外国人との関わり方を学ぶ研修とは|異文化理解研修の目的・プログラム例・注意点 - GTN MAGAZINE
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外国人との関わり方を学ぶ研修とは|異文化理解研修の目的・プログラム例・注意点

外国人社員を迎える職場では、指示の伝え方や相談の受け方について、配属先の上司や同僚が迷う場面があります。その備えとして検討されるのが、外国人との関わり方を学ぶ研修です。

研修の対象には、受け入れる側の日本人社員も含まれます。厚生労働省の指針は、日本人労働者と外国人労働者とが多様性を理解しつつ共に就労できるよう努めることを、事業主に求めています。

この記事は官公庁の指針と公開資料にもとづき、解説しています。本記事は国籍や出身地域ごとの傾向を解説するものではありません。受け入れる側と迎えられる側の双方が、職場での行動をどう変えるかを主軸にしています。

外国人との関わり方を学ぶ研修とは

外国人との関わり方を学ぶ研修とは、国籍や母語の異なる社員が同じ職場で働くために必要な知識と行動を、受け入れる側と迎えられる側の双方が身につけるための研修です。企業によって、異文化理解研修、外国人受け入れ研修、異文化コミュニケーション研修などの名称が使われています。

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は2,571,037人で、前年から268,450人(11.7%)増加しました。外国人を雇用する事業所数は371,215所で、前年から29,128所(8.5%)増えています。

出典:厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」(令和7年10月末時点)

受け入れ企業側の課題は、厚生労働省の「令和7年外国人雇用実態調査」で確認できます。これは外国人労働者を雇用する事業所に聞いた調査で、令和7年9月30日現在の状況を調べたものです。

外国人労働者の雇用に関する課題(複数回答)では、「日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい」が46.2%、「文化、価値観、生活習慣等の違いによるトラブルがある」が22.4%でした。

出典:厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査の概況」(令和7年9月30日現在)

この2つの課題は、外国人社員の日本語学習だけで解消されるとは限りません。伝える側の話し方、職場のルールの示し方、相談の受け方も関わっていると考えられます。研修の対象を日本人社員にも広げる理由は、この点にあります。

研修の対象は3つに分けて設計する

関わり方の研修は、対象者によってねらいと内容が変わります。下の表は、公的資料をもとにした記事独自の整理です。

対象主なねらい内容の例
日本人社員(配属先の上司・同僚、人事、経営層)伝え方と聞き方を見直し、受け入れの前提をそろえるわかりやすい日本語での指示、理解の確認方法、相談の受け方、在留資格の基礎
外国人社員職場のルールと仕事の進め方を理解し、相談先を知る労働条件と就業規則、安全衛生、報告・連絡・相談の方法、生活に関する情報
合同(日本人社員と外国人社員)互いの前提を言葉にし、職場のルールを一緒に確認する事例動画を使った対話、職場ルールを言語化するワーク

3つの区分は、時期に応じて組み合わせる方法があります。たとえば、配属前に日本人社員向けの研修を行い、入社時に外国人社員向けの導入研修を行い、配属後に合同の研修を行うという流れです。

外国人社員向けの研修だけを実施すると、配属先の伝え方や確認の方法が見直されないままになる場合があります。日本人社員向けの研修を先に計画に入れておくことが、受け入れ準備として重要です。

指針が示す事業主の努力事項と研修の関係

厚生労働省の「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(外国人雇用管理指針)には、研修に関わる項目が複数あります。下の表は、指針の全文から、関係する項目を抜き出したものです。右列は記事独自の整理です。

指針の項目指針の内容対応する研修の例
安全衛生教育の実施母国語等を用いる、視聴覚教材を用いる等、当該外国人労働者がその内容を理解できる方法により行うこと外国人社員向けの安全衛生教育
教育訓練の実施等日本語能力に配慮した教育訓練の実施その他必要な措置を講ずるように努めるとともに、母国語での導入研修の実施等働きやすい職場環境の整備に努めること入社時の導入研修
外国人労働者と共に就労する上で必要な配慮日本人労働者と外国人労働者とが、文化、慣習等の多様性を理解しつつ共に就労できるよう努めること日本人社員向け、合同の異文化理解研修

出典:厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」

1行目と、2行目・3行目では、求められる程度が異なります。安全衛生教育は「行うこと」とされ、教育訓練と共に就労する上での配慮は「努めること」とされています。

同じ指針は、生活支援の項目で、日本の生活習慣、文化、風習、雇用慣行等について理解を深めるための支援にも触れています。研修計画を社内で説明するときは、指針のどの項目に対応するかを示すと、位置づけを共有しやすくなります。

異文化理解研修の目的

異文化理解研修の目的は、相手の国や文化についての知識を得ることに加え、職場での伝え方、確認の方法、相談の受け方といった行動を見直すことにあります。目的は、次の3つに整理できます。

  1. 認識のずれを減らし、業務の指示と安全に関わる伝達を支える
  2. 日本人社員側のコミュニケーション方法を見直す
  3. 相談しやすい関係をつくり、偏見や差別につながる言動を防ぐ

1つ目について、厚生労働省は外国人労働者の労働災害の要因として、業務経験が短い場合が多いこと、日本語そのものの理解が不十分であること、コミュニケーション不足により職場の危険の伝達・理解が不足していること等が考えられるとしています。

出典:厚生労働省「外国人労働者の安全衛生管理」(2026年9月確認)

2つ目について、ジェトロは企業向けの案内の中で、「仕事における伝達ミスをなくすためには、外国人社員本人の日本語能力だけではなく、日本人社員の側のコミュニケーション方法を見直す必要があります」としています。

出典:ジェトロ「高度外国人材活躍推進ポータル コミュニケーション改善」(2026年9月確認)

3つ目について、法務省は「外国人に対する偏見や差別をなくしていくため、多様性を認め、外国人の文化や生活習慣等を理解・尊重するとともに、お互いの人権に配慮した行動をとるようにしましょう」と呼びかけています。

出典:法務省「外国人の人権を尊重しましょう」(2026年9月確認)

指示を具体的にする、理解を行動で確かめるといった見直しは、新入社員や中途入社の社員への説明にも共通すると考えられます。

目的は「知識」ではなく「職場での行動」で定義する

研修の目的を「異文化への理解を深める」とだけ定めると、受講後に何が変わればよいのかを確認しにくくなります。目的は、受講後に職場でとる行動の形で定義する方法があります。

下の表は、行動目標の例を記事独自に整理したものです。

対象行動目標の例
配属先の上司作業指示を1文に1つの内容で伝え、期限を日付と時刻で示す
配属先の同僚「わかりましたか」と聞く代わりに、復唱や実演で理解を確かめる
人事・受け入れ担当相談窓口と担当者を、入社時に本人が理解できる方法で説明する
外国人社員遅れや体調不良を、決められた相手と方法で報告する。わからない点を質問する

上司と同僚の行動目標は、厚生労働省の「外国人従業員とのコミュニケーションのコツ(コミュコツ)」が示す工夫をもとにしています。コミュコツは、外国人従業員とともに働く日本人従業員が工夫できるコミュニケーションの方法を説明した支援ツールです。

出典:厚生労働省「外国人従業員とのコミュニケーションのコツ(コミュコツ)」(令和6年2月改訂)

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対象者別のトレーニングプログラム例

トレーニングプログラムは、対象者ごとに分けて組み立てます。教材をすべて自社で作る方法のほかに、公的機関が公開している資料を研修の素材として使う方法があります。

資料公開している機関研修での使い方の例
外国人従業員とのコミュニケーションのコツ(コミュコツ)厚生労働省日本人社員向け。伝え方と聞き方のチェックリスト
動画教材「職場でのミスコミュニケーションを考える」、動画教材を使った対話による学びの手引き経済産業省事例動画を見て話し合う対話型の研修
在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン 話し言葉のポイント出入国在留管理庁・文化庁日本人社員向け。話し方を見直す練習
生活オリエンテーション動画出入国在留管理庁外国人社員向け。生活のルールや手続きの説明
外国人労働者向けの安全衛生教育教材厚生労働省外国人社員向け。安全衛生教育の補助教材

出典:出入国在留管理庁・文化庁「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン 話し言葉のポイント」(2022年10月)/出入国在留管理庁「生活オリエンテーション動画」(2026年9月確認)

公的資料は特定の業種や職場に合わせて作られたものではないため、自社の作業手順や社内用語に置き換えて使うことが適切です。公開から年数が経っている資料は、内容が自社の現状に合うかを確認してください。以下のプログラム例の時間配分や順序は一例であり、職場の状況に応じて調整してください。

日本人社員(上司・同僚)向けのプログラム例

日本人社員向けの研修は、外国人社員の配属前に実施する方法があります。内容は、次の4つのテーマで組み立てられます。

テーマ内容の例
受け入れの前提受け入れの目的、配属する人の経歴と担当業務、在留資格の範囲内で担当できる業務
伝え方1文を短くする、あいまいな表現を具体的な指示に置き換える、仕事の仕上がりを示す
聞き方と確認聞き取れないときにもう一度話してもらう、復唱や実演で理解を確かめる
相談の受け方相談窓口と担当者の役割、相談を受けたときの対応の流れ

伝え方と聞き方のテーマでは、コミュコツのチェックリストを使い、受講者が自分の普段の指示を点検する進め方があります。朝礼の連絡事項や作業指示書など、実際に使っている文面を持ち寄って言い換える演習は、職場での実践に効果的な方法です。

在留資格については、外国人雇用管理指針が、外国人労働者が在留資格の範囲内で能力を発揮しつつ就労できるようにすることを前提としています。配属先の上司が、本人の担当できる業務の範囲を把握しておくことは、法令順守の面でも重要です。

外国人社員向けのプログラム例

外国人社員向けの研修は、入社時の導入研修として実施する方法があります。前述の指針は、母国語での導入研修の実施等、働きやすい職場環境の整備に努めることを事業主に求めています。

内容の例は、労働条件と就業規則、安全衛生教育、仕事の進め方(報告・連絡・相談、始業時刻や期限の考え方)、相談先、生活に関する情報です。職場のルールは、理由とあわせて説明すると理解を得やすくなります。

生活に関する情報の説明には、出入国在留管理庁の生活オリエンテーション動画が便利です。日本での生活に必要な基本的な情報やルールを紹介する動画で、日本語を含む複数の言語を選択することで視聴できます。

制度によって、受け入れ側に求められる内容は異なります。一般の事業主については、前述のとおり指針が努力事項を示しています。一方、特定技能1号では、受入れ機関は1号特定技能外国人支援計画を作成し、当該計画にもとづいて支援を行わなければなりません。

支援計画の項目には、事前ガイダンス、生活オリエンテーション、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応などが含まれます。支援計画の実施は、登録支援機関に委託して実施することもできます。自社の導入研修と内容が重なる場合は、役割分担を先に決めておくと、説明の抜けを防ぎやすくなります。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(2026年9月確認)

日本人社員と外国人社員が合同で行うプログラム例

合同の研修では、経済産業省の動画教材が使えます。経済産業省の資料(2021年3月)は、外国籍社員と日本人社員が事例動画を見て、なぜミスコミュニケーションが起きるのかを考える使い方を示しています。

進め方は、動画の視聴、ディスカッション、解説の視聴の順です。ディスカッションでは、登場人物それぞれの立場に立って、どう伝えるか、どう感じるかを話し合います。

出典:経済産業省「職場における外国籍社員との効果的なコミュニケーション実現に向けた取組」(2021年3月)

ジェトロは、動画を視聴し、手引きの付録を用いてワークを行うことで、社内での改善に向けた意識の共有を進める使い方を案内しています。

合同の研修では、職場ルールを言語化するワークも選択肢になります。「なるべく早く」「きちんと」といった普段の言い回しを書き出し、日付、数量、仕上がりの状態に置き換える作業を、双方が一緒に行います。

発言しやすい人だけが話す場にならないよう、少人数のグループに分ける、書いてから話すといった進行の工夫も重要です。日本語での発話に時間がかかることと、意見の有無は別のものです。

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研修の実施方法と設計の5ステップ、研修時間と助成制度の扱い

研修の実施方法は、社内で実施する、外部の研修会社や講師に依頼する、eラーニングや動画を使う、の3つに分けられます。それぞれ適した場面が異なるため、目的と対象者に応じて組み合わせる方法があります。

実施方法適した場面確認しておきたい点
社内で実施自社の作業手順や社内用語に沿った内容を扱う講師役の社員の準備時間、内容の見直しの担当者
外部の研修会社・講師に依頼対話型のワークや管理職向けの内容を扱う自社の課題と行動目標を事前に伝える。内容と費用は事業者によって異なる
eラーニング・動画多拠点、交代勤務、繰り返しの受講受講後に職場で話し合う機会を別に設ける

設計は、次の5ステップで進める方法があります。

  1. 現場の課題を把握する:配属先の上司と外国人社員の双方から、困っている場面を聞き取ります
  2. 対象者と行動目標を決める:誰が、受講後に何をできるようになるかを決めます
  3. プログラムと教材を選ぶ:公的資料と自社の文書を組み合わせます
  4. 実施条件を決めて実施する:日時、使用言語、通訳の有無、研修時間の扱いを決めます
  5. 振り返りを行い、職場での実践を確認する:受講後の行動の変化を、上司と本人の双方に確認します

特に重要なのは、1つ目の現場の課題の把握です。課題が具体的でないまま研修を依頼すると、自社の職場に当てはめにくい汎用的な内容にとどまる場合があります。

5つ目の振り返りでは、受講直後のアンケートに加え、一定期間後に行動目標が実践されているかを確かめます。指示の出し直しの回数など、職場で把握できる事実をもとにすると、社内への報告にも使いやすくなります。

研修時間が労働時間に当たるかを確認する

4つ目の実施条件のうち、先に決めておきたいのが研修時間の扱いです。厚生労働省のガイドラインは、労働時間を「使用者の指揮命令下に置かれている時間」とし、労働時間に該当する時間の例として、次の時間を挙げています。

「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間」

出典:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日策定)

参加を義務付ける研修は、労働時間として把握し、賃金を支払う必要があります。所定労働時間外や休日に実施する場合は、割増賃金の取扱いも確認が必要です。この扱いは、受講者の国籍にかかわらず同じです。

任意参加の研修とする場合は、参加しないことで評価や処遇に不利益が生じない運用になっているかを確認することが重要です。研修の名称や手当の名称を変えても、労働時間に該当するかどうかの判断は変わりません。

研修に使える助成制度と対象外の範囲

研修費用については、公的な助成制度を利用する方法があります。対象となる訓練の範囲は、制度ごとに決まっています。

厚生労働省の人材開発支援助成金は、職務に関連した専門的な知識および技能を習得させるための訓練を助成対象としています。事業主向けQ&Aは、外国人に日本語を習得させる訓練について、職務に関連した専門用語等を習得させるための訓練であれば対象となり得る一方、日常会話程度の日本語の習得のみを目的とする講習は助成対象とならないとしています。

出典:厚生労働省「人材開発支援助成金 事業主様向けQ&A」(令和6年11月版)

異文化理解研修が同助成金の対象になるかどうかは、訓練の内容によって異なると考えられます。計画届の提出期限などの要件もあるため、管轄の労働局に事前に確認してください。

自治体が独自の制度を設けている場合もあります。東京都の「令和8年度 中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」は、都内中小企業等が外国人従業員を対象に行う、ビジネスに必要な日本語教育等を助成する制度です。

対象の例として、日本語教員による日本語教育、日本語教材の作成、ビジネスマナー講座、異文化理解に係る講座が挙げられています。

2026年9月時点の掲載内容では、一般コースの助成率は1/2、上限は標準プランで25万円、短時間プランで15万円です。申請期間等の詳細は、東京都の募集要領をご確認ください。対象は日本語能力試験概ねN2レベル以下の外国人従業員向けの研修で、在留資格や研修時間などの要件もあります。

出典:東京都「令和8年度 中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」(2026年9月時点)

助成制度の要件、金額、申請期間は年度ごとに変わる場合があります。最新の情報は各機関の公式サイトでご確認ください。

異文化理解研修を実施するときの4つの注意点

異文化理解研修は、内容や進め方によっては、意図しない受け止め方をされる場合があります。実施するときの注意点を4つに整理します。

  1. 国・地域の傾向を扱うときは、個人差と確認の手順をセットにする
  2. 外国人社員だけに適応を求める内容にしない
  3. 受講者が理解できる言語と方法で実施する
  4. 配属後のフォローと相談体制を組み合わせる

国・地域の傾向を扱うときは、個人差と確認の手順をセットにする

1つ目の注意点は、研修の内容に関わります。「〇〇出身の人はこう考える」といった説明は、わかりやすい反面、一人ひとりの違いを見えにくくするおそれがあります。

同じ国の出身者の間でも、地域、信仰、世代、職歴によって習慣や考え方は異なります。国や地域の情報を扱う場合は、統計や公的資料にもとづく事実と、講師や書き手の印象を分けて示すことが重要です。

宗教上の習慣、食事、休暇の希望などは、国籍から推測せず、本人に確認する手順を研修の中で決めておく方法があります。たとえば、入社時の面談で配慮が必要な事項を本人に尋ね、本人の同意を得た範囲で配属先と共有する、という流れです。

研修の資料に、特定の国や宗教の人を一括りにする表現が含まれていないかを、事前に確認しておくことも適切です。外国人社員本人が受講する場合は、自分がどう説明されているかを直接聞くことになります。

外国人社員だけに適応を求める内容にしない

日本の職場のやり方を一方的に教える内容だけでは、配属先の伝え方の見直しにつながりにくいと考えられます。前述の指針の趣旨を踏まえ、双方が学ぶ設計にすることが適切です。

受講者が理解できる言語と方法で実施する

指針は安全衛生教育を、母国語等を用いる、視聴覚教材を用いる等、内容を理解できる方法により行うことを求めています。関わり方の研修でも、資料にふりがなを付ける、図や写真を使う、必要に応じて通訳を入れるといった配慮が考えられます。

配属後のフォローと相談体制を組み合わせる

4つ目の注意点は、研修後の仕組みに関わります。研修で学んだ行動は、配属後に実践する機会と、相談できる相手があることで定着しやすくなります。

外国人雇用管理指針は、苦情や相談を受け付ける窓口の設置等の体制整備に努めるとともに、必要に応じ、行政機関の設ける相談窓口についても共有するよう努めることを定めています。ジェトロも、不安になった際に相談できる担当者を決めておくメンター制度を、有効な手段の一つとして紹介しています。

特定技能1号では、支援計画の項目として、支援責任者等が外国人およびその上司等と定期的(3か月に1回以上)に面談することが示されています。面談で把握した内容を次回の研修に反映すると、研修と現場の課題を結び付けやすくなります。

まとめ

外国人との関わり方を学ぶ研修は、受け入れる側が伝え方と仕組みを見直す場でもあります。要点を整理します。

  • 研修の対象は、日本人社員向け、外国人社員向け、合同の3つに分けて設計する
  • 外国人雇用管理指針は、日本人労働者と外国人労働者とが多様性を理解しつつ共に就労できるよう努めることを事業主に求めている
  • 3つの目的は、受講後に職場でとる行動の形で定義する
  • 設計は5ステップで進め、参加を義務付ける研修は労働時間として扱う
  • 国・地域の傾向を固定的なイメージとして教えず、本人に確認する手順と配属後のフォローを組み合わせる

最初の一歩として、配属先の上司と外国人社員の双方に、困っている場面を聞き取ることから始める方法があります。聞き取った内容をもとに行動目標を決めることが、自社の職場に合った研修づくりにつながると考えられます。

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