転職回数を気にするのは日本だけ?海外との違いと、転職が多い人の職務経歴書の書き方 - GTN MAGAZINE
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転職回数を気にするのは日本だけ?海外との違いと、転職が多い人の職務経歴書の書き方

「転職回数が多いと日本では不利になるけれど、海外では気にされない」。転職を考えるときに、こうした話を見聞きして不安になる人もいるのではないでしょうか。

JILPTの「データブック国際労働比較2026」に載っている14か国の勤続年数(2024年)を見ると、日本の平均勤続年数12.4年は最も長い値でした(国によって対象や算出方法が違い、米国は中位数(中央値=ちょうど真ん中の人の値)です)。

ただし、イタリア(11.7年)やフランス(10.2年)など、勤続年数が10年以上の国は欧州にもあり、一つの勤め先で長く働く人が多いのは日本だけではないと考えられます。

企業が転職回数をどう評価しているかを国ごとに比べることは、これらの統計からはできません。一方で、厚生労働省とハローワークがまとめた職務経歴書の手引きには、転職が多い人は採用担当者から「なぜ転職が多かったのか」などと問われることになる、と書かれています。

出典:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第3-13-2表」(2024年)/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)

この記事では、労働政策研究・研修機構(JILPT)、厚生労働省、総務省、米国労働統計局の統計をもとに、日本と海外の勤続年数、米国で1957〜1964年生まれの人が就いた仕事の数、日本の転職者の転職回数、転職による賃金の変化を紹介します。そのうえで、転職が多い人の職務経歴書の書き方と、相談できる公的な窓口を説明します。

目次

転職回数を気にするのは日本だけ?統計でわかること

国ごとの働き方を比べるときに使える公的な統計の一つが、JILPTの「データブック国際労働比較2026」に載っている勤続年数です。勤続年数は、今の勤め先にどれくらいの期間勤めているかを表す数字で、勤め先を変える人が多い国ほど短くなりやすいと考えられます。

この統計によると、2024年の日本の平均勤続年数は12.4年で、表に載っている14か国の中で最も長い値でした(国によって対象や算出方法が違います)。ただし、イタリアは11.7年、ベルギーは10.5年、フランスは10.2年、ドイツは10.0年で、10年以上の国は日本のほかにもあります。米国(アメリカ)の勤続年数(中位数)は3.9年でした。

出典:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第3-13-2表」(2024年)/米国労働統計局「Employee Tenure in 2024」(2024年1月)

注意したいのは、勤続年数の統計からわかるのは働く人の勤め方であり、企業が転職回数をどう評価しているかまではわからないという点です。企業側の見方については、後の「日本の企業は、転職者のどこを見ているのか(公的資料からわかること)」で、ハローワークの手引きと厚生労働省の調査を紹介します。

この記事で扱う主な統計は、次のとおりです。

  • 国ごとの勤続年数:JILPT「データブック国際労働比較2026」
  • 米国で1957〜1964年生まれの人が就いた仕事の数と、米国の勤続年数:米国労働統計局の追跡調査と勤続年数の調査
  • 日本の転職者数、転職入職率、賃金の変化:総務省「労働力調査」、厚生労働省「雇用動向調査」
  • 日本の転職者の転職回数と、事業所が転職者の処遇で考慮したこと:厚生労働省「転職者実態調査」

日本と海外の勤続年数を比べる

日本の平均勤続年数は12.4年、米国の中位数は3.9年(2024年)

JILPTの第3-13-2表から、14か国の勤続年数を長い順に並べると次のとおりです。

国勤続年数(2024年)
日本12.4年
イタリア11.7年
ベルギー10.5年
フランス10.2年
ドイツ10.0年
スペイン9.6年
イギリス9.3年
スウェーデン8.1年
フィンランド8.1年
オランダ7.9年
ノルウェー7.5年
デンマーク7.1年
韓国6.4年
米国3.9年(中位数)

この表の数字は、国によって対象や算出方法が違います。日本は2024年6月末時点の民営事業所の常用労働者(短時間労働者を除く)が対象で、欧州と韓国は雇用されて働く人(Dependent employment)が対象です。また、米国だけが中位数で、ほかの国は平均年数です。

出典:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第3-13-2表」(2024年)

米国労働統計局は、勤続年数の中位数を、働く人の半数がそれより長く、半数がそれより短くなる点と説明しています。平均年数とは算出方法が違うため、米国の3.9年とほかの国の数字は、そのまま並べて比べられない点に注意が必要です。

出典:米国労働統計局「Employee Tenure in 2024」(2024年1月)

勤続1年未満の割合は日本8.6%、米国は1年以下で22.2%

勤続年数ごとの人の割合でも、日本と米国を比べることができます。JILPTの第3-13-1表では、2024年に勤続年数が1年未満の人の割合は、日本が8.6%、米国が22.2%でした(米国の値は、米国労働統計局の集計では「1年以下」の割合です)。勤続1〜2年の人は日本が14.4%、米国が13.9%、勤続3〜4年の人は日本が10.4%、米国が17.7%です。勤続20年以上の人の割合は、日本が22.7%、米国が10.1%でした。

欧州の国は勤続年数の区切り方が違います。勤続10年以上の人の割合は、高い国ではイタリアが44.3%、ベルギーが41.1%、フランスが39.3%、ドイツが36.8%、低い国ではデンマークが24.6%、オランダが27.2%でした。同じ区切り方で見た米国は26.3%です。欧州の中でも、国によって差があります。

日本の数字は民営事業所の常用労働者(短時間労働者を除く)が対象で、米国の数字は公務部門も含む雇用者(wage and salary workers)が対象です。日本と米国の差には、対象の違いによる部分も含まれている可能性があります。

出典:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第3-13-1表」(2024年)/米国労働統計局「Employee Tenure in 2024」(2024年1月)

米国労働統計局は、勤続1年以下の人には、新しく採用された人、仕事を失ったあと1年以内に新しい仕事に就いた人、1年以内に自分から勤め先を変えた人が含まれると説明しています。勤続年数が短い人の中には、自分の意思で勤め先を変えた人だけでなく、仕事を失って次の仕事に就いた人もいることになります。

出典:米国労働統計局「Employee Tenure in 2024」(2024年1月)

日本の最新値は12.7年(2025年)。産業によって差がある

国際比較の表は2024年の数字ですが、日本については、より新しい数字も公表されています。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、一般労働者の平均勤続年数は12.7年で、男性が14.2年、女性が10.4年でした。

同じ調査で産業別の平均勤続年数を見ると、次のように差があります。

産業平均勤続年数(2025年)
電気・ガス・熱供給・水道業17.6年
複合サービス事業16.8年
製造業15.3年
金融業,保険業14.6年
卸売業,小売業14.5年
鉱業,採石業,砂利採取業13.9年
建設業13.7年
運輸業,郵便業12.9年
情報通信業12.3年
学術研究,専門・技術サービス業12.1年
教育,学習支援業11.7年
不動産業,物品賃貸業10.7年
生活関連サービス業,娯楽業10.6年
医療,福祉9.9年
宿泊業,飲食サービス業9.6年
サービス業(他に分類されないもの)9.3年

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2025年)

米国でも、産業によって勤続年数(中位数)に差があります。2024年1月の米国では、製造業が4.9年、金融・保険・不動産業(financial activities)が4.7年だった一方、娯楽・宿泊・飲食サービス業(leisure and hospitality)は2.1年でした。米国労働統計局は、こうした差の要因の一つとして、産業ごとの年齢構成の違いを挙げています。勤続年数の差は、国と国の間だけでなく、同じ国の中の産業の間にもあるということです。

出典:米国労働統計局「Employee Tenure in 2024」(2024年1月)/米国労働統計局「Industries at a Glance: Financial Activities」(2026年9月時点)/米国労働統計局「Industries at a Glance: Leisure and Hospitality」(2026年9月時点)

勤続年数が長い人ほど賃金が高い傾向は、欧州にもある

日本では、勤続年数が長い人ほど賃金が高い傾向があります。「令和7年賃金構造基本統計調査」の勤続年数階級別の賃金(男女計)は、勤続0年が274.5千円、10〜14年が333.6千円、20〜24年が400.4千円、30年以上が444.2千円でした。

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2025年)

勤続年数が長い人は年齢も高い場合が多いと考えられるため、この差には年齢の違いによる部分も含まれている可能性があります。そのうえで、同じ傾向が海外にもあるかを見ると、JILPTは、勤続1〜5年(日本は1〜4年)の賃金を100としたときの勤続年数別の賃金を、2022年の数字で国ごとに比べています。対象は規模10人以上の民営事業所で、日本は所定内給与額、欧州は月間平均収入額をもとに算出されています。男性の数字は次のとおりです。

国勤続10〜14年勤続20〜29年勤続30年以上
日本120.4149.1152.9
ドイツ132.4149.0151.3
イタリア123.4139.1153.0
スペイン123.4139.4156.8
オランダ140.0155.6152.1
フランス127.4133.0143.5
デンマーク118.8126.9127.5
スウェーデン116.2120.1113.0

JILPTは、勤続1〜5年を100とした場合の勤続30年以上の賃金が、男性では日本、ドイツ、イタリアで約1.5倍、フランスで約1.4倍、スウェーデンで約1.1倍になっているとまとめています。勤続年数が長い人ほど賃金が高い傾向は、ドイツやイタリアなど欧州の国にもみられます。

出典:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第5-12表」(2022年)/労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 5-4 勤続年数別賃金格差」(2022年)

米国では何回くらい仕事に就いているのか(追跡調査と年齢別の統計)

 

1957〜1964年生まれの人は、18〜58歳の間に平均12.9の仕事に就いていた

米国労働統計局は、1957〜1964年生まれの人を1979年から追いかけている調査(National Longitudinal Survey of Youth 1979)の結果を公表しています。2025年8月の公表(2026年7月に一部を訂正して再公表)によると、この世代の人が18〜58歳の間に就いた仕事の数は、平均12.9でした。

この調査では、特定の雇い主のもとで途切れずに働いた期間を「1つの仕事」と数えています。日本の調査の「転職回数」とは数え方が違うため、12.9という数字を、そのまま転職回数として比べることはできません。

年齢ごとに見ると、就いた仕事の数は次のとおりです。

年齢就いた仕事の数(平均)
18〜24歳5.6
25〜34歳4.5
35〜44歳2.9
45〜54歳2.2
55〜58歳1.3

複数の年齢層にまたがる仕事は、それぞれの年齢層で1つずつ数えられています。そのため、各年齢層の数を足すと、18〜58歳の平均である12.9より大きくなります。

18〜58歳の間に就いた仕事のうち、40%超は18〜24歳の間に就いたものでした。平均的な人では、18〜24歳で始めた仕事の61%が1年未満で終わり、87%が5年未満で終わっていました。45〜54歳で始めた仕事でも、21%が1年未満で終わり、56%が5年未満で終わっています。

出典:米国労働統計局「Number of Jobs, Labor Market Experience, Marital Status, and Health for those Born 1957-1964」(2025年8月公表、2026年7月再公表)

年齢層ごとの勤続年数と転職入職率(日本・米国)

米国の勤続年数(中位数)は、2024年1月時点で、25〜34歳が2.7年、55〜64歳が9.6年でした。勤続12か月以下の人の割合は、16〜19歳では70%、55〜64歳では10%です。前に紹介したとおり、勤続年数が短い人には、新しく採用された人も含まれます。

出典:米国労働統計局「Employee Tenure in 2024」(2024年1月)

日本では、厚生労働省の「雇用動向調査」が、年齢階級別の転職入職率を公表しています。転職入職率は、常用労働者の数に対する、転職して入職した人(入職前1年間に就業経験のある入職者)の数の割合です。2025年の転職入職率は次のとおりです。

年齢男性女性
20〜24歳16.5%15.8%
25〜29歳14.1%17.1%
30〜34歳11.4%13.1%
35〜39歳7.8%9.3%
40〜44歳7.3%10.5%
45〜49歳6.0%10.0%
50〜54歳4.7%7.9%
55〜59歳5.8%7.6%
60〜64歳11.3%8.9%

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(2025年)/厚生労働省「令和7年雇用動向調査 用語の定義」(2025年)

日本と米国の統計は指標が違うため、数字どうしは比べられません。ただ、米国では年齢が高い層ほど勤続年数が長く、日本の転職入職率は20代で高く、30代後半以降は20代より低い値になっています(60〜64歳では男女とも50代後半より上がっています)。若い時期に勤め先が変わりやすいのは、米国だけでなく日本にもみられる傾向と考えられます。

出典:米国労働統計局「Employee Tenure in 2024」(2024年1月)/厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(2025年)

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日本の企業は、転職者のどこを見ているのか(公的資料からわかること)

勤続年数の統計からは、企業が転職回数をどう評価しているかはわかりません。ここでは、採用する側の見方にふれている公的な資料として、ハローワークの手引きと、厚生労働省が事業所に聞いた調査を紹介します。

ハローワークの手引きにある、採用担当者の問い

厚生労働省、都道府県労働局、ハローワークが発行している「職務経歴書の作り方」には、転職が多い場合の記載例があります。そこでは、転職が多かった場合は、採用担当者から「なぜ転職が多かったのか」「採用してもすぐにまた転職するのではないか」などと問われることになると書かれています。

同じくハローワークの「応募書類の作り方」は、職務経歴書を、採用担当者に自分の実務能力を伝えるための書類と位置づけています。企業が職務経歴書を求めるのは、応募者が自社の求める経験や能力を持っているかを判断するためだと説明しています。

さらに同じ資料は、職務経歴書には応募先の企業が知りたいことに合わせた内容を書くこと、面接では職務経歴書をもとに質問されることが多いので、聞かれそうな質問と答え方を考えながら書くことを勧めています。転職が多い人にとっては、書類に書いた転職の経緯が、面接で聞かれる内容にもなると考えられます。

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「応募書類の作り方」(令和8年5月)

転職者の処遇で考慮した要素は「これまでの経験・能力・知識」が最多(事業所調査)

厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」は、転職者がいる事業所に、転職者の処遇(賃金、役職等)を決める際に考慮した要素を聞いています。複数回答で最も多かったのは「これまでの経験・能力・知識」の74.7%で、「年齢」が45.2%、「免許・資格」が37.3%と続きました。最も重視した要素でも、「これまでの経験・能力・知識」が53.7%でした。

同じ調査では、転職者がいる事業所のうち84.1%が、転職者を採用する際に「問題がある」としていました。そのうち、「必要な職種に応募してくる人が少ないこと」を挙げた事業所が67.2%、「応募者の能力評価に関する客観的な基準がないこと」を挙げた事業所が38.8%でした。

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(2020年)

転職者の処遇を決める際に、転職者がいる事業所の74.7%がこれまでの経験・能力・知識を考慮していた一方で、応募者の能力を評価する客観的な基準がないことを問題に挙げる事業所もあります。こうした状況では、応募者の側から、経験や実績を具体的に示すことが、選考で判断してもらう材料になると考えられます。

日本の転職者は何回転職しているのか

転職者の転職回数は1回が27.7%、3回が19.5%(2020年)

「令和2年転職者実態調査」の個人調査は、雇用期間の定めがない、または1年以上の雇用期間を定めて雇われている一般労働者(短時間労働者を除く)のうち、令和元年10月1日から令和2年9月30日までに今の勤め先に雇われ、その前の1年間に他の企業に雇われた経験のある人(転職者)に聞いた調査です。転職して間もない人に聞いた数字であり、働く人全体の数字ではない点に注意してください。

この調査で、今の勤め先への転職を含めた「これまでの転職回数」は、次のとおりでした。

これまでの転職回数割合
1回27.7%
2回18.9%
3回19.5%
4回13.1%
5回7.1%
6回以上13.4%
不明0.3%

25〜29歳から40〜44歳までの年齢階級を比べると、年齢が上がるほど、転職回数が多い人の割合が高くなっています。たとえば「6回以上」は、25〜29歳では1.0%ですが、40〜44歳では25.1%です。

年齢1回2回3回4回5回6回以上
25〜29歳49.3%23.9%17.8%5.9%2.0%1.0%
30〜34歳27.1%24.9%23.6%14.8%3.5%5.7%
35〜39歳14.6%22.2%25.0%17.5%8.3%12.2%
40〜44歳14.9%12.9%20.0%15.4%11.5%25.1%

※「不明」の列は省略しています。

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査 個人調査 第6表」(2020年)/厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(2020年)

2025年の転職者数(年平均)は330万人

総務省の「労働力調査」によると、2025年平均の転職者数は330万人で、前年に比べ1万人の減少でした。男性は156万人、女性は174万人です。この調査の「転職者」は、就業者のうち前職のある人で、過去1年間に離職を経験した人をいいます。

転職者数の推移を見ると、2019年は353万人、2020年は321万人、2021年は290万人でした。その後は、2022年に303万人、2023年に328万人、2024年に331万人と増え、2025年は330万人です。

同じ調査で、今の仕事を辞めてほかの仕事に変わりたい人や、今の仕事のほかに別の仕事もしたい人(転職等希望者)は、2025年に1023万人で、前年に比べ23万人増えました。

出典:総務省「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果の要約」(2025年)/総務省統計局「労働力調査 用語の解説」(2026年9月時点)

前職を辞めた理由には、「定年・契約期間の満了」や「会社都合」も含まれる

「令和7年雇用動向調査」で、転職入職者が前職を辞めた理由を見ると、男性は「その他の個人的理由」(16.8%)と「その他の理由(出向等を含む)」(12.1%)を除くと、「定年・契約期間の満了」が16.1%で最も多く、次いで「給料等収入が少なかった」が9.9%でした。女性は「その他の個人的理由」(23.8%)を除くと、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が12.9%で最も多く、次いで「職場の人間関係が好ましくなかった」が11.5%でした。

「会社都合」の割合は、男性で5.3%、女性で6.2%です。年齢階級別では、「定年・契約期間の満了」の割合は、60〜64歳で男性57.8%、女性34.7%でした。前職を辞めた理由には、個人的な理由だけでなく、「定年・契約期間の満了」や「会社都合」も含まれています。

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(2025年)

転職で賃金が増えた人は40.8%(2025年)

同じ調査で、前職で雇われていて転職した人の賃金の変化を見ると、2025年は、前職の賃金と比べて「増加」した人が40.8%、「減少」した人が31.0%、「変わらない」人が25.5%でした。「1割以上の増加」は28.2%、「1割以上の減少」は21.9%です。雇用期間の定めのない一般労働者どうしの移動に限ると、「増加」の割合が「減少」の割合を15.5ポイント上回りました。

年齢階級別では、「増加」の割合は20〜24歳で55.2%、30〜34歳で48.6%、40〜44歳で44.9%、50〜54歳で29.4%、60〜64歳で21.1%でした。年齢が上がると、「増加」の割合はおおむね低くなっています。

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(2025年)

転職が多い人の職務経歴書の書き方

職歴を職務内容ごとにまとめる「キャリア式」

ハローワークの「職務経歴書の作り方」は、職務経歴の書き方(記載スタイル)として、次のような方法を紹介しています。表の「どんな書き方か」は、手引きの説明をもとに要点をまとめたものです。

記載スタイルどんな書き方か
編年体式古い職歴から順に書く
逆編年体式新しい職歴から順に書く
キャリア式職歴が多いときなどに、職歴を仕事の種類ごとに分け、アピールしたい順に並べる
フリースタイル仕事の種類ごとに分けてから時系列で並べる、勤め先ごとに仕事の内容と実績を書く、など

手引きによると、キャリア式は、経験した職務の内容を強調してアピールできる一方で、職歴の時間の流れがわかりにくくなるという面があります。そのため、職歴を時系列で簡単に並べた「略歴」を別に付けるとわかりやすくなる、とされています。どれがよいかわからないときは、編年体式にするよう勧めています。

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)

転職の前向きな側面と、長く勤めたい意思を書く

同じ手引きの「転職が多い場合の記載例」では、採用担当者の問いに答えるために、これまでの転職の前向きな側面を説明しながら、勤続していきたいことをアピールするよう勧めています。前向きな側面の例として挙げられているのは、次の3つです。

  • 「能力の幅が広がったこと」
  • 「それぞれの勤務先で実績をあげてきたこと」
  • 「いろいろな分野に興味があり好奇心が旺盛であること」

記載例は、「略歴」「職務経歴」「取得資格等」「仕事への姿勢」の順で構成されています。職務経歴の欄は、勤め先ごとではなく職務ごとに通算の年数と保有技術をまとめ、「仕事への姿勢」の欄で、これまで転職してきた目的と、応募先で長く勤めたい考えを述べる形になっています。

書く項目について、手引きは、「標題」「氏名」「日付」「職務経歴」は欠かせない項目で、それ以外の項目は自由に選べるとしています。整理した自分の能力や長所、強みは、「活かせる経験」「活かせる能力」「自己PR」などの項目を中心に、職務経歴書の全体で生かすよう勧めています。

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)

在籍期間が短い職歴があるとき

同じ手引きの「職歴が短い場合の記載例」では、働いた期間が短い仕事でも、ビジネスマナーや基本的な実務の力を身につけたこと、仕事への意欲や姿勢などから、伝えられる点を見つけて書くよう勧めています。また、短い期間で辞めた理由は、採用担当者が納得できるように説明するよう求めています。

「応募書類の作り方」は、職務経歴や資格がなく、実務能力に自信がない場合でも、アピールできる材料があるとしています。挙げられているのは、応募する職種に関係するアルバイトの経験、訓練や研修の経験、いま勉強している分野、自分の性格や行動の特徴、仕事への姿勢や意欲、将来の目標などです。在籍期間が短い職歴が続いている場合も、こうした面が、書く内容を探す手がかりになると考えられます。

履歴書の職歴欄について、「応募書類の作り方」は、入社と退社の経歴を古い順に書くのが基本だとしています。退職の理由は「一身上の都合により退職」「会社都合により退職」のように短く書き、前向きな理由は「志望の動機、アピールポイント」の欄で詳しく書くよう勧めています。

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「応募書類の作り方」(令和8年5月)

想定例:32歳で4社目への応募を考えている人の場合

ここで、架空の一例を考えてみます。新卒で入った会社を含めて3社で働いてきた32歳の人が、4社目への応募を考えているとします。このうち1回は、契約期間の満了による退職でした。応募先に転職すると、その転職を含めた転職回数は3回になります。

「令和2年転職者実態調査」の30〜34歳の転職者では、転職回数が3回の人は23.6%、4回の人は14.8%でした。先に紹介した「令和7年雇用動向調査」でも、転職入職者が前職を辞めた理由には、「定年・契約期間の満了」や「会社都合」が含まれていました。

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査 個人調査 第6表」(2020年)/厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(2025年)

この人が「職務経歴書の作り方」に沿って書類を用意するなら、次のような手順が考えられます。

  • 3社の仕事に共通する職務(たとえば営業と顧客対応)ごとに経歴をまとめる「キャリア式」で書き、別に時系列の「略歴」を付ける
  • 履歴書の職歴欄では、契約期間の満了による退職を簡潔に書く
  • 職務経歴書の「仕事への姿勢」などの欄で、転職を通じて広がった能力や各社での実績と、応募先で長く勤めたい考えを書く

あくまで架空の一例ですが、統計と手引きを組み合わせることで、転職回数そのものだけでなく、回数の中身と今後の考えを書類でどう伝えるかに目を向けるきっかけになると考えられます。

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「応募書類の作り方」(令和8年5月)

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転職の相談ができる公的な窓口

ハローワークで応募書類の添削や模擬面接を受ける

ハローワークは、仕事を探す人に向けて、求職活動の進め方や求人情報の探し方、応募書類の添削指導などを行っています。希望に応じて、履歴書や職務経歴書の添削指導、面接のマナーや心構えのアドバイス、実際の場面を想定した模擬面接を受けられます。応募書類の作成や面接対策のためのセミナーも開かれています。

応募したい求人が決まれば、ハローワークが紹介状を発行し、職員が求人事業所に連絡して、応募方法や面接の日時・場所を案内します。就職に必要な技術や技能を身につけたい人には、職業訓練(ハロートレーニング)のコースも案内しています。

「職務経歴書の作り方」でも、うまく書けない場合や作成後に不安がある場合は、ハローワークの窓口で相談するよう勧めています。

出典:厚生労働省「ハローワークインターネットサービス 初めてご利用になる方へ ~ハローワークのサービスについて~」(2026年9月時点)/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)

ジョブ・カードで職業経験を整理する

これまでの職業経験を棚卸しするときに使えるツールの一つが、ジョブ・カードです。ジョブ・カードは、厚生労働省が様式を定めているツールで、「生涯を通じたキャリア・プランニング」と「職業能力証明」の機能を持っています。

ジョブ・カードは、「キャリア・プランシート」「職務経歴シート」「職業能力証明シート」の3つの様式で構成されています。作成の前に、サイトの自己診断(興味診断、スキルチェック、価値観診断)で、自分の特性や大切にしている価値観、スキルを確かめることもできます。厚生労働省の「マイジョブ・カード」のサイトでアカウント登録をして作成すると、作ったジョブ・カードから一部を転記して、履歴書や職務経歴書の作成や編集ができます。

求職者と在職者は、全国47か所のキャリア形成・リスキリング支援センターと、全国のハローワークに設置されているキャリア形成・リスキリング相談コーナーで、ジョブ・カードを使ったキャリアコンサルティングを無料で受けられます(相談コーナーでは原則1回。学生は、学内のキャリアセンターなどが相談先です)。対面のほか、オンラインでも受けられます。利用の条件は変わることがあるため、最新の情報はマイジョブ・カードのサイトで確認してください。

出典:厚生労働省「マイジョブ・カード ジョブ・カードを知る」(2026年9月時点)/厚生労働省「マイジョブ・カード 無料のキャリアコンサルティングを活用する」(2026年9月時点)

よくある質問

転職回数を気にするのは、本当に日本だけですか?

この記事で扱った公的な統計では、企業が転職回数をどう評価しているかを国ごとに比べられないため、「日本だけ」かどうかは確かめられません。統計で確かめられるのは勤続年数の違いで、JILPTのデータブックに載っている14か国(2024年)では、日本の平均勤続年数12.4年が最も長い値でした(国によって対象や算出方法が違います)。ただし、イタリア(11.7年)、ベルギー(10.5年)、フランス(10.2年)、ドイツ(10.0年)も10年以上で、一つの勤め先で長く働く人が多いのは日本だけではないと考えられます。勤続1〜5年の賃金を100とすると、勤続30年以上の賃金は、男性では日本、ドイツ、イタリアとも約1.5倍でした(2022年)。

出典:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第3-13-2表」(2024年)/労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第5-12表」(2022年)

日本の転職者は、何回くらい転職していますか?

厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」で、令和元年10月から令和2年9月までに今の勤め先に転職した一般労働者に聞いた「これまでの転職回数」(今の勤め先への転職を含む)は、1回が27.7%、2回が18.9%、3回が19.5%、4回が13.1%、5回が7.1%、6回以上が13.4%でした。25〜29歳から40〜44歳までを比べると、年齢が上がるほど回数が多い人の割合が高くなっています。

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査 個人調査 第6表」(2020年)

米国(アメリカ)では、転職回数は平均して何回くらいですか?

転職回数そのものの数字ではありませんが、米国労働統計局の追跡調査では、1957〜1964年生まれの人が18〜58歳の間に就いた仕事の数は平均12.9でした。この数字は就いた仕事の数で、転職回数とは数え方が違います。仕事の40%超は18〜24歳の間に就いたもので、年齢が上がるにつれて就く仕事の数は少なくなっています。

出典:米国労働統計局「Number of Jobs, Labor Market Experience, Marital Status, and Health for those Born 1957-1964」(2025年8月公表、2026年7月再公表)

転職回数が多いと、転職で不利になりますか?

不利になるかどうかを、統計から一律に判断することはできません。ハローワークの「職務経歴書の作り方」は、転職が多い場合は採用担当者から「なぜ転職が多かったのか」「採用してもすぐにまた転職するのではないか」などと問われることになるとして、転職の前向きな側面を説明しつつ、勤続していきたいことをアピールするよう勧めています。

出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)

在留資格を持って日本で働いている人が転職するとき、必要な手続はありますか?

在留資格によって必要な手続が異なります。「技術・人文知識・国際業務」「技能」「介護」「特定技能」などの在留資格を持つ中長期在留者は、転職や退職で勤め先との契約が終わったときや、転職で新しい勤め先と契約したときに、本人が14日以内に出入国在留管理庁長官へ届け出る必要があります。「経営・管理」「企業内転勤」などの在留資格の人も、転職などで勤め先から離れたときや新しい勤め先に移ったときに、14日以内の届出が必要です(届出の種類は別です)。さらに「特定技能」の人は、転職で受入れ機関や分野を変える場合に、在留資格の変更許可申請も必要です。特定技能で転職が認められるのは、同じ業務区分の中か、試験などで技能水準の共通性が確認されている業務区分の間です。在留資格変更許可申請の標準処理期間は、1か月〜2か月とされています。自分の在留資格で必要な手続を、出入国在留管理庁の案内で確認してください。

出典:出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「所属(活動)機関に関する届出」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年9月時点)

まとめ

JILPTのデータブックに載っている国の勤続年数(2024年)では、日本の値が最も長い一方で、欧州にも勤続年数が10年以上の国があります(国によって対象や算出方法が違います)。勤続年数が長い人ほど賃金が高い傾向も、ドイツやイタリアにみられます。米国の追跡調査では、1957〜1964年生まれの人が18〜58歳の間に就いた仕事のうち、40%超は18〜24歳の間のものでした。

出典:労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第3-13-2表」(2024年)/労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2026 第5-12表」(2022年)/米国労働統計局「Number of Jobs, Labor Market Experience, Marital Status, and Health for those Born 1957-1964」(2025年8月公表、2026年7月再公表)

日本の転職者に聞いた調査では、これまでの転職回数は1回から6回以上まで分かれていました。また、転職入職者が前職を辞めた理由には、「定年・契約期間の満了」や「会社都合」も含まれていました。ハローワークの手引きは、転職が多い人に向けて、職務ごとに経歴をまとめるキャリア式や、転職の前向きな側面と勤続の意思を伝える書き方を紹介しています。

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査 個人調査 第6表」(2020年)/厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(2025年)/厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月)

なお、この記事で紹介した数字は、調査ごとに対象や数え方が違います。米国の数字には中位数や「就いた仕事の数」が含まれ、日本の転職回数の数字は転職して間もない人に聞いたものです。数字を比べるときは、誰を対象にした、何の数字なのかを確かめることが大切です。

転職回数が気になるときは、回数の多さだけで判断するのではなく、これまでの経験をどう整理して伝えるかを考えてみてはいかがでしょうか。書類づくりに迷ったときは、ハローワークやキャリア形成・リスキリング支援センターに相談する方法もあります。

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