技能実習から特定技能への移行|条件・試験免除・手続きの流れと2027年4月1日以降の取扱い - GTN MAGAZINE
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技能実習から特定技能への移行|条件・試験免除・手続きの流れと2027年4月1日以降の取扱い

技能実習から特定技能への移行は可能です。技能実習2号を良好に修了し、従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合は、特定技能1号に必要な技能試験が免除され、日本語試験も原則として免除 されます。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

一方で、技能実習2号を修了した後は、特定技能への在留資格変更許可を受けるまでの間は働くことができないとされています。出入国在留管理庁は、就労開始予定日の2か月以上前 に在留資格変更許可申請を行うよう求めています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「技能実習生が『特定技能』に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケースが発生しています!」(2025年7月8日掲載)

本記事では、2026年10月1日時点で出入国在留管理庁が公表している資料をもとに、移行の条件と試験免除の範囲、手続きの流れと申請時期、在留期限に間に合わない場合の「特定活動」、移行のメリットと留意点、2027年4月1日の育成就労制度の開始に伴う取扱いを整理します。

目次

技能実習から特定技能への移行とは

技能実習から特定技能への移行とは、在留資格「技能実習」で日本に在留している外国人が、在留資格変更許可を受けて、在留資格「特定技能」に切り替えることです。出入国在留管理庁のQ&Aは、技能実習生が帰国しないで引き続き特定技能外国人として働くことについて「可能です」と回答しています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「受入れ機関の方」(2026年10月1日閲覧)

2026年6月末時点(速報値)の特定技能1号の在留外国人数は425,961人です。このうち、統計上「技能実習ルート」に区分される人は221,609人 で、総数に対する割合は約52%です(割合は公表値から算出)。「試験ルート」に区分される人は203,938人で、このほかに検定ルートなどに区分される人が計414人います。

出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末現在)」第7表(2026年6月末時点・速報値)

技能実習と特定技能1号の主な違い

技能実習から特定技能1号に切り替えると、在留できる期間、試験の要否、受入れ人数の枠、転職の可否などが変わります。出入国在留管理庁の資料では、次のように整理されています。

項目

技能実習(団体監理型)

特定技能(1号)

在留期間技能実習1号:1年以内、技能実習2号:2年以内、技能実習3号:2年以内(合計で最長5年)通算5年(妊娠、出産、育児その他のやむを得ない事情により業務に従事することができなかった期間を除く。相当の理由があると認められる場合は6年)
入国時の試験なし(介護職種のみ入国時A2.2レベルの日本語能力要件あり)技能水準、日本語能力水準を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した者は試験等免除。免除の範囲は次の章を参照)
監理団体・支援機関監理団体あり受入れ機関が住居の確保などの支援を行う(登録支援機関への全部または一部の委託も可能。自社で行う場合は一定の要件あり) 
受入れ機関の人数枠常勤職員の総数に応じた人数枠あり人数枠なし(介護分野、建設分野を除く)
転籍・転職原則不可。ただし、実習実施者の倒産等やむを得ない場合や、2号から3号への移行時は転籍可能同一の業務区分内又は試験によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間において転職可能

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)

技能実習から特定技能1号へ移行するための条件

技能試験と日本語試験の免除を受けて特定技能1号へ移行するための条件は、次の2つです。

  • 技能実習2号を良好に修了していること
  • 従事しようとする業務と、技能実習2号の職種・作業に関連性が認められること

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

技能実習2号を「良好に修了している」とは

出入国在留管理庁の運用要領では、「技能実習2号を良好に修了している」とは、技能実習を2年10か月以上修了 し、次のいずれかに当たることをいうとされています。

  1. 第2号技能実習計画における目標である技能検定3級、またはこれに相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格していること
  2. 上記の実技試験に合格していないものの、技能実習を行っていた実習実施者が、実習中の出勤状況や技能等の修得状況、生活態度等を記載した評価に関する書面(評価調書)により、技能実習2号を良好に修了したと認められること

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

技能実習計画を終了していない実習中の外国人については、Q&Aで「技能実習という在留資格の性格上、特定技能への在留資格の変更は認められません」とされています。運用要領では、計画の途中で技能実習を終了して特定技能へ移行することについてやむを得ない事情がある場合には、まず地方出入国在留管理局に相談するよう案内されています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

技能実習の職種・作業と特定技能1号の分野の対応

関連性が認められる職種・作業と、特定技能1号の分野(業務区分)の組み合わせは、出入国在留管理庁が一覧で公表しています。2026年6月1日時点の一覧から、一部を抜粋します。

技能実習の職種(作業)

特定技能1号の分野(業務区分)

耕種農業(施設園芸、畑作・野菜、果樹)農業(耕種農業全般)
建築大工(大工工事)建設(建築)、工業製品製造業(プレハブ住宅製品製造)
溶接(手溶接、半自動溶接)工業製品製造業(機械金属加工、プレハブ住宅製品製造、家具製造)、建設(土木、建築、ライフライン・設備)、造船・舶用工業(造船、舶用機械)、鉄道(車両製造)
介護(介護)介護
自動車整備(自動車整備)自動車整備(自動車整備・車体整備)
宿泊(接客・衛生管理)宿泊
クリーニング(リネンサプライ仕上げ)リネンサプライ
クリーニング(一般家庭用クリーニング)記載なし
ボイラーメンテナンス(ボイラーメンテナンス)記載なし

出典:出入国在留管理庁「技能実習2号移行対象職種と特定技能1号における分野(業務区分)との関係について」(2026年6月1日時点)

溶接のように1つの職種が複数の分野に対応するものがある一方で、一般家庭用クリーニングやボイラーメンテナンスのように、分野(業務区分)の欄に記載がない作業 もあります。職種名だけで判断せず、技能実習計画に記載された職種名と作業名の両方を一覧と照合しておくことが重要です。

この一覧は2026年6月1日時点のものです。運用要領では、特定技能1号で従事する業務と技能実習2号との関連性は、分野別の運用要領別冊で定められているとされています。申請前に、従事予定の分野の別冊もあわせて確認してください。

なお、2026年9月29日更新の資料では、リネンサプライ分野は2026年1月23日の閣議決定で新たに追加された分野で、新規分野の受入れは準備が整い次第、開始を予定するとされています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)/出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)

技能試験と日本語試験が免除される場合・免除されない場合

試験免除の範囲は、技能試験と日本語試験で異なります。次の表は2026年10月1日時点の取扱いです。2027年4月1日以降の取扱いは、後の章で扱います。

外国人の状況

技能試験

日本語試験

技能実習2号を良好に修了し、従事しようとする業務と職種・作業に関連性が認められる免除原則免除
技能実習2号を良好に修了したが、従事しようとする業務と職種・作業に関連性が認められない合格が必要原則免除
技能実習2号を修了していない試験その他の評価方法による証明が必要試験その他の評価方法による証明が必要

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

日本語試験の免除には例外があります。運用要領では、次の場合は技能実習2号を良好に修了していても、試験その他の評価方法による証明が必要とされています。

  • 介護分野の介護日本語評価試験(介護職種・介護作業の技能実習2号を良好に修了した者を除く)
  • 自動車運送業分野(タクシー運転者、バス運転者に限る)と鉄道分野(運輸係員に限る)で必要となるN3レベルの日本語能力

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

なお、出入国在留管理庁は、自動車運送業分野(バス運送業区分・タクシー運送業区分)と鉄道分野(運輸係員区分)の日本語能力水準が、分野別運用方針で「日本語能力試験(N3以上)」から「B1相当以上」へ変更されたことを受け、B1相当以上が必要となる時期を案内しています。在留資格認定証明書交付申請は2027年4月1日以降の申請から必要で、在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請については検討中とされています。

出典:出入国在留管理庁「日本語能力水準『B1相当以上』の確認開始時期について」(2026年9月30日掲載)

技能実習から特定技能への移行手続きの流れ

日本に在留している技能実習生を特定技能1号で受け入れる場合の流れを、出入国在留管理庁は次のように示しています。

  1. 外国人が技能実習2号を良好に修了する(または試験に合格する)
  2. 受入れ機関(特定技能外国人を雇用する企業など)と外国人が雇用契約を締結する
  3. 受入れ機関が1号特定技能外国人支援計画を策定する
  4. 地方出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行う
  5. 在留資格変更許可を受ける(新しい在留カードと指定書が交付される)
  6. 就労を開始する

事前ガイダンスと健康診断は、地方出入国在留管理局への申請前に行う必要があります。申請は原則として外国人本人が行いますが、受入れ機関、または支援の実施の委託を受けた登録支援機関が、事前に取次の承認を受けたうえで取り次ぐことができます。申請先は外国人本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局の窓口で、事前に利用者登録をすればオンラインでも申請できます。郵送での申請は受け付けられていません。

出典:出入国在留管理庁「受入れ機関の方」(2026年10月1日閲覧)

また、Q&Aでは、協議会は分野ごとに設置され、特定技能所属機関(受入れ機関)は在留諸申請の前に協議会の構成員となる必要がある とされています。協議会への加入は、在留資格変更許可申請の前に済ませておきます。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

在留資格変更許可申請の主な提出書類

在留資格変更許可申請では、在留資格変更許可申請書、写真1葉、申請人のパスポートと在留カード(提示)に加えて、「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」で示された書類を提出します。提出書類一覧表は、申請人に関する必要書類(第1表)、所属機関に関する必要書類(第2表)、分野に関する必要書類(第3表)に分かれています。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」(2026年10月1日閲覧)

技能実習2号を良好に修了したことを証明する書類は、次のとおりです。

状況

提出する書類

技能検定等に合格している技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験の合格証明書の写し
技能検定等に合格していない技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号)

特定技能外国人を受け入れようとする受入れ機関が、その外国人を技能実習生として受け入れていた実習実施者である場合は、過去1年以内に技能実習法の「改善命令」を受けていなければ、合格証明書の写しと評価調書の提出を省略 できます。技能実習2号を修了して帰国した後に、同一の実習実施者と特定技能雇用契約を締結する場合も含まれます。技能実習を行った実習実施者とは別の企業が受け入れる場合は、この省略の対象に当たらないため、合格証明書の写しまたは評価調書を早めに用意しておくことが重要です。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

申請の時期と標準処理期間

在留資格変更許可申請の標準処理期間は1か月〜2か月 です。

出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月1日閲覧)

出入国在留管理庁は、在留資格変更許可申請の処理には1〜2か月程度かかり、繁忙期にはさらに日数を要することもあるとして、特定技能外国人として就労を開始する予定日の2か月以上前に申請を行うよう求めています。Q&Aでも、技能実習2号の実習中であっても申請は可能であり、必要な書類の準備ができ次第、申請するよう案内されています。

出典:出入国在留管理庁「技能実習生が『特定技能』に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケースが発生しています!」(2025年7月8日掲載)/出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

在留資格変更許可の手数料(2026年10月1日以降の受付分)

在留資格変更許可の手数料は、2026年10月1日以降に受付をした申請から、許可を受ける在留期間に応じた額 に改定されています。2026年9月30日までに受付をした申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料です。

手数料額は、窓口申請とオンライン申請で異なります。オンライン申請では、手数料とは別に、指定決済代行事業者への決済手数料(許可期間が3年未満の区分は330円、3年以上の区分は550円)がかかり、手数料と決済手数料の合計額を支払います。

許可期間

窓口申請の手数料

オンライン申請の手数料

オンライン申請の支払額合計(手数料+決済手数料)

3月以下10,000円10,000円10,330円
3月超6月以下18,000円15,000円15,330円
6月超1年未満25,000円21,000円21,330円
1年33,000円27,000円27,330円
1年超3年未満48,000円42,000円42,330円
3年以上5年未満64,000円56,000円56,550円

許可時に特定在留カードの交付を受ける場合は、この額に特定在留カードの交付に係る手数料額を加えた額が必要となる場合があります。

出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月1日閲覧)/出入国在留管理庁「オンライン申請における手数料額及び手数料納付方法について(2026年10月1日以降の申請分のみに適用)」(2026年10月1日閲覧)

特定技能1号の在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間(3年を超えない範囲)です。手数料の額と納付方法について、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」(2026年10月1日閲覧)

申請後に働ける期間と、在留期限に間に合わない場合の「特定活動」

移行手続きでは、申請を済ませた後の就労の可否と、在留期間の満了日までに申請できない場合の扱いを、あらかじめ確認しておくことが重要です。

実習計画の修了後は、許可を受けるまで就労を開始できない

在留期間の満了日までに在留資格変更許可申請を行い、満了日までに処分がされないときは、処分がされる時、または在留期間の満了日から2か月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間、引き続き従前の在留資格で在留し、従前の活動を行うことができます。この期間を特例期間といいます。

出典:出入国在留管理庁「特例期間とは?」(2026年10月1日閲覧)

ただし技能実習生については、出入国在留管理庁が「在留資格変更許可申請に伴う特例期間中であっても、実習計画が修了した場合は、技能実習生として稼働することはできません」と案内しています。同庁のお知らせでは、申請後に実習計画が修了し、技能実習生として稼働ができず生活に困る事例が報告されているとされています。

出典:出入国在留管理庁「技能実習生が『特定技能』に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケースが発生しています!」(2025年7月8日掲載)

説明のための架空の例として、次の場合を考えます。

  • 技能実習2号の実習計画の修了日:2027年1月31日
  • 在留期間の満了日:2027年2月15日
  • 特定技能1号での就労開始予定日:2027年2月1日
  • 在留資格変更許可申請をした日:2027年1月20日

仮に審査に1か月〜2か月かかると、処分は2027年2月20日〜3月20日頃になる計算です。2月1日以降は実習計画が修了しているため技能実習生としては稼働できず、特定技能1号としての就労は許可を受けた後に開始するため、許可を受けるまでの間、就労できない期間が生じる 可能性があります。この例で就労開始予定日の2か月以上前に申請するには、2026年12月1日までの申請が目安になります。

在留期間の満了日までに申請できない場合の「特定活動(6月・就労可)」

在留期間の満了日までに申請に必要な書類を揃えることができないなど、移行の準備に時間を要する場合には、特定技能1号で就労を予定している受入れ機関で就労しながら準備を行えるよう、「特定活動(6月・就労可)」への在留資格変更許可申請を行うことができます。要件の概要は次のとおりです。

  • 在留期間の満了日までに「特定技能1号」への在留資格変更許可申請を行うことが困難である合理的な理由があること
  • 申請に係る受入れ機関で、「特定技能1号」への在留資格変更許可申請を予定していること
  • 「特定技能1号」で従事する予定の業務と同様の業務に従事すること
  • 特定技能外国人として就労する場合に支払われる予定の報酬と同額であり、かつ、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること
  • 必要な技能試験及び日本語試験に合格していること(技能実習2号良好修了者等として試験免除となる場合を含む)
  • 受入れ機関又は支援委託予定先が、在留中の日常生活等に係る支援を適切に行うことが見込まれること
  • 受入れ機関が、申請人を適正に受け入れることが見込まれること

2024年1月9日以降の申請では、付与される在留期間は6か月(従前は4か月)で、在留期間の更新は、やむを得ない事情があると認められる場合に1回限り認められます。この在留資格で在留した期間は、特定技能1号の通算在留期間(上限5年)に含まれます。また、この特定活動で在留中に、受入れ機関の変更により改めて同じ特定活動への在留資格変更許可申請を行うことは、やむを得ない事情がある場合を除き、原則認められません。

出入国在留管理庁は、この特定活動への変更申請が多く、審査期間の長期化につながっているとして、特定技能1号への移行があらかじめ見込まれている場合には、できる限り特定技能1号への在留資格変更許可申請を行うよう求めています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動(『特定技能1号』への移行を希望する場合)」(2026年10月1日閲覧)

不許可となった場合に備えて確認しておくこと

在留資格の変更は、変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可され、申請人の行おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案して判断されます。在留資格変更許可申請には、不服申立ての方法が設けられていません。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)/出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年10月1日閲覧)

特例期間は、申請に対する処分がされた時点で終わります。また、在留期間が満了する場合であっても、技能実習生が就職活動を行うための在留資格変更はできないとされています。許可されるかどうかは個別に判断されるため、在留期間の満了日まで余裕を持って申請し、提出書類一覧・確認表で書類の不足がないかを申請前に確認しておくことが重要です。

出典:出入国在留管理庁「特例期間とは?」(2026年10月1日閲覧)/出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

技能実習から特定技能へ移行するメリットと留意点

技能実習生が特定技能1号へ移行することで受入れ機関に生じる変化を、メリットと留意点に分けて整理します。

メリット:帰国せずに就労を続けられ、人数枠の考え方が変わる

1つ目は、技能実習生が帰国しないで、引き続き特定技能外国人として働けることです。特定技能1号の通算在留期間は原則5年以内で、「特定技能1号」の上陸許可や変更許可を受けた日から計算されます。特定技能2号には通算在留期間の上限がありませんが、特定技能1号を経れば自動的に特定技能2号に移行できるわけではなく、試験等で技能水準が確認される必要があります。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年6月17日更新)

2つ目は、受入れ人数の枠です。特定技能には受入れ機関ごとの受入れ数の上限がありません。ただし、介護分野では事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数が上限とされ、建設分野では特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数が、特定技能所属機関の常勤の職員(外国人技能実習生、1号特定技能外国人を除く)の総数を超えないこととされています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

留意点:報酬水準の確認と、転職が認められること

1つ目は報酬です。受入れ機関が外国人を受け入れるための基準には、報酬額が日本人と同等以上であることが含まれます。Q&Aでは、1号特定技能外国人は技能実習2号を修了した外国人と同程度の技能水準であることから、少なくとも技能実習2号の給与水準を上回ることが想定される とされています。

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)/出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

2つ目は、転職が認められることです。特定技能では、同一の業務区分内、または試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間で転職が認められます。転職に当たり受入れ機関または分野を変更する場合は、在留資格「特定技能」の変更許可申請が必要です。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

移行後に受入れ機関に求められる対応

特定技能1号で受け入れた後は、技能実習のときとは異なる支援と届出が受入れ機関に求められます。

1号特定技能外国人支援計画の作成と実施

受入れ機関は、1号特定技能外国人に対して、職業生活上、日常生活上または社会生活上の支援の実施に関する計画(支援計画)を作成し、計画に基づいて支援を行わなければなりません。支援計画には、省令で定められた次の10項目の実施内容・方法等を記載します。

  1. 事前ガイダンス
  2. 出入国する際の送迎
  3. 住居確保・生活に必要な契約支援
  4. 生活オリエンテーション
  5. 公的手続等への同行
  6. 日本語学習の機会の提供
  7. 相談・苦情への対応
  8. 日本人との交流促進
  9. 転職支援(人員整理等の場合)
  10. 定期的な面談・行政機関への通報

受入れ機関は、支援計画の全部または一部の実施を他の者に委託できます。全部の実施を登録支援機関に委託する場合は、外国人を支援する体制があるものとみなされます。

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)

なお、支援体制の要件は改正され、支援責任者と支援担当者を、支援を行う事業所ごとに常勤の役員または職員の中から1名以上選任することなどが求められます(2027年4月1日から施行)。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」(2026年7月28日公開)

定期届出と随時届出

受入れ機関は、出入国在留管理庁長官に対し、定期届出と随時届出を行います。定期届出は、4月1日から翌年3月31日までを対象期間とし、翌年5月31日までに提出します。随時届出は、雇用契約の内容を変更したときや終了したとき、支援計画の内容を変更したとき、特定技能外国人の受入れを継続することが困難となったときなどに行います。受入れ機関からの届出が適正に履行されていない場合は、特定技能外国人を受け入れることができなくなるとされています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年10月1日閲覧)

分野別協議会への加入と国籍国の手続き

特定技能制度では、分野所管省庁が分野ごとに協議会を設置しており、受入れ機関には協議会への加入が義務付けられています。建設分野と工業製品製造業分野では、分野所管省庁の登録を受けた法人(登録法人)への加入も必要です。Q&Aでは、協議会は分野ごとに設置され、特定技能所属機関は在留諸申請の前に構成員となる必要があるとされています。

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)/出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

また、外国人の国籍国によっては、その国で定められた手続きを行う必要がある場合があります。日本と特定技能に係る協力覚書を作成した国の中には、それぞれの国内規定に基づき送出手続を定めている国があるため、雇用契約を締結する段階で、出入国在留管理庁の各国別情報を確認しておくことが重要です。

出典:出入国在留管理庁「受入れ機関の方」(2026年10月1日閲覧)

2027年4月1日の育成就労制度の開始で変わること

育成就労制度の運用開始と特定技能制度の適正化等の施行日は、2027年4月1日です。技能実習から特定技能への移行に関わる主な取扱いは、次のとおりです。

対象

2027年3月31日まで

2027年4月1日以降

現行の技能実習2号を良好に修了し、職種・作業に関連性が認められる人技能試験が免除、日本語試験は原則免除当分の間は、特定技能1号に移行できる
技能実習法施行(2017年11月1日)以前の「技能実習」、または2010年7月1日の在留資格「技能実習」の創設以前の「特定活動(技能実習)」を良好に修了した人関連性が認められるときは両試験の合格は不要。関連性が認められないときは技能試験の合格が必要(日本語試験の合格は不要)上陸許可等を受ける場合、技能試験と日本語試験の両方の合格が必要
育成就労外国人(制度開始前)技能に係る試験と日本語能力に係る試験の合格が移行の要件

出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(2026年10月1日閲覧)/出入国在留管理庁「技能実習法施行以前の『技能実習』等を修了した者が『特定技能1号』に移行しようとする場合の取扱いについて」(2026年7月28日公開)

現行の技能実習2号の良好修了者は「当分の間」移行できる

育成就労制度Q&Aでは、育成就労制度の運用開始後であっても、当分の間は、技能実習2号を良好に修了しており、従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合、特定技能1号に移行することができるとされています。2027年4月1日に既に来日している技能実習生は、引き続き認定計画に基づいて技能実習を続けることができます。

出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(2026年10月1日閲覧)

分野別の運用要領別冊の別表にも、「令和9年4月1日以降も当分の間、技能水準及び日本語能力水準の試験の免除となる技能実習2号」の欄があり、分野ごとに職種・作業が示されています。例えば、工業製品製造業分野の別冊では溶接職種(手溶接、半自動溶接)などが、リネンサプライ分野の別冊ではクリーニング職種のリネンサプライ仕上げ作業が挙げられています。

出典:法務省・経済産業省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-工業製品製造業分野の基準について-」(2026年6月25日一部改正)/法務省・厚生労働省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-リネンサプライ分野の基準について-」(2026年6月1日公表)

技能実習法施行以前の技能実習修了者は、試験の合格が必要になる

過去に技能実習を修了して帰国した人を特定技能1号で受け入れる場合は、修了した時期の確認が必要です。技能実習法施行(2017年11月1日)以前の在留資格「技能実習」などを良好に修了した人は、2027年4月1日以降に上陸許可等を受ける場合、技能試験と日本語試験の両方に合格していることが必要 になります。2027年3月31日までは、従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められるとき、技能試験と日本語試験の合格は求められません。

出典:出入国在留管理庁「技能実習法施行以前の『技能実習』等を修了した者が『特定技能1号』に移行しようとする場合の取扱いについて」(2026年7月28日公開)

技能実習3号へ移行できる範囲と、育成就労からの移行要件

技能実習3号への移行は、施行日時点に技能実習2号で在留している人のうち、2027年4月1日の時点で技能実習2号の活動を1年以上行っていることが必要とされています。この条件に当たらない技能実習生については、技能実習2号を修了した後の進路として、特定技能1号への移行を早めに検討しておくことが考えられます。

育成就労から特定技能1号への移行では、技能に係る試験(技能検定試験3級等または特定技能1号評価試験)と、日本語能力に係る試験(日本語能力A2相当以上の試験。日本語能力試験N4等)の合格が要件となります。

出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(2026年10月1日閲覧)

よくある質問

技能実習1号から特定技能へ移行できますか?

技能実習1号のみを修了した場合は、技能実習2号を良好に修了した場合の試験免除の対象に当たりません。運用要領では、1号特定技能外国人について、技能と日本語能力が試験その他の評価方法により証明されていることが求められています。また、技能実習計画を終了していない実習中の外国人については、特定技能への在留資格の変更は認められないとされています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)/出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)

技能実習3号から特定技能1号へ移行できますか?

Q&Aは、技能実習2号・3号から特定技能に変更する場合について、技能実習2号を良好に修了しており、従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合は技能及び日本語能力の証明が免除され、関連性が認められない場合は技能試験の合格が求められると回答しています。一方、運用要領では、技能実習中の人(計画の途中にある場合)は原則として特定技能への在留資格変更が認められず、計画の途中で技能実習を終了して移行することについてやむを得ない事情がある場合は、まず地方出入国在留管理局に相談するよう案内されています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

技能実習から特定技能へ移行するとき、一時帰国は必要ですか?

技能実習生が帰国しないで、引き続き特定技能外国人として働くことは可能です。また、技能実習2号を良好に修了した人は、帰国済であっても試験免除が可能とされています。ただし、技能実習法施行(2017年11月1日)以前の技能実習などを修了した人が2027年4月1日以降に上陸許可等を受ける場合は、技能試験と日本語試験の両方の合格が必要になります。外国人が一時帰国を希望する際には、必要な有給休暇を取得させることに留意するよう、Q&Aで案内されています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「受入れ機関の方」(2026年10月1日閲覧)/出入国在留管理庁「技能実習法施行以前の『技能実習』等を修了した者が『特定技能1号』に移行しようとする場合の取扱いについて」(2026年7月28日公開)

評価調書を実習先に発行してもらえない場合はどうなりますか?

評価調書を提出できない場合は、提出できないことの経緯を説明する理由書と、評価調書に代わる文書を提出したうえで、技能実習2号を良好に修了したか否かを総合的に評価することも可能とされています。代わる文書の例として、当時の技能実習指導員等の実習状況を知りうる立場の人が作成した、技能実習の実施状況を説明する文書が挙げられています。運用要領は、まず地方出入国在留管理局に相談するよう案内しています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

まとめ

技能実習から特定技能への移行は、技能実習2号を良好に修了し、従事しようとする業務と職種・作業に関連性が認められる場合に、技能試験の免除と、原則として日本語試験の免除を受けて行うことができます。関連性は、出入国在留管理庁が公表している職種・作業と分野(業務区分)の一覧で確認します。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」(2026年9月10日更新)/出入国在留管理庁「技能実習2号移行対象職種と特定技能1号における分野(業務区分)との関係について」(2026年6月1日時点)

手続きでは、実習計画の修了後は許可を受けるまで就労を開始できない点を踏まえ、就労開始予定日の2か月以上前に在留資格変更許可申請を行うことが求められています。在留期間の満了日までに申請できない場合には「特定活動(6月・就労可)」がありますが、その期間は特定技能1号の通算在留期間に含まれます。

出典:出入国在留管理庁「技能実習生が『特定技能』に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケースが発生しています!」(2025年7月8日掲載)/出入国在留管理庁「特定技能関係の特定活動(『特定技能1号』への移行を希望する場合)」(2026年10月1日閲覧)

2027年4月1日以降も、現行の技能実習2号の良好修了者は当分の間、特定技能1号に移行できるとされています。一方で、技能実習法施行以前の技能実習修了者の取扱いや、技能実習3号へ移行できる範囲は変わります。自社の技能実習生の修了時期と職種・作業を早めに整理しておくと、移行の準備を計画的に進めやすくなります。

出典:出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(2026年10月1日閲覧)/出入国在留管理庁「技能実習法施行以前の『技能実習』等を修了した者が『特定技能1号』に移行しようとする場合の取扱いについて」(2026年7月28日公開)

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