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【広報部長インタビュー】経営の信念をストーリーへと落とし込む。外国人共生を「社会のスタンダード」へ導く広報の介在価値

BEYOND BORDERS
【広報部長インタビュー】経営の信念をストーリーへと落とし込む。外国人共生を「社会のスタンダード」へ導く広報の介在価値

労働人口の減少が深刻な課題となる日本において、外国人材との共生はもはや理想論ではありません。それどころか、不可欠な社会インフラとしてその重要性を増し続けています。その最前線で「信頼のネットワーク」を築き上げ、社会構造の変革に挑むのが、私たちGTNです。

今回は、大手IT企業からベンチャーまで、広報としてのキャリアを研鑽し続けてきた籔本さんにインタビュー。GTNでの挑戦を選んだ理由や、GTNにおける広報の面白さについて詳しくお聞きしました。

籔本 春 / 広報部 部長

国際基督教大学卒業後、日鉄ソリューションズ株式会社に入社。営業職としてITの現場を5年経験した後、広報部へ異動。グループ7000名規模(当時)の組織にて、社内・社外広報およびブランディングのリーダーを歴任する。その後、株式会社ビービットへ転職し、マーケティングと連動した戦略的広報を推進。2025年より株式会社グローバルトラストネットワークスに参画し、現在は広報部長として、経営直下で全社のPR戦略とリブランディングを統括する。

大手からベンチャー、そしてGTNへ

ーー籔本さんのファーストキャリアは大手IT企業かと思いますが、なぜIT業界に進んだのでしょうか?

当時はまさに世の中がITへと大きく舵を切る過渡期にあり、これからはITの知見を持つことが不可欠になると感じていたんです。私は生粋の文系人間でしたが、そういった背景があり、営業職として、社員の8割がエンジニアという日鉄ソリューションズへの入社を決めました。

自分とは全く異なるタレントを持ったプロフェッショナルたちが集う環境に身を置き、彼らの力を最大限に引き出すような仕事ができれば、きっと面白い価値が生み出せるだろうとも考えていましたね。

ーーそこから営業を5年ほど経験されていますが、その後、広報という仕事に携わるようになったきっかけを教えてください。

社内の異動が直接のきっかけでしたが、これが私のキャリアを決定づける大きな転換点となりました。

当時はこの職種の全容を深く理解していたわけではありませんでしたが、営業で培った「顧客や仲間の良さを発見し、外に向けて価値を伝える」というマインドは、広報の本質にそのまま通じていると感じたのを鮮明に覚えています。

ーーシステム開発といった「形のないサービス」を広報するのは、非常に難易度が高いように感じます。

まさに形のないものだからこそ、何をどう広報すべきか、正解が見えず非常にチャレンジングな環境でした。

システム会社というものは、自社単体で価値を完結させるのではなく、クライアント企業や自治体と一緒に動いて初めて社会に具体的な価値を出せる存在です。そこで、自社の機能そのものを語るのではなく、クライアントとの「共創」によって社会にどのようなインパクトが生み出されているのかを徹底的に言語化することを意識しました。

ちょうど「DX」という言葉が広まり始めた時期でもあり、時代の文脈に乗りながら企業の強みを再定義していく面白さを肌で感じましたね。

ーーその後、10年在籍した組織を離れる決断をされていますが、その理由は何だったのですか?

恵まれた環境で多くの経験を積ませていただく中で、自分の力を別の環境でも試してみたいという気持ちが次第に強くなっていったことが理由です。よりスピード感のある環境に身を置き、広報としての専門性をさらに磨きたいという欲求が芽生えていました。

そこで、次に選んだのが当時「アフターデジタル」という書籍で注目を集めていたベンチャー企業、ビービットです。徹底したユーザー視点を貫く企業の姿勢に強く惹かれ、新たな挑戦の場を求めて転職を決意しました。

ーービービットには3年間在籍されていますが、そこでの経験は、籔本さんにとってどのような意味を持っていましたか?

UXを徹底的に追求するプロフェッショナルな環境で、マーケティングと連携して具体的なリード獲得につなげる広報に挑戦しました。

数字として成果が見える手応えを感じる一方で、事業の転換期にあったこともあり、広報に求められる役割や期待も変化していくフェーズでした。広報として、事業成長への貢献に加え、会社と社会の架け橋となる中長期的な価値の創造にエネルギーを注ぎたいと考えるようになりました。自分の専門性をどのように発揮していくかを改めて模索し始めたタイミングで、偶然にも出会ったのがGTNだったのです。


幼少期の原体験と、GTNという「ビジネス」が繋がった瞬間

ーー多くの選択肢がある中で、GTNに興味を持ったのはなぜですか?

一番の理由は、GTNが取り組んでいる「外国人の暮らしを支える事業」そのものが、私の人生に深く根付いていたテーマだったからです。

私の両親は元ジャーナリストで、バングラデシュやミャンマーといった国々と、非常に深い繋がりを持っていました。そのため、物心ついた時から、母国を離れて日本で挑戦にきた方々を家族として迎え入れ、共に食卓を囲み、時に生活の手助けをするのが当たり前の光景として存在していたんです。こうした背景があったため、「日本で暮らす外国人と共に生きること」を、ごく自然なものとして捉えていました。

ーーGTNの事業が、籔本さんにとっては身近な日常だったのですね。

そうですね。ただ、私の場合は、あくまで家族ぐるみの個人的な活動の域を出るものではありませんでした。ところがGTNは、この領域を慈善事業としてではなく、継続可能な「ビジネス」としてしっかりと成立させている。このことに当時は驚きましたね。

それまでは、自分が大切にしてきた「多文化共生」というテーマと「仕事」は別物だとどこかで切り離して考えていたのですが、GTNに出会ったことで、その二つが自分の中で自然に繋がった感覚がありました。「ここなら、腰を据えて事業成長にコミットできる」と感じられたことが、入社への大きな決め手になりましたね。

ーー広報の視点からは、この領域にどのような可能性を感じましたか?

広報の本質は、会社や事業と社会をつなぐ架け橋になることだと考えています。特にこの外国人支援という領域は、社会的な関心が非常に高い一方で、どうしても感情的な議論になりやすく、誤解やネガティブな反応も生じやすい極めて繊細な分野です。

沈黙していれば、世の中に誤解が広がってしまうリスクがある。だからこそ、事実ベースで丁寧に届け、理解者を増やしていく広報の力が、何よりも必要とされている場所だと感じました。

適切なナラティブを構築し、社会の認識を変えていくことができれば、外国人との共生は単なる理想や慈善活動の域を超えられるはずです。日本という国にとって、なくてはならない「不可欠なインフラ」として社会のスタンダードを書き換えていく。その大きな変化の起点になれることに、広報として可能性を感じています。


経営の思いを物語へと落とし込む。主体となって推進する戦略的コミュニケーション

ーーGTNへの入社後、広報組織をゼロから立ち上げられたと伺いました。

入社した当初、広報は総務部内の一セクションという立ち位置でしたが、数ヶ月後には「広報部」として独立することになり、そこを推進させていただきました。これまでの取り組みや積み重ねを引き継ぎながらも、事業の拡大に伴い、広報に求められる役割も変化しているタイミングでした。そのため、改めて注力すべきターゲットや発信内容、各施策の位置づけを整理し、経営や各事業部と対話を重ねながら、広報として何を担うべきか、どのように事業に貢献していくのかといった方針や基盤を整えていきましたね。

組織図上の変化だけでなく、会社が広報に期待する役割が、より経営戦略に近いものへと広がっていった結果だと捉えています。

ーー現在の役割についても教えてください。

現在の役割は、各事業の取り組みや、経営陣の抱く信念、そして現場での実践といった「点」を繋ぎ合わせ、一つの「ストーリー」として編集し直すことです。

手法はプレスリリースやオウンドメディア、イベント、あるいはコーポレートブランディングなど多岐にわたりますが、大切なのは手段を限定せずに物語を届ける導線を設計することだと考えています。

情報を発信して露出を稼ぐだけで満足せず、それがどう事業に結びつくのか。例えば、発信した内容が営業現場の武器になり、実際のお問い合わせや商談創出にどう繋げられるかといった、事業成長への貢献までを一貫したロジックとして構築することに注力しています。

ーー具体的な事例の1つとして、大規模イベント「GTN Beyond Borders Summit」がありますが、こちらも入社まもない時期から、籔本さんが中心となって主導してこられたそうですね。

そうですね。実は、入社初日に社長から「大規模なイベントを通じて、GTNのメッセージを届けたいんだよね」と声をかけられたのが始まりだったんです(笑)。広報組織の立ち上げを進める一方で、この大きなプロジェクトを並行して動かしていくことになりました。

具体的には、事業への理解を深めながら、代表の持つ大きなビジョンをいかに具体的な形に落とし込み、社会へと接続させていくか。その骨組みを創ることが、当初の大きなミッションの一つになっていましたね。

ーーすごいスピード感と裁量ですね。実際、どのようにして推進していったのですか?

まずは、目的の徹底的な言語化を行いました。このイベントは誰に向けたもので、どのような変化を起こしたいのか。華やかなお祭りに終わらせないために、GTNが今このタイミングでサミットを開催する理由と意義を整理し、経営陣と何度も突き合わせを行いました。
このプロセスを丁寧に行ったことで、事業戦略と密接に紐付いたサミットとしての骨格が固まったと感じています。

▼GTN Beyond Borders Summit 特設サイト

ーー当時は外国人雇用を巡る社会的な議論も活発で、プロジェクトを進める上での苦労も多かったのではないでしょうか。

そうですね。当時は社会的な機運としても非常にデリケートな時期で、「外国人」というテーマで企業が公の場に出ることに対し、慎重な検討を要する状況がありました。実際に、先進的な取り組みをされている企業様にお声がけしても、それぞれのご事情やタイミングもあり、すぐにご一緒できるとは限らない場面もありましたね。

ーー 一筋縄では行かなかったのですね。

はい。ただ、既存のイベントの多くが個別テーマに限定されたものが多い中、経営・事業・社会の視点を横断しながら、多文化共生というテーマを立体的に捉える場は、まだ十分に存在していないと感じていました。

だからこそ、このプロジェクトが持つ社会的な意義と、GTNが見据える未来への想いを丁寧に伝え続けることで、志を共にする方々に少しずつ共感いただき、最終的には大きな形として実現することができました。

ーーこの大規模なイベントを手がけての感想も教えてください。

私自身は、プロジェクト全体をリードする立場として、体験設計や進行管理、意思決定を担いながら、チームでプロジェクトを推進していきました。

プレッシャーを感じる場面もありましたが、それぞれの強みを活かしながら進めたことで、参加者の理解や共感を深め、その後の対話や連携につながる場をつくることができたと感じています。この経験を通じて、広報という立場から戦略的に物事を動かす力とチームで成果を出す手応えの両方を得ることができました。

ーー最近は、大手経済メディアとのタイアップも増え、発信の仕方が変わってきている印象がありますがどんな意図があるのでしょうか?

事業フェーズとしても、認知を広げていくことの重要性はこれまで以上に高まっています。企業や事業が社会に対してどのような価値を提示し、どのような未来を本気で創ろうとしているのか。その深い思想の部分までは、名前の浸透だけでは伝えきれない側面もあると感じています。

だからこそ現在は、誰にでも広く届けるのではなく、必要な人に対して、事業や取り組みの背景や価値などの「文脈」を届けていくことを重視しています。そのため、各ステークホルダーが日常的に信頼して触れているメディアを厳選し、GTNの解像度を最短で高めてもらうための戦略的な投資へと舵を切りました。

また、外部メディアでの発信に加えて、オウンドメディアを通じて、企業や現場で外国人と働く中での課題や実践などを継続的に共有し、実務に活かせる知見として届けていくことにも取り組んでいます。

ーー外部メディアとオウンドメディアを組み合わせた、戦略的な情報発信ですか。

はい。露出を増やすことではなく、その発信を通じて読み手の認識をどう変えていけるか。そうした意識の変容を前提とした媒体選定こそが、現在のメディア戦略の核心だと考えています。

メディアリレーションズ活動を通じて、一過性ではない中長期的な「信頼のストック」を積み重ねていくことも、重要視しています。日々の情報提供や対話を通じて、私たちの取り組みや姿勢を継続的に理解していただく。その積み重ねが、結果としてより深い形での発信や共感につながっていくものだと捉えています。

こうした取り組みを通じて、「便利なサービスプロバイダー」という枠を超えて、「共生社会のスタンダードを創り変える存在」としての立ち位置を、着実に社会へ提示していきたいと思っています。


目指すは「信頼のインフラ」の具現化。未知の領域を共に切り拓く仲間へ

ーー社内向けのブランディングについても意識されていることがあれば教えてください。

営業の現場や採用面接、あるいは家族や友人に自分の仕事について話す時など、社員が「GTN」を語る機会は日常の中に無数にありますよね。

そういった場面で、GTNの社員一人ひとりが、自らの言葉で会社のビジョンを語ることができる。そんな状態を作り上げていくことを意識しています。
現在は、新しいミッション・ビジョン・バリューを軸に、人事と連携しながらその浸透を進めている過渡期にあります。共通の言葉ができた一方で、それを各事業の取り組みにどう具体的に接続していくか、社内外の発信のトーン&マナーをどう揃えていくかといった部分について、まさに今整えている段階です。

その中で、広報としては、GTNの信念や実践を、事業と結びつけながら解像度高く言語化し、誰もが自分の言葉で語れる状態をつくっていきたいと考えています。最終的には、「全員広報」として、社員一人ひとりの言葉が自然に社内外へと伝わっていくような状態を目指しています。

ーー社会全体に対しては、今後どのようなインパクトを与えていきたいですか?

外国人との共生というテーマを、理想や善意としてではなく、日本という国にとって「必要不可欠なインフラ」として再定義していきたいと考えています。この市場が拡大していくことはもはや自明ですが、その中でどのようなスタンダードが築かれていくのかという点は、今まさに大きな転換期にあると感じています。

これはGTN一社だけで実現できるものでは当然なく、企業や行政、自治体、教育機関など、さまざまな主体を巻き込みながら、全体で前に進めていく必要がある大きな挑戦です。

その中でGTNは、それぞれのステークホルダーをつなぎ、「国境を越えた信頼」を支える基盤を構築することを目指しています。これは今の社会の常識からすれば、非常に大きなジャンプを必要とする壮大な構想かもしれません。しかし、GTNがその旗印を掲げ、社会の認識を塗り替えていくことで、世の中の当たり前そのものを変えていけるはずです。

ーー最後に、これからGTNへの参画を検討されている方へ向けてメッセージをお願いします。

何よりも誠実な人と一緒にこの挑戦を続けたいと考えています。

この外国人共生という領域は、世の中の不条理な現実に直面することも多く、あらかじめ用意された正解があるわけでもありません。時には難しい判断や葛藤に向き合う場面もあり、その中で何を大切にするかが問われる仕事でもあります。だからこそ、自分自身に対しても、そして周囲に対しても誠実に向き合い続けることが、物事を正しい方向へ進めるための指針になると考えています。

そして、自分とは異なる強みを持つ仲間との掛け合わせを、心から楽しめる方。GTNには個性豊かなメンバーが揃っていますが、目指すべき未来への熱量は皆共通しています。そんな多様な仲間と共に、社会の新しいスタンダードを創り変えていく。この挑戦のプロセスを、ぜひ一緒に楽しんでくれたら嬉しいです。



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