特定技能「飲食料品製造業」スーパーの食料品製造部門でも就業可能|業務範囲・要件・採用方法を解説 - GTN MAGAZINE
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特定技能「飲食料品製造業」スーパーの食料品製造部門でも就業可能|業務範囲・要件・採用方法を解説

食品工場や食品スーパーの製造現場で、人手不足を理由に増産や新ラインの立ち上げを見送った経験はないでしょうか。

在留資格「特定技能」のなかでも、飲食料品製造業分野は、2025年12月末時点で特定技能1号の在留者数が全分野で最多です。2024年にはスーパーマーケットの惣菜製造部門が対象に加わり、2026年度からは技能測定試験がCBT方式の通年実施に切り替わりました。さらに2027年4月には育成就労制度が動き出します。

制度の対象・運用は拡充・変更されていますが、業務範囲の線引きを誤ると資格外活動と判断され、在留資格の不許可や受入れ停止につながるのもこの分野の特徴です。

本記事では、出入国在留管理庁・農林水産省の一次情報をもとに、対象事業所、業務範囲、要件、採用方法、コスト、違反リスクまでを実務目線で整理します。社内稟議や現場説明にそのまま使える粒度でまとめました。

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特定技能「飲食料品製造業」の基礎知識と2026年の最新動向

特定技能「飲食料品製造業」は、深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を持つ外国人材を即戦力として受け入れる在留資格です。所管は農林水産省で、1号は通算5年まで就労でき、2号に移行すれば在留期間の更新に上限がなくなり、家族帯同も可能になります。

直近で押さえるべき制度変更を確認しておきましょう。数字と施行時期を把握しておくと、上長や法務部門へ説明する際の基礎になります。

2026年に押さえるべき制度変更の3ポイント

直近1〜2年で、実務に影響する変更が立て続けに起きています。以下の3点は、採用計画とコンプライアンス体制の両方に関わるため、必ず社内共有しておきたい内容です。

変更点

内容

実務インパクト

スーパーマーケットの追加2024年7月23日から、食料品スーパー・総合スーパーの食料品製造部門も対象に小売業でもバックヤード人材の確保が可能に
試験のCBT・通年化2026年度から国内試験がCBT方式へ移行。年3回から通年実施、会場も大幅拡大受験待ちによる配属遅延が解消しやすい
定期届出の簡素化2026年4月1日から、定期届出が四半期ごとから年1回に変更管理部門の事務負担が大幅に軽減

出典:出入国在留管理庁|特定技能所属機関・登録支援機関による届出

なかでも試験のCBT化は、稼働開始時期を前倒しできる可能性がある点で見逃せません。従来は年3回の試験日程が採用計画のボトルネックになり、内定から配属まで数か月待つケースが珍しくありませんでした。OTAFF(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)の発表では、試験時間・問題数・合格点・受験料はいずれも従来どおりとされており、難化したわけではない点も社内説明では正確に伝えたいところです。

対象となる事業所とスーパーマーケットの就業可否

「うちの事業所は対象なのか」は、検討の最初につまずきやすいポイントです。飲食料品製造業分野は日本標準産業分類に基づいて対象事業所が明確に列挙されており、業種名の印象ではなく分類番号で判断します。

自社が該当するかどうかは、営業許可の内容と実際の作業実態の両面から確認してください。特にスーパーマーケットは条件付きの追加であるため、線引きの理解が不可欠です。

日本標準産業分類でみる対象事業所の一覧

出入国在留管理庁の運用要領では、次の産業分類に該当する事業所が対象と定められています。

分類

事業所

備考

中分類09食料品製造業分野の中核。惣菜、製パン、水産加工、食肉加工など
小分類101清涼飲料製造業酒類は対象外
小分類103茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)茶葉・コーヒー豆の製造加工
小分類104製氷業食用氷の製造
小分類583食肉小売業食料品製造を行う事業所のみ
細分類5621総合スーパーマーケット食料品製造を行う事業所のみ
細分類5811食料品スーパーマーケット食料品製造を行う事業所のみ
細分類5861菓子小売業(製造小売)店内製造を行う和洋菓子店など
細分類5863パン小売業(製造小売)店内製造を行うベーカリーなど
細分類5896豆腐・かまぼこ等加工食品小売業当該製造を行う事業所のみ

出典:出入国在留管理庁|特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領―飲食料品製造業分野の基準について―(令和8年8月28日一部改正) 

一方、酒類製造業、塩製造業、医薬品製造業、香料製造業、飲食料品卸売業、各種商品小売業(総合スーパーを除く)、飲食料品小売業(食肉小売業・食料品スーパー・製造小売を除く)、ペットフード等の飼料製造業などは対象外です。「食品を扱っているから対象だろう」という思い込みは危険で、酒造メーカーが特定技能「飲食料品製造業」で受け入れることはできません。判断に迷う場合は、農林水産省の分野別FAQを確認するか、協議会の問い合わせ窓口に事前照会するのが確実です。

出典:農林水産省|飲食料品製造業における外国人の受入れについて

スーパーは「製造部門のバックヤード」なら就業可、販売業務はNG

2024年7月23日以降、食料品スーパーマーケットおよび総合スーパーマーケットの食料品製造部門でも特定技能外国人の受入れが可能になりました。対象となるのは、青果物加工、鮮魚加工、食肉加工、ベーカリー製造、惣菜製造といった、いわゆるバックヤードの製造作業です。

出典:出入国在留管理庁|特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について(令和6年3月29日閣議決定)

ただし条件があります。運用要領では、スーパーマーケットに該当する事業所について『関連業務としても販売業務に従事することは認められません』と明記されています。ここで注意したいのは、この制限が「主たる業務にできない」という意味にとどまらないことです。売場でのレジ打ち、品出し、接客は、関連業務としても任せられません。ここを曖昧にしたまま運用すると、実地調査で「資格外活動」と判断されるリスクがあります。

現場で起きやすいのが、繁忙期にバックヤード人材を売場のヘルプに回してしまうケースです。シフト表と作業日報のレベルで「製造部門所属」であることを説明できる状態を維持してください。受入れ前に店長・売場責任者を交えて業務範囲を確認し、書面で共有しておくことが、後々の指導リスクの低減につながります。

なお、スーパーマーケットが協議会へ加入する際は、通常の誓約書に加えて「特定技能外国人の従事する業務に関する誓約書」の提出が求められます。追加書類の存在を知らずに申請し、差し戻される事例が多いため、事前準備を怠らないようにしましょう。

出典:農林水産省|食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について/出入国在留管理庁「運用要領別冊―飲食料品製造業分野の基準について―」 

特定技能「飲食料品製造業」の業務範囲

業務範囲の理解は、この分野で実務トラブルが起きやすく、特に注意が必要な領域です。「食品工場の仕事なら何でも任せられる」わけではありません。主たる業務と関連業務の区別、そして「製造・加工にあたらない作業」の存在を正しく押さえる必要があります。

配属先の工程設計を誤ると、せっかく採用した人材を想定どおりに活用できないばかりか、違反リスクを抱え込むことになります。ここは現場責任者にこそ読んでもらいたいパートです。

主たる業務は「製造・加工」と「安全衛生の確保」

特定技能1号で従事できる主たる業務は、「飲食料品(酒類を除く)の製造・加工及び安全衛生の確保」と定義されています。具体的には、原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥などの一連の生産行為が該当します。

ここで重要なのが、単なる選別作業や包装(梱包)作業だけでは「製造・加工」にあたらないという農林水産省の整理です。ライン端で製品を箱詰めするだけの工程に専従させる設計は、制度趣旨に合致しません。

出典:農林水産省|飲食料品製造業における外国人の受入れについて

安全衛生の確保も主たる業務に含まれます。HACCPに沿った衛生管理、器具の洗浄殺菌、作業着や手指の衛生管理、異物混入防止などがこれにあたります。技能測定試験でもHACCPが出題範囲に入っているため、採用後の教育設計はここを軸に組み立てると効率的です。

出典:農林水産省|飲食料品製造業特定技能評価試験実施要領

関連業務として認められる範囲と注意点

主たる業務に付随する形であれば、次の業務にも従事できます。あくまで付随的な位置づけであり、これらだけを行わせることはできません。

  • 原料の調達・受入れ
  • 製品の納品
  • 事業所内の清掃
  • 事業所の管理作業

判断基準として実務上有効なのは、「同じ職場で働く日本人従業員も通常担当している業務か」という視点です。日本人スタッフが誰も行わない雑務を外国人材だけに集中させている状態は、関連業務の範囲を超えていると判断される可能性があります。

また、関連業務の割合が過大になると、実質的に主たる業務に従事していないと評価されかねません。業務比率の目安を社内で定め、配属時と定期面談時に確認する運用をおすすめします。定期面談は支援計画上の義務でもあるため、この機会を活用すると管理コストを抑えられます。

特定技能2号なら管理業務まで任せられる

特定技能2号では、1号の業務に加えて「飲食料品製造業全般に関する管理業務」に従事できます。衛生管理、品質管理、従業員管理、原材料管理などが対象です。

出典:出入国在留管理庁|飲食料品製造業分野

2号への移行には、飲食料品製造業特定技能2号評価試験の合格、日本語能力(『日本語教育の参照枠』B1相当以上/日本語能力試験N3以上)。2027年(令和9年)4月1日から適用、および『複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験を2年以上』有することが求められます。単に長く勤務しただけでは要件を満たさず、班長・ライン責任者としての職務経験を意図的に積ませる必要がある点が肝です。

出典:農林水産省|飲食料品製造業特定技能評価試験実施要領/特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 

2号は在留期間更新の上限がなく、配偶者と子の帯同も認められます。長期戦力化を狙うなら、1号の段階から「いつ、どのポジションで指導経験を積ませるか」を逆算した育成計画を組むことが、離職防止と定着の両面で有効です。

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特定技能「飲食料品製造業」の要件

要件は「外国人側」と「受入れ企業側」の2階建てで整理すると理解しやすくなります。企業側の要件を満たしていなければ、どれだけ優秀な人材を見つけても在留資格は下りません。

自社が受入れ機関としての基準を満たしているか、採用活動を始める前にチェックしておきましょう。

外国人側の要件:試験ルートと技能実習ルート

特定技能1号を取得するルートは大きく2つです。

ルート

技能要件

日本語要件

試験ルート飲食料品製造業特定技能1号評価試験に合格JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)またはJLPT N4以上に合格
技能実習ルート関連性が認められる職種・作業の技能実習2号を良好に修了免除

出典:出入国在留管理庁|飲食料品製造業分野

技能実習2号を良好に修了している場合、元の職種・作業にかかわらず日本語試験は免除されます。ただし、技能試験の免除は上記の飲食料品製造関連職種の修了者に限られます。そのため、機械加工や建設の技能実習を修了した人材でも、飲食料品製造業の技能試験に合格すれば、飲食料品製造業の特定技能へ移行できます。

出典:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -飲食料品製造業分野の基準について- 

2026年度から試験はCBT方式・通年実施へ

技能測定試験を実施するOTAFFは、2026年度から国内試験をCBT方式(試験会場のパソコンで受験する方式)へ全面移行しました。従来の年3回・全国13会場程度から、年間を通じた継続実施・数十か所規模の会場へと拡大しています。

出典:OTAFF|2026年度からの特定技能試験について

試験の中身は次のとおりです。

項目

特定技能1号

特定技能2号

試験時間70分70分
問題構成学科30問・実技10問(150点満点)学科35問・実技15問(200点満点)
合格基準98点以上(正答率65%以上)130点以上(正答率65%以上)
受験料(国内)8,000円(税込)15,000円(税込)
受験資格在留資格保有かつ試験日に満17歳以上左記に加え、企業経由での申込が必須

出典:OTAFF|飲食料品製造業分野特定技能1号評価試験/OTAFF|飲食料品製造業分野特定技能2号評価試験/農林水産省|飲食料品製造業分野 特定技能2号技能測定試験について

なお、試験の名称は出入国在留管理庁の資料では「技能測定試験」、実施機関のOTAFFでは「評価試験」と表記されますが、指すものは同じです。

海外試験はインドネシア、フィリピン、ベトナム、ミャンマーの4か国で実施されており、2026年度は5月から始まっています。国内採用と海外採用のどちらを軸にするかで、試験スケジュールの押さえ方が変わるため、採用計画の初期段階で方針を決めておきましょう。

出典:OTAFF|【国外試験】2026年度の試験日程のお知らせ(飲食料品製造業)

受入れ企業側の要件とキャリアアッププラン

受入れ機関には、分野共通の要件に加えて飲食料品製造業分野固有の要件が課されます。特に押さえるべきは次の2点です。

  • 食品産業特定技能協議会への加入(在留諸申請を行う前に加入が必要)
  • キャリアアッププランの書面交付(雇用契約締結前に交付し説明する義務)
  •  

出典:農林水産省|食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について

キャリアアッププランは、令和5年(2023年)8月31日の運用要領改正で追加された飲食料品製造業分野の上乗せ基準です。想定されるキャリアルート、各レベルの業務内容と習熟の目安年数、レベルアップに必要な経験・資格などを記載し、雇用契約を結ぶ前に本人へ交付・説明する必要があります。

出典:出入国在留管理庁|「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-飲食料品製造業分野の基準について-」の一部改正について

形式的な書面で済ませてしまいがちですが、2号への移行を見据えた育成設計そのものでもあります。作り込むほど本人のモチベーション維持につながり、結果として定着率を押し上げます。人材の受入れ体制づくりや在留資格手続きの負担が大きい場合は、GTNの外国人材受入れ支援サービスのような専門事業者の活用も検討に値します。

採用方法と受入れまでのスケジュール・コスト

採用方法の選択は、稼働開始時期とコストを同時に決める意思決定です。「いつから現場に立てるのか」を上長に説明できないまま稟議を上げると、差し戻しや追加説明が必要となる可能性があります。

ここではルート別の特徴と、実務フローの所要期間、コスト構造の考え方を整理します。

3つの採用ルートと選び方

現実的な採用ルートは次の3つです。それぞれ、稼働までのリードタイムと候補者層の特徴が異なります。

ルート

主な対象

稼働までの目安

特徴

国内在留者の採用試験合格済の留学生・転職者比較的短い生活基盤が整っており立ち上がりが早い
技能実習からの移行自社または他社の技能実習2号修了者中程度試験免除。現場経験があり即戦力性が高い
海外からの直接採用海外在住の試験合格者長い候補者数は多いが査証・渡航手続きが必要

自社で技能実習生を受け入れている企業であれば、移行ルートが最も確実かつ低リスクです。実際、2025年12月末時点で、この分野の特定技能1号の約56%が技能実習2号からの移行者であり、制度の主流となっています。

出典:農林水産省|飲食料品製造業における外国人の受入れについて

一方、新規に人数を積み増すなら海外採用が視野に入ります。2026年度の海外試験は年3期の実施であるため、試験日程から逆算した採用計画が欠かせません。国内採用はCBT通年化の恩恵を受けやすく、急な欠員補充への対応を検討しやすいルートです。

出典:OTAFF|【国外試験】2026年度の試験日程のお知らせ(飲食料品製造業)

稼働開始までの実務フローと所要期間

受入れの標準的な流れは次のとおりです。協議会加入は時間を要しやすい工程であるため、あらかじめ社内に共有しておきましょう。

  1. 自社が対象事業所か確認し、受入れ方針を決定
  2. 食品産業特定技能協議会へ加入申請(Web申請フォームから)
  3. 人材の募集・選考、雇用条件の提示
  4. キャリアアッププランを交付して説明のうえ、雇用契約を締結
  5. 1号特定技能外国人支援計画を作成(登録支援機関への委託も可)
  6. 在留資格変更許可申請または在留資格認定証明書交付申請
  7. 許可取得後、配属・就業開始

農林水産省によると、協議会の加入審査には2〜3か月を要するとされています。加入は在留諸申請の前に完了させる必要があるため、ここを見落とすと計画全体が数か月ずれ込みます。なお、入会金や年会費は当面の間は徴収されず、費用負担はありません。2人目以降の受入れで再申請する必要もありません。

出典:農林水産省|食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について

支援計画は、事前ガイダンス、送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、定期面談など10項目の義務的支援で構成されます。全部を登録支援機関に委託すれば、受入れ機関は支援体制の基準に適合しているとみなされます。

出典:出入国在留管理庁|1号特定技能外国人支援・登録支援機関について

コスト構造と社内説明のポイント

コストは「一時費用」と「ランニング費用」に分けて説明すると、経営層の納得を得やすくなります。

区分

主な項目

一時費用人材紹介手数料、在留資格申請の代行費用、渡航費、住居初期費用、備品購入
ランニング費用給与(日本人と同等額以上)、社会保険料、登録支援機関への支援委託費、住居費補助、通訳・翻訳費
実質的な負担軽減協議会加入費は無料。定期届出は2026年4月から年1回に簡素化

金額は地域・職種・委託範囲によって幅が大きいため、複数社から見積もりを取り、支援委託費に何が含まれるかを項目単位で比較してください。「支援費用が安い」と思ったら義務的支援の一部しか含まれておらず、追加請求されるケースは実際に起きています。

社内説明では、採用単価だけでなく「稼働開始時期」と「定着年数」を掛け合わせた総保有コストで語ると説得力が増します。特定技能1号は通算5年、2号に移行すれば更新に上限がありません。2号への移行により長期雇用も可能になるため、単年度の費用だけでなく中長期の運用コストも含めて比較することが重要です。

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2027年の育成就労施行を見据えた実務対応

制度は今後さらに動きます。2027年4月には技能実習に代わる育成就労制度が始まり、飲食料品製造業分野の運用方針も見直されました。中期の採用計画を立てるなら、この変化を織り込んでおく必要があります。

同時に、受入れ後のコンプライアンス管理も忘れてはいけません。届出義務を怠れば、次の受入れができなくなるリスクがあります。

育成就労制度の概要と飲食料品製造業への影響

育成就労制度は、一部の規定を除き令和9年(2027年)4月1日から運用開始します。技能実習が「国際貢献」を目的としていたのに対し、育成就労は人手不足分野における人材の育成・確保を目的とする点が根本的に異なります。

出典:出入国在留管理庁|育成就労制度の制度概要・関係法令

主な違いは次のとおりです。

項目

技能実習

育成就労

目的技能移転による国際貢献人材の育成・確保
期間最長5年(1号・2号・3号の合計)3年以内(相当の理由があれば最大1年延長)
転籍原則不可一定要件の下で本人意向の転籍を容認
入国時の日本語原則要件なしA1相当以上の試験合格または講習100時間以上の受講
監理主体監理団体監理支援機関(改めて許可が必要)

出典:出入国在留管理庁|育成就労制度の概要

飲食料品製造業分野は育成就労の対象分野に含まれます。令和8年(2026年)1月23日の閣議決定による分野別運用方針では、業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」の2区分に整理され、受入れ見込数は特定技能1号133,500人、育成就労61,400人、合計194,900人と設定されました。転籍制限期間は2年とされています。

出典:出入国在留管理庁|飲食料品製造業分野における特定技能・育成就労に係る制度の運用に関する方針(令和8年1月23日閣議決定)

現在技能実習生を受け入れている企業は、経過措置の確認が必須です。施行日以降は技能実習計画の新規認定申請ができず、3号への移行は施行日時点で技能実習2号の活動を1年以上行っている者に限られます。

出典:厚生労働省|育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置について

違反リスクと届出義務の管理

受入れ後の管理体制は、次回以降の受入れ可否を左右する重要な要素です。届出漏れや業務範囲の逸脱は、指導や受入れ停止につながります。

届出義務は次の2種類です。

種類

頻度・期限

内容

定期届出2026年4月1日から年1回。対象期間は前年4月1日〜当年3月31日、提出は翌年度の4月1日〜5月31日受入れ状況、支援実施状況、活動状況など
随時届出事由発生日から14日以内雇用契約の変更・終了、支援計画の変更、受入れ困難時など

出典:出入国在留管理庁|定期届出 提出資料一覧表

定期届出が四半期ごとから年1回へ簡素化されたのは実務上の朗報ですが、随時届出の14日以内という期限は変わっていません。郵送の場合は消印日ではなく到達日で判断されるため、余裕を持った提出が必要です。期限を過ぎた場合は、遅延理由を記した文書の添付が求められます。

現場で起きやすい違反として多いのは、業務範囲の逸脱です。スーパーのバックヤード人材を売場に回す、製造ラインではなく倉庫の仕分けに専従させる、といった運用は資格外活動と評価されるおそれがあります。配属時の業務説明書と実際の作業記録が一致している状態を保つことが、重要な管理策です。

こうした管理業務を自社

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だけで回すのが難しい場合は、生活支援まで含めた受入れサポートを外部に委ねる選択肢もあります。

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