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【取締役インタビュー】外国人が金融を「当たり前」に使える社会へ。ゼロから市場をつくる挑戦

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【取締役インタビュー】外国人が金融を「当たり前」に使える社会へ。ゼロから市場をつくる挑戦

株式会社グローバルトラストネットワークス(GTN)は、創業から約20年にわたり外国人の生活を支える生活総合プラットフォームを展開しています。

今回は、株式会社丸井グループで経営企画や新規事業の立ち上げを歴任し、出向を経てGTNへジョインした取締役の片平さんにインタビュー。なぜ長年勤めた会社を離れ、GTNでの挑戦を選んだのか。そして、これまで培ってきた経験を生かし、外国籍の方が金融サービスを当たり前に利用できる社会をどう実現しようとしているのか。GTNで金融事業をつくる面白さと、これから目指す未来について聞きました。


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片平 潤/取締役 外国人共生事業本部副本部長 グローバル金融事業部事業部長

1995年、株式会社丸井に入社。2018年に株式会社丸井グループへ転籍後、同社から当社へ出向。2020年に事業開発室グローバルファイナンス推進担当部長、2021年に事業開発室担当部長を歴任。2023年に丸井グループを退社し、当社に移籍。現在は取締役としてグローバル金融事業部を統括。



大手で培ったアセットを胸に、これからのキャリアを「社会の役に立つ事業」へ

ーーまずは、片平さんのこれまでのご経歴について教えてください。

大学を卒業し、当時の株式会社丸井に入社したのが私のファーストキャリアです。最初は店舗からのスタートで、婦人服や子供服売り場の担当として勤務しました。新店の立ち上げも経験しましたね。その後、2000年に本社へ異動し、子供服や婦人服のバイヤーとして、プライベートブランドの製造からお取引先様との交渉まで、幅広い商品企画に携わりました。

そこからは商品部全体の販促企画や数値管理などを担い、さらに丸井グループ全体の全社戦略を企画、推進する経営企画へと異動。当時の代表を含めて経営層と議論を重ねながら、会社全体の事業戦略に携わった後、グループ会社である株式会社エポスカードへ移り、事業企画として新サービスの企画や優待施設の開拓営業などを担当してきました。

ーー丸井グループの中枢で多岐にわたる重要なポジションを歴任されてきたのですね。そこから、どのような経緯でGTNに関わることになったのでしょうか。

丸井グループとGTNの資本業務提携に伴い、2018年に出向したのが最初のきっかけです。

参画後は、両社の提携によって生まれた「GTNエポスカード」の啓蒙活動やコールセンターの立ち上げ、さらには外国人向けの運転免許ローン保証の組成など、金融領域のサービスをゼロから立ち上げる業務に5年半ほど携わりました。

ーー5年半の出向を経て、丸井グループを退職し、GTNへ正式に転職されています。ベンチャー企業へ移ることに、迷いや葛藤はありませんでしたか?

もちろん、迷いはありました。丸井グループは、社員や株主、お取引先様に対しても真摯で、社会貢献にも非常に力を入れている素晴らしい会社です。私自身、長く勤めて愛着もありましたし、家族からは「上場企業からベンチャー企業へ移って本当に大丈夫なのか」と心配の声もありました。最後は家族の理解と後押しを得て決断しました。

ーーそこまでして、GTNへの入社を決断された最大の「決め手」は何だったのでしょうか。

大きな理由の1つは、これからのキャリアを「自分の生きていく意味」と照らし合わせたことです。転職を考えた時、私は49歳でした。ビジネスパーソンとしての時間が限られていく中で、自分がこれまで培ってきたスキルやノウハウを、どこでどのように使えば最も世の中の役に立てるのかを真剣に考えていましたね。

当時のGTNは多様なメンバーが活躍する活気ある組織でしたが、私のような年齢・バックグラウンドを持つ人間はまだ多くありませんでした。だからこそ、「私が培ってきたスキルやノウハウを還元し、事業の成長を後押しできれば、より大きな社会貢献につながるのではないか」と考えたんです。

GTNという会社自体が、明確な社会課題の解決に取り組んでいる。そのため、ここで働き、会社の成長に寄与することが、社会の役に立つことに直結していると信じられたのが最大の決め手でした。また、常に新しいことに挑戦し続けるGTNの社風や、代表の後藤が掲げるビジョンに深く共感したことも大きかったですね。


信用情報の不在・リスク管理・言語。外国人が直面する「金融の壁」をどう乗り越えるか

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ーー現在、片平さんが統括されている金融事業のミッションや、目指している世界観について教えてください。

端的に言うと、「外国籍の方が、不自由なく金融サービスを利用できる環境をつくる」ことです。日本で暮らす外国籍の方は増えていますが、金融サービスを利用する上では、言語や日本での信用実績など、さまざまなハードルが残っています。

私たちは、そうした一つひとつの課題に向き合い、外国籍であることによって金融サービスの選択肢が狭まることのない環境をつくっていきたいと考えています。

ーー外国籍の方が日本の金融サービスを受けづらい背景には、具体的にどのような要因があるのでしょうか。

大きく分けて3つの要因があると考えています。1つ目は「信用情報の不足」です。海外から日本に来たばかりの方は、日本国内における「クレジットヒストリー」がありません。金融は信用で成り立っているため、この情報がないこと自体が大きな障壁になります。

2つ目は「リスク管理の難しさ」です。在留期間や帰国の可能性など、日本人とは異なる要素も踏まえたリスク管理が必要になります。金融機関側にも、それらを適切に把握し、判断するための仕組みが求められます。

3つ目は「言語や制度理解の壁」です。金融商品は、契約内容や手続きが複雑なものも多く、日本語に不慣れな方や日本の金融制度に馴染みのない方にとっては、内容を正しく理解すること自体がハードルになる場合があります。一方で、金融機関側にとっても、多言語で複雑な金融商品を分かりやすく説明し、個々の事情に応じて細やかにサポートするには、専門的な体制やノウハウが求められます。こうした言語と制度の両面における壁が、外国籍の方への金融サービスの提供を難しくする要因の一つになっています。

ーーこうした課題がある中で、なぜGTNは金融サービスを提供できるのでしょうか。GTNならではの強みをお聞かせください。

GTNには、これまでの事業展開で培ってきた強力な基盤があります。その1つが「リスクマネジメント」です。私たちは家賃保証事業などを通じて、自社で独自の審査ならびに債権管理を行うノウハウを長年蓄積してきました。金融において最もハードルが高い回収業務を自前で行える体制があることは、大きな強みです。

それに加えて、「多言語でのサポート」も持ち合わせています。多言語での対応・相談を行う専門部署があり、言語の壁を越えてしっかりと対応できる土壌があります。

そして、「集客力」、言い換えれば外国籍の方々にサービスを届ける接点と仕組みがあることも、大きな強みです。金融サービスは、つくるだけでは利用者には届きません。GTNには、住まいや通信、人材など、さまざまな事業を通じて、多くの外国籍の方々との継続的な接点があります。こうした事業基盤を活かしながら、すでにGTNと接点のある方々に加えて、金融サービスを必要とする方へ新たな選択肢を届けていけることは、金融事業を立ち上げ、広げていく上で大きな強みだと考えています。


社会課題解決とビジネスの両立。泥臭く市場を創る面白さ

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ーーその3つの強みを活かして、現在どのような金融サービスを展開されているのでしょうか。

現在主力となっているのは、「GTNエポスカード」と「運転免許ローン保証」の2つです。どちらも、丸井グループ様との強固なアライアンスによって実現したサービスです。

GTNエポスカードは、外国籍の方の日本での暮らしを支えるクレジットカードとして、丸井グループ様と協業してつくりました。GTNのサービス利用を通じて培ってきたお客様との接点や関係性を活かし、これまで金融サービスを利用する上でハードルを感じていた方にも、新たな選択肢を提供しています。私たちは、お客様へのご案内や申し込み時の三者間通訳など、生活・言語面でのサポートを担いながら、サービスを推進しています。

ーー「運転免許ローン保証」についても、立ち上げの背景を詳しくお聞かせいただけますか。

実は、外国籍の方が教習所に通おうとした際、費用面でローンを利用したくても、言語面・リスク管理のハードルがありました。

そこでGTNが言語サポートとローンの保証に入り、リスクを引き受けるスキームを提案しました。私たちが審査・保証・債権管理を担うことで、丸井グループ様はローンを提供でき、教習所はお客様を受け入れられ、何よりお客様は免許を取得できるという「四方よし」の形を実現したのです。こうして、それぞれが単独では解決することが難しかった課題を、各社の強みを組み合わせることで解決し、新しいサービスとして形にすることができました。

ーーリスクを取りながら前例のない市場を創っていくことは、非常に難易度が高いと思います。推進する中で苦労された点はありましたか?

新しいサービスを作る時、特に制約の多い金融領域では、さまざまな関係者を巻き込む「泥臭さ」が求められます。既存のサービスに関しても、丸井グループ様、教習所様そして社内の各部署との調整やコミュニケーションにはかなり時間をかけました。ただ、私自身はそれを「苦労」だとは思っていません。

その理由は、協力企業様にも私たちが実現したいことに共感いただけたことに加え、審査や債権管理など、社内のさまざまな領域のメンバーが力を合わせ、実現に向けて動いてくれたからです。新しいサービスを形にするためには、一つの部署だけではなく、それぞれの専門性を持つメンバーが連携し、社内外が一丸となって取り組むことが欠かせません。さまざまなメンバーがそれぞれの役割を担い、力を尽くしてくれたからこそ、サービスとして実現することができたのだと思います。

ーーどのように周囲を巻き込んでいったのですか?

アライアンス先との交渉では、外国籍の方にサービスを提供する上で想定されるリスクについても、曖昧にせず正面からお話しすることを心がけました。こうしたリスクに対してGTNがどのような役割を担い、どう管理していくのか。その上で、「なぜこのサービスに取り組む意義があるのか」を丁寧に伝えながら、一緒にチャレンジしていただけるよう働きかけました。決して簡単ではない地道なプロセスを経ますが、自分のアイデアから、これまで届かなかった人にサービスを届ける仕組みをつくり、それを持続可能な事業として成立させていく。社会課題の解決とビジネスを両立させながら、新しい市場を自分たちの手でつくっていける。この手触り感こそが、この事業に挑む面白さであり、やりがいだと感じています。


金融を「当たり前に享受できるインフラ」へ。

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ーー今後の金融事業の展開や、見据えているビジョンについてお聞かせください。

今後は、GTNが展開する住まい・通信・人材などの事業と金融をさらに連携させ、外国籍の方々の生活の選択肢を広げるサービスをつくっていきたいと考えています。

金融は、外国人の方の日本でのライフジャーニーに長く寄り添うために欠かせないインフラです。金融が各事業をつなぐことで、お客様の生活の選択肢を広げ、よりスムーズに必要なサービスを利用できる環境をつくることができます。その結果として、一人のお客様とより長く関係を築き、LTVを高めていくことにもつながります。

そもそも金融とは、「信用」を可視化し、蓄積していく仕組みそのものです。そのため、この金融インフラの構築が、GTNが掲げるビジョン「国境を越えた信頼創造プラットフォームの構築」の実現に向けた重要なピースになると考えています。

ーー事業を拡大していく上での課題などはありますか?

もちろん課題がゼロということはありません。私たちは市場自体を開拓している立場であるからこそ、ただサービスを提供するだけでなく、その土壌部分も整えていかなければなりません。その一つが、外国籍の方が日本の金融サービスを安心して利用するための「金融リテラシー」の向上です。

国や地域によって金融制度やクレジットカードの利用習慣は異なります。来日したばかりの方にとっては、日本の仕組みや利用上の注意点が分かりにくい場合もあります。だからこそ、サービスを提供するだけでなく、正しく理解し、安心して利用していただくための情報を届けていくことも重要だと考えています。

ただ、これを個別のサポートで終わらせるのではなく、金融リテラシーを高めるための仕組みをどう事業の中に組み込んでいくかという点には、まだまだ大きな余白が残されています。こうした課題に対して、これまでの知見を活かしてブレイクスルーを起こしていく、そしてそれが業界のスタンダードとなり、他の金融機関も安心して外国人にサービスを提供できるような社会になっていくプロセスは、非常に面白い部分だと思いますよ。

ーー最後に、GTNが目指す最終的な社会の姿と、これからジョインする方へのメッセージをお願いします。

私たちが目指すのは、誰もが分け隔てなくサービスを受けられる社会です。国籍によって、暮らしの中の選択肢が制限されることのない社会をつくりたい。外国籍の方も、日本人も、同じ生活者として必要なサービスを当たり前に選び、安心して暮らせる。「外国人」という言葉自体が意識されないくらい、誰もが当たり前にサービスを享受できる世界を創りたいと考えています。金融事業は、そのための一つの手段にすぎません。

この挑戦には、未知の領域に挑む「チャレンジマインド」、複雑なステークホルダーを巻き込んで事業を推進する「突破力」、そして多様な価値観を統合して仕組みに落とし込む「柔軟性」が不可欠です。

自らが企画・実行することが、社会のアップデートに繋がり、新しい共生社会のインフラとして実装されていく。GTNには、そんな事業構築の醍醐味と手触り感を味わえる環境があります。単なる利益追求ではなく、社会的意義のある事業の拡大に力を注ぎたい。そう願う方と共に、この未開の市場を切り拓いていけることを心から楽しみにしています。

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