在留カード照会とは?有効性の確認方法・読み取りアプリ・失効情報照会の使い方 - GTN MAGAZINE
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在留カード照会とは?有効性の確認方法・読み取りアプリ・失効情報照会の使い方

外国人材の採用は、もはや一部の業界に限った話ではありません。厚生労働省の集計では、日本で働く外国人労働者は257万1,037人で前年比11.7%増、外国人を雇用する事業所は37万1,215か所で同8.5%増。いずれも届出が義務化された2007年以降で過去最多を更新しました。

出典:厚生労働省|「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)

受け入れが広がるほど重くなるのが、在留カードの真正性と有効性を確認する責任です。券面をコピーして綴じるだけでは、偽造カードも失効した番号も見抜けません。しかも2026年6月14日からは「特定在留カード」の運用が始まり、券面に印字される情報そのものが減りました。目視確認の限界は、制度側からも明確になりつつあります。

この記事では、出入国在留管理庁(入管庁)が無料で提供する「在留カード等番号失効情報照会」と「在留カード等読取アプリケーション」を軸に、照会手順と結果の読み方、2026年の制度変更が現場に与える影響を一次情報ベースで整理します。

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在留カード照会とは?企業が「有効性」を確認すべき理由

在留カード照会とは、提示された在留カードが本物か(真正性)、そしていまも有効か(有効性)を確かめる一連の作業です。

入管庁はこの2つに対して別々の確認手段を用意しており、両方を行って初めて確認が完結します。

1つ目が、在留カード等番号と有効期間の満了日から番号の失効有無を照会する「在留カード等番号失効情報照会」。2つ目が、「在留カード等読取アプリケーション」でICチップを読み取り、券面と突合して偽変造の有無を確認する方法です。前者は有効性、後者は真正性を確認するもので、役割が重なっていない点が重要です。

なお、2025年11月14日以降は読取アプリの読み取り結果画面から失効情報照会に進めるようになり、アプリを起点に2つの確認を続けて行えます。ただし、ICチップを読み取れば失効情報照会まで自動で行われるわけではなく、照会の操作は別に必要です

確認の必要性は数字にも表れています。令和7年(2025年)に退去強制手続などを執った外国人は18,442人で、うち不法就労の事実が認められた者は13,435人(72.9%)。不法就労者を職種別に見ると農業5,227人、建設業4,011人で、この2業種だけで68.8%を占めました。

出典:出入国在留管理庁|令和7年における入管法違反事件について

重要なのは、これらが特別に悪質な企業だけで起きているわけではないという点です。書類上は問題なく見えた人材が実は在留期間を過ぎていた、提示されたカードが他人名義だった、といった事態は、どの職場でも起こり得ます。確認の仕組みを持たない企業ほど、気づかないまま加担してしまう構図だと理解しておきましょう。

「番号照会」と「IC読み取り」は目的が違う

つまずきやすいのが、「失効情報照会をしたから確認は完了」と考えてしまうパターンです。入管庁は照会結果について「在留カード等自体の有効性を証明するものではありません」と明記しています。実在する番号を悪用した偽造カードがあるため、他人の有効な番号を印字した偽造カードでも「失効していません」と表示されてしまうのです。

逆にICチップの読み取りだけでは、交付後の失効までは分かりません。2つを併用して初めて、券面の偽変造の有無と番号の失効の有無の両面を確認できるのです。

両者の違いを表に整理します。

比較項目

在留カード等番号失効情報照会

在留カード等読取アプリケーション

確認できること番号が失効していないか(有効性)ICチップと券面の突合による偽変造の有無(真正性)
必要なものPCまたはスマートフォンとインターネット環境拡張APDU対応ICカードリーダライタ、またはNFC Type B対応スマートフォン
入力・操作在留カード等番号と有効期間の満了日を入力カードにかざしてICチップを読み取り
カード本人の同意券面情報を使うため実務上必要必要(カードの提示と読み取りの同意)
単独利用の弱点番号を流用した偽造は検知できないICチップの読み取りだけでは交付後の失効は反映されない

確認漏れは「知らなかった」では済まない

確認を怠るリスクは社内問題では終わりません。入管庁は事業主向けの案内で、不法就労であることを知らなかった場合でも「在留カードを確認していない等の過失がある場合には、処罰を免れません」と明示しています。「知らなかった」という抗弁は、確認プロセスを踏んでいなければ通用しません。

出典:出入国在留管理庁|外国人を雇用する事業主の皆様へ(PDF)

罰則は今後強化されます。令和6年(2024年)成立の改正入管法により、不法就労助長罪の法定刑は「拘禁刑3年以下または罰金300万円以下」から「5年以下または500万円以下」へ引き上げられることが決まっています。

ただし施行日は育成就労制度と同じタイミング、すなわち令和9年(2027年)4月1日とされており、現時点ではまだ従来の法定刑が適用されます。なお拘禁刑と罰金の併科は現行法でもすでに可能で、改正で変わるのは刑の上限です。

 

出典:厚生労働省|改正法の概要(育成就労制度の創設等)(PDF)

偽造カードの流通も現実の脅威です。令和7年版犯罪白書によると、令和6年の来日外国人による入管法違反の検挙件数5,974件のうち偽造在留カード所持等は401件でした。罰金だけでなく受け入れ停止や取引解除まで含めれば、照会にかかる数分間を惜しむ理由はありません。

出典:法務省|令和7年版犯罪白書 第4編第9章第2節

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在留カード等番号失効情報照会の使い方【2026年1月にURLが変更】

在留カード等番号失効情報照会は、入管庁が運営する無料のWebシステムです。ログインもアカウント登録も不要で、在留カード等番号と有効期間の満了日の2項目を入力するだけで結果が返ります。特別永住者証明書の番号も同じ画面で照会できます。

注意したいのが、2026年1月5日にURLが変更された点です。現在の照会先は以下となります。社内マニュアルやブックマークが古いままだと正しくたどり着けない場合があります。この機会に手順書を更新しておきましょう。

新照会先URL:出入国在留管理庁 在留カード等番号失効情報照会 

出典:出入国在留管理庁|在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ

なお、在留カード等番号は英字2文字+数字8桁+英字2文字の合計12桁という構成で、券面の右上に印字されています。入力ミスが起きやすいのは、英字の「O」と数字の「0」、英字の「I」と数字の「1」の取り違えです。照会前の読み合わせを習慣にしましょう。

利用にあたって資格や届出は不要で、企業の人事担当者はもちろん、不動産会社や金融機関など本人確認を行う事業者も同じ画面を使えます。自席のPCから数十秒で完了する手軽さが最大の利点であり、逆に言えば「手間がかかるから省略した」という言い訳は通りにくいということでもあります。

照会の手順と結果の読み方

操作は1分もかかりません。実務では次の流れで進めます。

  1. 在留カードの原本を提示してもらう(コピーやスマホ画像では偽変造防止対策を確認できません)
  2. 照会ページにアクセスする
  3. 在留カード等番号(12桁)を半角で入力する
  4. 有効期間の満了日を入力する
  5. 照会ボタンを押し、結果を確認する
  6. 結果画面を印刷またはPDF保存し、必要に応じて、社内の個人情報取扱規程に従い、確認日、確認者及び確認結果を記録する

見落とされがちなのが6の記録化です。「いつ・誰が・どのカードを・どの結果で確認したか」を残さないと、後日の調査で確認事実を証明できません。また照会は入社時の1回で終わりではありません。在留資格の変更や再交付のたびに番号は変わるため、その都度の再照会が必要です。

出典:出入国在留管理庁|在留カード等番号失効情報照会について(PDF)

照会結果は大きく2パターンです。「失効していません」と表示されれば、その番号は現時点で失効していないという意味。「この在留カード等番号は有効ではありません」なら、番号が失効しているか、入力内容が誤っている可能性があります。

ただし「失効していません」はあくまで番号のステータスに関する回答です。入管庁自身が「問合せ結果は、在留カード等自体の有効性を証明するものではありません」と注意喚起しています。

もう1つ重要なのが、在留期間更新許可申請中の「特例期間」の扱いです。満了日までに更新や変更を申請していれば、処分が出るまで、または満了日から2か月を経過する日のいずれか早い時点まで在留できます。この間も「失効していません」と表示されるため、満了日を過ぎたカードでも直ちに就労停止と判断してはいけません。

利用前に押さえておきたい3つの制約

失効情報照会には、知らないと現場が止まる制約が3つあります。

第1に、毎日午後8時から午後11時までの約3時間はメンテナンスのため利用できません。夜間に面接をして、その場で照会しようとして失敗するケースが典型です。確認タイミングは日中に寄せる設計にしましょう。

第2に、海外のIPアドレスや、VPN・プロキシなどで匿名化したIPアドレスからのアクセスは制限されています。2026年1月5日から始まった措置で、常時VPNを経由しているテレワーク環境では照会に失敗します。情報システム部門と例外設定を調整しておきましょう。

第3に、当日交付された在留カードの情報は、その日の夜間にデータ更新されるため、反映は交付の翌日以降になります。許可を受けたその日に新しいカードを照会しても、正しい結果が返らない可能性があります。急ぐ場合は読取アプリでICチップを確認し、番号照会は翌日以降に行う二段構えが安全です。

 

在留カード等読取アプリケーションで偽変造を見抜く

在留カード等読取アプリケーションは、ICチップに記録された身分事項や顔写真を読み取り、券面の記載と一致するかを機械的に突合する入管庁公式の無料アプリです。文字や写真だけを差し替えた偽造カードはICチップの内容と食い違うため、このアプリで検知できます。

在留カードのICチップは非接触型のJIS X 6322(ISO/IEC 14443)Type Bに準拠し、記録データにはECDSAによる電子署名が施されています。署名検証でデータの改ざんを検出できる設計のため、券面の印刷を模倣しただけの偽造では突破できません。

出典:出入国在留管理庁|第二世代在留カード等仕様書の公開について

読み取った氏名や生年月日が第三者に送信されることはなく、利用統計のみが収集される仕組みです。社内稟議を通す際の説明材料になります。

かつては「専用機器が必要で導入しづらいツール」でしたが、スマートフォン対応が進み、いまは現場の管理者が自分の端末で確認できる水準になっています。2026年の券面変更以降は、後述するとおり在留期間の確認そのものがこのアプリに依存するため、導入は先送りできません。

対応OSと必要な機器

アプリはPCとスマートフォンの双方に対応しています。導入前に端末要件を確認してください。

区分

対応OS

入手先

必要な機器

WindowsWindows 11(ARM/x64)Microsoft Store拡張APDU対応の非接触型ICカードリーダライタ
MacmacOS 13以降Mac App Store拡張APDU対応の非接触型ICカードリーダライタ
AndroidAndroid 12.0以降Google PlayNFC Type B対応端末
iOSiOS 16.0以降App StoreNFC Type B対応端末

導入時の落とし穴はICカードリーダライタの選定です。マイナンバーカード用として市販されているリーダには拡張APDU非対応の機種があり、その場合は在留カードを読み取れません。購入前に「拡張APDU対応」の表記を必ず確認します。

スマートフォンならリーダライタが不要で、複数拠点や派遣先での確認と相性が良い選択肢です。ただしNFC非搭載の端末や古い業務用端末では動作しないため、現場に持ち出す端末は事前に読み取りテストをしておくことをおすすめします。

2025年と2026年の2度の改修で「照会機能」と「在留期間表示」に対応

読取アプリは直近1年で大きく機能拡張されました。まず2025年(令和7年)11月14日に失効情報照会の機能がアプリへ統合され、ICチップの読み取りと番号の失効確認をアプリ内で連続して実施できるようになりました。さらに、令和8年(2026年)8月19日の改修により、新様式の在留カードおよび特定在留カードについて、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」をアプリ上で表示できるようになりました。後述するとおり、新様式カードではこれらの項目が券面から消えているため、この改修は実務上きわめて大きな意味を持ちます。

裏を返せば、アプリが古いままだと新様式カードの在留期間を確認できないということです。サポートページでは操作マニュアルもWindows版ver1.8.0、Mac版ver1.7.0、Android版ver1.11.0、iOS版ver1.10.0と更新されています。自動更新がオフの端末は要注意で、四半期に一度はバージョンを点検しましょう。

あわせて確認したいのが、ブラウザ版の照会ページです。照会機能がアプリに統合された後も、従来のWebサイトからの照会はなくなっていません。リーダライタのない端末や、アプリを導入していない拠点では引き続きこちらを使うことになります。このブラウザ版のURLが2026年1月5日に変更されているため、社内マニュアルや共有ブックマークが旧URLのままになっていないか点検しておきましょう。 

新照会先URL:出入国在留管理庁 在留カード等番号失効情報照会 

券面の目視チェックも併用する

アプリと照会システムがあっても、目視確認をやめてよいわけではありません。読み取り機器がその場にない場面での一次スクリーニングとして、依然として価値があります。従来様式の在留カードに施されている代表的な偽変造防止対策は次のとおりです。

  • 見る角度を90度変えると、文字の白黒が反転する銀色のホログラム
  • カードを左右に傾けると「MOJ」の文字が3次元的に動いて見える加工
  • カードを上下方向に傾けると、色がグリーンからピンクへ、絵柄はピンクからグリーンへ変化する
  • 強い光を当てると「MOJMOJ…」の透かし文字が浮かび上がる

これらは印刷だけで再現するのが難しく、傾けても何も変化しないカードは偽造を疑うべきサインです。ただし新様式の在留カードや特定在留カードはデザインが異なるため、従来様式の見え方だけを基準に判断してはいけません。現場担当者が独断で結論を出すのも危険です。違和感があった場合は、読取アプリでの確認と、必要に応じて最寄りの地方出入国在留管理官署への相談につなぐ手順を決めておきましょう。

出典:出入国在留管理庁|「在留カード」の主な記載内容(PDF)

2026年6月14日開始「特定在留カード」で照会実務はこう変わる

2026年に入って最も大きい制度変更が、在留カードとマイナンバーカードの一体化です。令和6年入管法等改正法のうち一体化に関する規定が令和8年(2026年)6月14日に施行され、同日から「特定在留カード」等の運用が始まりました。地方出入国在留管理官署での申請受付は6月15日からです。

出典:出入国在留管理庁|令和6年入管法等改正について

対象は、住民基本台帳に記録されている中長期在留者と特別永住者です。マイナンバーカードの取得自体が任意であるため、一体化も強制ではありません。既存の在留カードは有効期間まで有効で、直ちに切り替える必要もありません。つまり当面は、旧様式カード・新様式カード・特定在留カードが混在する状態が続きます。

出典:出入国在留管理庁|在留カードとマイナンバーカードの一体化Q&A

交付までの期間にも注意が必要です。入管庁は特定在留カードについて「通常の在留カードに比べて、交付までは10日ほど長くかかります」と案内しています。入社日や配属日を逆算する際は、この10日を工程に織り込んでおくことが実務上のポイントです。

出典:出入国在留管理庁|特定在留カード等交付申請について

券面から消える項目と、読取アプリの実質必須化

2026年6月14日以降のカードは券面のレイアウトが大きく変わりました。押さえたいのは、変更が特定在留カードだけの話ではない点です。マイナンバーカード機能を持たない新様式の在留カードでも、次の項目は券面から外れICチップに記録される形へ移行しました。

項目

従来様式の在留カード

新様式の在留カード・特定在留カード

在留期間(満了日)券面に印字ICチップに記録
許可の種類券面に印字ICチップに記録
許可年月日券面に印字ICチップに記録
交付年月日券面に印字ICチップに記録
顔写真16歳以上に表示1歳以上に表示
マイナンバー(個人番号)記載なし特定在留カードのみ裏面に記載

出典:出入国在留管理庁|在留カードとは?

この変更が意味するところは明確です。新様式のカードは、券面を見ただけでは在留期間の満了日が分からない。従来の「コピーして満了日を台帳に転記する」運用は成立しなくなり、在留期間の管理は読取アプリに頼るしかありません。一体化を選ばない外国人にも関わるため、影響範囲は想像以上に広いと考えてください。読取アプリは「あれば便利」から「なければ在留期間管理ができない」ツールへ変わったわけで、未導入の企業は早急に着手すべきタイミングです。

また、特定在留カードではマイナンバーが裏面に記載される点も見落とせません。マイナンバーは番号法上、収集・保管が厳しく制限される情報です。表裏を一律にコピーすると意図せず特定個人情報を保有する恐れがあるため、コピー運用と保管ルールは法務部門と連携して見直しましょう。

新様式カードを「偽造」と誤認しないために

移行期には逆方向のリスクも生じます。見慣れないデザインのカードを偽造と決めつけてしまうトラブルです。運用開始直後の2026年6月には、警視庁が新デザインの在留カードを偽造品と思い込み、外国人男性を誤認逮捕して約1時間後に釈放する事案も報じられました。捜査機関でさえ判断を誤りうるほど、デザイン変更と現場の認識にはギャップがあります。

出典:TOKYO MX+|警視庁が誤認逮捕 在留カードを偽造品と思い込む ネパール人男性は1時間後に釈放

面接や入場受付で同じ誤りが起きれば、差別的な取り扱いとして重大なレピュテーションリスクになります。「見慣れない=偽造」という短絡を避け、判断の根拠を必ず読取アプリと失効情報照会に置くこと。これが移行期の最も実務的な防衛策です。

社内では、新様式カードと特定在留カードの見本画像を採用マニュアルに追加し、券面から消えた項目とアプリでの確認手順をセットで周知しておきましょう。受け入れ体制づくりを外部と組み合わせて整えたい場合は、企業向けの受け入れ支援サービスのように在留資格手続きから生活支援までを一貫して扱う事業者に相談するのも選択肢です。

採用から就労開始までの在留カード照会フロー

在留カード照会は、「いつ確認するか」を決めて業務に組み込まなければ機能しません。担当者の善意に頼った運用は、繁忙期に必ず抜けます。ここでは採用から就労開始、雇用中までのタイミングごとに確認内容を整理します。

もう1つ意識したいのが、確認の目的を「就労の可否」だけに絞らないことです。在留期間の残りが短ければ入社直後に更新手続きが発生し、現場の稼働計画に影響します。資格外活動許可の有無はシフト上限を左右し、在留資格の種類は配属できる職務を決めます。つまり在留カード照会は、コンプライアンス対応であると同時に要員計画の精度を上げる作業でもあります。

前提として、事業主にはハローワークへの外国人雇用状況の届出義務があり、記入内容は在留カードの記載事項に基づきます。在留カード照会は、この届出の正確性を担保する前工程でもあります。届出を怠ったり虚偽の届出をしたりすると30万円以下の罰金の対象です。

出典:厚生労働省|「外国人雇用状況の届出」について

確認すべき3つのタイミングと記録の残し方

最低限押さえるべきタイミングは次の3つです。

タイミング

確認内容

使うツール

内定前(選考中)在留資格・就労制限の有無・在留期間の残り、番号の失効有無券面目視+失効情報照会+読取アプリ
入社日・配属前内定後にカードが再交付・更新されていないか、番号の変更有無失効情報照会+読取アプリ
雇用中(定期)在留期間満了日の管理、更新後カードの再確認読取アプリ+失効情報照会

とくに軽視されがちなのが内定前の確認です。就労できない在留資格だと入社直前に判明すれば、採用計画も人員配置も崩れます。適合性は内定通知を出す前に判定するのが鉄則です。表面の「就労制限の有無」欄にある「就労制限なし」「就労不可」などの記載でおおまかな判定ができます。ただし「就労不可」でも、裏面に資格外活動許可の記載があればその範囲内での就労は可能です。

確認したこと自体を証跡として残す設計も欠かせません。照会システムに履歴機能はないため、確認記録を残しておくことで、後日、確認を実施した経緯を説明しやすくなります。最低限、次の項目を残しましょう。

  • 確認日時と確認者名
  • 失効情報照会の結果画面
  • 読取アプリでの突合結果(一致・不一致)
  • 在留期間の満了日と、次回確認予定日

このうち次回確認予定日の設定は、在留期間切れによる不法就労を防ぐ最も効果的な仕組みです。満了日の3か月前と1か月前にアラートを立てれば、特例期間に入ってから慌てずに対応できます。新様式のカードでは満了日が券面に出ないため、アプリ読み取り時に必ず満了日を台帳へ転記する手順を明文化しましょう。なお在留カード番号は個人情報にあたるため、保管目的と期間を定め、アクセス権限を限定して管理します。

転職者・留学生で追加確認したいポイント

対象者の状況によって確認ポイントは変わります。転職者の場合、現在の職務に適合する在留資格でも、新しい職務内容に適合するとは限りません。迷う場合は、本人に就労資格証明書(入管法第19条の2)の交付を申請してもらう方法があります。行える就労活動の内容を入管庁長官が証明する書類です。

ただし就労資格証明書は許可書ではなく確認書で、交付を受けていなくても就労はできます。入管法は提示がないことを理由に不利益な取扱いをしてはならないと定めているため、「提出しなければ採用しない」という運用は避けてください。

出典:出入国在留管理庁|就労資格証明書(入管法第19条の2)

また、留学生をアルバイトとして採用する場合は裏面の資格外活動許可の記載を必ず確認します。原則として1週について28時間以内という上限があり、掛け持ちの場合は合算されます。自社の勤務時間だけを見ていると上限を超えるため、採用時に他社での就労状況を申告してもらいましょう。

出典:出入国在留管理庁|「在留カード」はどういうカード?

さらに育成就労制度が令和9年(2027年)4月1日に施行されると、技能実習からの移行や転籍のルールが変わり、確認場面は一段と増えます。いまフローを整備しておくことが、そのまま2027年への準備になります。

出典:出入国在留管理庁|令和6年入管法等改正について

 

 

照会結果が「有効ではありません」だったときの対応

照会で「この在留カード等番号は有効ではありません」と表示されると現場は緊張します。しかし、この表示が即座に不正を意味するわけではありません。誤った決めつけは本人の尊厳を傷つけ、企業にとっても大きなリスクです。まずは落ち着いて原因を切り分けましょう。

原因は入力ミス、反映遅れ、正当な理由による失効、偽造・不正の4つに大別できます。頻度が高いのは前半の2つで、偽造・不正は最後に残る可能性にすぎません。確率の高い原因から順に潰していくのが定石です。

この切り分けを担当者任せにせず、社内フローとして文書化しておくことをおすすめします。判断の手順が決まっていれば、現場が独断で内定を取り消したり、逆に確認未了のまま就労させたりする事故を同時に防げます。「誰が対応しても同じ結論になる」状態をつくることが、移行期の在留カード照会では特に重要です。

「失効」には正当な理由があることが多い

在留カード番号は次のような場合に失効します。本人に落ち度がないケースも含まれます。

  • 在留資格の変更や在留期間の更新により、新しい在留カードが交付された(従前の番号は失効)
  • カードの紛失・盗難・毀損により再交付を受けた
  • すでに出国し、在留資格を失っている
  • 在留資格が取り消された

出典:出入国在留管理庁|在留カード等番号失効情報照会について(PDF)

まず考えられるのが、古いカードを持参してしまったケースです。更新後の新しいカードが手元にあるのに、財布に入れっぱなしの旧カードを提示しただけ、という例は珍しくありません。最新のカードで改めて照会すれば解決します。

入力ミスと反映遅れも原因になります。英字と数字の取り違え、満了日の年月日の入れ違いはよく起こります。前述のとおり、当日交付されたカードは翌日以降でないと反映されないため、交付日を確認することも忘れないでください。

不正が疑われる場合の対応手順

入力ミスでも反映遅れでもなく、本人からも合理的な説明が得られない場合は慎重に進めます。

まず、その場で断定的な発言をしないこと。「偽造ですね」といった発言は、誤りだった場合に取り返しがつきません。確認できた事実(照会結果の表示、突合結果)のみを記録します。

次に、読取アプリでICチップを読み取り、券面と一致するかを確認します。読み取れない、または内容が食い違う場合は偽変造の可能性が高まります。逆に一致していれば、単に番号が失効しているだけの可能性が高いといえます。

判断がつかない場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署または外国人在留総合インフォメーションセンターに相談します。企業が独自に真偽を断定する必要はありません。並行して、確認が完了するまで配属や稼働開始を保留する判断も検討します。不法就労助長罪のリスクを思えば、数日の遅延ははるかに軽い代償です。

最後に、確認したこと・相談したこと・保留したことを時系列で記録します。これが過失のなかったことを示す最良の証拠になります。

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