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ミャンマー人を介護職で採用するには?在留資格・試験・採用の流れと注意点を解説

介護人材の確保が課題となるなかで、採用の選択肢として検討されているのがミャンマーからの人材採用です。特定技能の国籍別在留者数でミャンマーは第3位に入っており、受け入れ実績も積み上がっています。

一方で、ミャンマー人の採用では本国側の出国手続きや徴兵制度の影響を確認する必要があります。制度・運用の変更が続いている領域でもあります。

本記事では、ミャンマー人を介護職で受け入れるための在留資格、必要な試験、採用の流れ、実務上の注意点を官公庁の一次情報に基づいて解説します。社内検討の材料としてお役立てください。

ミャンマーからの介護人材採用をめぐる最新データ

ミャンマーからの採用が検討される背景には、日本国内の介護人材不足と、ミャンマー側の訪日就労ニーズという需給両面の要因があります。

高齢化の進行に伴い介護職員の必要数が増え続ける一方、労働力人口は減少しており、国内採用だけで人員を充足させることは年々難しくなっています。政府も特定技能の受入れ見込数を設定し直すなど、外国人介護人材の受け入れを政策として支援しています。

ミャンマーは特定技能の主要な送り出し国の一つとなっており、送り出しの仕組みや試験の実施体制も整ってきました。一方で、本国側の制度や運用は変更されることがあり、公表資料の時点を確認しながら読む必要があります。

まずは、採用計画の前提となる数値を確認します。制度の枠と実際の在留者数は別の数字であり、社内説明の際も分けて示すことが適切です。数値を引用する際は、基準日と集計対象をあわせて示しておくと、後から更新する際の手間も少なくなります。

介護職員の必要数と受入れ見込数

厚生労働省の推計によると、第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数は2026年度に約240万人、2040年度には約272万人です。2022年度時点の介護職員数は約215万人で、2026年度までに約25万人、2040年度までに約57万人の上積みが必要という計算になります。

出典:厚生労働省「介護人材確保の現状について」(令和7年5月)

外国人材の受け入れ枠については、令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針で、介護分野の受入れ見込数が特定技能1号は令和6年度からの5年間で12万6,900人、育成就労は令和9年度からの2年間で3万3,800人(分野合計16万700人)と設定されました。いずれも受入れの上限として運用されます。

出典:出入国在留管理庁「介護分野における特定技能及び育成就労の在留資格に係る制度の運用に関する方針」(令和8年1月23日閣議決定)

この枠は分野全体の上限であり、個々の事業所が採用できる人数は事業所ごとの常勤介護職員数などで決まります。枠の残りだけで採用可否が決まるわけではない点に注意が必要です。

在留ミャンマー人と特定技能の人数

出入国在留管理庁によると、令和7年末時点の在留外国人数は412万5,395人(前年末比35万6,418人、9.5%増)で、そのうちミャンマー国籍の在留者は18万2,567人、前年末から4万7,993人増えています。

出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」(令和7年末時点)

特定技能に絞ると、令和7年12月末時点の特定技能在留外国人39万296人のうち、ミャンマー国籍は4万4,523人(全体の11.4%)でベトナム、インドネシアに次ぐ第3位です。分野別では介護分野が6万7,871人(全体の17.4%)で、飲食料品製造業に次ぐ規模となっています。この2つの数値は集計対象が異なります。前者は在留資格全体の国籍別人数、後者は特定技能制度の在留者数です。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」(令和7年12月末時点)

令和8年6月末時点で、介護分野の特定技能1号で在留するミャンマー国籍の人は2万4,313人です。 

出典:特定技能在留外国人数の公表等 | 出入国在留管理庁 

ミャンマーの日本語教育の状況

国際交流基金の2024年度海外日本語教育機関調査では、ミャンマーの日本語教育機関で学ぶ人は10万315人(内訳は学校教育以外10万人弱、高等教育576人、中等教育40人)、機関数は685、教師数は3,577人でした。

出典:国際交流基金「2024年度海外日本語教育機関調査 国・地域別情報(ミャンマー)」(2024年度)

この数値は調査に回答した機関の集計であり、介護職の候補者数や個々の候補者の日本語能力を示すものではありません。日本語教育機関が一定数あることは募集経路を考える材料になりますが、採用判断は候補者ごとの試験結果と面接で行う必要があります。

介護職への適性も、国籍や宗教から判断できるものではありません。候補者ごとの職務経験、コミュニケーションの取り方、仕事への理解と意欲を確認することが適切です。出身国のイメージに基づく評価は、採用の精度を下げるだけでなく、公正な選考の観点からも避けるべきものです。

ミャンマー人を介護職で雇用できる在留資格

外国人を介護職で受け入れる制度には、EPA(経済連携協定)、在留資格「介護」、技能実習、特定技能があります。ただしEPAの対象国はインドネシア・フィリピン・ベトナムの3カ国で、ミャンマーは対象外です。

出典:厚生労働省「経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ」(2026年9月時点)

したがってミャンマー人については、特定技能・技能実習(育成就労へ移行)・在留資格「介護」の3つが主な受け入れ制度となります。このほか、永住者や日本人の配偶者等など就労活動に制限のない在留資格を持つ人も、介護職として雇用できます。

制度

在留期間

主な要件

特徴

特定技能1号「介護」通算5年まで技能試験と日本語試験の合格現在の採用で広く利用。登録支援機関の利用が可能
技能実習(育成就労へ移行)最長5年送出機関経由、入国時N4相当以上育成就労は令和9年(2027年)4月1日に施行予定
在留資格「介護」5年・3年・1年・3カ月(更新可)介護福祉士資格の登録通算年数の上限なし。家族帯同が可能
就労制限のない在留資格資格により異なる永住者・定住者・日本人の配偶者等制度上の受入れ枠の対象外

出典:育成就労制度の制度概要・関係法令 | 出入国在留管理庁 

どの制度を選ぶかは、早期の配属を優先するか、長期的な育成を優先するかによって変わります。また、制度ごとに受け入れ人数枠や事業所側の体制要件が異なるため、自社の常勤介護職員数や指導体制とあわせて検討する必要があります。以下で主要な制度を見ていきます。

特定技能1号「介護」の要件と従事できる業務

ミャンマー人の介護職採用では、特定技能1号「介護」が主要な選択肢の一つとなっています。技能試験と日本語試験に合格した人材を雇用するため、入国時点で一定の介護知識と日本語力が確認されています。

在留期間は通算5年が上限で、家族帯同は認められません。従事できる業務は身体介護とその関連業務です。令和7年4月21日の運用改正により、介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験等(実務経験が1年以上あることが原則)を有する特定技能外国人は、訪問介護などの訪問系サービスにも従事できることとなりました。

出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(2026年9月時点)

訪問系サービスに従事させる場合、事業所側にも要件があります。分野別運用方針では、基本事項等の研修の実施、一定期間は責任者等が同行する等による訓練、キャリアアップ計画の作成、ハラスメント相談窓口の設置、情報通信技術の活用による環境整備が挙げられています。事前に適合を確認し、利用者・家族への説明を行う運用も必要です。

技能実習と令和9年開始の育成就労制度

技能実習「介護」は、人材育成を通じた国際貢献を目的とした制度です。介護職種には固有要件があり、第1号は日本語能力試験N4合格相当以上、第2号・第3号はN3合格相当以上が原則です。ただし第2号には、日本語を継続的に学ぶ意思を表明し、事業所のもとで必要な日本語を学ぶ場合に要件を満たすものとみなす、当分の間の特例があります。

出典:厚生労働省・出入国在留管理庁「特定の職種及び作業に係る技能実習制度運用要領(介護職種の基準について)」(令和7年4月1日一部改正)

技能実習制度は見直しが決まっており、育成就労制度は令和9年(2027年)4月1日に施行される予定です。。介護も対象分野で、前述の分野別運用方針では入国時に「日本語教育の参照枠」A2.2相当以上、1年経過時に介護育成就労評価試験(初級)、終了時に専門級の合格が要件とされています(令和9年4月1日から適用)。

出典:出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」(2026年9月時点)

施行時に技能実習が一斉に切り替わるわけではなく、経過措置が設けられます。またミャンマーからの育成就労の受け入れには、二国間取決めや認定送出機関の整備状況の確認が必要です。当面は特定技能、令和9年度以降は育成就労と分けて計画する方法があります。

在留資格「介護」へのステップアップ

在留資格「介護」は、介護福祉士の資格を持つ外国人が介護業務や介護の指導に従事するための在留資格です。在留期間は5年・3年・1年・3カ月で、更新回数に制限はありません。ただし更新のたびに許可が必要で、自動的に認められるものではありません。家族の帯同は可能です。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『介護』」(2026年9月時点)

実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験する場合、従業期間3年以上(1,095日以上)かつ従事日数540日以上と、実務者研修(原則6カ月以上)の修了が必要です。試験に合格した後は資格の登録を行い、そのうえで在留資格変更の許可を受けるという順序になります。

出典:社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験 よくあるご質問」(2026年9月時点)

採用実務では、特定技能で採用した人材の資格取得を支援し、在留資格「介護」へ切り替えて長期雇用を目指す方法があります。学習時間の確保や受験費用の補助を制度化しておくと、本人が計画を立てやすくなります。

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特定技能「介護」に必要な試験と日本語の要件

特定技能1号「介護」で採用するには、候補者が3つの試験に合格している必要があります。介護技能を測る「介護技能評価試験」、介護現場の日本語を測る「介護日本語評価試験」、そして基礎的な日本語力を示す「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(JLPT)N4以上」のいずれかです。

介護職種の技能実習2号を良好に修了した人などには試験免除がありますが、免除の範囲は修了した職種によって異なります。他職種の修了者については、介護関連試験と基礎日本語試験の免除範囲を分けて確認する必要があります。

採用計画上重要なのは、候補者がどの試験に合格しているかで入国までの期間が変わることです。ミャンマー国内でも試験が実施されているため、現地の試験日程を送出機関や人材紹介会社と共有しながら計画を組むことが実務のポイントになります。

各試験の内容と合格基準

前掲の厚生労働省の案内によると、介護技能評価試験は全45問・試験時間60分で、合格基準は総得点の60%以上です。介護の基本、こころとからだのしくみ、コミュニケーション技術、生活支援技術などから出題されます。介護日本語評価試験は全15問・30分で、合格基準は73%以上です。

試験はプロメトリック社が運営するCBT方式(コンピュータ試験)で、日本国内のほか、ミャンマーを含む世界14カ国で実施されています。技能試験の問題は現地語を含む多言語に対応しています。

出典:プロメトリック「介護特定技能評価試験」(2026年9月時点)

これらの試験は、介護の知識と業務上の日本語を測るものです。話す・聞く力や実技の習熟度を直接評価するものではないため、合格していることと現場で独力で業務を行えることは別の事柄として扱い、配属後の指導計画を用意することが適切です。

ミャンマー国内の受験環境と日本語学習支援

基礎日本語力の証明には、JFT-BasicまたはJLPT N4以上のいずれかが必要です。N4は基本的な日本語を理解する水準とされており、介護現場では入職後も継続的な日本語学習支援が前提となります。

なお、令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針では、特定技能1号の日本語要件を「日本語教育の参照枠」A2.2相当以上および介護特定技能評価試験(日本語)と整理しています。方針本体に適用開始時期の明記がないため、受験・申請の時点でどの基準が適用されるかは、最新の案内で確認する必要があります。

ミャンマー国内の試験実施は、時期によって日程や受付状況が変わることがあります。プロメトリックは2026年8月14日付でミャンマーでの試験予約・開催情報を案内しています。採用スケジュールを組む際は、最新の日程と空席状況を確認してください。

すでに日本国内に在留するミャンマー人留学生等が国内で受験し、特定技能へ移行するケースもあります。海外からの呼び寄せと国内在留者の採用を並行して検討する方法があります。

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ミャンマー人介護人材を採用する流れ6ステップ

ミャンマー人の採用では、日本側の在留資格手続きに加えて、ミャンマー政府側の手続きを確認する必要があります。ミャンマーから海外で就労する人は、労働省の承認を受けた送出機関を通じて手続きを行うこととされ、日本とミャンマー両政府は協力覚書(MOC)を締結し、保証金の徴収や違約金の定め、人権侵害行為等の情報連携を行う枠組みを設けています。

出典:出入国在留管理庁「ミャンマーに関する情報」(2026年9月時点)

海外から呼び寄せる場合の標準的な流れは、次の6ステップです。

  1. 送出機関・人材紹介会社の選定と求人依頼
  2. 候補者の面接・内定
  3. 雇用契約の締結と事前ガイダンス
  4. ミャンマー側の出国手続き(デマンドレター申請・出国許可)
  5. 在留資格認定証明書(COE)の申請・査証取得
  6. 入国・入国後研修・配属開始

就労開始までの期間は、候補者の試験合格状況、日本側の在留審査、海外採用の場合の査証・出国手続きによって異なります。各工程の進捗を確認しながら個別に見積もることが適切です。

送出機関の選定とミャンマー側の手続き

海外からの採用では、まずミャンマー政府に認定された送出機関を通じて候補者を募集します。出入国在留管理庁は認定送出機関のリストと、ミャンマー側が一時的に無効とした機関の一覧を公表しています。認定リストへの掲載や処分歴の有無は、契約前に確認しておく必要があります。

内定後は、送出機関が受け入れ企業からの求人票(デマンドレター)をミャンマー労働省へ提出し、承認を得る手続きに進みます。従来は海外労働身分証明カード(スマートカード)の発給を受ける運用でしたが、2025年3月にスマートカードの新規発給が停止され、デマンドレター方式へ移行しました。2025年4月3日時点のJITCOの案内では、送出機関ごとのデマンドレター提出が月1回・1回あたり最大15人に制限されていることが報告されています。

出典:国際人材協力機構(JITCO)「ミャンマーにおける就労目的での海外出国禁止の手続きについて」(2025年4月更新)

これは2025年4月時点の情報です。現在の対象者や受付条件は変わっている可能性があるため、採用着手前に送出機関・支援機関を通じて最新の運用を確認してください。

雇用契約から入国・配属までの日本側手続き

候補者が決まったら、日本人と同等以上の報酬水準で特定技能雇用契約を締結し、1号特定技能外国人支援計画を作成します。義務的支援は、事前ガイダンス、出入国する際の送迎、住居確保・生活に必要な契約支援、生活オリエンテーション、公的手続等への同行、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応、日本人との交流促進、転職支援(人員整理等の場合)、定期的な面談・行政機関への通報の10項目です。自社対応が難しい場合は登録支援機関へ委託できます。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(2026年9月時点)

あわせて、前掲の厚生労働省の案内のとおり、介護分野の外国人材を受け入れる法人は、地方出入国在留管理局での在留諸申請を行う前に「介護分野における特定技能・育成就労協議会」の構成員となり、入会証明書の発行を受けることが必要とされています。協議会の名称は育成就労制度の導入に伴い変更されています。

その後、地方出入国在留管理局へ在留資格認定証明書(COE)の交付申請を行い、交付後に本人が在外公館で査証を取得して入国します。交付の可否は、提出書類の内容や受入れ機関の状況を踏まえて出入国在留管理庁が個別に判断します。書類の不足は不交付の原因になりやすいため、提出前の確認が重要です。標準処理期間は申請の種類ごとに公表されていますが、実際の審査期間は事案によって異なります。

入国後は、住民登録や銀行口座開設、携帯電話契約などの生活立ち上げを経て配属となります。生活面の立ち上げを外部サービスに委託する方法もあります。GTNの外国人材受入れ支援では住まいや通信、生活オリエンテーションなどを多言語で支援していますが、対応時間・支援範囲・利用条件はサービスごとに異なるため、公式ページでご確認ください。

ミャンマー人採用で確認したい注意点

ミャンマー人の採用では、現地の制度・情勢に関する確認と受け入れ側の体制整備の2つが論点になります。2021年の政変以降、出国規制や徴兵制度など採用実務に影響する変更が生じています。

これらの情報は断片的に伝わりやすいため、官公庁の一次情報と、現地とつながる送出機関・支援機関からの情報を組み合わせて判断することが重要です。社内で共有する際も、情報の時点と出所をあわせて記録しておくと、稟議や現場説明の場で確認を求められた際に対応しやすくなります。

入国後の定着支援も同様に重要です。日本語学習の継続支援、キャリアパスの提示、生活面の相談体制が整っていない場合、早期離職につながる可能性があります。以下、特に確認したい3つの論点を解説します。

徴兵制度と出国手続きの影響

JETROの2025年5月の報告によると、ミャンマーでは2024年2月10日に国家兵役法が発動されました。法律上の対象は原則として満18〜35歳の男性と満18〜27歳の女性で、医療従事者や技術者などの専門職は男性45歳・女性35歳までに拡大されます。国外に居住する国民も対象に含まれるとされています。

出典:日本貿易振興機構(JETRO)「外国に向かうミャンマー人若年層」(2025年5月)

法律上の対象範囲と、実際の徴兵・出国規制の運用は別に確認する必要があります。同報告では2024年5月に労働省が男性の新規求人票受付を停止したことも報告されていますが、これも当時の運用です。

実務上の対応としては、次の3点が考えられます。なお、性別を採用基準とすることは男女雇用機会均等法上認められていません。現地の出国条件の確認と、日本側の選考基準は分けて扱ってください。

  • 候補者ごとに最新の出国条件と入国時期の見通しを送出機関へ確認する
  • 日本国内在留のミャンマー人(留学生・技能実習修了者等)の特定技能移行も並行して検討する
  • 入国時期の遅延を見込み、複数国からの採用を組み合わせた計画にする

コミュニケーションと生活面の支援設計

宗教や生活習慣、困りごとの伝え方には個人差があります。国籍から本人の希望や行動を推定せず、入職時のオリエンテーションで本人に確認する運用にしておくと、後からの調整が少なくなります。食事・服装・休暇の希望などが典型例です。

言語面では、「わかりました」と返事があっても内容が伝わっていない場合を想定した設計が必要です。復唱確認、図を使った説明、定期的な面談によって、理解と相談の機会を確保します。

金銭面の説明も重要です。前掲のJETROの報告では、渡航準備のために借金を負う労働者がいることや、家族への送金が家計を支える手段になっていることが指摘されています。給与・控除の内訳と手取り額の見通しを、本人が理解できる言語で説明することが、金銭面の不安からくる早期離職の防止につながります。

住居・通信・金融の契約は、必要書類や審査の取り扱いが事業者ごとに異なります。在留期限と契約期間の関係も含め、施設側または外部の支援サービスと一緒に進める体制を用意しておきましょう。

法令順守のための確認体制

外国人雇用では、受け入れ側の法令違反が在留資格の不許可や受け入れ停止、不法就労助長罪につながるリスクがあります。前述の協力覚書でも保証金の徴収や違約金の定め、人権侵害行為等の防止が対象として挙げられており、候補者が送出機関等に不当な費用を支払っていないかの確認は重要なチェックポイントです。

特定技能所属機関には、日本人と同等以上の報酬の支払い、支援計画の履行、出入国在留管理庁への届出などが義務付けられています。このうち定期届出は、令和7年4月1日からルールが変更され、四半期ごとの提出から年1回の提出となりました。対象期間は4月1日から翌年3月31日までで、翌年5月31日まで(5月31日が土日祝日の場合は翌開庁日)に提出します。なお、以前のルールであった四半期ごとの提出は令和7年(2025年)4月15日までに提出するもので最後とされています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年9月時点)

届出を怠った場合、その後の受け入れに影響が生じる可能性があります。在留カードの有効期限や資格外活動許可の有無の確認、社会保険への適正な加入も含め、国籍を問わない標準手順として採用前から入社後まで一貫した管理体制を用意することが実務上重要です。

入社後の管理では、在留期間更新の申請時期を人事側でも把握しておくことが挙げられます。更新許可申請は「在留期間の満了する日以前(6か月以上の在留期間を有する者にあっては在留期間の満了する3か月前から)」受け付けるとされています。期限の管理を本人任せにしないことが適切です。

出典:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」(2026年9月時点)

転職や退職があった場合の届出、受け入れ側の事情で内定を取り消す場合の取り扱いも、あらかじめ整理しておくと判断に迷いにくくなります。

自社だけでの対応が難しい場合は、登録支援機関や行政書士など外部の専門家に委託する方法もあります。

GTN 特定技能人材紹介サービス

特定技能人材の採用は、GTNにご相談ください。
アクティブ登録支援者数は約2,000人※。インドネシア・ミャンマー・ネパールの現地教育機関で学んだ人材を中心に、国内在住の人材も含めて、外食・介護・飲食料品製造などの企業様へご紹介しています。

※2026年9月2日時点のGTNキャリアにおける支援中人数です(入社前の方は含みません)。

 

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