特定技能の支援計画とは?義務的支援10項目の内容と作成・届出、2027年4月の改正点 - GTN MAGAZINE
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特定技能の支援計画とは?義務的支援10項目の内容と作成・届出、2027年4月の改正点

特定技能1号の外国人を雇用する企業は、「1号特定技能外国人支援計画」(以下、支援計画)を作成し、その計画に沿って支援を行う必要があります。支援計画は在留資格の申請書類として提出するもので、申請前の事前ガイダンスから、入国後の生活オリエンテーション、在職中の定期面談まで、外国人が日本で働き、暮らすための支援の内容を定めます。

この記事では、出入国在留管理庁の運用要領などの一次情報をもとに、支援計画書に書く内容、義務的支援10項目の中身、作成から働き始めるまでの流れ、自社で支援する場合と登録支援機関に委託する場合の要件、受け入れ後の届出、2027年(令和9年)4月1日から変わる支援計画と支援体制の要件を解説します。

目次

特定技能の支援計画(1号特定技能外国人支援計画)とは

特定技能1号の外国人を受け入れる企業(制度上の名称は「特定技能所属機関」。以下、受入れ企業)は、その外国人が「特定技能1号」の活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための、職業生活上、日常生活上または社会生活上の支援の実施に関する計画を作成し、その計画に基づいて支援を行う必要があります。この計画が「1号特定技能外国人支援計画」で、出入国在留管理庁の資料では「支援計画」と略されています。

受入れ企業は、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請などの在留諸申請に当たって支援計画を作成し、ほかの申請書類と併せて提出します。なお、特定技能2号については、支援義務がありません。

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)

支援計画書に書く内容

出入国在留管理庁は、支援計画書の参考様式として「1号特定技能外国人支援計画書」(参考様式第1-17号)を公開しており、自社で支援する場合と、登録支援機関に支援の全部を委託する場合の記載例も掲載しています。英語と9か国語に翻訳した様式も用意されています。

参考様式は、次の5つの欄で構成されています。

欄

主な記載内容

I 支援対象者氏名、性別、生年月日、国籍・地域
II 特定技能所属機関名称、住所、支援を行う事務所の所在地、支援業務を行う体制の概要(支援責任者、支援担当者数、支援の中立性を確保していることの有無など)。体制の概要は、受入れ企業が自ら支援計画を実施する場合のみ記載
III 登録支援機関登録番号、名称、住所、支援を行う事務所の所在地、支援業務を行う体制の概要など。支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合のみ記載
IV 支援内容事前ガイダンスから定期的な面談までの支援ごと(様式上は1〜9の欄)の支援内容、実施予定、委託の有無、担当者、実施方法、実施言語など
V 共生施策関係共生施策を確認した市区町村名、確認日、確認方法

支援対象者が複数いて、支援内容(実施予定を含む)が同一で、申請を同時に行う場合は、1人目の支援計画書に加えて、署名日と署名欄がある任意の名簿を申請の際に提出すれば、全員分の支援計画書を提出しなくても差し支えないとされています。ただし、その場合でも支援計画書は支援対象者全員に交付する必要があります。

出典:出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」(2026年8月20日更新)/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)記載例:自社支援」(2026年9月時点)

支援計画書は日本語で作成するほか、外国人が十分に理解できる言語でも作成して写しを本人に交付し、内容を説明したうえで、本人が十分に理解したことについて署名を得る必要があります。「十分に理解することができる言語」は母国語に限られませんが、本人が内容を余すことなく理解できる言語であることが求められます。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

義務的支援と任意的支援

支援には、行うことが義務付けられている「義務的支援」と、これに加えて行うことが望ましい「任意的支援」があります。義務的支援は全て行う必要があり、支援計画には全ての義務的支援を記載します。ただし、技能実習2号などから特定技能1号に在留資格を変更した場合などで、客観的状況に照らして明らかに不要な支援は除かれます。

注意したいのは、任意的支援も、支援計画に記載すると支援義務が生じる 点です。また、受入れ企業は、義務的支援に要する費用を、直接または間接に外国人に負担させることはできません。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

義務的支援10項目の内容

現在、義務的支援は、省令で定められた10項目です(2027年4月1日からは、支援計画に記載する支援が加わります。詳しくは後述します)。出入国在留管理庁の資料では、次のように整理されています。

項目

主な内容

1 事前ガイダンス在留資格認定証明書交付申請前または在留資格変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無などを、対面・テレビ電話などで説明
2 出入国する際の送迎入国時に空港などと事業所または住居の間を送迎。帰国時に空港の保安検査場まで送迎・同行
3 住居確保・生活に必要な契約支援連帯保証人になる・社宅を提供するなど。銀行口座などの開設・携帯電話やライフラインの契約などを案内し、各手続を補助
4 生活オリエンテーション円滑に社会生活を営めるよう、日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応などを説明
5 公的手続等への同行必要に応じ住居地・社会保障・税などの手続に同行し、書類作成を補助
6 日本語学習の機会の提供日本語教室などの入学案内、日本語学習教材の情報提供など
7 相談・苦情への対応職場や生活上の相談・苦情などについて、外国人が十分に理解できる言語で対応し、内容に応じて必要な助言・指導
8 日本人との交流促進自治会などの地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事の案内や参加の補助
9 転職支援(人員整理等の場合)受入れ側の都合で雇用契約を解除する場合の転職先探しの手伝いや推薦状の作成、求職活動のための有給休暇の付与、必要な行政手続の情報提供
10 定期的な面談・行政機関への通報支援責任者などが外国人とその上司などと定期的(3か月に1回以上)に面談し、労働基準法違反などがあれば通報

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)

以下では、これらの支援を行う時期ごとに、運用要領が定める具体的な内容を見ていきます。

申請前に行う事前ガイダンス

事前ガイダンスは、在留資格認定証明書交付申請の前(すでに日本に在留している人は在留資格変更許可申請の前)に行います。労働条件など、雇用契約を結ぶ前に本人が把握しておくことが望ましい情報が含まれるため、雇用契約の締結時以前に行うことが望まれる とされています。

説明しなければならない主な事項は、次のとおりです。

  • 従事させる業務の内容、報酬の額その他の労働条件
  • 日本で行うことができる活動の内容
  • 入国に当たっての手続(すでに日本にいる人は、在留資格変更許可を受けるまで新しい就労先で働けないこと)
  • 保証金の徴収などをされておらず、違約金を定める契約なども結んでおらず、結ばせないことが見込まれること
  • 外国の機関に費用を支払っている場合は、その額と内訳を十分理解して合意している必要があること
  • 支援に要する費用を本人に負担させないこと
  • 入国時の送迎、住居の確保の内容、相談・苦情の受付体制、支援担当者の氏名と連絡先

実施方法は、対面またはテレビ電話、インターネットのビデオ通話などで、本人確認をしたうえで行います。文書の郵送や電子メールの送信だけで済ませることは認められていません。

外国人が十分に理解できる言語で行い、個別の事情によりますが、3時間程度 行うことが必要と考えられるとされています。技能実習生などを同じ企業で引き続き雇用する場合は短時間で終わることが想定されるものの、1時間に満たない場合は適切に行ったとはいえないとされています。実施後は「事前ガイダンスの確認書」(参考様式第5-9号)を本人に示して確認し、署名を得ます。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

入国時から生活を始めるまでの支援

出入国する際の送迎は、入国時は上陸の手続を受ける空港などと事業所(または住居)の間で行い、出国時は空港などまで送り、保安検査場の前まで同行して入場を確認します。技能実習2号などから特定技能1号へ変更し、すでに日本にいる人は、入国時の送迎の対象になりません。一時帰国の際の出入国も、この支援には含まれません。

住居の確保は、(1)本人が賃借人となる物件探しを補助し、連帯保証人が必要で適当な人がいない場合は企業などが連帯保証人になるか、家賃債務保証業者を確保して企業などが緊急連絡先になる、(2)企業などが借りた物件を提供する、(3)企業が所有する社宅などを提供する、のいずれかの方法で、本人の希望に基づいて行います。居室の広さは、技能実習2号などから変更し、企業が確保済の社宅などに住み続ける場合などを除き、1人当たり7.5平方メートル以上 が求められます。また、家賃債務保証業者を利用した場合の保証料は企業などが負担します。

生活に必要な契約の支援は、銀行などの口座開設、携帯電話、電気・ガス・水道などのライフラインの契約について、必要な書類の提供や窓口の案内を行い、必要に応じて同行して手続を補助するものです。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

生活オリエンテーションは、入国後(国内で在留資格を変更した人は変更後)、遅滞なく行います。金融機関や医療機関の利用方法、交通ルール、ゴミの捨て方などの生活ルール・マナー、行政手続、相談窓口の連絡先、防災・防犯、法的保護に必要な事項などを、外国人が十分に理解できる言語で説明します。

生活オリエンテーションは、少なくとも8時間以上 行うことが必要と考えられるとされています。実施後は「生活オリエンテーションの確認書」(参考様式第5-8号)を本人に示して確認し、署名を得て記録しておきます。

公的手続等への同行は、住居地の届出、社会保障や税の手続などを本人が行う際に、必要に応じて窓口へ同行し、書類作成を補助するものです。国民健康保険と国民年金の手続は本人が行う必要があるため、同行することが望ましいとされています。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

在職中に継続して行う支援

日本語学習の機会の提供は、(1)地域の日本語教室や認定日本語教育機関などの入学案内の情報提供と手続の補助、(2)自主学習用の教材やオンライン講座の情報提供と利用手続の補助、(3)本人との合意のもとで企業などが登録日本語教員などと契約して講習の機会を提供する、のいずれかの方法で、本人の希望に基づいて行います。

入学案内などの情報提供や手続の補助、登録日本語教員などの選定といった支援を行うのに要する費用は、企業などが負担する必要があります。一方、日本語教室などの入学金や月謝、教材費、登録日本語教員などとの契約料を企業が負担することは、任意的支援の例 として挙げられています。

相談・苦情への対応は、外国人が十分に理解できる言語で遅滞なく応じ、内容に応じて必要な助言・指導を行うものです。必要に応じて地方出入国在留管理局や労働基準監督署などを案内し、同行して手続を補助します。勤務形態に合わせて、1週間当たり勤務日に3日以上、休日に1日以上 対応し、就業時間外(夜間)などにも対応できることが求められます。対応した場合は、相談記録書(参考様式第5-4号)に記録します。

日本人との交流促進は、地域住民との交流の場や自治会の案内、行事への参加手続の補助、必要に応じた同行などを行うものです。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

定期的な面談は、外国人本人と、その監督をする立場にある人(直接の上司や雇用先の代表者など)それぞれと、3か月に1回以上 行います。面談は支援責任者または支援担当者が行う必要があり、登録支援機関に支援計画の全部を委託する場合を除き、第三者への委託は認められていません。

面談で労働関係法令の違反を知ったときは労働基準監督署などに、資格外活動などの入管法違反や、旅券・在留カードの取上げなどの問題を知ったときは地方出入国在留管理局に通報します。

面談対象者が同意している場合は、オンライン会議システムやテレビ電話を使ったオンライン面談も可能 です。ただし、同意がない場合や対面での面談を希望された場合は対面で行う必要があり、オンライン面談の様子は録画して、雇用契約の終了日から1年以上保管します。受け入れ後初めての面談と、面談担当者が変わった後の初めての面談は対面で行うこと、オンライン面談を活用する場合でも1年に1回以上は対面で行うことが望まれるとされています。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)/出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

企業の都合で雇用契約を解除するときの転職支援

人員整理や倒産など受入れ側の都合で雇用契約を解除する場合は、外国人がほかの企業で特定技能1号として働けるよう、次のいずれかの支援を行います。

  • 業界団体や関連企業などを通じて、次の受入先の情報を入手し提供する
  • ハローワークなどの職業安定機関や職業紹介事業者を案内し、必要に応じて同行して、次の受入先を探す補助をする
  • 希望条件、技能水準、日本語能力などを踏まえて推薦状を作成する
  • 職業紹介事業の許可または届出を受けている場合は、就職先の紹介あっせんを行う

あわせて、求職活動のための有給休暇の付与と、離職時に必要な行政手続(国民健康保険や国民年金に関する手続など)の情報提供は、いずれも行う必要があります。自社で支援の全部を行う企業は、倒産などにより転職のための支援が適切に実施できなくなることが見込まれるときは、それに備え、代わりに支援を行う者(登録支援機関や関連企業など)を確保する必要があります。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

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支援計画の作成から働き始めるまでの流れ

申請の前までに受入れ企業が行うこと

支援計画は、雇用契約を結ぶ外国人ごとに作成し、在留資格の申請書類と一緒に提出します。申請の前までに、受入れ企業は次のことを済ませておきます。

  • 事前ガイダンスを行い、確認書に署名を得る(雇用契約の締結時以前に行うことが望まれます)
  • 外国人と特定技能雇用契約を結ぶ
  • 外国人が働く事業所の所在地と住居地の市区町村が実施する共生施策(行政サービス、交通・ゴミ出しのルール、防災、日本語教室など)を、市区町村のホームページなどで確認し、支援計画に反映する
  • 初めて特定技能外国人を受け入れる場合は、雇用契約の締結後、申請の前に、事業所の所在地と住居地の市区町村それぞれへ「協力確認書」を提出する
  • 支援計画書を作成し、外国人が十分に理解できる言語の翻訳を交付して内容を説明し、署名を得る

協力確認書は、地方公共団体から共生施策への協力を求められた場合に必要な協力をする旨を示す書類です。事業所の所在地と住居地が別の市区町村の場合は、それぞれに提出する 必要があります。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度における地域の共生施策に関する連携」(2026年3月23日更新)/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

申請から働き始めるまでの期間

出入国在留管理庁が示す標準処理期間は、在留資格認定証明書交付申請が1か月〜3か月、在留資格変更許可申請が1か月〜2か月 です。

出典:出入国在留管理庁「在留資格認定証明書交付申請」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」(2026年9月時点)

海外から呼び寄せる場合は、交付された在留資格認定証明書を受入れ企業から本人に送り、本人が日本大使館・領事館で査証を申請し、在留資格認定証明書の交付日から3か月以内に入国します。すでに日本にいる人を採用する場合は、新しい就労先を所属機関とする在留資格変更許可を受ける(在留カードを受け取る)まで、新しい就労先で働くことは認められていません。

入国後または変更許可後には、生活オリエンテーション、住居地の届出などへの同行、口座開設などの契約の支援が続きます。配属日を決める際は、審査期間に加えて、これらの支援に必要な時間も見込んでおくと、予定との食い違いを抑えやすくなります。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

場面で見る支援の違い:海外から呼ぶ場合と、自社の技能実習生を切り替える場合

ここでは、ある受入れ企業が、海外に住む人を新たに採用する場合(ケースA)と、自社で技能実習2号を修了した人を引き続き特定技能1号で雇用する場合(ケースB)を想定し(いずれも架空の例)、運用要領の記述をもとに、支援の違いを整理します。

支援

ケースA:海外に住む人を新たに採用

ケースB:自社の技能実習修了者を引き続き雇用

事前ガイダンス申請前に実施。3時間程度が必要と考えられる申請前に実施。短時間で終わることが想定されるが、1時間に満たない場合は適切とはいえない
入国時の送迎空港などから事業所または住居まで送迎すでに日本にいるため対象外(国内移動の送迎を企業の判断で行うことは差し支えない)
住居の確保本人の希望に基づき支援。居室は1人当たり7.5平方メートル以上確保済の住居に引き続き住む場合など、明らかに不要なときは実施しなくてよい。企業が確保済の社宅などに住み続ける場合も、寝室は1人当たり4.5平方メートル以上が必要
口座・携帯電話などの契約手続を補助すでに口座開設などを済ませている場合など、明らかに不要なときは実施しなくてよい
生活オリエンテーション入国後遅滞なく。少なくとも8時間以上が必要と考えられる変更許可後に実施。生活環境に変化がない場合でも、4時間に満たないときは適切とはいえない

ケースBの場合も、事前ガイダンスと生活オリエンテーションは行う必要があります。帰国時の送迎、相談・苦情への対応、定期面談などは、ケースA・Bとも同じように行います。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

支援は自社で行うか、登録支援機関に委託するか

支援計画の実施方法には、受入れ企業が自ら支援を行う方法と、登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託する方法があります。自社で支援する場合も、契約により支援の一部を他の者に委託できます(定期的な面談の実施は除きます。また、2027年4月1日からは委託先が登録支援機関に限られます。経過措置を含め、詳しくは後述します)。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

自社で支援する場合に満たす要件

自社で支援する受入れ企業は、支援体制について次の基準を満たす必要があります。

基準

内容

受入れ実績など次のいずれかに該当すること。(1)過去2年間に中長期在留者の受入れまたは管理を適正に行った実績があり、役職員の中から支援責任者と、外国人が働く事業所ごとに1名以上の支援担当者を選任している (2)過去2年間に中長期在留者の生活相談業務に従事した経験がある役職員の中から、支援責任者と事業所ごとに1名以上の支援担当者を選任している (3)(1)(2)と同程度に支援業務を適正に実施できる者として出入国在留管理庁長官が認めるもの
言語外国人が十分に理解できる言語で支援を行う体制がある(通訳人を職員として雇い入れなくても、必要なときに委託するなどして確保できれば足りる)
記録支援の状況に係る文書を作成し、雇用契約の終了日から1年以上備えて置く
中立性支援責任者と支援担当者が、外国人を監督する立場にないなど中立な実施を行える立場の者で、欠格事由に当たらない
支援の不履行がない雇用契約の締結日前5年以内とその後に、支援計画に基づく支援を怠ったことがない
定期面談支援責任者または支援担当者が、外国人とその監督をする立場の者と定期的に面談できる体制がある
分野別の基準分野を所管する省庁が告示で基準を定めている場合は、それに適合する

ここでいう中長期在留者は、入管法別表第1の1・2・5の表の在留資格のうち、収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動ができる在留資格で在留する人をいいます。

中立性の基準では、形式上は外国人と異なる部署の職員であっても、代表取締役や、外国人が所属する部署を監督する長(所属が製造課なら製造部長など)は、支援責任者・支援担当者になれない とされています。社内で選任する前に、組織図上の指揮命令の関係を確認しておくと、選任の誤りを防ぎやすくなります。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

登録支援機関に全部を委託する場合

登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託すると、受入れ企業は支援体制の基準に適合するものとみなされます。ただし、委託先の登録支援機関の体制からみて実効性のある支援ができないと認められるときは、受け入れが認められない場合があります。

全部を委託する場合も、支援計画を作成するのは受入れ企業です(登録支援機関が必要に応じて作成を補助することは差し支えありません)。また、登録支援機関は、委託を受けた支援の実施そのものを他の者に再委託することはできません。通訳やタクシーの利用など、必要な範囲で補助者に実施の補助を依頼することは差し支えないとされています。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

分野によっては、委託先の登録支援機関にも条件があります。例えば外食業分野では、外食業分野の協議会の構成員であることなどの基準に該当する登録支援機関に委託する必要があります。委託先を選ぶ際は、受け入れる分野の要領別冊も確認しておきます。

出典:法務省・農林水産省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-外食業分野の基準について-」(2025年5月30日一部改正)

株式会社グローバルトラストネットワークス(GTN)は、特定技能人材を含む外国人材の紹介に加えて、登録支援機関として義務的支援を行うサービスを提供しています。なお、登録支援機関に支援の全部を委託した場合でも、支援計画書の作成と、出入国在留管理庁への随時届出・定期届出の提出は、受入れ企業が行います。特定技能人材の紹介については、技人国・特定技能の人材紹介に関するお問い合わせページからご相談ください。

登録支援機関への委託費用

登録支援機関は、支援の全部の実施を委託する契約を結ぶ際、支援に要する費用の額と内訳を受入れ企業に示すことが求められます。委託費用は、支援する外国人の数や、受入れ企業の事業所の数・場所などによって異なり得るため、運用要領は、複数の登録支援機関から見積りをとるなどして支援内容を十分に確認し、契約後にトラブルが生じないよう留意するよう促しています。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

参考となる公的なデータとして、出入国在留管理庁が有識者会議に示した資料があります。2022年9月末に在留する特定技能外国人のうち、直近の特定技能1号の許可に係る申請で、登録支援機関に有償で委託するとされた人を集計したところ、1人当たりの支援委託料(月額、暫定値)は平均28,386円 で、30,000円以下が全体の約90%を占めていました。

この金額は2022年時点の集計です。委託費用の最新の情報は、各登録支援機関の公式サイトでご確認ください。

出典:出入国在留管理庁「技能実習制度及び特定技能制度の現状について」(2022年12月)

登録支援機関と、技能実習・育成就労側の監理団体(監理支援機関)との違いは「監理団体と登録支援機関の違い」で整理しています。

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受け入れ後に必要な届出と記録

支援計画を変更したときなどの随時届出

受け入れ後、支援計画や支援委託契約に変更があった場合などは、受入れ企業が出入国在留管理庁に届け出ます。

届出が必要なとき

期限

届出書(参考様式)

支援計画を変更したとき(支援内容、支援責任者・支援担当者、委託する登録支援機関の変更、自社支援への切り替えなど。軽微な変更を除く)変更日から14日以内支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)
登録支援機関との支援委託契約を締結・変更・終了したとき事由が生じた日から14日以内支援委託契約に係る届出書(参考様式第3-3-1号・参考様式第3-3-2号)
支援計画の実施が困難になったとき認知の日から14日以内1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出書(参考様式第3-7号)

随時届出は、登録支援機関と委託契約を結んでいても、受入れ企業が届け出る必要があり、登録支援機関が届出を行うことはできません。また、新たな登録支援機関と支援委託契約を結んだ場合は、支援計画が変わるため、支援委託契約の届出と併せて支援計画変更の届出も必要です。

雇用契約を終了した場合や、受入れの継続が困難になった場合も、受入れ企業は随時届出を行います(受入れ困難の届出は、退職などの原因となる事由が生じた日から14日以内)。企業の都合で雇用契約を解除して転職支援を実施した場合は、支援計画の実施困難に係る届出書などに、転職支援の内容を記載して提出します。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)/出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

年1回の定期届出

受入れ企業は、毎年4月1日から翌年3月31日までの受入れ・活動・支援実施状況を、翌年4月1日から5月31日まで に届け出ます(受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書:参考様式第3-6号。別紙1「特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況」と別紙2「署名欄」を添付 )。定期届出は、2025年4月1日施行の省令改正で、四半期ごとから1年に1回に変わりました。

登録支援機関に支援の全部を委託している場合も、受入れ企業が登録支援機関による支援実施状況を取りまとめて、併せて提出します。届出をしない場合や虚偽の届出をした場合は罰則や過料の対象となり、届出が適正に履行されていない場合は、特定技能外国人を受け入れることができなくなるとされています。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)/出入国在留管理庁「令和7年4月1日施行の省令改正について」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年9月時点)

支援の記録を残す

自社で支援する受入れ企業は、支援の状況に係る文書として、支援実施体制、支援の委託契約、支援対象者、支援の実施に関する管理簿を作成し、雇用契約の終了日から1年以上備えて置きます。支援の実施に関する管理簿には、事前ガイダンスの確認書、生活オリエンテーションの確認書、相談記録書、定期面談報告書(参考様式第5-5号・第5-6号)なども含めて保存します。

先に見たとおり、雇用契約の締結日前5年以内とその後に支援を怠ったことがないことは、自社で支援する場合の基準の一つです。支援計画に記載した支援を計画どおりに行い、その記録を残しておくこと が求められます。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

2027年4月1日から変わる支援計画と支援体制の要件

育成就労制度の創設などを定めた改正入管法と、関係する省令の改正により、2027年(令和9年)4月1日から、1号特定技能外国人の支援に関する要件が変わります。変わるのは、支援の委託先、支援計画に記載する支援、支援責任者・支援担当者の要件です。いずれにも経過措置があるため、あわせて確認しておくと、自社の対応時期を判断しやすくなります。

出典:出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」(2026年9月時点)/法務省「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う法務省令の整備及び経過措置に関する省令」(令和7年法務省令第45号)

支援の委託先が登録支援機関に限られる

現在は、支援計画の適正な実施に係る基準に適合し、自ら支援を行う受入れ企業は、契約により他の者に支援の全部または一部の実施を委託できます。これに対し、改正後の入管法第19条の22第2項は、登録支援機関以外の者に支援の全部または一部の実施を委託してはならない と定めています。この改正規定の施行日は2027年4月1日です。

ただし、改正法の附則には経過措置があります。施行の際に支援の一部を登録支援機関以外の者に委託している受入れ企業には、その支援対象の外国人が施行後に初めて在留期間更新の許可を受けるまでの間、この規定は適用されません。該当する企業は、対象の外国人ごとの在留期限を確認し、委託の方法を見直す時期を検討しておくと、対応を進めやすくなります。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)/出入国在留管理庁「改正法の概要(育成就労制度の創設等)」(2026年9月時点)/法務省「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案 新旧対照条文」(2026年9月時点)/「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第60号)/出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」(2026年9月時点)

支援計画に記載する支援が加わる

省令の改正により、2027年4月1日からは、支援計画に記載しなければならない支援の内容に、外国人が特定技能2号への在留資格の変更を希望する場合に、技能と日本語能力の修得のために必要な支援を行うこと が加わります。この支援は、外国人が十分に理解できる言語で行うこととされます。

施行日前にされた在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請に係る支援計画は、在留期間の満了日(施行日後に在留期間更新の許可を受けた場合は、その許可の日)までは、この事項が記載された支援計画とみなされます。この支援の具体的な実施方法は、2026年9月時点では、1号特定技能外国人支援に関する運用要領(2025年4月1日一部改正)にはまだ示されていません。

出典:法務省「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う法務省令の整備及び経過措置に関する省令」(令和7年法務省令第45号)/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

支援責任者と支援担当者の要件が変わる

省令の改正により、支援責任者と支援担当者の要件は次のように変わります(2027年4月1日施行)。

項目

現在

2027年4月1日から

支援責任者の常勤役員または職員(常勤であることを問わない)支援を行う事業所ごとに、常勤の役員または職員の中から1名以上選任
支援担当者の常勤役員または職員(常勤であることが望まれる)支援を行う事業所ごとに、常勤の役員または職員の中から1名以上選任

このほか、次の要件が加わります。

  • 支援業務に従事できる人を、支援責任者と支援担当者に限定する
  • 支援責任者に、支援能力向上のための養成講習(入管法や労働関係法令など)の受講を義務付ける
  • 支援担当者1人が支援できる1号特定技能外国人の数を50人未満とする。例えば、自社で支援する場合、支援担当者が1人なら50人未満、3人なら150人未満まで雇用できる
  • 登録支援機関が委託を受けられる受入れ企業の数を、支援担当者1人当たり10機関未満とする

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について(令和9年4月1日施行)」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の主な改正点」(2026年9月時点)/出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(2026年8月)

養成講習は、支援責任者が3年ごとに修了する必要があります。登録支援機関に支援の全部または一部を委託する場合は、登録支援機関で選任された支援責任者も修了義務の対象です。支援担当者の修了は法令上の義務ではありませんが、推奨されています。なお、2027年4月1日以降も当分の間は講習の修了義務は課されないこととされており、この経過措置が終わる時期は、出入国在留管理庁のホームページで改めて知らされる予定です。

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度における養成講習について」(2026年9月14日掲載)

また、省令の附則には、支援体制の基準についての経過措置があります。次のものについては、改正前の基準によるとされています。

  • 施行日前にされた在留資格認定証明書交付申請
  • 施行日前に在留資格認定証明書の交付を受けた人などの上陸の申請(施行日(施行日以後に交付を受けた場合は、その交付の日)から3か月を経過する日まで)
  • 施行日前にされ、施行の際に処分がされていない在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請
  • 施行の際に特定技能の在留資格で在留している人などの、雇用に関する契約

自社で支援している企業は、支援責任者が常勤か、支援を行う事業所ごとに選任されているか、支援担当者1人当たりの外国人の数が50人未満に収まるかを確認しておくと、対応を検討しやすくなります。受け入れ中の外国人や申請予定の案件に改正後の基準がいつから適用されるかは、地方出入国在留管理局に確認しておくと、準備の順序を決めやすくなります。登録支援機関に委託している企業も、委託先が改正後の要件に沿った体制を整える予定かを確認しておくことが考えられます。

出典:法務省「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う法務省令の整備及び経過措置に関する省令」(令和7年法務省令第45号)

よくある質問

支援計画書は誰が作成しますか?

支援計画書を作成するのは受入れ企業です。登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託する場合も、作成するのは受入れ企業で、登録支援機関が必要に応じて作成を補助することは差し支えないとされています。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

支援計画書は外国人1人ごとに必要ですか?

支援計画書は支援対象者ごとに作成します。一方、複数人の支援内容(実施予定を含む)が同一で、申請を同時に行う場合は、1人目の支援計画書と、署名日と署名欄がある任意の名簿を提出すれば、全員分の支援計画書を提出しなくても差し支えないとされています。この場合も、支援計画書は支援対象者全員に交付します。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)記載例:自社支援」(2026年9月時点)

定期面談はオンラインでもできますか?

面談対象者(外国人本人と、その監督をする立場にある人)が同意している場合は、オンライン面談を実施できます。一方、同意がない場合や、対面での面談を希望された場合、オンライン面談の結果、待遇などに問題があることが疑われる場合は、対面で面談を行う必要があります。オンライン面談の様子は録画し、雇用契約の終了日から1年以上保管します。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

支援にかかる費用を外国人に負担してもらうことはできますか?

義務的支援に要する費用は、直接または間接に外国人に負担させることはできません。一方、住居については、本人が賃借人となる場合の敷金・礼金などは本人が負担するものとされていますが、家賃債務保証業者を利用した場合の保証料は企業などが負担します。

出典:出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」(2025年4月1日一部改正)

特定技能2号の外国人にも支援計画は必要ですか?

特定技能2号については、支援義務がありません。支援計画の作成と支援の実施が求められるのは、特定技能1号の外国人を受け入れる場合です。

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(2026年9月29日更新)

まとめ

  • 支援計画は、特定技能1号の外国人を受け入れる企業が作成し、在留資格の申請の際に提出する計画で、計画に基づいて支援を行う必要がある
  • 義務的支援は現在10項目あり、全て行う必要がある。任意的支援も、支援計画に記載すると支援義務が生じる
  • 事前ガイダンスは申請前、生活オリエンテーションは入国後または変更許可後に行い、定期面談は3か月に1回以上行う
  • 支援は自社で行うか、登録支援機関に全部を委託できる。全部を委託しても、支援計画書の作成と随時届出・定期届出は受入れ企業が行う
  • 2027年4月1日からは、支援の委託先が登録支援機関に限られ、特定技能2号への移行を希望する人への支援が支援計画の記載事項に加わり、支援責任者・支援担当者の常勤要件や人数の上限が加わる(いずれも経過措置がある)

支援計画は、申請書類であると同時に、受け入れ後の支援の進め方を定めるものです。自社で支援するか登録支援機関に委託するかは、2027年4月の改正内容も踏まえて検討を進めておくと、受け入れの準備を計画的に進めやすくなります。

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