入管法第73条の2第1項は、次のいずれかに当たる者を処罰の対象としています。※1

  • 第1号:事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
  • 第2号:外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
  • 第3号:業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあっせんした者

外国人を雇用して仕事をさせる企業にとっては、第1号の「事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた」に当たらないよう、雇い入れる人の在留資格と任せる仕事の内容を確認しておくことが基本になります。

「知らなかった」場合の扱い

入管法第73条の2第2項は、不法就労をさせた者が次のいずれかを知らなかったとしても、知らなかったことを理由として処罰を免れることはできないと定めています。ただし、過失のないとき は除かれます。※1

  • その人の活動が、在留資格に応じた活動に属しない収入を伴う活動であること
  • その人が資格外活動許可を受けていないこと
  • その人が不法入国や不法残留などに当たる人であること

出入国在留管理庁も、外国人を雇用しようとする際に不法就労者であることを知らなかったとしても、在留カードを確認していないなどの過失がある場合には処罰の対象になると案内しています。※5

会社も罰金の対象になる(両罰規定)

法人の代表者や従業者などが、その法人の業務に関して不法就労助長罪に当たる行為をしたときは、行為者が罰せられるほか、その法人にも第73条の2に定める罰金刑が科されます(入管法第76条の2)。※1 個人事業主の場合も同様です。※1

つまり、実際に行為をした代表者や従業員などの個人と、会社の 両方が処罰の対象になり得る ということです。

派遣元だけでなく派遣先も対象になり得る

出入国在留管理庁のQ&Aでは、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ人を、派遣先でこの在留資格の活動内容に該当しない業務に従事させた場合、派遣会社(派遣元)と派遣先の いずれも不法就労助長罪に該当し得る とされています。※6 派遣先に対しても、在留資格で認められる活動内容の範囲を自らよく確認するよう求めています。※6

2025年には、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ複数の人が集団でクリーニング工員として働いていた事案で、派遣元事業者の代表取締役が不法就労助長の容疑で摘発された事例が公表されています。※17

なお、特定技能外国人を派遣の形態で雇用できる分野は「農業分野」と「漁業分野」とされており、それ以外の分野では派遣形態で雇用することは認められていません。※15

不法就労になる3つのケース

出入国在留管理庁は、不法就労となるのは次の3つの場合だと説明しています。※5

ケース

例

(1)不法滞在者や被退去強制者が働く密入国した人や在留期限の切れた人が働く/退去強制されることが既に決まっている人が働く
(2)就労できる在留資格を持たず、出入国在留管理庁から働く許可を受けていないのに働く観光などの短期滞在目的で入国した人が許可を受けずに働く/留学生が許可を受けずに働く
(3)現に持っている在留資格などで認められた範囲を超えて働く外国料理のコックや語学学校などの先生として働くことを認められた人が工場で作業員として働く/留学生が許可された時間数(原則週28時間以内)を超えて働く

※5

出入国在留管理庁によると、2025年中に入管法違反により退去強制手続などを執った外国人1万8,442人のうち、不法就労の事実が認められた人は1万3,435人でした。※16 不法就労の事実が認められた人を職種別に見ると、農業従事者が5,227人、建設作業者が4,011人で、この2業種で 68.8% を占めています。※16

在留資格ごとに認められている仕事の範囲

(3)のケースを避けるには、在留資格ごとに認められている仕事の範囲を知っておく必要があります。出入国在留管理庁のQ&Aでは、在留資格による就労の可否が次のように説明されています。※6

  • 「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」:入管法上、就労(職種)に制限はない
  • 「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格:職務内容がその在留資格に該当するものであれば就労できる
  • 「特定活動」:個々に就労の可否が異なるため、旅券(パスポート)に添付されている「指定書」で確認する
  • 「留学」「家族滞在」:資格外活動許可を受けている場合に、その許可の範囲内で就労できる

例えば 「技術・人文知識・国際業務」では、一般的なサービス業務や製造業務などが主たる活動となるもの は認められないとされています。※6

「特定技能」の場合は、在留カードとともに交付される指定書に、特定技能所属機関(雇用する企業)と特定産業分野が記載されます。※15 在留資格が「特定技能」の人を雇用するときは、在留カードとあわせて指定書も確認するよう案内されています。※5

留学生・家族滞在のアルバイトには時間の上限がある

「留学」や「家族滞在」の在留資格で資格外活動許可を受けている人の場合、許可には通常、次のような制限があります。※6

  • 原則として1週について28時間を超えて働くことはできない。どの曜日から1週を数えても、常に1週について28時間以内である必要がある
  • 「留学」の場合、在籍する教育機関の長期休業期間中は1日8時間まで働くことができる
  • 風俗営業が営まれている営業所で行う活動などは認められない
  • 「留学」の場合、働けるのは学校に在籍している期間に限られる

アルバイト先が複数ある場合は、その合計が週28時間以内 でなければならないとされています。※5 また、大学などを卒業して学籍がなくなった留学生は、就職までの期間であってもアルバイトはできないとされています。※6

例えば、飲食店を運営する企業が、A店で週20時間働いている留学生に、人手が足りないB店のシフトにも週10時間入ってもらう場面を考えます(架空の例です)。店舗ごとに見ればどちらも28時間以内ですが、本人が働く時間は合計で週30時間となり、上限の28時間を超えます。シフトを店舗ごとに組んでいる場合でも、1人ごとの合計時間で管理し、他社でのアルバイトの時間も本人に確認しておくことが考えられます。

罰則と2027年4月1日からの厳罰化

不法就労助長罪の罰則は、2026年10月1日時点で施行されている入管法では「3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科」です。※1

育成就労制度の創設などを定めた改正法(令和6年法律第60号)により、この罰則は 2027年4月1日 から「5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、又はその併科」に引き上げられます。※2※3※4※5

対象

2027年3月31日までの行為

2027年4月1日以降の行為

行為をした個人3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、又はその併科
法人・事業主(両罰規定)300万円以下の罰金500万円以下の罰金

※1※2

改正法の附則では、施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例によると定められています。※2 2027年3月31日までの行為には、引上げ前の罰則が適用されるということです。

外国人本人に科される罰則と退去強制

不法就労をした外国人本人も、刑事罰や退去強制の対象になります。入管法では、例えば次のように定められています。※1

  • 在留期間の更新や変更を受けないで在留期間を過ぎて残留した人:3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科(第70条第1項第5号)
  • 資格外活動許可を受けずに、在留資格に応じた活動に属しない収入を伴う活動を行った人:1年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金、又はその併科(第73条)。専ら行っていると明らかに認められる人は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科(第70条第1項第4号)
  • 在留期間を過ぎて残留した人や、資格外活動を専ら行っていると明らかに認められる人などは、退去強制の対象(第24条第4号)

刑事罰のほかに企業が受ける影響

不法就労助長罪に関わると、刑事罰のほかにも、外国人の受入れや在留に関わる制度の上で影響が生じる場合があります。ここでは、出入国在留管理庁の資料で示されている2つの影響を整理します。

特定技能外国人の受入れができなくなる場合がある

特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)には、欠格事由が定められています。拘禁刑以上の刑に処せられた者や、入管法第73条の2や第76条の2などの規定により罰金の刑に処せられた者で、その執行を終わるなどした日から起算して 5年を経過しない者 は、特定技能所属機関の基準に適合しないとされています。※15

また、特定技能雇用契約の締結の日前5年以内またはその締結の日以後に、出入国または労働関係法令に関する不正行為などを行った者も欠格事由に該当し、特定技能所属機関になることはできないとされています。※15 想定される不正行為の一つとして「不法就労者の雇用」が挙げられており、不正行為に当たるかどうかは、個別具体的な事案の重大性に応じて判断されるとされています。※15

外国人が経営する会社では、経営者の在留に影響する場合がある

入管法は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせるなどの行為を行い、唆し、又は助けた外国人を、退去強制の対象としています(第24条第3号の4)。※1※5

出入国在留管理庁が公表している不許可事例には、「経営・管理」の在留資格で在留していた人が入管法違反(不法就労助長罪)により罰金30万円に処せられ、在留状況に問題があるとして在留期間の更新が認められなかった事例があります。※18

採用時に確認すること

出入国在留管理庁のQ&Aでは、日本に在留している外国人を雇用する際は、まず在留カードなどによって、在留資格や在留期限、就労制限の有無を確認するよう案内されています。※6 在留カードは、適法に中長期間日本に滞在する外国人が持つカードです。※5

在留カードの表面と裏面で確認する欄

在留カードでは、表面の「就労制限の有無」欄と、裏面の「資格外活動許可欄」を確認します。※5 マイナンバーカードと一体化した特定在留カードでは、「資格外活動許可欄」は表面にあり、記載の文言も異なります。また、特定在留カードでは、表面右下の追記欄に「就労不可」と記載される場合があります。※5

表面で「就労不可」や「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されている人でも、資格外活動許可欄(特定在留カードでは表面)に許可の記載がある場合 は、その範囲で働くことができます。※5

確認する欄

記載

確認すること

表面「就労制限の有無」就労制限なし就労内容に制限はない
表面「就労制限の有無」在留資格に基づく就労活動のみ可任せる仕事が在留資格で認められた範囲か。在留資格が「特定技能」の場合は指定書も確認する
表面「就労制限の有無」指定書により指定された就労活動のみ可在留資格「特定活動」。法務大臣が個々に指定した活動等が記載された指定書を確認する
表面「就労制限の有無」就労不可原則として雇用はできない。資格外活動許可欄を確認する
裏面「資格外活動許可欄」許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く。)複数のアルバイト先がある場合は、合計が週28時間以内か
裏面「資格外活動許可欄」許可(「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「技能」に該当する活動・週28時間以内)地方公共団体等との雇用契約に基づく活動か
裏面「資格外活動許可欄」許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動)資格外活動許可書を確認する
特定在留カードの表面「資格外活動許可欄」許可(週28時間以内・風俗営業不可)/許可(週28時間以内・教育等の活動)/許可(資格外活動許可書参照)上の在留カードの3つの記載と同じ点を確認する
特定在留カードの表面右下「追記欄」「就労不可」と記載される場合がある「就労制限の有無」欄とあわせて確認する

※5

在留カードを持っていなくても就労できる場合がある人として、旅券に後日在留カードを交付する旨の記載がある人、「3月」以下の在留期間が付与された人、「外交」「公用」などの在留資格が付与された人が挙げられており、これらの人は旅券などで就労できるかどうかを確認します。※5

監理措置決定や仮放免許可を受けた人は、退去強制手続中の立場であるため、原則として就労できないとされています。ただし、監理措置決定を受けた人は、退去強制令書発付前に限り、一定の厳格な要件の下で例外的に就労が許可されることがあり、就労の可否は本人が持っている監理措置決定通知書で確認するよう案内されています。※5

読取アプリと失効情報照会で偽変造を確認する

出入国在留管理庁は、在留カードのICチップに記録された情報を読み取る「在留カード等読取アプリケーション」を無料で配布しています。パソコンで使う場合は非接触型ICカードリーダライタ(拡張APDU対応機種に限る)、スマートフォンで使う場合はNFC Type Bに対応した端末が必要です。※7

読み取った情報と券面の記載を見比べることで、偽変造の有無を確認できます。※7 利用する際は、ほかの本人確認書類と同様に、本人の同意を得たうえで在留カードの提示を受ける必要があります。※7

カードの番号が失効していないかは「在留カード等番号失効情報照会」で確認でき、2025年11月14日からは読取アプリからも照会できるようになりました。※7 照会ページのURLは2026年1月5日に変更されています。※7

ただし、照会結果は在留カード自体の有効性を証明するものではありません。実在する番号を悪用した偽造カードもあるため、読取アプリや券面の偽変造防止対策の確認とあわせて使うよう案内されています。※7

厚生労働省も、外国人雇用状況の届出の際に在留カードを確認するときは、読取アプリを積極的に活用するよう呼びかけています。※19

2026年6月14日から交付されている新様式の在留カード

2026年6月14日から、マイナンバーカードの機能を持つ「特定在留カード」が導入され、在留カードも新様式となって、券面に記載される事項が変わりました。※7※20 新様式のカードの券面記載事項は、次のとおりです。※9※21

  • 券面に記載される事項:氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間の満了の日、在留カードの番号、有効期間の満了の日、就労制限の有無、資格外活動許可を受けているときはその旨
  • ICチップにのみ記録される事項:在留期間、許可の種類及び年月日、在留カードの交付年月日

券面に記載されなくなった「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」は、2026年8月19日にリリースされた 新しいバージョンの読取アプリ で表示できるようになっています。※7※8 「交付年月日」は、改修後のアプリでも確認できないとされています。※7

なお、2026年6月13日以前に発行された在留カードも、有効期限までは有効です。※9※20※21

採用の場面ごとに注意したいこと

在留カードの確認に加えて、採用する人の状況によって確認する事項が変わります。ここでは、留学生の新卒採用、転職者の採用、採用後の配属・研修の3つの場面について、出入国在留管理庁の資料に示されている事項を整理します。

留学生を新卒で採用するとき

就労資格を持っていない留学生を採用する場合は、在留資格変更許可申請が必要です。※6 例年3月に大学などを卒業する留学生の申請は12月から受け付けており、卒業見込証明書を提出すれば卒業前でも申請できます。審査の結果は、卒業証明書を提出した後に渡されます。※6 在留資格変更許可申請の標準処理期間は、1か月から2か月です。※6

入社式や報酬が発生しない研修に参加することは差し支えありませんが、実際に出勤して報酬を受ける活動に従事できるのは、在留資格変更許可を受けた後 です。※6 Q&Aでは、就労資格の取得を条件として雇用契約が効力を持つ「停止条件付き雇用契約」を結び、雇用開始日を「地方出入国在留管理局から就労に係る許可を受けた日から有効とする」などとする方法が示されています。※6

在留資格の変更は、法務大臣が変更を適当と認めるに足る相当の理由があるときに限り許可され、その判断では申請者の在留状況、在留の必要性、相当性などが総合的に勘案されます。※18 公表されている不許可事例には、「家族滞在」で在留中に資格外活動許可を受けずに風俗営業店で長期間働いていたことから在留状況に問題があるとされ、「留学」への在留資格の変更が認められなかった事例もあります。※18

9月に卒業して翌年4月に入社する場合のように、卒業から入社までの期間がある場合は、内定待機者用の「特定活動」への在留資格の変更が可能とされており、詳細は出入国在留管理庁の案内で確認するよう示されています。※6

転職者を採用するとき

すでに就労資格を持っている人を採用し、採用後もその在留資格に当たる活動を続ける場合は、在留資格変更許可申請は不要です。ただし、在留期間の満了日が間近な場合は、在留期間更新許可申請が必要です。※6

採用後に任せる仕事がその人の在留資格で行える活動に当たるかどうかは、本人が住居地を管轄する地方出入国在留管理官署で「就労資格証明書」の交付申請を行うことで確認できます。※6 標準処理期間は原則当日ですが、勤務先を変えた場合などは1か月から3か月です。 ※14

就労資格証明書は就労活動を行うための許可書ではなく、これがなければ就労活動を行うことができないというものでもありません。※13 就労できる活動が明らかな場合に、証明書を提示しないことを理由として不利益な取扱いをしてはならないと定められています(入管法第19条の2第2項)。※13

転職した本人は、前の勤務先との契約が終了した日や新しい勤務先と契約を締結した日から 14日以内 に、所属(契約)機関に関する届出を行う必要があります(「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」など)。※12 雇用する企業は、就労資格を持つ外国人を雇用した場合、外国人雇用状況の届出が義務付けられている事業主を除き、「中長期在留者の受入れに関する届出」を提出するよう努めることとされています(「特定技能」などは対象外)。※6

「特定技能」の人を雇用する企業(特定技能所属機関)は、特定技能雇用契約を新たに締結したときや終了したときなどに、その事由が生じた日から14日以内に、出入国在留管理庁長官へ届け出なければならないとされています(入管法第19条の18第1項、同法施行規則第19条の17第2項) 。※15

「特定技能」の人が転職によって指定書に記載された特定技能所属機関を変更する場合は、在留資格変更許可を受けなければなりません。※15 申請中は、変更予定の就労先での就労活動は認められないとされています。※15

「技術・人文知識・国際業務」の社員を配属・研修するとき

採用当初のOJTについては、一般的には業務習熟のために必要な研修として認められるとされています。※6 一方で、OJTの期間が採用当初にとどまらず、在留期間の大半を占めるような場合は、在留資格に該当する活動を行っていないことになるため認められないとされています。※6

配置転換などで仕事の内容が変わる場合も、就労資格証明書の交付申請で、新しい活動内容を示して確認を受けることができます。※14

雇用を続ける中で確認すること

採用時に在留カードを確認した後も、在留期限の到来や届出の時期は雇用を続ける中でやってきます。ここでは、在留期限と更新の手続き、外国人雇用状況の届出、判断に迷うときの相談先を整理します。

在留期限と更新の手続き

在留期間更新許可申請は、在留期間の満了する日以前に行います。6か月以上の在留期間がある人は、在留期間の満了する3か月前から 申請できます。※11 標準処理期間は2週間から1か月です。※11

在留期間の満了日までに更新を申請し、満了日までに審査の結果が出ない場合は、結果が出る時か、満了日から2か月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までは、それまでの在留資格のまま在留し、従前の活動を行うことができます(特例期間)。※10

この場合、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中であることが記載されるため、表面の在留期間が過ぎているときは裏面も確認します。ただし、オンラインで申請した場合は、この欄に記載されません。※10 なお、特定在留カードの裏面には、マイナンバー情報などが記載されます。※5

申請中であることは、失効情報照会でも確認できます。更新申請中のカード番号を照会すると、券面の満了日を過ぎていても「失効していません。」と表示されます。※7

一方、在留期間の更新や変更を受けないで在留期間を過ぎて残留した人は、刑事罰や退去強制の対象となります。※1 このような人に働いてもらうことは、不法就労の「在留期限の切れた人が働く」ケースに当たります。※5 社内で在留期限を管理し、満了日の3か月前を目安に本人へ更新の手続きを案内しておくと、期限切れの防止につながります。

外国人雇用状況の届出

外国人(特別永住者と、在留資格「外交」「公用」の人を除く)を雇い入れたときと離職したときは、全ての事業主にハローワークへの「外国人雇用状況の届出」が義務づけられています。届出を怠ったり虚偽の届出をしたりした場合は、30万円以下の罰金 の対象となります。※19

区分

届出の方法

期限

雇用保険の被保険者になる人雇用保険被保険者資格取得届・資格喪失届を提出することで届出を行ったことになる雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から起算して10日以内
雇用保険の被保険者にならない人外国人雇用状況届出書(様式第3号)を提出する雇入れ・離職ともに翌月末日まで

※19

届出の際は、在留カードや旅券などの提示を求めて、届け出る事項を確認します。届出に在留カードなどの写しを添付する必要はありません。※19

判断に迷うとき・不法就労が疑われるとき

在留資格で認められる仕事の範囲や在留手続きについての質問は、外国人在留総合インフォメーションセンター(0570-013904)で受け付けています。※6 外国人在留支援センター(FRESC)でも、外国人を雇用したい企業の支援などの取組が行われています。※5

アプリで読み取った情報が券面と異なる、アプリで在留カードを読み取れない、在留カードの番号が失効しているなど、偽変造が疑われる在留カードを見つけた場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署へ相談するよう案内されています。※5※7

採用時の在留カードの確認に加え、在留期限の到来や仕事の内容が変わる場面ごとに確認を重ねておくことが、不法就労助長罪のリスクの低減につながります。

出典一覧

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